魔法先生ネギま! 同室のお兄さんズ   作:ひろやん(すぴ出身)

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第7話

 side Others

 

 私の名前は月村すずか。、夜の一族という吸血鬼です。でも夜の一族はお姉ちゃんとなのはちゃんの『実の』お兄さんである恭也さんの交際を巡って争いになり、その争いになのはちゃんが巻き込まれた所為でユウさんの逆鱗に触れて壊滅寸前に追い込まれて力を失ってしまいました。

 

 ユウさんやなのはちゃんには秘密にしていますがヨーロッパに本拠地がある夜の一族は地球の魔法使いと交流があります。そして人間社会に溶け込んで地位と権力とお金を持っていた夜の一族は魔法使い族を相手に便宜をはかってその見返りにさまざまな物を得てきたという歴史もあったのです。

 

 でもユウさんの手によって壊滅寸前に追い込まれ、アリサちゃんの家のバニングスグループの手によって地位も権力も奪われてしまいました。

 

 でも姉ちゃんは夜の一族の本家からは独立した立場を取っていたので何の被害も受けず、むしろ本家からの圧力がなくなったと喜んでいました。私自身も夜の一族が力を失って魔法世界に干渉が出来なくなったからこそ日本の魔法使いの本拠地とも言えるこの麻帆良学園にくる事が出来ました。

 

 でもいい事ばかりでは有りませんでした。魔法使いの本拠地という事は私の正体を知っている人もたくさんいるということです。もちろん魔法の事も吸血鬼の事も表に出せない秘密なので表立って私に何かをしてくる事はありませんでした。

 

 でも私と同じクラスに魔法使いの見習いの子がいてその子は私に嫌味をよく言ってきました。もちろん私の側には親友であるなのはちゃんとアリサちゃんがいて私の事を守ってくれたので対して気にも止めていませんでした。…桜通りの吸血鬼の噂が出るまでは。

 

 桜通りの吸血鬼の噂が広まるとその子は犯人は私だと言って影で嫌がらせをしてくるようになりました。夜の一族の力が失っていなければそんな嫌がらせも起きなかったのでしょうが、もう夜の一族は力を失ってしまっていたので恐れる物はないという状況でした。

 

 それでも何とか頑張っていたのですが新学期が始まる前の晩、とうとう私のクラスの子から吸血鬼の被害者が出てしまいました。そしてそれが引き金になり私に対する嫌がらせが悪化しそうになったのです。

 

 偶然その場に居合わせたなのはちゃんが『お話』してくれたのでその場は収まりましたが、収まりが付かないアリサちゃんはユウさんの所まで行って、桜通りの吸血鬼を退治するように言いに行きました。

 

 それから桜通りの吸血鬼の出現情報は止み(3年の先輩が襲われかけたらしいという噂はありました)私の周りでは平穏を取り戻したかの様に見えました。

 

 でもそうじゃなかったのです。停電の夜、私は以前吸血鬼に襲われた子が寮の外へ出る所を目撃しました。なのはちゃんはもう寝てしまっていたので起きていたアリサちゃんと一緒に追いかけてみるとその子は誰かに操られていました。2人がかりで何とか取り押さえる事は出来ました。でもその時になって私達は突然攻撃を受けたのです。『ようやく本性を現しましたわね』、そう言って姿を現したのは私と同じクラスの見習い魔法使いの子でした。

 

「まさかバニングスさんまで吸血鬼の一味だったとは驚きです」

「何よ、確かにすずかは吸血鬼だけどそれが何なの。いきなり攻撃を仕掛けてくるアンタの方がよっぽど危険人物よ!」

 

 私達を見下すクラスメイトにアリサちゃんは言い返しました。私はその間にユウさんの携帯電話に電話をかけてユウさんに異変を知らせる事にしました。あとは時間を稼げばと思っていたとき、突然ユウさんが面倒を見ていた魔法使いのネギくんが杖にまたがって飛んで来たのです。しかも空を飛ぶ機械少女と別の魔法使いの女の子から攻撃を受けながら。

 

 ネギくんは私達を見ると驚いて杖の制御を乱してしまい、後ろからの攻撃を受けて墜落してしまいました。

 

「ネギくん大丈夫?」

「あなたは、この間のお姉さん」

 

 私が駆け寄るとネギくんは平気そうな顔をして返事をしました。

 

「ネギさま離れてください!そいつは吸血鬼です!」

「え?」

 

 ネギくんが無事だった事に安心したのもつかの間、今度はクラスメイトの子がネギくんに私の正体をバラして注意を促しまた。ネギくんは魔法使いの世界の英雄の子供で将来を有望視されていると以前ユウさんから聞きました。当然お近づきになりたい、パートナーになりたいと考えている女の子も大勢いるというわけです。どうやら彼女もその1人だったようです。

 

「お姉さんが吸血鬼?でも悪い人では無いんですよね?」

 

 ネギくんは私が吸血鬼だと聞いても怖がらずにそう聞いてきました。

 

「私はユウさんの『妹』の親友でユウさんとの付き合いも長いんだよ。だからネギくんの敵になるつもりは無いよ」

「そうなんですか。だったら信用します」

 

 私がそう言うとネギくんは私の事を信じてくれました。

 

「ほう、魔法使いと友好的な夜の一族か。用意した手駒を潰したのはお前か、ネギを庇って私と敵対する気か?」

 

 ネギくんを追いかけてきた女の子は私を見てそう言いました。話からするとこの子が桜通りの吸血鬼で私のクラスメイトを操っていたみたいです。

 

