終末のワルキューレ Servant of Ragnarok   作:マイスイートザナディウム

18 / 23
はいどうも〜マイスイートザナディウムです!

約一ヶ月間を空けて漸く続きが書けました。

多分今までで一番長いかも…

今回はシヴァの過去なのですが少し削らせて貰いました。

全て書くと一万文字行っちゃうので…

それではどうぞ!


1116柱の想い

会場ではシヴァとベオウルフの総合格闘技(マーシャルアーツ)が繰り広げられている中、近くの中庭の空気は殺伐とした空気と殺気によって支配されていた。

 

釈迦の助太刀として喧嘩に入るサーヴァント----

 

 

沖田総司,斎藤一,宮本武蔵

 

 

裏切者(釈迦)を排除しようと動く----

 

 

ロキ,七福神

 

 

両者が今ぶつかろうとしていた。

 

「……」

 

斎藤一はふと武蔵の格好を見る。

 

現在武蔵が羽織っているのは、普段武蔵が着ている着物ではなかった。

 

それは観客席にいた舌切り雀の紅閻魔が経営する閻魔亭の浴衣であったのだ。

 

「えっと…所で武蔵さん?」

 

「ん?」

 

斎藤は思わず武蔵に問う。

 

「その格好…何です?」

 

「え?…あぁ…いやぁ戦いの後だったから少し癒やしが欲しいなって思ったらさぁ…刑部姫が閻魔亭の女将さんに頼んでくれて出張閻魔亭とか開いてくれたんだよねぇ!超久々に閻魔亭のお風呂に浸かってさぁ!霊衣()はボロボロだったからこれ貸して貰ってる感じでさ、結構動きやすいんだよね!」

 

武蔵は笑いながら言った。

 

「あっ…そう…」

 

斎藤は思った。

 

(この英霊()…俺が思ってた宮本武蔵とは少し…いやだいぶ印象が違うなぁ…ていうか宮本武蔵が女って…まぁ沖田ちゃんも男だと後世では思われてるみたいだし…よくあることなのかねぇ?)

 

そして斎藤は考えるのをやめた。

 

「大人しく寝ていりゃ良いのに----…」

 

ロキが呟く。

 

「こんなとこまで足突っ込むと…今度こそ…君…死ぬよ〜?

 

「…はぁ…」

 

武蔵が溜め息を吐いた。

 

「全く…神様ってどいつもこいつも我儘で傲慢だねぇ…何でもかんでも自分の()()()()()()()と思ってる」

 

()()んじゃなくて…()()のさ」

 

ロキは笑みを浮かべながら答えた。

 

「……」

 

その答えを聞いた沖田は更に目つきが鋭くなった。

 

「…斎藤さん」

 

「ん?何よ沖田ちゃん」

 

「アイツ…悪神みたいですね」

 

沖田は抜刀の構えをとる。

 

悪・即・斬…ですよね?」

 

「はぁ…まぁ…そうだな…」

 

斎藤は刀を抜いた。

 

「柄でも無いが…俺らの誠を尽くそうぜ…沖田ちゃんよ」

 

斎藤はちゃらけた言い方をするが顔は真面目だった。

 

 

ロキが前へ出ようと動く。

 

だがそのロキを恵比寿が止めた。

 

「……」

 

「すまんがロキ(にい)やん…こんボケはわいが殺らしてもらうで?」

 

恵比寿の左掌には先程釈迦が吹いたキャンディーの棒が刺さったままだった。

 

「ここでこの借り返さんとこの先二度と安眠出来そうにないんで…」

 

恵比寿は釈迦を睨み付ける。

 

「な〰〰〰?釈迦(シャキャ)ァ〜…」ギロ

 

「ふあ〜あ」

 

等の釈迦本人は欠伸をしていた。

 

そして恵比寿はその釈迦の態度にキレた。

 

おどれシャキャアアア!!脳みそぶちまけえええええ!!

