魔法先生ネギま! 同室のお兄さんズ   作:ひろやん(すぴ出身)

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第5話

 side ネギ

 

 ユウさんとケンカして仲直りをした翌日僕はある決意をした。

 

「パルジさん僕は決めました。魔法少女の理論に従ってエヴァンジェリンさんを仲間にします!」

「は、何だって?」

 

 ユウさんが朝の部活の活動でいない時を見計らって僕はパルジさんに決意表明をした。ちなみに何故パルジさんだけなのかというと、エヴァンジェリンさんからユウさんに正体をばらしたら殺すと脅されているからです。

 

「だからエヴァンジェリンさんを仲間にするんです。今日の分の『超絶!魔法少女はやてちゃん』を見て思い出したんです。強敵とは戦った後分かり合って仲間にすればいいのだと。だから僕はこれからエヴァンジェリンさんを仲間にしてきます!」

「そ、そうか。でもその前に学校へ行って先生の仕事をするんだぞ」

 

 パルジさんが応援してくれたので僕は意気揚々と学校へ向かいました。エヴァンジェリンさんは相変わらず授業をサボタージュしていて教室にはいませんでした。とりあえず先生の仕事をして休み時間にエヴァンジェリンさんを探しに屋上に行きました。するとエヴァンジェリンさんは屋上で寝ていて、うなされていたのです。

 

「違うんだユウさん、私は露出狂じゃない…」

 

 うなされながらユウさんの名前を呼ぶエヴァンジェリンさんを見て僕は疑問を感じた。最初の夜、エヴァンジェリンさんはユウさんに正体をばらしたら殺すと僕を脅しました。その時一緒にいたアスナさんはエヴァンジェリンさんはユウさんの前で猫を被っていると言っていた事を思い出したのです。だから僕はつい出来心でエヴァンジェリンさんの夢を除いてしまいました…

 

 エヴァンジェリンさんの夢の中の最初の場面は茶室と呼ばれる場所でした。そこでエヴァンジェリンさんは正座をしてお茶を飲んでいました。きっとこれはエヴァンジェリンさんが所属している茶道部の光景なのでしょう。そのまま時間がたち今日の活動が終わろうとしていた時、茶道部に来客がありました。やってきたのは中学生のお姉さんに連れられた今よりも幼い小学生のユウさんでした。

 

「こんにちわ、最近転校で麻帆良学園にやって来てウチのクラブに入った有望な新人を紹介するわ」

「はじめまして、高町ユウです。得意分野は洋菓子ですが和菓子も学びたいと思っています。よろしければ食べていただいて感想とかをもらえれば嬉しいです」

 

 お姉さんに紹介されてユウさんは自己紹介をしました。そしてお近づきの印にと自分が作ったケーキを差し出しました。

 

「う、上手い。これだけの物を食べたのは今までの人生で数えるほどだぞ!」

 

 その中でユウさんのケーキを食べたエヴァンジェリンさんは大声をあげて言いました。

 

「まあ、味にうるさいエヴァンジェリンさんがそんな高評価を。凄いわね」

 

 エヴァンジェリンさんの評価に茶道部の人はそう言いました。それからエヴァンジェリンさんはユウさんの作った和菓子の評価や改善点などをユウさんにする関係になりました。

 

 そして月日は流れ、ユウさんは小学校を卒業して中学生になる時がきました。最後の部活の日、ユウさんはエヴァンジェリンさんと話をしました。

 

「俺が卒業するようにエヴァ先輩も中学を卒業ですよね」

「ああ、そうだな」

「茶道部は中高で別々になります。中学生の間は高校には顔を出せないのは知っていますよね」

「ああ」

「でも俺としてはエヴァ先輩の評価はこれからも続けて欲しいんです。お願いできますか?」

 

 するとエヴァンジェリンさんは何を思ったのかこんな事を言いました。

 

「条件がある。次に会う時までに私の名前をフルネームで覚えていろ。そうしたらこれまで通り評価をしててやる。1回しか言わないからちゃんと覚えるのだぞ。私の名前はエヴァンジェリン・アタナシア・キティ・マクダウェルだちゃんと覚えるのだぞ」

