ホログラム・パラドクス   作:モガミのコッコ

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グリッジ・ザ・ワールド

~サーバ海・最南端~

 

宝鐘海賊団は数日かけてサーバ海の南へと進んでいく。

 

新生宝鐘海賊団、最初の船旅。

 

それは、まさにこの世の果てを目指す旅となった。

 

そして、その度は今、終わりを迎えようとしている。

 

「ルーナ!そろそろ『果て』だよ!空間が無くなってる!目の前が真っ暗になってるよ!吸い込まれるみたいな……不思議な景色~」

 

マストからまつりが手を振りながら叫ぶ。

 

それを聞いたルーナは自室から甲板へ出て、台座を生成して階段を作り、船首へ昇る。

 

「奇妙な光景ですねぇ~。地平線が途切れてますぅ」

 

「これ、水どうなってんの……?」

 

どこまでも吸い込まれるような闇、しかし水はせき止められている。

 

莫大な質量の塊でありながら、貪欲に全てを吸い込んでいくような。

 

「変な気配がしたんだけど、大丈夫!?ルーナ姫、無事!?」

 

そんな「果て」に戦士としての勘が反応したのか、ノインも寝室から飛び出して、すぐさまルーナの元へ向かう。

 

「大丈夫なのらよ、ノインちゃ。……これからルーナは、全てを知るだけなのら」

 

しかし、ルーナはノインの頭を撫で、静止を促す。

 

そして、「果て」に限りなく違い海であくあに船を止めさせ、ルーナは船首の先に立った。

 

「これはルーナの力……。ちょっと準備を……するのら、見守ってて欲しいのら」

 

「え、ええ……本当に大丈夫ですか、ルーナたん?」

 

「覚えよ、抱えよ、智に満ちよ。霞む旅路へ祝福を。晩鐘鳴る[[rb:刻>とき]] 訪れり。……【選定の王】。行ってくるのらよ、みんな」

 

ルーナは全身にオーラを纏い、甲板で見守る四人に手を振る。

 

 

「うん。行ってらっしゃい、ルーナ」

 

「えっ、マジ?本気で入るんですかぁ、あの中にぃ!?」

 

手を振るまつりにウィンクを返し、ルーナは船首から飛び降りた「果て」へ身を投じた。

 

底が見えない、底を底と定義すべきかも分からない黒。

 

飛び込んだルーナが戻ってくるまで、一時間、二時間。

 

三時間、やがて六、十二。

 

そして、二十四時間が過ぎた。

 

いくら待てども、ルーナは戻ってこなかった。

 

「戻ってきませんねぇ~、ルーナたん」

 

「どうしたんだろ……」

 

「……私、見に行ってみましょうか?」

 

「いや、大丈夫だよ、ノイン。……まつりが行く」

 

ルーナを追って「果て」へ飛び込もうとするノインを止め、次にまつりが船首へ立つ。

 

「ちょっ、ちょ、そんなにすぐ飛び込んで大丈夫なんですかぁ!?」

 

「大丈夫。それに……まつり、ルーナからちょっと話聞いてるんだ。だから大丈夫。全てを知ったルーナとは……きっと、この先で会える!」

 

そう言って、まつりもまた、ルーナを追って果てへと飛び込んで行ってしまった。




果て


深淵、或いは闇と呼ばれる、不可知の領域

しかし、極稀に果てを思い出す者がある

神が神を知らぬことが無いように
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