目を覚ました械塚幸は、機械の身体となっていた。
異世界の果てを打ち破り、二つの世界が混ざり合うビックバンを超えて現れた幸は、「カバー」での自分自身である「ロボ子さん」と混ざり合い、曖昧なものとして、宇宙さえも存在しない「無」を彷徨っていた。
空間が流れ、時間が漂っている。
幸は一言。
「まだ、終わってない」
そう呟いて、果てしなく広い空間を、まるで深い海へ沈んでいくダイバーのように徘徊した。
やがて、この曖昧な、明度の概念さえも存在しないであろう世界で、何故か光り輝いていると、そう認識できるものを発見する。
それは数多の魂、「輝ける者達」の霊であろうか。
特に強く輝くもの、桃色に光るもの、少しくすんでいるもの、少しだけ輝きが弱く見えるもの、様々である。
幸はそれを全て、全身で取り込む。
中でも一際輝くもの……クリオネのように人と姿を残していると認識できる時乃のものだけは手で掴み、それら全てを抱えて、やがて訪れた暗黒の中へ、身を乗り出した。
そこからは、早いものであった。
粒が生まれ、星が生まれ、銀河が生まれ、星々の中に水をもつ星が現れた、緑が生い茂り。
様々な動物が生まれては死んでいき、時に星が衝突することはあれど、再び生命は生まれ続けた。
そして、その時は訪れる。
人間が生まれ、長い時が過ぎた後のことである。
「ねぇねぇ、Aちゃん!ちょっと相談があるんだけど!」
ときのそら、その少女の誕生である。
その少女は、とあるアプリケーションの宣伝担当として表舞台へ姿を現した。
やがてそれは輝きをもち。
かつての世界で存在した、美空という名字の少女と瓜二つな姿に、惹かれる者も現れた。
高性能ロボット、電脳神社の巫女……次から次へと集まりゆく彼女らは、かつての世界で共に存在し、新たなる世界へと持ち出された記憶の欠片を持ち、互いが互いを求めるように、一つの場所へと集まっていった。
輝ける者達、それが、彼女らである。
やがて、かつて過ごした二つの世界における記憶を、それぞれ「オルタナティブ」、「エラー」と呼び、物語とすることが決まったのは、しかし彼女らは呼びかけではない。
たまたまそのような物語を、彼女達もあまり覚えていない世界で、偶然体験していたというだけに過ぎない。
運命とは、巡る世界とは、そういうものである。
しかし彼女達が背負っているもの。
その名前は、まさにかつての彼女達、そして現在にも、相応しいものであるに違いない。
「カバー」による「ホロライブ」。
輝ける者達が集う場所、その名前である。
ホロライブ
輝ける者、彼女らが引かれ合った場
運命を変えられないのであれば、そこに新たな運命を付け足すのみである
それが、彼女らの選択であるのならば