「分かりました、エヴァンジェリン・アタナシア・キティ・マクダウェルですね。ちゃんと覚えます」

 

 そう約束してユウさんは帰って行きました。ユウさんを見送ったと1人になったエヴァンジェリンさんは悲しげに呟きました。

 

「何をやっているんだ私は。呪いの所為で覚えておけるはずは無いのにな…」

 

 エヴァンジェリンさんの呟きの意味はその時は分かりませんでした。でも夢の続きを見てその理由が分かりました。新学期が始まるとエヴァンジェリンさんは中学1年からやり直しになったのです。卒業式に貰った卒業証書は灰になり、誰もエヴァンジェリンさんが中1からやり直している事に疑問を持ちません。

 

 茶道部の人たちも今まで先輩と呼んで慕っていたのに新入部員として年下扱いしています。これがエヴァンジェリンさんにかけられた呪い登校地獄の本当の辛さなのだと僕は知りました。エヴァンジェリンさんはこの地獄を何度も繰り返していたのです。

 

 それから数日が過ぎて茶道部にユウさんがやってきました。ユウさんも登校地獄の呪いの所為でエヴァンジェリンさんの事は覚えていませんでした。だからエヴァンジェリンさんの事も新入部員として紹介されました。でもここで奇跡が起きました。

 

「キティちゃん?」

「何?」

「あ、ごめんね。エヴァちゃんの顔を見たら急にそんな名前が頭に浮かんで」

 

 ユウさんがそう言うとエヴァンジェリンさんは俯いて泣きそうになりました。ユウさんはエヴァンジェリンさんの事は覚えていなくても約束の事は覚えていたのです。

 

「私の名前はエヴァンジェリン・アタナシア・キティ・マクダウェルだ。だかたキティは私の名前で会っている。本当はこの名前で呼ばれるのは好きでは無いが特別に呼ばせてやる」

 

 エヴァンジェリンさんは何とか泣くのを堪えると胸を張ってそう言いました。

 

「うん、わかったよ。よろしくねキティちゃん」

 

 一方でユウさんは最初は驚いたものの落ち着きを取り戻してエヴァンジェリンさんの頭を撫でながらそう言いました。以前はエヴァンジェリンさんの事を年上として敬っていましたが、どうやら今は完全に子供扱いのようです。でもエヴァンジェリンさんは何処と無く嬉しそうでした。

 

 それからユウさんはエヴァンジェリンさんの事を妹のように可愛がり、エヴァンジェリンさんもだんだん偉ぶらずに可愛くなっていきました。でもユウさんが2年生になってエヴァンジェリンさんの苦しみが始まりました。

 

 ユウさんが夏休みの間に魔法を知って魔法使いになったからです。それはつまりエヴァンジェリンさんの正体を知ってしまう可能性が出てくる事になります。

 

 慌てたエヴァンジェリンさんは学園長に言って自分の正体を知られないようにしました。すると今度はユウさんが木乃香さんと付き合うようになりました。

 

「ふん、お菓子を貢がせる為に可愛く演じてやっただけだ。それ以上は何も期待していない。だから彼女が出来ようとも知ったことか」

 

 そう言いながらエヴァンジェリンさんは荒れていました。そしてまた時は過ぎ、僕が麻帆良学園にやってくる事をエヴァンジェリンさんは知りました。それからエヴァンジェリンさんは僕と戦うためにこっそりと吸血行動を行い、それは桜通りの吸血鬼として噂になって行きました。

 

 そしてあの夜、僕と別れたエヴァンジェリンさんは僕を探していたユウさんと鉢合わせてしまいました。下着姿のままで…

 

「キティちゃん、まさか露出狂……」

「いや、違う…」

「いいんだよ、否定しなくても。趣味は人それぞれだから。うん、この事は誰にも言わないから。じゃあ俺はこれで」

 

 エヴァンジェリンさんの姿を見てユウさんは驚き、早口で言うとすぐに去って行きました。

 

「おのれ!ネギ・スプリングフィールド。親子二代に渡ってロクデモナイ事をしてくれたな!」

 

 怒髪天で暴れるエヴァンジェリンさんを見て僕は正直にごめんなさいと思いました。




 中ボスなのに一番女の子らしいという話。
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