~ブッシュ平原~
「……もうすぐ、終わりの日は訪れる。救いと浄化が、世界を埋め尽くす。……ロボ子さんの力とAZKiちゃんの歌があれば、この世界……いや、『それ以外』も、きっと……」
「ええーっと……?」
原理がいまいち理解できないと、困惑するAZKi。
しかしその作戦を聞いたロボ子さんは、かなたが何をしようとしているか理解できてしまったらしく、その表情を露骨に曇らせた。
「……本気、なの?ボク、知ってるよ?失敗して終わった世界のこと」
「うん、僕も知ってる。全部、この身体で、魂で、追体験した。……だからこそ、僕と『破壊』と……他にも『音』が必要だったんだよ」
「言いたい事は分かるけど……」
「ロボ子さんが生きていた世界には、音が足りなかった。そうでしょ?」
「確かに、私達の目的は同じだけど……」
「でも、今すぐ急になんて……」
「お願い、二人とも!この世界は異常だよ!みんなおかしくなっちゃってさ……もう、『時間が無い』んだ……!僕はもう行かなきゃ。……二人を信じてる。どうか、世界を……終わらせるんだ」
かなたは天高くに飛び上がり、その姿は光の中へと消えていく。
「……どうする?ロボ子さん?」
「どうしようね?AZKiちゃん」
互いに互いを見つめ合う二人。
「……そういえば、ロボ子さんが知ってる『失敗』……って、何?」
AZKiがそれを尋ねると、ロボ子さんは目を伏せ、さらにその表情は険しくなる。
「ボクが生きた世界が滅びた理由は、ボクを造った白銀聖騎士団と魔物達、さらにたくさんの隣国や民族を巻き込んだ世界戦争だったんだけど……。でも、世界がそうなった原因は……国の取り合いだとか、魔物が暴れ出したとか、絶対、絶対にそんな『普通』なものじゃあなくて……もっと、その……何かに呑み込まれるような……でも……このままだったら……!」
そして何を急いでいるのか、ロボ子さんまでかなたのように焦り始めてしまった。
ここまで何一つ、二人の言っていることを具体的な事例として理解できていないAZKi。
当然ながら、焦りの理由も分かる筈が無く。
しかしただ理解できたもの、それは三人の「共通の目的」であった。
「『この世界の真実を知って、私達を終わらせる』。そしてこの世界は、その終わりを誰もが望める『抜け殻』にならなきゃいけない。……言葉では『知ってる』し、いつかやらなきゃいけないことだとは分かってた。なのに……何で二人は……そんなに焦ってるの?」
「……じゃあ、教えてあげる。ボクが生まれた時代に起きた大戦争……その原因になった、ボクと団長の罪。そして、知っているだけの過去を」
ロボ子さんは、ゆっくりと語り始める。
終末の失敗、かつて滅び、腐り始めた世界の話を。
瘴気
深淵より漏れ出した、世界を覆い尽くす闇
それは、一筋の光によって照らされた世界の「外側」にて、安寧に身を任せていた
それは実体こそ違えど、数々の世界にて英雄を、民を、光を蝕んできた
見るべきものではないもの、気付くべきではない真実
私も、それを見てしまったのかもしれない