 

恵比寿は持ってる拳銃を4発撃った。

 

ユルリ

 

「!!」

 

だが弾を釈迦は難なく躱し、撃った弾は後ろの噴水に着弾する。

 

『?』

 

ロキ,七福神達はその様子に疑問を抱く。

 

「恵比寿…何処を狙っておる!?」

 

その光景に福禄寿は恵比寿に問う。

 

「あ〜あ、ダメだよ壊しちゃってさぁ…………思春期?」

 

釈迦は笑いながら言った。

 

恵比寿は戦慄していた。

 

(な……なんや今の…!?この至近距離でわいの拳銃(チャカ)ァ避けた…?いやと言うより今のは…まるで----…)

 

「へぇ…流石()()くん…やっぱりキミさ…」

 

ギュロン

 

ロキの掌から鎖鎌が出現した。

 

消えろ

 

互いがぶつかり合おうとしたその時----

 

風王鉄槌(ストライク・エア)

 

突如、ぶつかり合おうとした両者の間に突風が吹き荒れた。

 

「何?」

 

ロキは突風が吹き荒れた方角を見た。

 

そこには凛とした空気を纏い金髪の髪を後ろで結い上げ、青と銀の甲冑を着た見目麗しい少女剣士が立っていた。

 

「何をしている貴公ら…神VS人類最終闘争(ラグナロク)の最中だぞ?」

 

少女剣士はそう言うと両者の間に入っていく。

 

「宮本武蔵は兎も角…沖田総司…貴女はまだ出番が残っている…魔力()は温存するべきだ」

 

「……そうですね…すみません」

 

沖田は戦闘態勢を止めた。

 

「何なのさキミ…突然入ってきてさぁ…死にたいの?

 

ロキは少女剣士を睨み付ける。

 

「北欧神話の悪神ロキ…貴公ら神々のいざこざは正直どうでもいいが…神同士の戦いで無事では済まないだろう…これは神と人類の真剣勝負…万全の状態で倒せなければ此方としても意味がない

 

少女剣士はロキに説教をする気だった。

 

「…人間が僕に説教とか…面白いじゃん

 

ロキは笑っていたが内心はキレていた。

 

「その威勢は良し…ですがここではない…続きは神VS人類最終闘争(ラグナロク)で…最も…私が貴公の相手に選ばれればの話ですが…」

 

ロキと少女剣士は互いを睨み合う。

 

「何じゃ…止めに入るつもりが既に終わっておったか」

 

そこにゼウスと鴉を連れたオーディンがやって来た。

 

「ジジ様…オジ様まで……」

 

ロキが呟く。

 

「何があったかは知らんがこんな緊急事態(とき)に仲間割れとは…感心せんのう」

 

「……」

 

釈迦は無言でゼウスを見ていた。

 

「てめぇら好き勝手に喧嘩してんじゃねぇぞクソボケが!」

 

「今神同士で争うなど言語道断です!!」

 

鴉達は神側に言い放つ。

 

「斎藤さん斎藤さん!?鴉が喋ってますよ!?」

 

「はいはい聞いてるよ沖田ちゃん」

 

先程の鋭き眼光が消え、年頃な少女の様になった沖田を斎藤が宥める。

 

「あぁ!?こちとら天界処刑人や!あんさんらに指図される筋合いは…」

 

恵比寿が食って掛かるがその行動はこの神の前では無力だった。

 

「……ここまでだ

 

オーディンの一言が辺りに重圧を掛ける。

 

「う…」

 

毘沙門天以外の七福神が重圧にビビる。

 

(やべぇなこりゃあ…どう生き残るかねぇ)

 

斎藤は考えた。

 

シーン…

 

辺りが静まり返る。

 

そしてその沈黙を破ったのは----

 

「ぶへっくしょん!」

 

ロキだった。

 

「あ〜あ なんか()る気削がれちゃったなぁ〜もういいや試合見に行こ〜っと…じゃあね〜釈迦くん…()()()

 

「……」

 

ロキの言葉に興味も示さず釈迦は無言でキャンディーを取り出していた。

 

「裏切者には天誅を…(ゆめ)忘れるな」

 

毘沙門天の言葉を最後に七福神も退散する。

 

「んじゃまぁ…俺達も部屋に帰るかね」

 

「……そうですね…武蔵さんはどうします?」

 

斎藤の呟きに沖田が賛成し、武蔵に問う。

 

「ん〜そうだね…折角だから君達の部屋で試合を見ようかな!折角の縁だし!」

 

「えぇどうぞ!かの二天一流宮本武蔵さんと一緒に観戦出来るなんて滅多に出来ることじゃないですし!良いですよね斎藤さん!」

 

沖田は目を輝かせながら斎藤に確認した。

 

「俺は別に良いけど…あんたはどうするんで…()()()様?」

 

斎藤は少女剣士を騎士王と呼んだ。

 

