〜姫森城・王室〜
「ルーナぁ〜!!えへへへ」
「ちょ、まつりちゃ先輩、暑いのら」
「いいじゃ〜ん!ぎゅー!えへへへ、えへ」
「んなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
幽閉された王女と、異世界より遣わされた少女。
二人きりの王室は、今日も平和であった。
〜円卓の間〜
一方、高貴なる者達の座、円卓。
昼時である今、一人のメイドは食卓に昼食を並べていた。
少し赤色が濃い紫色の頭髪をもつ、小柄な少女。
彼女は、名を「アクア」といった。
「ふー!用意終わったー!さあ、後はルーナイトの人達を呼ばないと!」
彼女は、王の円卓に並ぶ騎士達に食事の時間を伝えるため、修練場へと向かった。
かつては9人居た女騎士達も、今では4人にまで減ってしまった。
そして王までもが死に、今の王座につく者、ルーナは幽閉されている。
そんな寂れた円卓でも、女騎士達は確かな誇りを持って座についていた。
しかし、それは彼らが円卓の騎士だからでは無い。
亡き姫森王のため、そして、止むに止まれぬ事情があり、幽閉されているルーナ女王のため、彼女らはせめて、そう有るしか無かったのだ。
その後、彼女と共に円卓へと訪れた4人の女騎士達。
一人は「赤目」の騎士、「フレイ」。
一人は「剛拳」の騎士、「アラネ」。
一人は「飛翼」の騎士、「リュウコ」。
そして彼女らを統べる騎士団長、「無垢」の騎士、彼女の名は「ノイン」といった。
「……ねぇねぇ、アクアちゃん。ちょっといいかな?」
「えっ!?は、は、ははははは、スゥ-……。……はい」
騎士団長のノインは、アクアの側へと近づいて耳打ちする。
「実はね、もにょもにょもにょもにょ」
「えっ!?」
「「「「しーーーっ!!」」」」
騎士達は、驚きのあまり声を出してしまったあくあに人差し指を立て、「静かに」の合図を送った。
彼女らが歩む道は、秩序か混沌か。
「無垢」のノイン、「赤目」のフレイ、「剛拳」のアラネ、「飛翼」のリュウコ、召使いでありながら、「水陣」と呼ばれるアクア。
そして、「羽」の夏色まつり、「姫」の姫森ルーナ。
城の影が西へと伸び始めた黄昏時。
彼女達にとって長い長い夜が、近づきつつあった。
〜円卓の騎士名簿(生存)〜
《無垢》ノイン
聖職者出身の戦士。格闘術にも優れた、戦闘のエキスパート。
《赤目》フレイ
文字通り、赤い目玉をもつ珍しい人間。得意とする武器は弓矢だが、刀の扱いにも慣れている。
《飛翼》リュウコ
翼が生えた竜人。炎を自由自在に用いて戦う。また、身体の一部を竜に変えることもできる。
《剛拳》アラネ
拳を極めた武闘家。怪力もさることながら、恐るべき技量を持つ。
円卓の騎士
おかしの国を治める王家に仕える女騎士団
女王ルーナの剣であり盾である
幾度の戦いを経て、彼女らは少なく、しかし強力になっていった
彼女達の欠けた座に代わりなど無く、欠けた者は骸も残らないという