【本編完結済】ホロライブ・オルタナティブ~If this is inevitable fate, I will call it a curse~   作:らっくぅ

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先日、ホロライブオルタナティブの2ndティザーPVが公開されましたね。0〜5期生全員出演は予想していましたが、EN+IDも出演するとは…中々やってくれますね。
創作に大いに活かしたいところではありますが、本作で活用できそうなところがほとんどないのが残念( ´・ω・`)


39話 切り札⑴

「ねぇっ! 何か減ってるように思えないんだけどっ!?」

 

「それどころか、どんどん増えてるような…」

 

 戦闘が始まってから既に数時間が経過している。だというのに、ヘーミッシュが全滅する気配がない。

 

 何か様子がおかしいことに気がついたメルは上空へ上がり、周りを見渡す。

 

「…あっ! あそこ! 遺跡からどんどんやって来るよっ!」

 

 メルが指を差した方向には、工場遺跡があった。ヘーミッシュはそこから自身を量産し、逐次投入しているのだ。

 

「あっちまで行きたいんだけど…っ!」

 

 メルが遺跡まで飛んでいこうとするが、無数のビームがそれを阻む。

 

 そうでなくてもスメラギ達は少数精鋭だ。1人1人の負担は大きく、誰か1人でも離脱してしまえば簡単に戦力が崩壊する危険があった。

 

 だが。

 

 ニヤリと。

 

 オーガストは、こんな窮地においても不敵に笑う。

 

 いや、そもそも。

 

「…ハッ! 面白れぇことしてくれるじゃねぇか! だが甘ぇんだよ!」

 

 彼は全くもって、この状況をピンチなどとは考えていなかった。そんな事は織り込み済みだと言わんばかりに。

 

「何だとッ⁉︎」

 

 スメラギはハンマーでヘーミッシュを殴り飛ばしながら、後ろを振り返る。

 

 

 

 正確には、APRILの、その奥を。

 

 

 

「ぺこら! 君に任せたっ!!」

 

 

 

「何ッ…⁉︎」

 

「よ、よぉし…任されたっ! 行ってくるぺこっ!!」

 

 その言葉と共に、センチュリオンが背後の敵を一掃し、道を作る。

 

「どんちゃん! 行くよっ!」

 

 そう声をかけると、ぺこらの首に巻かれていたうさぎの顔がついたマフラー(?)が自ら解かれ、ふわふわと宙に浮かぶ。

 

 さらにそれは人と同じくらいのサイズにまで巨大化した。

 

 どんちゃんと呼ばれた縦長のうさぎ──精霊ポンポリナはぺこらを乗せ、工場遺跡…からズレた方向へと飛び去っていった。

 

「一体何をするつもりだ! 奴に戦闘能力はないはず…‼︎」

 

「君が秘策を持っていたように、僕たちにも秘策があるってことさ!!」

 

 自身に向かって放たれたビームを避けながら、スメラギはそう叫ぶ。

 

 そこでヘーミッシュは気づく。

 

「…まさかッ‼︎()()()!!? ()()()()()()()()()()()()()()!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やれやれ、私は容赦なく斬り捨てる気でいたのですが。団長がそう仰るのならば助けてあげましょう」

 

「そもそもっ! アンタ達の団長も今ピンチなんだって!」

 

 ぺこらはシェラード始め白銀騎士団を見つけると、これまでの事情を軽く話す。

 

 ポンポリナは、「どんな探し物でも見つけてくれる幸運ウサギ」という伝承から生み出された精霊だ。友人であるぺこらが頼めば、どんなものでも必ず探し当てる。故に、何の情報も無いにも関わらず白銀騎士団を見つけることができた。

 

「んで? 俺たちは何をしたらいいんだ嬢ちゃん」

 

「あそこの工場からアンドロイドが垂れ流されてるぺこ。アレを止めるぺこ!」

 

「なるほど? つまりあの遺跡をぶっ壊しゃいいって訳だ」

 