そして少女剣士はその問に答える。

 

「私も部屋に戻ります…くれぐれも羽目を外しすぎない様に…」

 

少女剣士は沖田に忠告する。

 

「は〜い」

 

沖田が返事をする。

 

「あっそうそう神様」

 

武蔵は釈迦に話しかける。

 

「余計なお世話だったらごめんね?」

 

武蔵はそう言い残すと沖田達と部屋に向かう。

 

「……ご武運を」

 

少女剣士は釈迦にそう言いお辞儀をし部屋に帰っていく。

 

「……」

 

釈迦は無言だった。

 

「ホレホレ喧嘩は終わったお主も早く戻らんか」

 

ゼウスが釈迦の元へ歩み寄った。

 

「それと…あんまり揉め事起こさんようになァ?

 

ゼウスは釈迦を睨みつけながら言った。

 

「スゥ----…カッカ〰〰〰ッカッカッカッ!」

 

釈迦が突然笑いだした。

 

「ホッフォ〰〰ホッホ」

 

ゼウスも釣られて笑い出す。

 

その光景を鴉達が何とも言えない表情で見ていた。

 

ボリンッ

 

釈迦は取り出したばかりの飴を噛み砕く。

 

「…オレを動かす事が出来るのは…この…天上天下で…唯-----…我独(オレだけ)

 

そう言い残し釈迦は立ち去った。

 

「やれやれ…全く困った奴だわい…それにしてもこのラグナロク……なかなか…()()通りにいかんのう…のう…北欧の?

 

ゼウスはオーディンに言った。

 

「さてワシも会場に戻るか!し♡あ♡い♡し♡あ♡い」

 

「……フ…」

 

ゼウスが去っていくとオーディンが笑い始める。

 

そして辺りの草花は枯れ始める。

 

 

 

ワァァァァァァ

 

「戻ったぞい」

 

会場に戻ったゼウスが呟く。

 

「……」

 

だがアレスは戦慄したまま動かなかった。

 

「何じゃ?どうなった?」

 

「どうもこうも…ご覧の通りです」

 

「!!」

 

ゼウスはその光景が信じられなかった。

 

 

何故ならば----

 

 

シヴァの下左腕が何かによって潰されていたからだ。

 

 

ではその何かとは何か?

 

 

それは----

 

 

「な…なんて事だ…神界ぶっちぎりの最強破壊神(こわしや)を…人類が…ベオウルフがぶっ壊しやがったぁぁ!!」

 

す…スゲェ…

 

なんて闘いだ…

 

神も人類もその戦いに驚愕していた。

 

「…ヘッ……スゲェな神器錬成(ヴェルンド)ってのはよ…俺の宝具が強くなってるとはな」

 

ベオウルフは自身の宝具である鉄鎚蛇潰(ネイリング)を見て呟く。

 

 

「どういうことじゃ?ヘルメス何があった?」

 

ゼウスはヘルメスに問う。

 

「どうも何も…あの英霊が持つ宝具が腕を…()()()()()だけです」

 

「!!」

 

 

人類(ひと)宝具(ぶき)神の腕(かみ)を潰した----…

 

 

その衝撃は数分程遡る----…

 

 

「ぶっ壊れても悪く思うなよ」

 

「ああん?言ってくれるなァ人類!!」

 

ギュオン

 

ベオウルフがシヴァの前に迫った。

 

「!!」

 

「オラァ!!」

 

ベオウルフが赤原猟犬(フルンティング)を振るう。

 

シヴァはその斬撃を避ける。

 

「まだまだァ!!」

 

すかさず鉄鎚蛇潰(ネイリング)を振るう。

 

 

しかし鉄鎚蛇潰(ネイリング)には剣としての効果はほぼ無く、相手を叩き潰すことに特化した剣である事を知っているのかシヴァは上下両腕でガードした。

 

「おッ!?」

 

鉄鎚蛇潰(ネイリング)の攻撃で後方に吹き飛ばされるシヴァ。

 

「オラオラオラオラァ!」

 

「!」

 

赤原猟犬(フルンティング)鉄鎚蛇潰(ネイリング)の両刀による攻撃がシヴァを捉える。

 

赤原猟犬(フルンティング)で切り傷を、鉄鎚蛇潰(ネイリング)で打撲を作るシヴァ。

 

「ニャロウ…!!」

 

ドボオ

 

ベオウルフはすかさずシヴァの首にラリアットをかました。

 

グルン

 

ゴキ

 

シヴァはそのまま一回転し顔面から地面に叩きつけられた。

 

「あ…圧倒…!!ベオウルフの猛攻がインドの破壊神を圧倒!!」

 

ヘイムダルもこの光景に驚愕しながら実況を続ける。

 

あ…ありえない…

 

あのシヴァ神が人間如きに…

 

神々は驚愕する。

 

良いぞベオウルフ様!!

