魔法先生ネギま! 同室のお兄さんズ 作:ひろやん(すぴ出身)
幕間1
side パルジ
期末テストも無事に終わり春休みに入った。ネギの2-Aは最下位を脱出出来たものの学年1位にはなれなかった。ただこれが原作とは違った展開になったせいなのか、2年の女子の中にいる何人かの転生者のせいなのかは俺には分からなかった。
それでも課題を果たしはネギは無事に2-Aの正式な担任となり、原作通り春休みを利用して家庭訪問を行っていた。そして新学期の前日の今日、ようやく時間が出来たのでネギは念願のアキハバラに行くことになった、…のだが。
「なんでまたこんなにも人数が多いわけ?」
保護者代わりに俺とユウが付いて行く事は確定だった。そこにアスナと木乃香、そしてバカレンジャーとのどかにハルナ…、つまり後方支援をしていた2人を合わせて図書館島に忍びこんだメンツが揃っているのである。
「いや、正式採用のお祝いに俺がおごると言ったらその話が2-Aに洩れてしまって。ネギが正規採用されたのは自分達のおかげだからおごられる権利は有るって、ついてきたんだ」
ユウがそう言うと女性陣の大半ははニヤニヤしていた。これはテスト勉強でさんざんユウに扱かれたことに対する報復のつもりなのかも知れない。
そんなことを考えていると遠くから視線を感じたような気がした。気になって見てみると木乃香の護衛のせつながこちらを睨んでいた。その表情はお嬢様をアキバなどという変な場所に連れて行くとは何事だと言わんばかりだった。
そんなせつなの殺気を受けているはずのユウは気づかないのか気にしないのかごく普通に皆を引き連れてバスに乗り込むのだった。
そして乗り込んだバスの運転席には高畑先生がいた。
「やあ、聞いていた通りの大所帯だね」
「た、高畑先生!どうしてバスの運転席に?」
「アキバに行くのに急に大所帯になったから学園長が気を回してバスを用意したんだ。これでもバスの免許は持っているからね。(注、オリジナル設定です。でも仕事柄こうゆう免許は持っていそう)運転手兼引率約を仰せ付かったんだ」
高畑先生がそう言うと相手は『元』担任だけなことも有って女子達は恐縮したようだった。
「タカミチ、バスの運転も出来るんだ」
まあ、ネギは純粋に喜んでいたが。
その後ネギはアキバに付くとお小遣い(予算)ピー円でDVDとコミックを買い、俺に荷物を持たせてユウと木乃香に手をつながれてランランとアキバをまわった。アキバという事で約1名ホームグラウンドのように先導する者がいて、美少女揃いなのでナンパされかけて高畑先生に追い払われて、庇って貰ったアスナがぼうっとなったりでわいわい騒ぎながらお昼になり…
「えーと、ここで食事をするのか?」
メイド喫茶で食事をすることになった。
「いいじゃない、アキバで食事といったらメイド喫茶よ」
ハルナがそう言い大半が面白がって賛同したので俺達はメイド喫茶の中に入った。もちろんユウの驕りで。
まあ、ユウは年齢に合わないほどの大金を持っているのでこれくらいどおって事は無いのだろう。おそらく『あっち』関連で稼いだはずなので何でそんな大金を持っているのか聞けないが。
そんな事を思いつつ、席に座ると何人かがいなくなっていた。どうしたんだろうと探して見ると、店の置くから木乃香達がメイド姿で出てきてこっちにやって来た。
「ねえねえ、この店ではメイド服をきれるんよ」
「わあ、木乃香さん似合ってますよ」
アスナが高畑先生の元に行くのを除いて着替えた女子達はネギ(と一緒に座っているユウ)の元にやって来た。メイド姿でワイワイやっている女子達を眺めていると不意に強烈な殺気を感じた。もしやと思って見てみるとそこには血の涙を流さんばかりのセツナがいた。言いたい事は分かるが俺は見なかった事にした。そして気づかないのかスルーしているのか、平然としているユウが心から羨ましいと思った。
そして帰りのバスの中、疲れて眠ってしまったネギを木乃香に膝枕させるとユウは話が有ると自身に注目させた。
「さて、今回の事でネギについて分かった事がある。それはネギは別にアニメに女の子が好きというわけでは無いということだ」
それを言われて皆驚愕した。あれほどアキバでDVDとコミックを買っていたのにどういう事なのだろうか。
「ネギはDVDとコミックのみ勝ってフィギュアやポスターには興味を示さなかった。そしてメイド喫茶でも可愛いとかの感想はあっても別に萌えたりはしなかった」
そう言いながらユウはネギが買ったDVDを取り出した。そのDVDのタイトルは『超絶!魔法少女はやてちゃん』と言う物だった。このアニメは『魔法少女リリカルなのは』の八神はやてをモデルにしたような少女が主人公でライバルとしてフェイトをモデルにしたような子も出てきた。そして2期にはなのはをモデルにしたような魔法少女も出てきて、さらにアリサ、すずか似の子も出てきた。そもそもメインスポンサーがバニングスグループなので、最初はこの世界における『魔法少女リリカルなのは』だと原作を知る転生者は皆思っていた。だから本物の高町なのは達が麻帆良学園に転校してきた時はかなり驚いた。
ちなみに『超絶!魔法少女はやてちゃん』は絶賛人気中で今4期に入っている。とうとうスカリエッティや戦闘機人の少女達まで出てきたので、あっちの世界は今どうなっているのかと本気で不安になっていたりする。
俺はDVDについて説明(誰に?)しているとユウは話を続けた。
「ネギは可愛い女の子が好きなんではなくて、ただ純粋にかっこよく活躍するヒーローも求めていたんだ」
ユウがそう言うとバスの中に2度目の衝撃が走った。
「で、でもそれなら男の子向けのヒーローがいっぱいいる筈です」
夕映がそう言うと、ユウは首を振りながら言葉を続けた。
「皆知らないから言うけど、ネギにとって行く不明の父親以上にかっこいいヒーローはいないんだ。だから男性ではなく女性のヒーローを求めるようになってしまったんだ。萌えアニメが好きだと言うのはまわりにその事に気づく人がいなくて誤解され、ネギ自身もその言い回しを使うようになってしまったのが原因だと俺は思う」
ユウがそう言うとバスの中は沈黙に包まれた。いや運転席から高畑先生のすすり泣く声が聞こえる。危ないのでちゃんと運転してください。
「と言う訳でネギの趣味はほっといても問題ないという事で暖かく見守るとしよう。だから現実の女子に興味を持たせるとか言って変なことはしないように」
ユウがそう言うと何人かの女子は気まずそうに目をそらした。
そして俺達は麻帆良学園に帰りついたのだった。
「それにしてもユウくんはネギ君のお父さんみたいやな」
疲れて眠っているネギを背負うユウを見て木乃香はそう言った。
「俺はまだこんなにも大きな子供は欲しくない。でも『弟』だったらいてもいいな」
そう言ってユウは寮に向かって歩いて行った。荷物を俺に持たせて…
そして1日が過ぎ新学期が始まった。が、佐々木まき絵俺達と行動を共にしたことでエヴァに教われず、別の女性が襲われた事で、桜通りの吸血事件は大きく変わる事になるのだった。