「なんかフェラーリ社直々に指導してもらってるらしいぜー」
「えっ、マジ?」
運転講習の少し前…
「首都高での…レース…」
メジロマックイーンは呟いていた。
「どうしたの?マックイーン、考え事?」
とメジロライアンが聞いてくる。
「最近話に出てくる『首都高』という所が気になって…」
「マックイーンでも考えるのね」
とメジロドーベル。
「だっ、だって!スペシャルウィークさんが食事の事以外であんなに喋ってたの初めてですわよ!」
「そんなに凄かったんだ…」
とライアンが驚愕する。
「でも、私達は『メジロ家』のウマ娘。おばあ様がそんな事許すとでも?」
とドーベルが言う。
そう、彼女らは『メジロ一家』のご令嬢だ。
3人ともそれぞれウマ娘として全身全霊を尽くさなければならない。
だからわざわざ危険と法律を犯してまでやる事など不必要のだ。
だというのに。
「ドーベルは気にならないのですか!?首都高という公道でのレースは!?」
「そりゃ私も気になるわよ!でもね、私達はまだ未成年なんだからいくら望んでも出来ない物は出来ないの!」
その時、ライアンは言った。
「それならおばあ様に直談判すればいいんじゃ?」
「「…あっ」」
◇
「…という事でおばあ様、これを…」
メジロマックイーンが机の上に書類を置く。
「…なんの為に行くんだい?」
「首都高速道路を攻める為です」
「ちょっと!マックイーン!」
直球に言ったマックイーンに対し、小声で注意するドーベル。
「大丈夫ですわ。…それでおばあ様」
しばらく沈黙が続いた後、カチャと持っていたカップが置かれる。
「…マックイーン。メジロ家の伝統は知ってるね?」
「は、はい」
「メジロ家は競バが確立する前から走っている。その昔、武将さんを支えてたりしてきたんだ」
「…はい」
これは説教かな、と3人が諦めた時…
「だからフェラーリに気に入られた」
「はい…「「は?」」」
いきなり話が変わり間抜けな声を出してしまう3人。
「フェラーリってのはとあるウマ娘が元になってる伝統ある会社だ。だからウマ娘関連の様々な事業に手を出してたりお金を寄付したりしている」
3人共フェラーリという名前は知ってたが、そんなに歴史があるとは知らず感動する。
「そして、フェラーリは一部のウマ娘の名家と人間だけが入れる『会員』という物がある。定期的に私やあの人が居なくなったりするのも『会員』のしなきゃいけないことをしてるからなんだよ」
「ど、道理で…」
ライアンが納得する。
「『会員』ってのは色々やる事があったり規約があったりするんだけど…その一つに『会員様の子孫様が車に興味を持った際は、速やかにフェラーリ社に連絡し、全力でサポートさせて頂きます。』という項目がある」
それを聞いた3人は目を合わせ期待を寄せる。
「だから…皆と同じ所じゃないけど、いいかい?」
「「「喜んで!!」」」
3人は大きな声で答えた。
「ただ一つだけ注意点がある」
「「「!」」」
「ウマ娘の場合は、現役競走ウマ娘を引退した瞬間、フェラーリ専属のプロレーサーとなる。それが嫌なら普通の講習に…」
「別にそれくらい構いませんわ」
「ストリートを走り切ったら次はレーシングか…楽しみだな」
「とてもワクワクしてきた…!」
「…心配無用だったみたいだね。だったら善は急げだ、今すぐ準備してイタリアに飛ぶよ!」
「「「え」」」
そしてその日の夜にイタリアへメジロ家は飛んだ。
◇
モンツァ・サーキット
それはイタリアでクルマ好きなら知らない者はいない有名なコース。
ここから飛び立った名車は数多ある。
そして今日から1ヶ月位貸切となる。
「ここが…モンツァ・サーキット…」
メジロマックイーンとライアンとドーベルが見回してると
「お待ちしておりました。メジロマックイーン様、メジロライアン様、メジロドーベル様」
と一人の紳士が後ろから話しかけてくる。
「あ、貴方は…」
「おっと、これは失礼しました。私、こういう者です」
と名刺を出す。
「…フェラーリの社員さんでしたのね。それも今回の講習の監督さんとは…」
「はい、今まで色んな人を指導してきました。今回初めてウマ娘の皆様にご指導が出来ると知って気分が高揚しております」
『ありがとうございます。よろしくお願いします』
と3人はお辞儀をして挨拶する。
「はい、それでは早速ですが…」
「…」ワクワク
「GPのコースを、
と紳士は指示をした。
「はい?それはどう言う事で…」
「すみません、少し説明が足りませんでしたね。
◇
タッタッタ
マックイーンは特別製の蹄鉄、ゴム製蹄鉄を付けた靴でコースを走っていた。
(ゴム製とは言えタイヤを元にしてるからなのでしょうか…そんなに跳ねないし、寧ろ何時もより速い気が…!)
コーナーも難なく攻められるこの蹄鉄に感動すら覚えるマックイーン。
さて、突然だがウマ娘が何故サーキットをわざわざ自分の脚で走るのか。
それはコースを更に満遍なく見れるからである。
コーナーの角度やバンク等は勿論、シミ、ひび割れ、水溜まりetc…
技術が発達した今でも自分の目で確認するもの程安心出来るものはない。
とは言え、この行為はあまり浸透されてない上に大体禁止されてるのだ。
なのでこれは現状、ドライバーが全員ウマ娘のレースでしかやれない。
「はっ…はっ…」
(それにしても…長いですわね…)
これはこれでいいのかも知れないが、長い上にコーナーもあるので何時もより疲れる。
そしてゴールラインにたどり着く。
「はっー…」
後にライアンとドーベルも来る。
「お疲れ様です皆様。これを」
「ありがとう…ございます」
渡された水を飲み、息を整える。
「それでは次は助手席に乗ってもらいます」
「そ、それは誰の…」
「私のだよ」
『お、おばあ様!?』
紳士の後ろから出てくるおばあ様。
「その後ろにあるクルマって…」
「あれかいドーベル?あれは私の愛車 F40LM 『私』仕様だよ」
◇
ブォォォォォ!
(身体が…追いつけない…!)
一番手のメジロマックイーンは100%を超えた完成度を誇るF40LMのGを耐えていた。
「この
と語るおばあ様。
「車で
たった一周走っただけでも分かる。
この人は腕だけでも性能だけもない、そのどちらとも持ち合わせている。
メジロマックイーンは車の知識はないが、本能で分かっていた。
その後も、ライアンとドーベルも乗ったが圧倒されるだけだった。
◇
「さて、お次は車両選びへと移ります。よろしいですか?」
と紳士が言う。次に
「これからほぼ一生を共にして行くんだ。慎重に選らんでじっくり悩んで決めなさい」
とおばあ様が言う。
「遂にこの時が…!」
「どんな車にしようかなぁ…」
「」ソワソワ
そして少し移動する。
「それでは…」パチン
紳士が指パッチンをすると、車達を隠していた赤いカバーが何処かに行く。
そこには年代、型式様々なフェラーリが並んでいた。
正に『100万ドルの景色』と言ったところだろう。
「この中で何を選びますか?」
そう問われた。
今回出てきた『会員』は独自設定です。
フェラーリ程の会社なら有りそう
メジロドーベルが影薄めなのは許して
あと、「おばあ様」の口調がめちゃくちゃなのも許して