 

ベオウルフ様!!

 

ベオウルフの国の民達は自身の王が優勢に立っていることに興奮気味である。

 

「ベオウルフ様…いけます…そのまま押し切って下さい!」

 

ウィラーフはベオウルフの勝利を信じ祈りを捧げていた。

 

 

「す…すごい…すごいっス!ただの戦闘狂(バトルジャンキー)な英霊じゃなかったんスね!!」

 

勿論(もち)

 

ゲルの問に答えるブリュンヒルデ。

 

「バーサーカーで大丈夫か不安だったが…いけそうだな」

 

「これで追い付けるか…ですが油断も出来ません」

 

ネロの呟きに答える牛若丸。

 

 

ワァァァァァァ

 

「……ゲボッゴエッゲホッ」

 

シヴァは血反吐を吐きながら立ち上がる。

 

 

「ま…まずい!フラフラだぞ」

 

「かなりダメージが深そうですね…」

 

アレスとヘルメスはシヴァの状況を見て呟く。

 

 

「おいおい…」

 

そんなシヴァに寄っていくベオウルフ。

 

「もう終わりか?」

 

ベオウルフは鉄鎚蛇潰(ネイリング)を振り上げ、シヴァの頭を狙う。

 

ゴッ

 

鈍い音と共に一同が驚愕する。

 

「…ヘッ…そうこなくちゃなぁ」

 

シヴァは鉄鎚蛇潰(ネイリング)の一撃を自身の頭突きで止めた。

 

ギョロ

 

額の目がベオウルフを睨む。

 

「効くねぇ」

 

 

「ベオウルフの一撃が決まるかと思ったが…なんとシヴァは頭突きで()()()()()ァァああ!?」

 

 

「ひいぃッ」ゾオッ

 

ゲルは自分の額を抑えながら悲鳴をあげる。

 

「なんと…」

 

「下手をすれば自身の頭蓋が砕けるというのに…」

 

ネロと牛若丸はシヴァの行動に戦慄した。

 

 

「でもなァ!!」

 

シヴァは負けじと上両腕でベオウルフの腹部に張り手した。

 

「グボッ」

 

その衝撃でベオウルフも吐血した。

 

ガコォ

 

シヴァはすかさず下両腕でベオウルフにアッパーし、ベオウルフはよろける。

 

「ああっと!シヴァ神の強烈なコンボが炸裂!!」

 

「クッ」

 

シヴァは自分の額を指で叩く。

 

「石頭何だよなぁ…オレ…今度はこっちから…行くぞコラァ!?」

 

「!」

 

シヴァの攻撃が始まった。

 

「コラコラコラコラコラコラコラコラゴルァアアア!!」

 

シヴァのインファイトが炸裂する。

 

ベオウルフは自身の宝具でガードし続ける。

 

「ラッシュラッシュラッァアアッシュ!!一方的!!シヴァが圧倒的な手数でベオウルフを壊しにかかる!!」

 

 

「ベオウルフ様!!」

 

頑張れベオウルフ様!

 

ウィラーフや民達がベオウルフに声援を送る。

 

 

「ドラァアア!!」

 

上下左腕でベオウルフのガードを躱し、腹部を捉えた。

 

「ガ……カハァ!!」

 

ベオウルフが遂に膝をついた。

 

だがベオウルフは右手でシヴァの下左腕を掴んだ。

 

「?」

 

「言っただろうが…ぶっ壊れても悪く思うなよってな」

 

ベオウルフがそう呟くと左手に持った鉄鎚蛇潰(ネイリング)を振り上げる。

 

「!!は…離せ…」

 

何をするか悟ったのかシヴァは距離を取ろうとしたが下左腕はベオウルフの右手に掴まれたままだった。

 

「離すかよ…」

 

そしてベオウルフは宝具の真名を開放した。

 

「ぶっ潰せ…鉄鎚蛇潰(ネイリング)

 

「!!」

 

 

グシャァ

 

