日本国召喚 ダーレクの脅威   作:おは

8 / 8
幕間 マラストラスの計画1

中央歴1640年 2月7日 魔王領(ダーレク帝国 lp*634世界基地) 城塞都市トルメス 

 

白いを何かがバラックの一群の上から舞い降りていた。

かつてこの場所に当たり前のように降っていた雪ではなく灰が

 

征服から一か月足らずで工場を建築するすべを知らなかった囚人たちを率いて

マラストラスは製鋼所の建築を成し遂げた。もちろんその偉業は過酷なノルマによって支えられている

 

結果として生じる人の死その副産物である遺体をマラストラスの発案で寒冷地帯に位置するこの基地の保温衛生管理の観点から有効利用、すなわち火葬所から出る熱をバラック群を温めるために使った。

 

マラストラスはダーレクから言い渡されたノルマを超える速さで構築しダーレクに自身の価値を示した。収容所の住民の有効理由の点でも褒められ結果製鋼所と関連産業の支配から魔王領全体で進められている巨大建築プロジェクトの総責任者を任せられることになった。ダーレクがある日を境により神秘性の高い計画に重点を移した結果でもあるが事実上魔王領の支配者となったのだ

 

 

製鋼所に設けられた監督所からマラストラスはバラックから入る囚人の群れを見ている、群れは苦痛と飢えに苛まれている。そのうちの何人かは工場から帰ってこないだろう彼らの苦痛と血から鉄は生まれその鉄は魔王領を成長させその成長はダーレクからの信頼ひいては彼の命を保障するのだ。

 

しかしながら魔王領の成長が進むにしたがって複雑化してゆく統治にマラストラスの能力は追いつけなくなっている、特に総責任者を任されて以来は特にだ。

 

部下が必要だ。マラストラスそう認識するとすぐに主の元へ向かうダーレクは遅滞を決して許さない

 

監督所から外に出るための通路を通れば製鉄所の設備や生み出されてゆく鉄の出す音鉄の匂い作業中の事故に巻き込まれた囚人の叫び声、溶けた鉄に焼かれてゆく囚人の体の匂いとマラストラスはここに地獄を作り出した。

 

完成した後も増築のための工事が並行して行われている製鉄所の外にはうつろな表情をした彼の護衛(ダーレクとの交信を続けた結果精神が崩壊した)と二体のゴブリンが主が来るのを待っていた。

 

「ダーレク様、我に部下を作り権限をお与えください」

 

マラストラスの嘆願に護衛は精気を失った顔をし続けている。ダーレクが自分の能力に

失望して殺すのではなかと心配になった時に

 

護衛の精気のない瞳が青く輝き憎しみに満ちた表情に変わったらダーレクが護衛に憑依したのだ

 

「ダーレクハ提案ヲ受諾スル」

「ありがとうございますダーレク様、して我に提案があるのです」

 

マラストラスはダーレクに自身の計画を打ち明ける

 

「我は人類農場管理計画を考案し、ある国を管理していました。人間どもの名前でエスペラント王国

我にかの国の侵略をお命じください。かの地より我は囚人と部下となりうる人材を集めてまいります」

 

「ダーレクハ提案ヲ受諾スル、出撃前ニ劣等種ノ捕獲兵器ヲ与エル。中央研究所ニ出頭セヨ」

 

 

そう言い残すと青い光が護衛の目から消えて元の生気のない顔に戻った。

 

旧魔王軍 本陣 現中央研究所

 

中央研究所魔王領の中心地にしてダーレクのにいるその場所は無数の檻が立ち並び無機質な監視塔が増築を繰り返す魔王領各地みある工場と収容所の複合体と寸分変わらない風景だった。

 

マラストラスはその中で一番大きいくほかの建物のようにコンクリート打ちっぱなしで装飾も何もない

掩体壕の入り口を抜けダーレクの待つ最深部。頭部に管が突き刺さり首だけにされた犠牲者たちの回廊を

通り抜けてゆく

 

最深部魔王領の中心地はほかの場所と同じく無機質極まりない。その無機質感を破るもの

6つの管がひとまとめにされけん引装置が付いたものがダーレクの隣に置かれている。

 

「学習装置ヲ装着セヨ」

 

学習装置それはお椀上に無数の突起がついている。かぶることによって知識と使い方を完全に学習できる現在の魔王領の発展に必要不可欠な存在だ

 

学習後その物体は多連装ロケット砲砲弾は昏睡ガス。そうダーレクはガス攻撃よって王国の住民をそのまま捕獲する計画だということを理解した。

 

 

 

 

 

ヘイスカネン 館

 

復活させたのはノスグーラだ。ダーレクではないしかし世界はその名前で魔王を呼ぶ

本国はその謎を現地にいる自分たちに調べるように命令を下した。

 

「本国の船どうした、船はどうなっているんだ」

ダクシルドは本国の相手に向かって繰り返し催促する。本国の答えは

現在パーパルディア海軍の活動が活発である、情報保全のため船は来ないという回答のみだった。

 

「アニュンリールの軍が来れば魔王に勝てると聞きましたがいつになる?」

 

ダクシルドの怒りの元である人物。彼らビーコン管理課のメンバーが大陸で生き延びられている

要因であるエルヤがいつものように質問する

 

ダクシルドはエルヤにあいまいな応答をしながら世界の支配者の末裔である自分が下等種族の質問

にいちいち答える羽目になるとは

 

ノスグーラの使役が出来なかったことがケチのつき始めだ。魔王は使えず魔族制御装置は使い物にならない

ポンコツだった。低級魔獣すら使役が出来ない自分たちは偶然狩りに出ていた鬼人族の手助けによって

ヘイスカネンにひとまず安住の地を得たのだった。

 

「姫様、我らにも準備というものがりますゆえ少々お待ちください」

「おぬしはいつもそのようなことをいっておるな、見よこれを」

 

エルヤに手渡された写真を見た瞬間ダクシルドの顔色が変わった

そこにあったのは20台トラックにけん引される多連装ロケット砲の車列だった。

 

アニュンリールの基準から見て現用の兵器であるそれは接触した蛮族同然の魔王軍が使うにはあまりにも

高性能である。(ダーレクの基準から見れば石器と変わらない代物だったが)

 

「これだけではないぞ、おぬしたちが我らに頼んだ魔王領の姿を映したものもあるのだ」

手渡された写真に写っていたのはダクシルドにとっては見覚えのあるもの

無数の檻と監視塔まるで祖国にぞんざいする下等種族区がそのまま写ってあるかのようだ

 

まずい、これはまずい前に見たダレルグーラ城はよく言えば幻想的、悪く言えばただの中世城塞に過ぎなかった。それがたった一か月でアニュンリールに匹敵するほどの建築を複数も立てられるほどに急速に発展している。

 

やはりノスグーラではなかったのだ。現在の魔王ダーレクそれはアニュンリール人にとってかつての

帝国が崇めていた。世界を思うがままに作り替えるニ柱の神のうち殺戮を司る者の名だった。

 

空間神は偽りの神々から帝国を救ったと伝えられているがこれまで殺戮神(ダーレク)

はこの世界に不干渉を貫いておりその実在が疑問視されていた。

 

異様に発展している魔王軍の様子を見ればそれが殺戮神がこの世界に介入している証拠ではないか

これは困った。

 

ダクシルド達がこの辺境に来たのはエスペラント王国に埋まっているビーコンの発掘であって

神と戦うことではない。

 

 

アジ・ダハーカの復活を解くしかないなダクシルドは決断を下すと部下を集め

邪竜の復活の手配を始めた。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。