ウマ娘~首都高バトル~   作:ZERO1u

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「失敗作」と言われたスポーツカーとヒールと呼ばれたウマ…
合わない訳が無いんですよね


出会い ~ライスシャワー~

とある、車がいた。

 

ドライバーに愛された。

 

でも、その車はとある時から『失敗作』と言われた。

 

ドライバーは激怒した。そして、復讐する事を誓った。

 

首都高の頂点、最速になれば誰しもが認めざるを得ないと。

 

彼はその車を極限まで改造し、走り回った。

 

あの『迅帝』でさえ、堕とされる手前まで追い詰められた。

 

でも…それは夢半ばで終わってしまった。

 

ドライバーは死に、クルマだけが生き残ってしまった。

 

だが、このクルマはまだ知らない。

 

また、新たなドライバーに拾われるということに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライスシャワーは悩んでいた。なぜなら…

 

「ライスちゃんは凄いねー!乗った車全部壊れちゃうなんて!」

 

「そ、そうだねウララちゃん…」

 

ハルウララに悪気は無いことは分かるが言われると相当キツい。

 

そう、さっきハルウララが言った通り、ライスシャワーが運転しようとした車全部、何かしらで故障してしまい、動かせなくなってしまったのだ。

 

他の子が乗ると普通に動いたが、それはまるでライスシャワーだけが拒絶されてると見て取れる様な様子だった。

 

…トレーナーは「不幸なだけだ。気にするな」と言った後頭を撫でてフォローはしたのだがそれだけじゃライスシャワーの調子は回復しなかった。

 

絶好調→絶不調→不調

 

「私だけ車が無い…どうすればいいんだろう…」

 

「大丈夫だよ!私もまだ決めてないし!」

 

「…ふふっそうだね」

やっぱりウララちゃんの底抜けの明るさは凄いなと思っていた所、

 

「ここに居たかライス」

 

「あっ!お兄様…」

トレーナーが来た。

 

「ライスちゃんのトレーナーさんこんにちはー!」

 

「ああ、こんにちは」

とハルウララに挨拶するとライスシャワーの方を向く。

 

「あったぞライス、元から壊れてて俺の最も信頼してる車が」

 

「本当に!」

実はトレーナー、ライスシャワーの車を探していたのだ。

色々な所に顔が利く(らしい)のでライスシャワーに約束していたのだ。

 

「良かったね!ライスちゃん!」

 

「ありがとう!ウララちゃん!」

 

 

「それで、お兄様。どんな車さんなの?」

と、トレーナーの助手席から聞くライスシャワー。

 

「今は解体所で解体を待ってた車だ。だが、信頼出来るマシンだから安心しろ」

 

「一度壊れてるってこと?」

 

「…まぁそうなるな、嫌だったら―」

 

「ううん」と首を横に振りトレーナーの言葉を遮ると、

 

「お兄様のオススメする車さんならライス、なんでも乗れるし嬉しいよ!」

と言った。

 

「そ、そうか…あ、着いたぞ」

 

解体場に入るトレーナーとライスシャワー。

 

車を停めて出て目に入ったのは、積み上げられてる車たちの真ん中に置いてあった「日産スカイラインGTR33」だった。

状態はボロボロのさび錆びで、フロントはエンジンが丸出し。

エンジンには損傷が無いように見える。

 

「あれが…お兄様が言ってた車さん?」

 

「ああ…そうだ。()()では見たくなかったんだけどな…」

 

「?」

トレーナーの意味深な発言に首を傾げるライスシャワー。

 

「まぁなんだ。無料(タダ)でもう引き取ったから幾らでも見ていいらしい。要らなかったらそのまま置いといてくれとのことだ」

 

そう言われもう少し近ずいて見てみるライスシャワー。

 

そして触れた。

その時だった。

 

ライスシャワーに流れて来たのは『記憶』だった。

 

首都高に出る度に『失敗作』だと笑われ、それを反論しバトルし見返したドライバーの映像。

 

謎の()()R()3()4()を一晩中追いかけ最終的に離されてしまった映像。

 

そして―事故を起こした映像。

 

ライスシャワーも同じ経験をした。

 

臆病で他のウマ娘にも色々言われていた時にトレーナーになってくれたお兄様。

 

ブーイングが起こったその日はお兄様が擁護してくれた。

 

ミホノブルボンを追いかけ、追いつけなかった事。

 

そして―そのレースが悔しくて毎日自主練をして故障しそうになっていた事をお兄様が見抜き休ませてくれた事。

 

半分、一致する。

 

その光景が見えた時、ライスシャワーはこの車を走らせないといけない衝動に駆られた。

 

「お兄様…この車さん、今すぐ走らせなきゃ!」

気づいたらそう、口走っていた。

 

「…そうか、なら俺のガレージで修理させ…」

 

「ライスも一緒に修理する!」

 

「そ、そうか。なら早速キャリアカー呼ばないとな」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一週間後~

 

ブォォォォォ…

 

『調子はどうだ?ライス』

 

「まだ、不安定だけど大丈夫だよお兄様」

 

ライスシャワーは修復したR33でC1を走っていた。

 

『あんまり回転数上げるなよ、エンジンの整備がまだまだだからな』

 

「分かってるお兄様…くっ」

 

キュワァ!

 

コーナー出口でスピンしかけるもなんとか立て直す。

 

(4WDなのにハイパワーFR車の様に滑る…!)

 

ライスシャワーはこの独特の挙動に悪戦苦闘していた。

 

(でも…絶対走らなきゃ…この車さんの為にも!)

 

まだアクセルを踏み続ける。

熱中し周りの事が見えなくなる寸前。

 

『今日はここで終わりだライスシャワー』

 

とトレーナーから無線が入る。

 

ライスシャワーはハットし、それを聞き入れPAに向かう。

 

~汐留PA~

 

「…大丈夫か?ライス?」

 

「大丈夫だよお兄様!」

 

「そうか、ならいいんだが…」

 

「それでそれで!何時、改装するの!」

とライスシャワーが聞くが、返ってきたのはいい言葉では無かった。

 

「ライスシャワー、お前は少し熱中し過ぎだ」

 

「えっ?」

 

「この車に惹かれたのは分かる。だが、腕も車も熟成してない時に感情ばかり先行すれば…」

 

死ぬぞ、とライスシャワーは言われた。

 

「っ…!」

確かに、そうだ。

 

タイヤがあんなにすり減っていたのはPAに入る前から分かっていた。のに、更に走ろうとした。

 

それで事故を起こすのは、この車さんの望むことじゃない。

 

「その気持ちが整えられるまで、強化はだめだ」

 

「…ごめんなさいお兄様」

 

「…別に謝る事じゃない。多少、()()が詰まってるだけだ」

とフォローした。

 

「うん…」

ライスシャワーは泣いていてかつハグをされていたので聞こえなかった。

 

ライスシャワーはしばらくポンポンされながらハグをされた後、トレーナーに「帰るか」と言われその日は帰った。




ライスシャワーの日産スカイラインGTーR33
600馬力(出力制限)
6速 3ペダルMT
駆動方式 4WD
吸気方式 シングルターボ
仕様 純正バンバーフォグランプ 2本チタンマフラー (コックピットから見て)右フロントライトが無くなり空気が直接入る構造になっている。

33に片目が無いのはライスシャワーも片目が隠れてるからです。(隠れてるってだけで両目はある)
片目だけ炎が宿ってるの見ると某骨を思い出すのは私だけですかね…
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