 

ベオウルフの鉄鎚蛇潰(ネイリング)は宣言通りシヴァの下左腕を叩き潰した。

 

「ぐぁあああ!!」

 

ドッ

 

シヴァはベオウルフの腹部を蹴り飛ばす。

 

「カハァ」

 

その衝撃でベオウルフは右手を離してしまう。

 

その隙にシヴァが距離を取った。

 

「チィ…完全にぶっ潰そうと思ったんだがなぁ」

 

「ハァ…ハァ…」

 

 

その光景に神々が戦慄していた。

 

「な…なんて事だ…神界ぶっちぎりの最強破壊神(こわしや)を…人類が…ベオウルフがぶっ壊しやがったぁぁ!!」

 

 

「あ…あれが…狂戦士(バーサーカー)…ベオウルフの力…」

 

「…勿論それのみではあれ程の破壊力はありません…本来の鉄鎚蛇潰(ネイリング)は破壊された時に相手に大ダメージを与える魔剣…それを神器錬成(ヴェルンド)によって、鉄鎚蛇潰(ネイリング)の“相手を叩き潰す”という用途を最大限に発揮できる…つまり----…」

 

ブリュンヒルデは答える。

 

赤原猟犬(フルンティング)鉄鎚蛇潰(ネイリング)というじゃじゃ馬をベオウルフの意思によってコントロールが可能となっている…そのためシヴァの腕を強化された鉄鎚蛇潰(ネイリング)が叩き潰す事が出来たのです」

 

 

「…ヘッ……スゲェな神器錬成(ヴェルンド)ってのはよ…俺の宝具が強くなってるとはな」

 

 

「ここから先は誰も…ベオウルフ自身も見たことのないベオウルフが持つ本当の強さを知る闘いになるでしょう」

 

ベオウルフの後ろに戦乙女(ワルキューレ)のスルーズの姿が浮かび上がる。

 

戦乙女(ワルキューレ)三女スルーズ…その(ルーン)に宿りし力は----…」

 

 

戦乙女(ワルキューレ)三女 スルーズ(強き者)

 

 

い…良いぞ…

 

良いぞベオウルフ!

 

その光景に民達だけでなく全人類が声援を送り始める。

 

ワァァァァァァ

 

 

ま…まさか…シヴァ神まで----…

 

こ…ここで敗けたら…ポセイドン様に続いて二敗だぞ?

 

 

神々があってはならない予感に震える中----

 

シヴァを知る印度の神々(おとこたち)の見解は違う----

 

へっシヴァさんがあんな小僧に負ける訳がねぇ

 

ったりめぇだあの(ひと)の拳には印度1116神(おれら)の魂が宿ってんだからよ!!

 

印度神話の神々がシヴァに声援を送る。

 

 

(……背中で分かるぜ…いつもそうだ…どいつもこいつも…オレを真っ直ぐな目で見やがって…)

 

 

シヴァが仲間(ツレ)の期待を裏切った事は…

 

 

一度もない!!

 

 

「ったく----しょうがねぇなぁ」

 

 

ウォォォォォォォ

 

シヴァ!シヴァ!シヴァ!シヴァ!

 

印度神話の神々からシヴァコールが鳴り止まなかった。

 

 

「ヘッ…彼奴等の想いも背負(しょ)ってんだ…ワリぃけど…ぶっ壊させて貰うぜ?

 

 

シヴァが動き出した。

 

「!!」

 

「オラァ!!」

 

上下右腕でロシアンフックをかますシヴァ。

 

だがベオウルフは難なく躱した。

 

 

「な…なんだあの大振りなパンチは!?」

 

アレスがシヴァらしからぬパンチに驚愕した。

 

「腕一本潰されて体のバランスが崩れているんですよ…しかしあれでは----」

 

ヘルメスの言うことは正しかった。

 

 

「ドラァ」

 

シヴァの攻撃を躱したベオウルフ。

 

「おいおい隙だらけだぜ?」

 

ゴッ

 

ベオウルフは赤原猟犬(フルンティング)を持った右腕でシヴァの顔面を殴る。

 

だがシヴァは怯まずに体制を立て直し、上右腕でストレートを叩き込んだ。

 

ベオウルフは両方の宝具でガードした。

 

「シヴァの拳がベオウルフのガードごとぶっ飛ばしたぁあ!!」

 

(おいおい…拳がさっきより重いじゃねぇか)

 

っしゃああ!!

