魔法先生ネギま! 同室のお兄さんズ   作:ひろやん(すぴ出身)

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第8話

 side ネギ

 

 僕には人生観が変わる出来事が何度かありました。1つ目は故郷の村が襲われてお父さんに助けられた時。2つ目は魔法学校の同級生から魔法少女のアニメを見せられてその活躍に憧れた時。そして今3つ目の出来事が目の前で起きようとしていました。

 

「遅くなって済まない」

「ホントよ。今まで何をしていたのよ!」

 

 僕達の間に割って入り戦いを止めたユウさんは誰かに向かって僕の課題に介入すると宣言するとすずかさん達に話しかけました。

 

「2人の居場所が分からなくて取りあえず寮の部屋に向かったんだ。そうしたらなのはちゃんが寝てたので起こして話を聞こうとしたんだけど…」

「けど?」

「寝ぼけたなのはちゃんに夜這いと勘違いされたんだ」

 

 ユウさんがそう言うと夜這いの意味を知らない僕と茶々丸さんを除いて全員俯いて沈黙しました。 

 

「それで夢だと勘違いしたなのはちゃんを寝かしつけていたら遅くなった。一体何でなのはちゃんだけ寝ていたんだ?」

「早く寝ると成長ホルモンが分泌されて胸が大きくなるって。だからなのはちゃんは胸を大きくするために早く寝るようにしているんです」

「そうか。…聞かなかった事にしよう」

 

 ユウさんのぼやきにすずかさんは答えました。その話を聞くとユウさんはそれまでの事を無かった事にしてエヴァンジェリンさんの方を向きました。

 

「まさかキティちゃんがネギと戦っていた吸血鬼だったとはね」

「済まない、ずっと隠しておくつもりだった」

 

 エヴァンジェリンさんは自分の正体をユウさんに知られたくなかったはずです。それが予想外の事態で正体を知られてしまった。その辛さは僕には想像できないものなのでしょう。

 

「キティちゃんは賞金600万ドルの賞金首…」

「…」

 

 ユウさんに言われてエヴァンジェリンさんは辛そうに俯きました。しかしここでユウさんは予想外の事を言い出しました。

 

「の子供なんだよね」

「「「「はい?」」」」

 

 ユウさんの言葉に僕を含めて皆さんは呆気にとたれました。いえ、傍観していたリリカルリンリンさんはニヤニヤしていました。

 

「15年前にネギのお父さんに打たれた吸血鬼の子供なんだろ。ネギのお父さんは君のお母さんを退治した後残されたキティちゃんの事を知って面倒を見てたんだろ。ネギのお父さんの事を調べていたら行方不明になる少し前、4,5歳くらいの幼女を連れまわしていた事が分かったんだ。それがキティちゃんなんだろ?」

 

 ユウさんの言葉を聞いて僕は混乱しました。何でそんな勘違いをしているんですとか、お父さんが幼女を連れまわしていたとか頭のなかがごちゃごちゃになりました。

 

「ユウさん、エヴァンジェリンさんはこの15年間ずっとこの学園にいました」

「…そうか、赤ん坊の頃からこの学園に閉じ込められて来たのか、それは辛かったね。でももう大丈夫、その呪いは俺が解くから」

「はあ!?」

 

 混乱した頭でそれでもユウさんに正しい情報を伝えようとすると、ユウさんはさらに爆弾を投下しました。

 

「いや、無理ですよ。エヴァンジェリンさんの呪いは父さんが力任せにかけたんですよ。だから誰にも解けないって」

 

 僕はそう言うとエヴァンジェリンさんの方を見ました。呪いが解けると言うのにエヴァンジェリンさんが静かなのが不思議に思ったからです。

 

「ふふ、そうかナギの奴はペドだったのか。だからロリはお呼びじゃないと。ふふふふふ…」

 

 いえ、小声でブツブツと呟いていました。

 

「じゃあ呪いを解くね」

 

 そんなエヴァンジェリンさんの様子を気にせずユウさんは手にしていた杖を振りました。するとエヴァンジェリンさんから煙が出てきて人の形をとっていきました。その姿は絵本のランプの魔人みたいです。

 

「あなたがキティちゃんを縛っている精霊ですか?」

「いかにも、契約によってこの者を登校させる役目を請け負っている」

 

 魔人はユウさんの質問に答えました。ユウさんは魔人の返事を聞くと僕の肩に手を置いて魔人に言いました。

 

