魔法先生ネギま! 同室のお兄さんズ   作:ひろやん(すぴ出身)

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第6話

 side パルジ

 

 エヴァンジェリンを仲間にすると朝出て行ったネギは意気消沈して夕方に帰ってきた。

 

「ネギ、駄目だったのか?」

「いいえ、今度の停電の日に決着を付けて僕が勝ったら仲間になってくれる事になりました。…負けたら血を吸われますけど」

 

 少しタイムスケジュールが違うが概ね原作通りの展開だ。一体何に対して落ち込んでいるのだろうか?そう思って聞いてみるとネギはポツリポツリと話してくれた。

 

「最初エヴァンジェリンさんに話をしようと屋上に行くと、エヴァンジェリンさんは昼寝をしていたんです。僕はエヴァンジェリンさんの寝言が気になって思わずエヴァンジェリンさんの夢を覗いてしまったんです。夢の内容は口止めされているので言えませんが、夢を見られた事に気づいたエヴァンジェリンさんを怒らせてしまったんです」

 

 まあ、これも原作に有った事だな。

 

「そこでエヴァンジェリンさんは僕の父さんの事を口にしました。エヴァンジェリンさん曰く父さんはかなり…、いえ相当正確が悪かったと。そしてその証拠に父さんがエヴァンジェリンさんの記憶を見せられたんです」

 

 そこまでいうとネギは乾いた笑みを浮かべた。

 

「ねえ、パルジさん。魔法使いって何なんでしょう。タカミチですらデスメガネと言われて一部の生徒の皆さんから恐れられていたんですよ」

 

 これはかなり不味い展開だ。このまま放って置くとネギは魔法使いをやめてしまうかも知れない。仕方が無いので俺はネギに有る事を教えることにした。

 

「ネギ、確かにお前の父さんはアレな所が有ると噂で聞いたことが有るがそれでも多くの人々の為に活躍したんだぞ。修学旅行で今度行く予定の京都でも危険な魔物(鬼神)を封印したり、魔法使い同士の戦争を止めたりしたんだ」

 

 そう言うとネギの顔はパアッと明るくなった。素直で単純なものである。

 

「所で停電の日に決着をつけると言っていたけど、勝算は有るのか?」

 

 原作通りなら問題は無いけど、何か雲行きが怪しくなってきたので聞いてみた。そうしたらネギはエヴァンジェリンと茶々丸の2人と戦わなければならない事を思いだして…落ち込んだ。

 

「特訓するか?」

「はい、お願いします」

 

 こうして停電前の連休の日に特訓をすることにした。…もちろん山で。上手くいけば潰れそうな楓のイベントを起こせるかもしれないと期待して。

 

 そして当日、

 

「学園長に訳を話してキャンプにいるものを借りてきたぞ」

 

 俺とネギとユウは3人で楓がいる(と思われる)山に来た。ちなみにアスナは修行の事は知っているが参加はしなかった。ネギの事は心配でも男3人に混ざってキャンプをする気にはなれなかったのだろう。高畑先生が参加していれば別だったかもしれないが。

 

「さて、特訓するに当たって聞きたいことが有るんだけど、ネギは何を鍛えたいんだ?」

 

 テントを張り、キャンプの準備が出来るとユウはネギに質問をしてきた。

 

「はい、吸血鬼さんとの話し合いの結果(生徒は攻撃できないとごねたので)、停電が始まってから終わるまでの間逃げ切れば僕の勝ちという事になりました。だから逃げる為の特訓をしたいと思います」

 

 ユウに正体がばれないようにエヴァンジェリンのことを吸血鬼といいネギはそう答えた。この勝負の内容は両者にとって都合がいいものかもしれない。ネギは茶々丸の接近を回避して遠くに行けばいいのだし、エヴァンジェリンはネギを狩る事でうっぷんを晴らす事が出来るからだ。

 

「わかった。パルジ、ネギに防御強化の魔法をかけてやってくれ」

 

 俺が考え事をしているとユウが俺にそう言ってきた。ユウには何か考えが有るみたいなのでネギに強化魔法をかけた。俺は能力強化の魔法が得意で攻撃系はあまり使うなと言われている。それに対してユウはというと…

 

「じゃあネギ、逃げ切れ」

 

 ユウは魔法の射手を100本出してネギに逃げ切るように言った。ユウは攻撃魔法、特に魔法の射手を大量に出してその全てを細かく制御する事に長けているのである。さすがリリカルな世界の出身、マルチタスクは伊達ではない。

 

「えーと、これから逃げ切るんですか?」

 

 いきなり100本も出てきたので腰が引けているネギにユウは言った。

 

「大丈夫だ。一本一本の威力は抑えているから。もっとも全部当たれば痛いけど」

「兄貴頑張ってください」

 

 いつの間にかカモはネギの肩から降りていて、ネギにエールを送っていた。

 

「カモくん、逃げないで!」

「さあ、始めるぞ!」

 

 こうしてネギの逃げ切るための特訓は始まった。

 

「魔法を使って相殺してもいいんだぞ」

「無理です、そんな余裕は有りません!」

 

 ネギは森の木々を避けながら追いかけてくる魔法の射手から逃げまくった。それから時間が過ぎて防御魔法をかけ直してくれと言われたので俺は飲み物を持ってネギの所に向かった。

 

「うう、パルジさん。やっぱりユウさんはエヴァンジェリンさんよりも怖いです」

 

 俺がネギの所に行くとネギは半泣きで俺に助けを求めてきた。

 

「逃げても隠れてもまるで僕の居場所が分かるかの様に魔法の射手が追って来るんです」

「ネギ、ひょっとして気づいていないのか?」

 

 効率よく追われる事の原因をどうやらネギは気づいていないようだった。

 

「一体何の事です」

「ネギ、どうして俺がネギの所まで簡単に来れたと思う?」

「え?」

 

 本当に分かっていないようだったので俺は手に持っていたある者をネギに見せた。

 

「あ、GPS」

「そういう事だ。言っておくけどGPSを捨てるのは無しな。特訓にならないし迷子になったら大変だ」

 

 俺がそう言うとネギは死刑宣告を受けたかのように石になった。こうしてネギの修行は一日中続けられ、ネギは逃げる為の能力と精神的な力を身に付けたのだった。

 

 それと…

 

「魔法使いって本当にいるのでござるな」

「まあ、秘密なんだけどね」

 

 出会えなかった楓に魔法の事を見られていて、それをユウが隠蔽処理した事に俺は気づく事は無かった。

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