〜サーバ海〜
旧友を失った海を、たった一人で散策する少女。名を、宝鐘マリン。
彼女は今日も、空虚な残り香を、彼女との思い出を巡るため、小さな船を走らせていた。
すると、どんぶらこ、どんぶらこと、大きな紫玉ねぎのようなものが流れてきたのだった。
「ん?あれは?」
マリンは目を擦り、見間違いでは無いかと目を凝らす。
しかし、それは見間違いや幻などでは過去無く、異常な大きさの紫玉ねぎは、しっかりとそこに浮かんでいた。
「え?」
珍しさに惹かれてそれを回収してみた彼女だったが、マリンは、すぐにそれが紫玉ねぎでは無く、少女の頭髪であると気づく。
「お、女の子……?」
愛らしい顔つきに小さな身体、それに見合わない程に豊満な胸を持つ少女。
それが、海を流れていた紫玉ねぎの正体であった。
衰弱しきった紫玉ねぎの少女は、身体を小刻みに奮わせながら、今にも絶えそうなほどに浅い息をしている。
現役の海賊であるマリンは、かつて学んだ救助の方法を思い出す。
少女の服を脱がせ、水を吐かせるマリン。
そしてマリンは、裸になった少女の身体をタオルで包み、自身の身体を彼女の全身に密着させる。
「今はタオルくらいしか暖めるものが無いけど、せめて、船長の体温で少しでも暖まってね……」
この時のマリンには、下心など全く無かった。
目の前にいる、衰弱した少女を助けたい。
その一心で、マリンは自身の拠点がある島の方角へと帆を上げる。
そして拠点へ戻っても、衰弱した少女が目を覚ます翌日の晩まで、マリンは飲まず食わずで少女を抱きしめていた。
〜宝鐘マリンの武装紹介〜
1.ターン・オフ・ピストル(通称 クイーン・アン・ピストル)
リロードに時間はかかるが、安定性に優れた拳銃。
2.カットラス
海賊のトレードマークともいえる武装の一つ。片刃の剣で、ポピュラーな武器の割に、扱いには少々の慣れが必要。
3.ビキニアーマー
ジュストコールと呼ばれる上着の中に来ている下着、そのさらに下に来ている。肺や心臓など、急所を守るためだけの武装。
4.仕込み靴
彼女が履いているブーツの先端には、鉛が仕込まれている。また、アキレス腱を守るため、踵から足首辺りも鉛で保護されている。
〜宝鐘マリンの宝物庫(最重要指定物品)〜
1.古代兵器の部品
いつかの時代、どこかで用いられた兵器の残骸。かつて大きな戦争によって滅びた時代の遺物であり、かつて世を滅ぼした人の業そのもの。
2.名画「人柱」
世界を存続させるために、滅びつつある概念の代わりとして使われた人間の残滓を描いた油絵。
妖刀刹那羅刹
剣聖、百鬼あやめの得物である大太刀
かつて都を恐怖に陥れた悪鬼の呪いを受けた妖刀
故に忌み物とされる
後に羅刹は改め、高きものとなった
しかし、忌み物は忌み物だ