魔法先生ネギま! 同室のお兄さんズ 作:ひろやん(すぴ出身)
第1話
side ユウ
最近ネギのクラスの様子がおかしい。アスナちゃんは挙動不審だし、木乃香さんは何か隠れてコソコソしている。俺とはあまり縁が無い他の子も俺に隠れて何か噂をしているみたいだ。平常運転なのは旅行に出られると浮かれているキティちゃん達くらいなものか。
あと、カモがようやく復活した。
「旦那、ご心配をおかけしやした。妹が独り立ちした以上、これからは兄貴の為に働かせていただきやす」
多少芝居がかっているけれども、復活したカモをみて安心した。落ち込んだままだったらカモは留守番させようと思っていたからだ。
「元気になってくれて嬉しいよ。ところで修学旅行だけどオコジョを旅行で海外に持ち出すのは無理があるので返送してもらうけどいいか?」
「はい、旦那のお考えを信用します」
前と比べてエロさがなくなっていて本当に大丈夫かと不安になってきたけれども、真面目になったのなら良いかと思いなおして俺はカモに魔法をかけてみた。
『旦那、これは一体どういうことで?』
「人間に化けさせると色々と面倒だから缶バッジになってもらった。これならネギの服に取り付ければ何処でも一緒にいられるだろ。税関を抜けたら元に戻すからそれまで我慢していてくれ」
『そういうことでしたら、我慢いたしやす』
俺の魔法で缶バッジになったカモにそう説明した。後はエリザベスをなのはちゃんに預ければ旅行の準備は完了か。
…エリザベスというのは俺が部屋で育てている鉢植えの名前だ。本名はプリンセス・エリゼベス2世で以前育てていたエリザベスという鉢植えから取れた種から育てた2世だ。実は魔法植物で人間の言葉が分かる賢い植物だったりする。
こうして旅行当日、俺達のクラスはネギのクラスと共に飛行機で空の上を飛んでいた。
「何でまた女子のクラスと一緒なんだ?学校が違うだろうに…」
「建前は急遽行き先を変更したから飛行機の手配に余裕が無かったんだろう」
「本音は?」
「俺達にネギとキティちゃんの面倒を見ろと言うことだろ」
「俺には関係ないだろ。女子との境界線にいる所為でクラスの視線が痛いんだぞ」
飛行機の座席で俺とパルジはそんな事を話していた。俺のクラスは担任を含めて俺とパルジを除いて一般人だ。彼女が欲しくてがっつくラノベ風男子高校生の一歩手前で女の子と仲良くなりたいけどどうすれば良いのか分からないでモジモジしている思春期真っ盛りである。
だから女子地の境界線の座席に座っているパルジに嫉妬の視線が集中するのである。
…パルジだけに、だ。
俺は木乃香さんという彼女がいるので今の所嫉妬の視線にさらされていない。むしろ『学園長の孫』と恋人関係になったことで尊敬されている節がある。それにお菓子作りのスキルで恋する女性の援護をしてカップル誕生の手助けをしてきたので敵に回すと不味いと思われている。
逆にパルジは俺と仲がいいことで行動を共にして女子と触れ合う機会が多いので嫉妬されている。春休みにネギの買い物に付き合った後パルジはかなり羨ましがられた。その後アスナちゃんと仲良くなったので嫉妬されている。それが今の状態を生み出しているのである。
「ま、ネギのクラスは4/5くらいは彼氏いないみたいだからチャンスかもな」
「むしろ中学の女子校で6,7人も彼氏持ちがいる事が驚きだよ」
そんなたわいのない事を話しながら、キャビンアテンダントの女性がサービスと言って渡してきた飲み物を口にして…、吐き出した。
「おい、汚いだろ」
文句をいうパルジを無視して俺はパルジの飲み物を調べた。そして俺の飲み物と同様に薬が入っているのを確認すると立ちあがって大声で叫んだ。
「皆、配られた飲み物を飲むな!変なものが混じっている!」
しかし時既に遅く、殆どが飲み物を飲んだ後で眠り込んでいた。無事なのは俺のクラスで2人。ネギのクラスで3人…。あとネギのクラスで狸ね入りが何人か。
ネギは薬にやられて眠っているし、キティちゃんも俺が魔力を封じていた所為で抵抗力を失って眠ってしまっている。
「これはまずいな。俺はちょっと外の様子を見てくるから皆は寝ている連中を起こしてみてくれ。あとキャビンアテンダントが配った飲み物が怪しいから乗務員は誰も中に入れるな」
そういい残すと俺は1人で操縦室へ向かった。乗客全員を眠らせたのなら飛行機ごと何処かに連れ去るのが目的だと考えたからだ。その場合戦闘も考慮して1人の方が都合が良かった。
しかし俺の予想は外れていた、旅客機の乗務員は全員眠らされていた…、パイロットも含めて。
操縦室の席にシートベルトで固定されたパイロットをすぐに起こすのは無理だとみて俺は計器を見た。しかし飛行機の操縦席に入った事は無いから当然計器を見てもちんぷんかんぷんだった。かろうじて緯度・経度、そして高度は分かったけれどもそれが正常かどうかの判断もつかなかった。
自分ひとりではどうしようも無いと判断すると、俺は外部に連絡を取る事にした。しかし突然アラーム音がして旅客機は墜落し始めた。
原因は分からないが、このままだと不味いのは確かなので俺は前方の窓を魔法でぶち破って外に出た。そして戦闘形態に変身すると墜落していく旅客機を受け止めた。
と言っても、何トン、何十トンもある旅客機を受け止める事なんて出来るはずも無く。以前教えて貰った重力魔法で旅客機の重さを軽減して、背中に装備した機械翼の力を借りてゆっくりと不時着するのが精一杯だった。
それでも何とか海の上に旅客機を不時着させると俺は皆と合流するために旅客機の内部に戻ろうとした。そしてその瞬間何者かの攻撃を受けて俺は海の中に落ちた。その衝撃で無理をさせていた機械翼は完全に壊れてしまった。
旅客機にかけた重力魔法はまだしばらく解ける事は無い。俺がいなくてもしばらくは海に沈む事は無いだろう。俺はキティちゃんの封印を解くと海の底に向かって沈んでいった。
いろいろ有って更新が遅れました。次回は旅客機の中で何が起きたのか、です。