ホログラム・パラドクス   作:モガミのコッコ

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来る日の影

〜福音の廃城〜

 

「「「【雑音】ーーーーーーーー!!!」」」

 

聞き取ることもできない声、否、音で叫ぶ三つの影。

 

「皆、逃げて……」

 

先頭のぼたんが、後方の皆へ交代を促す。

 

「【雑音】ーーー【339555333339】!」

 

宇宙の少女が降らせた、隕石を模した巨大な魔力の塊。

 

そしてそれは、彼女から最も近い位置で背を向けていた、ぼたんへ衝突。

 

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!」

 

銀獅子族の強靭な体幹をもってしても耐え得ること無く、そのまま潰されるように地面へ倒され、ぼたんはさらに肉体を引きずられる。

 

「ししろん!」

 

「あ……ぐ……!」

 

「ししろん!しっかりして!」

 

ラミィは杖に魔力を流し、ぼたんの傷口に氷を張って出血を止める。

 

「うぅ….…これ……は……?」

 

「肉体を再生させる力を混ぜた氷!これで、少しは良くなるはず!」

 

「ありがとう、ラミちゃん」

 

「いいってことよぉ!」

 

雪花ラミィと獅白ぼたん、宇宙の少女は、この二人で相手取ることとなった。

 

一方、一時交代したものの、素早い栗鼠の少女に追いつかれてしまったポルカとねね。

 

「Guuuuuuuaaaaaaaaaa!!!」

 

「【ホログラム・サーカス】!」

 

壁中に貼り付けたホログラム発生装置から、幻が展開される。

 

「……Coooo……?」

 

「スーパー……ねねちキーーック!!!」

 

「【雑音】ーーー!!!」

 

栗鼠の少女は、影が現れた部屋の前に位置する廊下で、ねねとポルカが相手取る。

 

そして、色彩の少女は。

 

「【7772222(000555553322311】」

 

ペイントボールの要領で無数の色を弾丸と化して、おかゆに向けて放った。

 

「【逆殯】」

 

しかし、おかゆは刀の一振りでそれを薙ぎ払う。

 

「【雑音】」

 

「ごめんねぇ〜。ぼく、早くころさんの魂を返してもらわなきゃいけないからさ〜。……すぐに終わらせるよ」

 

「【6666)1100044444・66666(0000999】」

 

続けて、色彩の少女は色に合わせて炎、氷、雷、毒など、様々な弾丸を少数、しかし狙いを定めて撃ち込む。

 

「【猫叩き】」

 

しかし、おかゆはそれらを浴びる前に一撃一撃、拳を打ち込んで弾く。

 

拳から繰り出される衝撃を前借りし、先んじて打ち込む。

 

おかゆが補給の際に取り込んだ「おにぎり」の力は、自身の動きが「世界に認知されるスピード」を早め、結果として未来の出来事を、短時間ではあるか先取りできる能力として現したのである。

 

「……ピ、ペ、ピプププププププ……」

 

目の前に立つおかゆ一人に、何も通用しない。

 

現れた三人の中で唯一、相手が二人ではなく一人であり。

 

しかし同時に、桁外れの力を持つ「ゲーマーズ」の一人であるおかゆに対して二つの手札を切り、しかしただの一度も攻撃を通すことができなかった彼女は、半ば諦めるように高く飛び上がり、しかし、それでも足掻くことの意味を忘れぬ、本来在る少女の影法師として、その色の弾丸を空間中に広げた。




来る日の影


これは、いつか来る少女達の影

栗鼠の獣人、宇宙の断片をもつ少女、色彩の少女

越えるべき試練、ウルハの分け身

それが示すは、滅びか救いか
或いは、滅びこそが救いであるのか
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