 

どうだ見たか?

 

重てぇ拳だろ!?

 

シヴァさんの拳には1116柱(オレら)想いが宿ってんだ!!

 

 

「面白えぇ!!」

 

ベオウルフは両方の宝具でシヴァにラッシュを叩き込む。

 

「…オラァ!」

 

ドボン

 

「ガッ」

 

シヴァの下右腕がベオウルフの腹部に叩き込まれた。

 

「っしゃっオラァあああ!!」

 

更にシヴァはベオウルフに頭突きする。

 

グラ…

 

ベオウルフがよろけるが体制を立て直した。

 

「オラァァああ!!」

 

ベオウルフも負けじとシヴァに頭突きを返した。

 

そしてベオウルフは自身の宝具を消した。

 

これにより宝具に神器錬成(ヴェルンド)していたスルーズは姿を変え、ベオウルフが手首に身につけている腕枷の様な装飾になった。

 

両腕が空いた事によりベオウルフはシヴァの頭を両腕で持つ。

 

それと同時にシヴァもベオウルフの頭を上両腕で持つ。

 

「らァッ」

 

ゴッ

 

両者は互いの額をぶつけ合う。

 

何度も何度も何度も----

 

 

ぶつけ合う事で額から夥しい量の血飛沫が飛び交う。

 

 

(へっ…こんなに熱くなんのは…数千年ぶりか…()()()を思い出すぜ……なぁ…?ルドラ……)

 

 

 

嘗て印度神界は----

 

 

数千もの神々が乱立

 

力のある強神を中心に----

 

 

群雄割拠!千神騒乱!!

 

 

未だ印度を一つに纏めた絶対神(アタマ)は存在しなかったのである……

 

 

そんな印度神界の田舎(かたすみ)に----

 

 

ほぼ無名の二柱がいた。

 

 

破壊神シヴァ

 

「ファァ〜なぁルドラぁ…お前そう毎日毎日修行ばっかしてて…よく飽きねぇのな?」

 

 

暴風神ルドラ

 

「あぁ…強く…なりたいからな」

 

「ふ〜んエライねぇ…」

 

寝転がっていたシヴァは起き上がる。

 

「けどさぁこういうのも悪くないぜ?ホレホレ」

 

シヴァは踊りだした。

 

「ほらルドラお前も踊れ!頭空っぽにしてよ!楽しいぜ」

 

シヴァの踊りに周りの動物達も踊りだす。

 

「ったく少しだけだぞ?」

 

「おッいいねぇ」

 

性格は真逆の二柱(ふたり)だが何故かウマがあった。

 

ル…ルドラシヴァ

 

た…大変だ!

 

そんな二柱(ふたり)の所にあるモブ()がやって来た。

 

アスラの『殺戮兄弟』が村に…た…(たす)けてくれ!

 

 

「え〜?」

 

「分かったすぐ行く」

 

シヴァは渋ったがルドラは即答だった。

 

「はぁまたかよ面倒くせぇなぁ」

 

「まぁそう言わず付き合えよ」

 

ルドラがシヴァの肩を叩く。

 

「へっ…しょうがねぇなぁ」

 

 

喧嘩に明け暮れる日々…

 

シヴァにとってルドラは最高の友であった。

 

 

そんなある日の事----

 

「なぁシヴァ…お前将来(これから)どうするつもりだ?」

 

「ん〜…踊りの王(ナタラージャ)にでもなっかなぁ…ほらオレってば根っからのダンサー(ナルタキー)だし」

 

ルドラの問にシヴァは笑いながら答える。

 

「お前らしいな…な…なぁシヴァ」

 

「んだよさっきから?」

 

ルドラは頬を掻いた。

 

「…笑わないで聞いてくれるか?」

 

「あん?」

 

「俺には…夢があるんだ…」

 

「…夢……ぶっはっははは夢て!!」

 

シヴァは爆笑した。

 

「お前…に…ぶっはっははは…人間かよォ…ゆめンッ」

 

余りにも大笑いするシヴァにルドラは頭を殴る。

 

「シヴァ…オレはな…印度神界の天辺に立ちたい」

 

「天辺…?」

 

「試してみてぇんだよ……自分(てめぇ)がどれ程の(タマ)なのか?そして…まだ誰も見たことがない景色を見てみたい」

 

「誰も見たことがない景色……か」

 

ルドラはシヴァを見る。

 

「シヴァ…オレと一緒に()かねぇか?」

 

「……」

 

「オレとお前ならどこまでも昇れる…そんな気がするんだ」

 

「……フッ…しょうがねぇなぁ」

 

 

この日から二柱(ふたり)の旅が始まった。

 

そして二柱(ふたり)は数々の強神との激闘に激闘を乗り越え----

 

 

遂に1115柱を倒し印度神界の頂に立った!

