【本編完結済】ホロライブ・オルタナティブ~If this is inevitable fate, I will call it a curse~ 作:らっくぅ
主に期末レポートとか春休みのモチベ低下とかモンハンとか。
これからはぼちぼち頑張ります
「風が騒がしいな…」
「ね、ね、フレアさん。あっちの方、見てくださいよ!」
ラミィに言われ、木に登り森の外を見ると、黒煙が何本も立ち上っていた。
「黒煙…あそこは確か人間の町だったな」
「もっと遠くの方っ、あの大きい建物の群れのとこですっ! なんか機械人形がめちゃくちゃいますよ」
眼を凝らすと、黒煙の根元、建物から無数のアンドロイドが這い出ていた。
「あいつら…町を襲っているのか。ふん、機械に頼るからこうなる」
フレアは冷たく言い捨てる。
「もーっ、またそんな事言って! 助けに行きましょうよ、フレアさん」
「……ラミィ本気で言ってるの? エルフが人間を? 馬鹿馬鹿しい、愚かな人間を救ったところで私たちに何の得が?」
ラミィの提案に、フレアは呆れたような視線を投げかけ、そして理解できないと言うように首を振った。
「損得とかじゃないですよ。
ラミィはフレアを見据える。本気で人間を助けようと考えているようだ。
「……」
フレアは思い出す。この前訪れた、あのお人好しな人間のことを。何故か分からないが、懐かしさを感じてしまうあの青年を。
「人間は、フレアさんの思っているほど愚かな人ばかりじゃないと思いますよ。救う意味は、あるんじゃないですか?」
*
先ほどノエルとぼたんがいた所よりさらに奥、工場地帯付近に来るとアンドロイドの数は激増した。ちょうどここから市街地全体へ拡散しているようだ。
「ベルナバイドの時よりは楽だけれどっ…ちょっとうざったいな、ッと!」
メルは敵陣の真上を飛び、ヘイトを集める。そして襲いかかる弾丸の数々を華麗に避けながら〈
「早くしないと敵がどんどん増えてく。あんまりゆっくりできないけど…ちょっと厄介だなこれ」
敵──アンドロイドは今この瞬間も、ジャックされた工場でヘーミッシュの手駒として生み出され続けている。しかし、こちら側には面制圧に長けた者がいない。ノエル達は戦力こそ劣ってはいないが、このまま増え続けていたらアンドロイドに数で圧倒されてしまいそうだ。ベルナバイドでの魔物襲撃とは、また違った苦しさがあった。
るしあはシオンに〈
「シオン先輩、広範囲の魔法でゲート付近の、吹き飛ばせないのですっ?」
『うーん、やってもいいけどほんの一瞬しか道開かないし、何より魔力が保たない!』
「それをやるにしても、まずは警官様をゲートの操作盤まで辿り着かせねばならんぞ!」
あやめの言うように、例え流れ出る敵の量を瞬間的にでも減らせたとしても、ゲートが閉まらなければ意味がない。そして、それを唯一可能とする人物をそこまで送り届けるには、敵の壁が厚すぎた。
「ぼたんちゃん、何かいい感じの武器持ってない?」
「注文がアバウトすぎるでしょノエル。残念ながら現状を打破できる兵装を私は持ってないよ。一度に数十、数百体も薙ぎ払うなんて、それこそ魔法じゃないと無理じゃない?」
ノエルの雑な要求に呆れるぼたんだったが、
「それ、私達が引き受けるよ」
予想外の方向から予想外の声が聞こえてきて、思わず彼女は振り返る。
*
「APRIL、センチュリオンはまだ出せないのかっ⁉︎」
『申し訳ございません。現在、火器及び火器管制システムの再構築中です。』
「おいおい貴様は他人のことばかり気にするな。よほど余裕があるみたいだが、スーツのパワーが落ちていることは分かっているんだぞ!」
「ッ‼︎」
十数体目のヘーミッシュを倒し、ゲート付近のアンドロイドを撃破していると、後ろから再び新たなヘーミッシュが襲いかかってきた。
(くっ…! もう、「超電磁砲」の限界が…このままじゃ…っ)
寸前でブレードで防御し、スメラギは後ろへ飛び退く。このままではジリ貧だ。超能力の使用に限界がくれば、それを動力源としているパワードアーマーも必然的に使えなくなってしまう。しかし、この状況を打破する手段を、スメラギは持っていなかった。持っていたとしても、使うことはできなかった。
