~アルマ村~
白銀ノエルは、日夜寝る間も惜しんで古代兵器の破壊に勤しんでいた。
「止めなきゃ、全部……。これが団長の役目、私は白銀聖騎士団の団長だから……」
「ヤメ、ヤメテヤメテヤメテヤメテ……!」
「ドウシテ、ワタシタチヲ、コロスノ……」
次々と現れる、無数のラディスを破壊していくノエル。
「【踊り子の花】!」
地面に突き立てたメイスを軸として回転しながら周囲の兵器を蹴り倒す。
瞬く間に五体のラディスを破壊したノエルは、口元に付着した血を拭って現場を後にする。
「もっと……もっと壊さなきゃ」
死体が散らばる森を去るノエルの表情は、焦燥感に呑まれていた。
そしてまともに眠ることもできない日々が一ヶ月程続いた、ある日のこと。
「ノエちゃん、大丈夫?最近、ずっと上の空だけど……」
遂に心配が限界を超えたフレアが、また早朝に出かけようとするノエルの肩を掴んで止めようとする。
しかしノエルはそんなフレアの右手を躱し、「大丈夫、大丈夫だよ、フレア」と言い残して神殿へ向かってしまった。
~アルマ村・大地の神殿~
長老達が拘束されてから、はや数ヶ月。
最初のエルフ行方不明事件の犯人は見つかるどころか、手がかりの一つさえも見つけることができないまま、一週間に数人のペースでエルフが殺され続けていた。
だんだんと村人が減っていく村で人々は互いに村民への警戒心を強め合い、過激な犯人捜しに繋がりかねない噂も流れ始めている。
フレアは警備、アキは祈り。
二人も、己のやるべきことをやっているのだ。
「団長も、頑張らなきゃ……」
ノエルはメイスを手に持ち、大地の神殿へと入っていく。
「……やっぱり……!」
そして案の定、神殿内に三機の古代兵器を発見する。
しかしそれらは今まで見た、いわゆる通常の「ラディス」とは違う、黄金の衣を身に纏ったものであった。
「【雑音】」
「【雑音】」
「【雑音】」
古代兵器の声は、もはや雑音にしか聞こえない。
「【冷たい重打】!」
ノエルはメイスに冷気を込め、瞬く間に1機を破壊する。
「【雑音】」
「【フォールオブゼロ】」
続けて冷気を纏わせたメイスを地面に叩きつけ、冷気によって残った二機の全身を凍り付かせて動きを鈍らせる。
「やあああああっ!!」
そしてノエルは息を入れる間も無く、あっという間に二機の身体を粉々に砕いてしまった。
おぼつかない足取りで、返り血塗れになりながら神殿を出るノエル。
【雑音】。
少し意識を失っていたのか、気づけばノエルの眼前にはもう一機の古代兵器。
それは今まで見たことも無いような、黄金の身体。
何よりも輝き、何よりも神々しい、しかしどこかで見たような何かが、そこには在った。
冷たい重打
白銀ノエルが見出した、「フォールオブゼロ」の派生技
メイスを地面に叩きつける或いは突き立てるのではなく、敵としている相手に直接メイスを叩きつける
深淵よりの冷気を纏ったメイスは生物非生物を問わず、その身体を凍てつかせる