 

「うおッすげぇ!こりゃあ絶景絶景!!」

 

「……」

 

「おっ!ほら見ろよルドラ!あれオレらがいた田舎だぜ?」

 

「シヴァ…」

 

ルドラはシヴァに言い放つ。

 

「シヴァ…やろうか?」

 

「……」

 

「印度神界の絶対神は一柱でいい…神々のためにも人間のためにも…そして…その一柱は最強でなければならない…そうだろ?」

 

「…何言ってっか分かんねぇ…」

 

ルドラはシヴァに言った。

 

「オレとお前どちらが強いか…勝負をしよう」

 

「…くそ…お前は…言い出したら聞かねぇんだ…しょ…しょ…しょうがねぇなぁ…」

 

シヴァは涙していた。

 

そして二柱(ふたり)は最後の喧嘩を始める。

 

 

それは印度神界始まって以来の凄まじい闘いだった。

 

二柱が殴り合う音は印度全土に響き流れる汗は豪雨となった。

 

 

シヴァにとっても…ルドラにとっても…最高に楽しく…哀しい時間だった。

 

 

そして遂にその時が来た----

 

 

シヴァの拳がルドラを捉え、ルドラは倒れる。

 

だがルドラは立ち上がる。

 

何度殴られ倒れても立ち上がった。

 

 

シヴァはそんなルドラを見ていることが辛かった。

 

「……しょうがねぇ…な…」

 

シヴァは尻もちを付く。

 

「ルドラ…やっぱお前は無茶苦茶強ぇわ…」

 

シヴァが負けを宣言しようとする。

 

だがそれより前に

 

「まいった…オレの負けだ」

 

負けを宣言したのはルドラだった。

 

「何でお前…」

 

「いいかシヴァ…」

 

ルドラはシヴァの肩を掴み言った。

 

「全力で向かってくる奴には最後まで全力を尽くせ…命懸けで()る相手に手を抜かれるのはな!死ぬことよりもずっと辛ぇんだよ!

 

「ルドラ…お…オレは…オレは…だって…お前の…夢を…」

 

シヴァは泣いていた。

 

「バカ…泣くな…正真正銘…お前が1116柱(オレたち)の天辺だ!シヴァ…印度神界を頼むぞ」

 

「……しょ…しょ…しょうがねぇなぁ」

 

こうしてルドラは印度神界から姿を消し、シヴァが神々の頂に立った。

 

 

代わりに最高の友(ルドラ)を失う形で……

 

 

 

ワァァァァァァァァァ

 

シヴァ!シヴァ!シヴァ!

 

「オラァ!」

 

「クラァアア!!」

 

シヴァとベオウルフは互いに距離を取る。

 

「オレは…1116柱の想いを背負っている…誰にも負けるわけにはいかねぇんだよ!!

 

「フッ…」

 

シヴァの叫びにベオウルフは狂気の笑顔で返した。

 

 

ワァァァァァァァァァ

 

 

(なぁ…ルドラ…こんなとこで止まってちゃ…お前に怒られちまうよな)

 

 

ルドラはブラフマーやインドラを始めとした印度神話の主神達と共に試合を見ていた。

 

(行けシヴァ!印度神界の…俺達の喧嘩を…見せてやれ!!)

 

 

「さぁ…とことん踊り明かそうぜ?」

 

 

 

 




はいということで…改変としては釈迦とロキの喧嘩を止める役をゼウスからかの騎士王に変えさせて貰いました。

いずれの闘いで登場するのですが個人的に出したいなと思って先に出してしまいました!

次回で第5回戦も終了にしたいと思っていますのでアンケートの締切は次回までです!

お楽しみ頂けたでしょうか?

頂けたなら幸いなのですが…次回もお楽しみに!

それでは!

第六回戦釈迦VS零副の試合をどうするか?

  • 釈迦VS零副の試合を描きつつ別の話を書く
  • 試合自体を無き物とし、全く別の試合にする
  • どっちでも良い
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。