「いやいや、流石に壊したらいかんだろ。電源だけ落とすとか、生産ラインを止めるとか、やりようはあるだろ」

 

「そう言ってソフォレで遺跡ぶっ壊したのはどこのどいつだぁ? アレン!」

 

「ちょっと‼︎ケンカするなぺこっ‼︎早く行くぺこぉっ!!」

 

 こんな時でもある意味呑気な団員に、ぺこらは怒鳴る。

 

「団長の危機とあらば向かいましょう。案内してくれますね? 団長のご友人」

 

「おけ! 任されたぺこよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おらぁぁぁッ!!」

 

 オーガストは滅紫に染まった手でアンドロイドの動力部を掴み、引き抜く。すると、動力部で生み出された電気がオーガストに吸収されていく。

 

「『奪う力』…ッ! 厄介な能力だ!!」

 

「ハッ! なら俺を食い止めてみせな!! 機械にできるもんならなァ!!!」

 

『奪う力』。それはスメラギに与えられ、オーガストに譲渡された邪神の力だ。対象からあらゆるものを強制的に奪うこの力は、実体のあるものだけでなく、言葉や思考、果ては秩序すらその射程範囲に収める。

 

 もちろん、アンドロイドを稼働させている電力も。

 

 スメラギが『超電磁砲』を酷使しているにも関わらず「電池切れ」にならないのは、オーガストが敵から電力を奪っているからであった。つまり、体力が尽きない限り、「スメラギ」は永遠に戦い続けることができる。

 

「っラミィ!」

 

 だが仲間はそうではない。もう3桁は倒したであろう彼女らからは、流石に疲労の色が見え始めていた。

 

「わっ! ととっ…スメラギさーん! ありがとぉー!」

 

「ちょっとキツくなってきたな…。ぺこらが早くしてくれないと…!」

 

「大丈夫。ぺこらっちょも、シェラード君達も、きっとやってくれる…! 団長は信じてるからね!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ぺこらに誘導され向かった工場遺跡からは、蟻の行列のようにアンドロイドが列を成して一方向へ吐き出されていた。

 

「コイツらを食い止めなくていいのかよっ!」

 

「全員でアンドロイドの量産を止めるのです! 中途半端に戦力を分散させてはいけない!」

 

 急いで工場へ入ろうとするシェラード達だったが、アンドロイド達が彼らを察知し、大群の一部をこちらへ差し向けてきた。

 

「くそったれ! バレたか!」

 

「アレン達は奴らを! 私は根源を断ちます!」

 

「無茶すんなよ! …ま、それは俺たちもかっ…!」

 

 

 

 

 

 シェラードが中へ入ると、そこにはまたも大量のアンドロイドが待ち構えていた。

 

「まさかあなたのような脇役が切り札になるとはね。完全に想定外だわ」

 

「取るに足らないと侮っているからこそ隙が生まれるものです。機械はそれを克服したと思っていましたが」

 

「けどあなたの戦力は想定内。数で圧倒すればあなたはこれ以上手出しできない」

 

「さぁ、それはどうでしょう。人間には火事場の馬鹿力というものがあります」

 

 こんな状況でも相変わらずシェラードは余裕を崩さない。

 

(更なる切り札…? いえ、騎士団の最高火力は間違いなく彼。雑兵も外で足止めしている。…単なる虚栄か?)

 

 だが()()を倒してしまえばそれも水泡に帰す。大量のマーシェはブレードを構え、

 

「…では見せてもらおうかしら。人間の底力というやつをっ!!」

 

 一斉にシェラードに向かって突進した。




また前編後編に分かれてしまった( ・ω・)

さて、ヘーミッシュは機械らしく物量で押し切ろうとしましたが、スメラギにあっさり攻略の糸口を見出されてしまいました。敗北色濃厚…

そしてぺこら(+どんちゃん)の活躍により久しぶりの白銀騎士団が登場しましたね。シェラード君どうしようかなーと思ってたところで、ちょうどいい活躍の場を見つけられて良かったです。
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