クルマの雑誌で取り上げられない日はないってレベルの有名人です。
自慢のシルビアはスーパーターボ(スーパーチャージャーとターボ)化されてます。
まずは、エンジン始動の練習。
「それでは…そこの貴方」
と黒江が指さす先には
「えぇっ!私ですか?」
スペシャルウイークだった。
「まぁ、そんなビックリしないで。私と同じ作業をするだけです。じゃぁ早速お手本を見せますね」
といって講習用のS15にドアを開けたまま乗り込む。
「サイドブレーキ確認、これでタイヤがロックされます」
「あの、なんでタイヤをロックするんですか?」
グラスワンダーが質問する。
「いい質問ですね。実は車ってアクセル踏まなくても進んじゃうんですよ。細かい話は授業するとして…」
そして次にクラッチについて説明する。
「クラッチを踏んで鍵を回しエンジンが掛かります」
キキキキキキ…ブォン
ノーマルのS15とは言え腐ってもスポーツカー。
いい音が鳴る。
そして直ぐにエンジンを止める。
「さぁ!えっと…」
「スペシャルウイークです!」
「それじゃスペシャルウィークさんやってみて下さい」
◇
その後、大体のウマ娘が一発でエンジンを掛けたり、別の所で車の基礎知識の勉強したりで時間が過ぎていく。
「それでは今回の授業はここまでです。今日はゆっくり休んで明日に備えて下さい。それでは」
結構長い授業が終わった。
俺もそこに居たが、眠らなかった…訳ではなかった。
基礎中の基礎など、履修済みだ。
皆は熱心に勉強していたが。
1週間後には色んなトレーニングが始まった。
スピードトレーニング
タイムアタック
スタミナトレーニング
ミニ耐久レース
パワートレーニング
ブロック回避
根性トレーニング
1on1
賢さトレーニング
車の勉強
結構練られてた件。
「そりゃね」
「うわビックリした」
トレーニングをしているウマ娘達を見ている俺の後ろから話しかけてきたのは黒江だった。
「なに?女子が急に来たから驚いたの?」
「いやホラーだから」
「轢き殺すぞ」
と言った後に咳払いをする。
「…一応ウマ娘にとっての普通のトレーニングもさせてるわ。これで合宿になるでしょ?」
「まぁそうだな。折角色んな知識を学んでもそれを活かせる脚が無いとな」
「…一昔前の貴方なら絶対言わない言葉ねそれ」
「そう、だな」
少しだけ気まずくなる。
「そうえばあなたの妹さんは?」
唐突に聞いてくる。
「あー…それが、会えてないんだよ」
「なんでまた…」
「まぁ現役時代も会えてなかったからな。どっかで過ごしてんだろ」
「でも彼女があなたの事を助けたのよ?しかも色んな走り屋に掛け合って『兄を救ってください!』って」
「え…」
俺はあの日から両親にも親族にも、そして妹にも会えてない。
俺を追っかけスープラに乗ってきたというのは知ってる。
だが、それ以降の情報が全くない。
「それに、あの皇帝シンボリルドルフを育てた人間が有名にならないはずはないわ。たまたま見た雑誌とかで「それは無い」は?」
遮り、言う。
その当時、俺は新人だったせいかよく「たまたま出来た新人トレーナー」のレッテルを貼られ注目されなかった。
それ程
天才、その一言で片付けられた。
そのお陰で俺の過去も露呈する事は無かったのだが。
血の滲むような努力を知っているのはトレセン学園の内部の人間とシンボリルドルフとその周辺のウマ娘だけである。
ちなみにこのFRおばさんは車の事しか興味が無いのでさっきの変な事を言ったらしい。
少しくらいは知っとけよ。
「その顔は…色々あったのね」
「そこは分かるのか」
「女の勘よ」
こわい。
「兎に角、あなたの生存が確認できたと
「は?」
サラッとスゲェこと言ったなこのババア。
「いまおめぇババアっつたろ」
「やっぱり女の人っておかしいよ…」
◇
「くしゅん!」
「会長、どうしたの?」
「いや、ただのくしゃみだ。誰か噂しているのかな?…噂、ウワサ…」
シンボリルドルフが少し考える。
そして一緒にいたトウカイテイオーは嫌な予感がよぎる。
「ウワ、サむくなって、くしゃみしちゃったよテイオー」
ダジャレが炸裂した。
◇
「へっぷし」
「急にどうしたの?くしゃみして」
「いや多分…これシンボリルドルフがまたダジャレ言ったな?」
「え、分かるの?」
「ああ、寒くなってくしゃみするから」
(そう言う意味じゃ貴方もおかしくない?)
と、言うとまた喧嘩するので心の中で言う。
「…なぁもしかしてさ」
「なに?」
「12も起こしたか?」
という問いに少しくらい考え、
「これから、じゃない?」
と答えた。
「実際こういう展開ってありえるの?」なんて言われそうな気がしますが、そこはまぁほら、車の物語特有のご都合主義と言う事で…
誤字訂正ありがとうございます!
UA1000越えに感想もありがとうございます!