【本編完結済】ホロライブ・オルタナティブ~If this is inevitable fate, I will call it a curse~ 作:らっくぅ
資料『大戦の直接的終結に向けた新たな技術及び戦略兵器案』
ターミナル01標準暦1××25年×月1日(不明瞭のため一部判読不可能)
先日、新たな世界が発見されたのは周知の事実だろう。しかし、ターミナル01 x-01と名付けられたこの世界には我々の持つものとは異なる技術が存在していたことをここに報告する。なお、本報告書で述べる技術体系はx-01では既に失われたものであり、本世界ではその残骸やデータでのみ知ることができる。
その成果物のうち、最も顕著なものは「事象変移機関ゾハル」と呼ばれる物体だ。簡潔にその機能を説明すると、現在を含む近未来の事象を可能性事象として捉え、その中で能動的主体が最も望む事象を顕在化させる。加えて、全ての可能性事象を“観測”することによってエネルギーを取り出す、というものだ。
この装置が開発されれば、全ての兵器のエネルギーを供給できコスト削減を図れる上、各機の性能向上もなされるであろう。しかし、我々が特に主張したいのはゾハルを搭載した機動兵器の開発である。一騎当千の性能を持つ“戦略兵器”を開発することは、大戦の早期終結に大いに寄与するだけでなく、戦後も敵世界に対して強力な抑止力となり得る。
我々がブラックホール爆弾やコロニーレーザーのような大規模破壊兵器ではなく、機動兵器の開発を推し進める理由としては、汎用性の高さにある。侵攻だけでなく、戦後も平和維持に利用することを考慮すると、輸送やその他運用面において単なる破壊兵器では不適任であろう。また、機動兵器は我が連盟の威厳と軍力を端的に示すのに最も有効であるという側面もある。
ゾハルの開発における我々の見解だが、後者の機能については第10世代量子コンピュータによって情報をエネルギーに転換するという手法を取れば十分再現できる。課題はやはり前者だろう。つまり、可能性事象をどのようにして確実な未来として成立させるかということだ。現在、最も妥当な解決案として「電子の確率波」からのアプローチが考えられるが、この理論は未だ未熟であり、可及的速やかに理論を確立する事が求められる。
資料『Xeno Project』
ターミナル01標準暦××××9年(不明瞭のため一部判読不可能)9月1日
本プロジェクトは、現在開発中である「事象変移機関ゾハル」を搭載した戦略機動兵器の開発を主とした開発プランである。
その1機目となる機体、コードネーム「ゼノギアス」はターミナル01 x-01に存在する同名称の機動兵器をベースにして開発を行う。ただし、x-01に存在するオリジナルとも言うべきゼノギアスは、『波動存在』と呼ばれる高次元の存在から力を得ており、本プロジェクトにおけるゼノギアスとは異なる機体とも言える。本機はその核となる機能こそ違えども、武装や各種機能はオリジナル・ゼノギアスと同系統のものである。
ゼノギアスの特筆すべき点は、ゾハルを用いた特殊兵装(抽象的事象変異兵装、仮称「エーテル」)にある。それは搭乗者の意志力に応じて出力が際限なく向上するという特性はもちろん、ゾハルに特定の事象をリクエストすることでそれを実現するための手段がアウトプットされるという性質も併せ持つ。つまるところ、「あの要塞を破壊する」という事象を望むならそれに見合った手段(例えば核兵器級の攻撃)がゾハルによって出力されるということだ。
ゼノギアスはこの特殊兵装の運用試験を主目的としていく予定である。
資料『Xeno Project2』
ターミナル01標準暦1××4×年(不明瞭のため一部判読不可能)4月1日
現在、我々は「ゼノシリーズ」2機目となるコードネーム「ゼノブレイド」を開発中である。
ゼノギアスの運用試験において、抽象的事象変移兵装「エーテル」の実用性は証明された。ゼノブレイドでは「エーテル」を発展させ、ゾハルによる物質生成を軸とした機能を検討していく事とする。
この機能(具象的事象変移機構、仮称「アルス」)は、本機を支援する兵器を量産することを主目的としており、生み出される兵器(多目的無人支援兵器、仮称「ブレイド」)は人〜機動兵器サイズの完全自律型無人兵器である。動力源についてはゾハルからエネルギーを供給する「スレイヴ・ジェネレーター」を導入する予定である。
しかし、質量保存の法則を破り無から有を作り出すことはゾハルを以ってしても不可能である。それはゾハルが選び取ることのできる事象が「この宇宙で起こりうる事象」のみだからだ。
この事から、ブレイドに用いられる部品等をアルス自ら生成することは不可能であり、その為当面は4次元空間内に設けた専用格納庫に物質を電送し、それをアルスが組み上げるという形でブレイドの生成を再現するものとする。
なお、ブレイドに搭載されるAIはセンチメント・サーキットを有しない、より単純な戦闘AIに限定する。
研究チームは先述の障害を乗り越える為、並行世界の事象をも選び取ることのできる新たな事象変移機関を、つまり無から有を生み出すことのでにる機構を本機の開発と平行して研究中である。
当初はゼノクロスの動力源をメタトロンを利用したアンチプロトンリアクターとしていたのですが、せっかくゼノシリーズ要素を担っているのだからゾハルを搭載すべきだろう、ということで上のような設定を考えました。
ゾハルを用いるにあたって、原作と同じように波動存在を使うのではなく、純粋科学のみでもって原作のゾハルを再現しています。無茶ありすぎだろって感じですが、科学が極限まで発展すればこういうことも可能になるのかな…という妄想ですw