日本国召喚 ダーレクの脅威   作:おは

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敗北者達1 トーパ王国

中央歴1640年 1月14日 トーパ王国 王都ベルンゲン

 

王都は狂乱に包まれていた。ダーレクによって王国軍壊滅状態

さらに悪いことにトルメス方面から10万以上の魔獣が南下を始め周囲の村や町を飲み込んでいった。

頼みの綱であった、日本国とパーパルディア皇国は敗北を喫しトーパの地から逃げ出した。

 

残された王国軍ではその脅威に対抗できないことは明白であったし、仮に全軍無傷であったとしても

無理なことも明白であった。結果として起こった行動は必ず来る滅びに対しての万人の万人に対する闘争だ

 

 

「へへへ、衛兵隊も俺たちの仲間みたいなもんだからな自由にやり放題だぜ、魔獣共がやってくるまで

永遠の祝賀会だ」

 

そういう男は豪商の家に仲間と共に押し入ると豪商を家族なぶり殺しに血の宴を開いていた。

そういった事件がベルンゲンの各地で引き起こされていた。

 

 

王城の兵舎というには華美な建物前に12名の美しい装飾をまとった騎士たちが集まっていた

 

「王国に滅びの時がやってきている、それも避けられない滅びがだ。王族の方々は無事に他国に亡命

なされた。今、我らが持つ剣は我ら自身の意思の身に従う。そう、王国の最後に我ら護衛騎士団は最後まで戦ったと世界に示すのだ!!」

 

王国最後の騎士は守るべき民を見捨て己の矜持のために戦う。

 

すでに王族はは他国に亡命し国務大臣率いる重臣会議がこの国の最高決定機関だ

 

「魔獣の大軍に対抗する策は、あるか!」

 

国務大臣は逃げ出していなかった重臣たちを問いただした。その問いに答える者はいないそもそも大臣自身

が答えが返ってくるとは思っていなかった。この会議そのものが参加者の精神を安定させるために開いていたのだから

 

 

 

マラストラスはそのような惨状は知らず粛々と王都に進軍する。率いる軍勢はこれまでの石槍や棍棒ではなくパーパルディア軍と自衛隊から鹵獲した武器で武装されていた。

 

もちろん武装の改善を命令したのはダーレクだった。魔獣に武器の使い方を教えるためにとった手法とは

魔王ノスグーラをナノジーンを使い念動波部分のみを復活させ。パーパルディア兵士と自衛隊隊員の亡骸

から手に入れた武器の使い方を念動波を使い刷り込ませた。

 

死人を復活させられる力か、そんな力神々しかもっていないと思っていた。ダーレクの力には限りがないな

マラストラスはダーレクに使えてから驚きと疑問そしてその強さを実感する日々であった。

 

 

魔獣軍はベルンゲン近郊に到着し混乱に包まれてあちこちで炎を上げる目撃するなかマラストラスは焦っていた。

 

まずいぞ人間どもが自滅をし始めた。ダーレクが我を派遣した理由はトーパ王国の住民の確保だというのに

早く軍を突入させなければ。

 

兵士は別に住民を保護するつもりは全くない。標準的なダーレクである兵士は異種族に対する深い憎しみで

でいており、できることならこの惑星のすべての生命速やかに殺したいのだ。だが、兵士の目的である

部隊の再建には労働資源が必要だ。そのためにトーパ王国の住民の確保が必須とされていた。

 

 

 

「魔獣だ、魔獣が来たぞ!!!」

 

その言葉は混乱していた王都に一種の秩序をもたらした、戦う気があるものは魔獣と戦いに挑み

逃げる気があるものは逃げ出していった。

 

「今だ!敵の魔将に突っ込め」

 

トーパ王国軍の騎士の一団がマラストラス目掛けて切り込んでゆく

 

彼らの目算では護衛のゴブリンどもは騎士の攻撃を見れば途端に逃げ出し、不意を突いた魔獣軍の指揮官は簡単に打ち取られる。その時騎士たちの名前は永遠に残るだろうと

 

だが護衛のゴブリンたちの反応は素早かった。騎士たちの予想とは違い彼らは同胞にように逃げることはなく装備された89式小銃は騎士たちの鎧を簡単に貫き無謀な襲撃を終わらせた。

 

なぜ護衛たちは逃げなかったか、それは念動波によってダーレク自身の異様な戦闘精神(戦闘をしていないときは自分の戦闘精神と戦闘をしている)を付与されていた。

 

 

太陽神の使いが持つ武器の威力はすごいな。トーパの残党どもをあっという間に無力化か

もしも、ダーレクの元ではなく魔王様の元で戦っていたら死んでいたかもしれないな。

やはりダーレクに使えたことはよかったのだ。

 

「さぁ、ゴブリンども我に続け、この国の国王の顔を見に行こうではないか、ホッホッホ」

 

ダーレクについてい行く限り自分の前にあるのは勝利の光景だ。

 

 

国務大臣は王城のバルコニーの端に立っていた。目の間に映るのは大量のゴブリンが王都中に

散らばってゆく恐るべき光景だった。その光景を前にして国務大臣は地上へと身を投げた。

 

国を守るためにあらゆる手段を尽くそうとした男の命はここに散った。後世の評価ですら

トーパ王国の国民がこれからたどる末路から見て。評価すらされないだろう。

 

王宮に入城した魔獣軍は場内の人々が選んだ運命。集団自決を行って全員死んでいるのを確認した。

ダーレクによって食欲を抑えられているゴブリンたちは遺体を食べることはなかった。

 

人間ども全員死んでいるな、市街の人間は・・・確保されているな。

 

「ダーレクハ、結果ヲ了承スタ」

 

マラストラスが驚いて振り向くとそこには青く光る眼をした護衛が立っていた。

 

「ダーレクハ、選別ノタメニ町ニクル、オマエハ住民ヲ王宮ノ前デ集メロ」

 

そう言い終えると護衛の目から青い光が消え、キョロキョロとあたりを見渡していた。

マラストラスは直感的に護衛にはもう一つの役目、自分を監視することもあることに気が付いた。

 

ダーレクについていけば勝利は思うままだろう、だがダーレクの要求した基準を満たさなければ

待っているのは生命としての敗北だ。

 

降伏したベルンゲン住民たちの前にダーレクが降下してゆく。住民たちは醤油瓶型の悪名の高さに反して

意外なほど素朴な姿に驚くとともにこれからその見た目が恐怖のアイコンになることを感じ取っていた

 

兵士は分別のためにここにやってきた、資源としてダーレク帝国に使われるためには

石油をガソリンや軽油に分けるように劣等種も人体実験用に使われるよい遺伝子を持つものと

ゴブリンの繁殖用や労働に使うわるい遺伝子を持つものを分けなくてはならないのだ。

 

 

「ダーレクハ分別ヲ行ウ、劣等種ハ分別ニ協力セヨ、拒否スル者ハ抹殺スル」

 

ダーレクの宣言から恐怖の統治が始まる。

 

早速ゴブリンたちがあっけにとられている住民たちを痛めつけて命令に従わせる

ゴブリンによってダーレクの前に並べられた人々は、実験体と奴隷に分けられ

奴隷は男は強制労働に女はゴブリンの繁殖用に使われることになる。

 

実験体はより過酷な運命であり魔法を把握するための実験に新たなる奴隷を作り出すための

異種配合実験に使われることになる。

 

 

こうしてトーパ王国はダーレクによって巨大な収容所に作り替えられてゆく

陥落したこの地域は新たなる魔獣の王となったダーレクにちなんで魔王領と呼ばれ

新たなる魔王の誕生を世界中に知らせることになる。

 

 


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