ホログラム・パラドクス   作:モガミのコッコ

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もうすぐ

〜福音の廃城〜

 

「ピギュギュギュギュギュギュギュ……【6666)11000344444・66666(0000999】」

 

「【逆殯】。これでも、ぼくは『カミ』だからね。影にやられるような猫じゃないよ」

 

「【7772222(000555553322311】」

 

「やっ、はっ、せいっ、はっ!せーのっ!【キャット・ラビング】!」

 

おかゆは、猫の獣人ならではの身体能力と肉体のしなやかさを活かして、壁から壁へと飛び回る。

 

廊下を埋め尽くさんと放たれるペイントボールを意にも介さない様子で回避し続けるおかゆに、影の少女は苛立った様子を見せた。

 

「フィー、ゴゴゴゴゴゴギュゥゥン……」

 

おかゆは瞬く間に影の少女へと接近。

 

一度、蹴りを入れて敵を壁面へと弾き飛ばし、刀を構える。

 

地へ降り、かけがえのない親友の魂も奪われ、しかし、それでも腐らず戦いを続けたおかゆ。

 

ころねの肉体が腐り始める前に、魂を取り戻さなければならない。

こんなところで手間取っている場合では無いのだ。

 

「【簡易投影・炎の呼吸、玖の型……」

 

憧れた異世界の人間を観察し、概念を司る「カミ」の権能を用いて投影する。

 

「ギ、ギギ……」

 

「煉獄】」

 

「ィ……ア」

 

そして炎を纏わせた刀を構え、一刀両断。

 

影の塊でありながら、色彩を操る少女の首を瞬く間に斬り落とした。

 

燃え上がる炎の勢いに吹き飛ばされた少女の首は消滅。

 

続けて、肉体も灰と化して消滅した。

 

「……ふぅ。この子の本体とは……将来、何かありそうだね。全てが終わったら、楽しみにしておこうかな」

 

おかゆは刀を納め、そして影の少女が肉体を失い、魂が本来の場所へ戻っていく様子を見届け、仲間の救援へ向かおうと走り出す。

 

「【バグ・パイプ】!」

 

「【ザ・エレファント】!」

 

「【空を……ゲホッゲホッ!」

 

「サブマシンガン二丁、セーフティー解除!【フルバースト】!らみちゃん、大丈夫!?」

 

「大丈夫……ごめん、ししろん。肩貸して……」

 

しかし、他に現れた二つの影も、四人の手によってそれぞれ肉体を破壊され、その魂は在るべき場所へと還っていく様子が、おかゆの目に映っていた。

 

「良かった~!終わったんだね、四人とも!」

 

「うん!バッチリだよ、おかゆ先輩!」

 

無理をしたのか、何やら体調が良くない様子のラミィと、そのラミィに肩を貸すぼたんを隊列の後ろへ控えさせ、それとは真逆にコンディションが絶好調なねねを戦闘に、ポルカ、そしてころねの身体を背負ったおかゆが続くかたちとなり、彼女らはとうとう、城の奥へと到達する。

 

「皆、準備はいい?扉が開いたら、ぼくが真っ先に突っ込む。そしたら、皆もすぐ入ってきて!」

 

最後の準備として、「カミ」として現場に慣れているおかゆが予め作戦を立てる。

 

そもそも、亡者の王相手に作戦など予定通りに成り立つ筈も無いため、初めの動きのみを全員に伝達、それ以上に、緊急時の動きを縛ることにもなりかねない「作戦」は、逆に考えないこととした。

 

此よりは地獄、亡者達の王たる死霊術師が変成したもの、「ウルハ」が座る玉座の間。

 

彼女らは気合を入れ直し、おそるおそる扉を開けようと、ドアノブへ手をかける。

 

鍵はかかっていない。

 

しかし、大きさと厚さ、そして謎の金属が使われていることで重くなった扉は、開き切るまでに数秒かかる。

 

「「ふんぬぬぬぬぬぬぬぬぬぅ……!」」

 

そして、ねねとポルカが二人がかりで大扉を開けた、次の瞬間。

 

「……え……?」

 

ぼたんに背負われているラミィの胸部を、重力の塊が貫いた。




無限の色彩

彼方より訪れし者、その内の一人がもつ能力

色彩感覚に優れている彼女は、絵やインクを「質量のある幻術」として扱い、用いる

闇は質量をもつ
それはきっと、正常ならざるものだ
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