「【
「がぁぁっ!」
はあとは「赤」としての人格を表出させ、生命力そのものである液体を大量に地面から湧き上がらせる。
それは洪水のように、そして大波のように地面を侵食する。
辺りの動植物は生命力過多によって瞬く間に破裂し、その跡には血のような赤が残るのみであった。
しかしナキリは二本の太刀から衝撃波を発して容易く大量の液体を空間ごと斬り裂き、「赤」の液体を全て真空の内に消し去った。
空間の裂け目にあるものは無。
そして無限の生命力も、限りないの「無」の前には、同じく無に等しい。
「うそっ!?はあちゃまの力が……効かない……!?」
「ヴヴァ!!」
全てを空間の狭間たる真空へ葬り去る斬撃を次から次へと繰り出すナキリ。
本能に従い、無意識に従って暴れる鬼。
「この獣みたいな動き……!!ここ!【
何度目かの狂気に蝕まれていたナキリの動きは直線的。
起動を読み、タイミングを計り、その隙を突いて右腕に纏わせた赤い雷でナキリの頭部を叩き割ろうとする「赤」。
「ヴヴヴ……ハァッッ!」
斬撃。
軌道を読んで攻めの体勢に移った「赤」の動きに対して瞬時に反応したナキリは、瞬時に刀身の向きを変える。
その先には「赤」の右腕。
「ああああああああああっ!!?」
宙を舞う腕。
「赤」の右肩からは大量の血が噴き出す。
しかし傷ついたそばから肉体が再生しようとしているせいか、ナキリに斬られた断面の肉はゾモゾと動き始めた。
「ヴヴ……」
「いいね、いいね……すごいよ!いい芸術、だよ……はあちゃまの、肉体が……こんなに綺麗に壊されて……!はあちゃまの肉体は再生するから、このまま永遠に壊し合って……最高の芸術を続……」
「【
斬。
斬。
斬。
「赤」は破壊衝動のまま互いに壊し合える、芸術を創り合える相手が現れたと確信した。
しかし、その力はあまりにも強大。
「……え?」
一瞬の内に「赤」の視界から左腕、左脚、そして右脚が視界から消失する。
「……シマ、イ」
斬。
「あ」
そして、目線の先に転がっている左脚を認識した瞬間。
「赤」の左目から右頬にかけて、真っ二つに斬り込みが入る。
「……これで……やっと……殺してもらえる」
刹那、あやめの正気から漏れ出した一言。
生無き不死の身に、溢れる生を取り込み、喰らう。
これで、やっと死ぬことができる。
自ら死ぬことは、溢れる生命力故に不可能かもしれないが。
やっと、やっと。
……今度こそ、殺してもらえる。
あやめは脳内でそれを反芻し、再び狂気に身を委ねた。
赤雷槌
右腕に赤い雷を纏わせ、叩きつける
何処かの世界にて、騎士達は雷と共に竜を狩った
またある世界では、雷は竜と共に在った
しかしそれらのいずれもが、赤の雷を使う事は無かった
赤い雷は異端の証
黄金色でも、大王のものでも無いのだから