「そうかこいつが真犯人、桜通りの吸血鬼ね。こいつを捕まえてすずかの無実を晴らすわよ!」

 

 アリサちゃんも私と同じ考えにいたったみたいです。乱入者の少女を捕まえようと言いました。

 

「だ、駄目です。この日とは元600万ドルの賞金首、吸血鬼の真祖のエヴァンジェリンさんです」

「真祖の吸血鬼…」

 

 ネギくんがそう叫び、それを聞いたクラスメイトの子は気絶してしまいました。

 

「何かヤバイ相手なの?どうするすずか」

 

 そう言いながらアリサちゃんは護身用に渡されたデバイスを使おうとしました。このデバイスはリンカーコアという魔法を使う為の機関がなくても魔法が使えるという特殊なデバイスでユウさんのお父さんとその部下の人が開発した物です。でもあくまで護身用で戦うには出力が足りません。私も同じ物を渡されましたが2人がかりでもおそらく駄目でしょう。

 

「ふはははは!」

 

 そんな時でした空から笑い声がしたのは。思わず上を見上げるとそこには顔を隠した見た事の無い魔法少女が浮いていました。

 

「闇夜を照らす、炎の魔法少女。リリカルリンリンただいま参上アル」

「待てー!どう見てもお前は超だろ!」

 

 エヴァンジェリンさんは謎の魔法少女の正体に心当たりが有るみたいで魔法少女を名前で呼びました。

 

「私は超とかいう天才美少女科学者では無いアルね。私の事はリリカルリンリンと呼ぶコト、良いアルか」

 

 リンリンさんはそう否定すると私達の元に降りてきました。

 

「故あって私は直接戦えないね。その代わり彼女に勝つ方法を教えてアゲルネ」

「エヴァンジェリンに勝つ方法?」

「それは君達がパクティオーすればイイアルネ。そっちのお嬢ちゃんはネギ坊主から魔力を貰って出力不足を解消できるアルヨ。ネギ坊主も前衛が増えて上手く戦えるようにナルネ」

 

 リンリンさんは私達にそう言いました。私はパクティオーがどういうものか知っています。ネギくんとキスすることになりますがこの場を切り抜けられるのなら覚悟は出来ています。

 

「駄目です。見ず知らずのお姉さんに僕の厄介ごとを背負わせる訳には行きません!」

 

 でもネギくんは反対しました。ネギくんこの考え方はユウさんに良く似ています。一緒に暮らして影響を受けているみたいです。

 

「ねえ、ネギくん。確かに私はネギくんが何を背負っているのか知らないし、背負えるかどうかも判らない。そしてネギくんも私が背負っている物を知らないし背負えるかどうかも判らない。でも今この時は同じ物を背負っているのよ。だから協力しましょう」

 

 私がそう言うと、ネギくんは少し考え込みました。如何してでしょう、他の方法もある筈なのにネギくんと協力したいと言っている自分がいます。吸血鬼としての本能が強い魔力を持ったネギくんに対して反応しているのかも知れません。

 

「分かりました。一緒に戦ってください」

「なら契約の魔法陣は私が用意するね」

 

 ネギくんが決意するとリリカルリンリンさんが契約の魔法陣を出しました。

 

「黙ってパクティオーさせると思っているのか」

「なんかよく分からないけど邪魔はさせないわよ!」

 

 エヴァンジェリンさんと一緒にいた機械少女が邪魔をしようとしてアリサちゃんが2人の前に立ちふさがりました。アリサちゃんは機械少女の腕を掴むと向かってきた勢いを利用して機械少女をエヴァンジェリンさんの方に向かって投げました。もちろん機械少女は空中で体制を建て直し、エヴァンジェリンさんにぶつかる事は有りませんでした。でもアリサちゃんのその行動によってエヴァンジェリンさんの視界は一瞬塞がれて時間を稼ぐ事が出来ました。危険な活動をする事がある部に入るというので護身術を習っていたのが功を奏したみたいです。

 

 私とネギくんはアリサちゃんが稼いでくれた時間を使ってパクティオーを成功させました。

 

「ネギくん、私に魔力を頂戴」

「は、はい、分かりました。契約執行90秒間!ネギの従者…。お姉さんの名前、何でしたっけ?」

「月村すずかよ」

「ネギの従者『月村すずか』!」

 

 ネギくんが呪文を唱え、私に魔力を送りました。するとデバイスの出力がどんどん上がって行きました。このデバイスはなのはちゃんのレイジングハートを元に作られました。だから今ならなのはちゃんのように変身できるはずです。

 

「いけるスノーホワイト?」

「はい、大丈夫です」

 

 私は自分のデバイスのスノーホワイトに確認を取ると、バリアジャケットを構築して変身しました。

 

「ま、魔法少女…」

「ついに運命は動き出したアルね」

「すずかだけずるいわね」

 

 私の変身を見て皆が思い思いの事を言う中私は改めてエヴァンジェリンさんと機械少女の方を向いて構えました。でも戦いには成りませんでした。

 

「両者、そこまでだ!」

 

 その声と共にユウさんが空から飛んできて私たちの間に割って入って来たからです。三種の神器と呼ばれる強化武装を装備して完全戦闘形態に入ったユウさんは私たちを一瞥するとこう言いました。

 

「悪いけど『身内』が絡んだ以上介入させて貰います」

 

 それはここには居ない誰かに言ったようなセリフでした。こうして私達はユウさんの介入で戦う事無くこの場を乗り切る事に成功したのでした。

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