「あなたの契約者は亡くなりました。よってナギ・スプリングフィールドの息子であるネギ・スプリングフィールドがあなたとの契約を解約します」

「待って下さい!お父さんは生きています」

「その通りだ。契約者ナギ・スプリングフィールドはまだ生きている。よって息子であっても契約を解くことは出来ない」

「お父さんが生きている…」

 

 幼い日、僕は死んだと言われていたお父さんに出会い助けられました。だから僕はお父さんが生きている事を信じていました。でも僕以外の人は本気でお父さんが生きているとは思っていなくて…。僕は今日ようやくはお父さんが生きていると言ってくれる人(?)に出会えたのです。

 

「やっぱり生きていたんだ」

「ユウさん、ひょっとしてお父さんの生存確認の為にあんな事を?」

 

 僕がそう聞くとユウさんは片目を瞑って笑いました。

 

「さてキティちゃん、呪いを解くけどいい?」

 

 それからユウさんはエヴァンジェリンさんにそう聞きました。

 

「…(ブツブツブツ)」

 

 しかしエヴァンジェリンさんは未だに自分の世界に閉じこもっていて、精霊の事にも気づいていないようでした。

 

「様子がおかしい。まあ、呪いはいつでも解けるから日を改めるか」

「ほお、我の呪いをいつでも解けると。まあいいだろう争う気が無いのなら我も姿を消そう」

 

 エヴァンジェリンさんの様子がおかしいのでユウさんが呪いを解くのをやめると言うと精霊は煙になって消えていきました。

 

「さて、今日は…、いやもう日付は変わるか。とにかく学校があるのだし今日は帰って明日また話をしよう」

「なら、この子は私達が部屋に送り届けるネ」

 

 今日はもう休もうとユウさんがいい。リリカルリンリンさんが気絶している2人の生徒を部屋に送ると言いました。

 

「見ない顔(?)だけど君は誰」

「私は未来からやって来た魔法の国のプリンセス、魔法少女リリカルリンリンネ」

 

 リリカルリンリンさんがそう名乗るとユウさんは胡散臭そうな目でリリカルリンリンさんを見ました。

 

「私はこれでもあなた達の味方ヨ。それに私は『エルトリアの魔王』のハーレムの一員ネ。ここに来るのも『ギアーズ』の姉妹の協力も有ったのヨ」

「魔法少女がハーレムとか言わないで下さい。夢が壊れます」

「突っ込むところはそこなんだ」

 

 リリカルリンリンさんは訳の分からない名前を出しましたが、それよりも僕はハーレムをいう単語に反応して叫びました。

 

「そうか…、そうなのか…」

 

 一方、ユウさんはリリカルリンリンさんの言った言葉の意味を知っているらしく、あっさりとリリカルリンリンさんの話を信じました。

 

「外野が多いのでいずれまた日を改めて挨拶に来るね。じゃあおやすみなさい」

 

 ユウさんが信じたのを見てリリカルリンリンさんは2人を抱えて飛んで行ってしまいました。

 

「じゃあ、俺達も帰るか」

 

 リリカルリンリンさんの姿が見えなくなるとユウさんは帰るように言いました。

 

「はい、マスターは私がつれて帰ります」

「結局、すずかの汚名は返上できたの?」

「たぶん大丈夫だと思うよ」

「取りあえず無事に終わってよかったです。でも何か忘れているような…」

 

 中途半端に終わったような気がしますが僕は無事に停電の夜を乗り切る事ができました。

 

 そして…

 

「ちょっと、ネギの奴は何処にいるのよ?」

「わかりやせん、でも停電がまだ終わっていないのにドンパチやっていないって事はもしかしたら兄貴は捕まってしまったかもしれやせん。早く助けに行かないと」

「しょうがないわね、ネギまってなさいよ」

 

 僕と行動を別にしていたカモくんがアスナさんを助けに呼んで、2人で一晩中学園内を駆けずり回っていたと知ったのは翌日学校に出勤してからの事でした。




 どうでもいい話

 トラハのなのはさん…怪我しなかったので夜遅くまでお勉強、結果胸ペッタン
 リリカルななのはさん…怪我して入院、消灯時間で早く寝て胸大きい
 とある世界のなのはさん…怪我したかったので夜遅くまで頑張って、『ママのムネはペッタンコ』byヴィヴィオ

 次で桜通りの吸血編は終了の予定です。
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