「なぁ、そんなにすぐ終わってくれるな。
無数のアンドロイドの合間を縫い、ヘーミッシュはスメラギに肉薄する。
「⁉︎」
その時だった。
空から輝かしいほどの光の雨が降り注いだのは。
*
「えっと、あなた達は…エルフ? 外とは干渉しないはずじゃ?」
ぼたんのその言葉に、後方で戦っていたるしあも振り返る。
「え…? っうそ…」
そこには、4人のエルフがいた。本来なら守るべきはずの存在が。
「外の人間達があんまり騒がしいから鎮めにきただけ。それ以上でもそれ以下でもない」
「すぐ憎まれ口叩いて〜本当の本当は見過ごせなかったんでしょう?」
「ラミィうるさい。…さっさとやってさっさと帰るから」
褐色肌のエルフ──フレアは弓に矢をつがえ、引き絞る。狙いはゲート付近のアンドロイド達……ではなく、その直上。
「ふっ…‼︎‼︎」
弓から勢いよく矢が放たれる。天空に向かって飛ぶ矢は次第に光を帯びていく。白く、神聖な煌めきを。
その煌めきはある高さまで昇っていくと、ボウワッッッ!!! と無数の小さな光に分裂し、地上へと降り注がれていく。
ガガガガガガガガ!!!!!!!! と。無数の光の雨がゲート付近のアンドロイドを貫き、次々と戦闘不能にしていく。
「すご…あれだけで100体は倒せたんじゃない…?」
「じゃあ次は私がっ」
癒し系のような印象を与える青髪のエルフ──ラミィは前線に立つと、両手を前に伸ばす。すると、青白い光と共に魔法陣が展開される。
「〈
「‼︎⁉︎」
ノエル達がいる場所からゲートまでの、ほぼ全てのアンドロイドがその風に晒され、動きを停止する。
あまりの低温に、エネルギーを供給するブルーブラッドが凍結してしまったのだ。
「ではお二人とも、よろしくお願いします」
その声に2人のエルフの男が応じる。それぞれの持つ剣と槍でもって。
「おう、後輩ちゃんに支援されるのはなかなか良いもんだね」
「それは…皮肉と受け取っておこうかッ!!!」
膨大な魔力を武器に宿し、凍結している敵に向かって突きを繰り出す。たったそれだけで。
グッッッシャァッッッッ!!!!! と、魔力の波、というより壁に押し潰されるようにアンドロイド達は破砕されていく。
「たった一瞬でこれほどの量を…。一体何が…⁉︎」
驚愕するスメラギを横目に、ヘーミッシュは満足そうな笑みをたたえる。
「ほう…イレギュラーというのもたまには良いものだな。ここに留まっていたのも無駄ではなかった」
「何をっ‼︎」
ギィン…‼︎
スメラギの繰り出した一撃を防御しつつ、ヘーミッシュは後ろに高く跳躍する。
「これ以上は時間の無駄だな。
ヘーミッシュは余裕ありげにそう宣言すると、そのまま無数のアンドロイドの群れの中に飛び込み、そして消えた。
「くっ…!」
「スメラギさーん! そろそろ逃げよぉー!」
箒に乗って上空からシオンが叫ぶ。ゲートが閉まるのだろう。スメラギは後ろ髪を引かれる気持ちだったが、自分にこれ以上の余力もなかったため、シオンとともに閉まりかけのゲートの外へ飛び出す。
直後、2人を追うアンドロイドを押し潰しながら、ゆっくりとゲートが閉まった。
「ふぅ〜間一髪!」
「警官様!」
「あぁっ! ……これで消えろ、機械人形どもっ‼︎」
ヅバヂィィィッッッッッッ!!!!!!!!! と。
目の前で雷が落ちたかのような凄まじい轟音が周囲を叩き、ゲート内のアンドロイド達に電磁波が直撃する。
*
大音量の音楽を聴き終えた後周りがやけに静かに聞こえるかのように、辺りは静寂そのものだった。
「……これで終わりかしら?」
「とりあえず敵の増加は防げたな。あとは」
「うん。町に残ってる奴らを破壊するだけだね」
と、そこへシオンとスメラギがノエル達の元へ戻ってくる。
「やっほーただいまぁ〜」
「ノエル達、ありがとう。しかしあの攻撃はいった…い……」
そこでスメラギは言葉が出なくなる。目の前にいたのは、先程の光の雨を降らした張本人。そしてヘーミッシュ達が狙っていた人物たち。
すなわち。
「フレア、ラミィ…」
「…スメラギ?」
他の作品も書きたいので早く終わらせに行きたいところ