ホログラム・パラドクス   作:モガミのコッコ

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着地

~ムラサキ村~

 

「はぁ~ぁ……何が起こったのか全然分かんない」

 

「トワ様……?」

 

「それはシオン達のセリフなんだけど……」

 

何の前触れも無く、天高くから落下してきた悪魔。

 

それはシオンとちょこにとって、かつて魔界学園に通っていた時代に面識があった少女であるが……しかしあろうことか、その少女が上空から降ってきたのだ。

 

段階的に衝撃を和らげ、何とか最後に張っていたメルのネットで無事にキャッチした彼女の肉体。

 

その身体は驚く程の高さから落ちてきたにもかかわらず、殆ど傷が無かった。

 

「トワ……そうだ!すいちゃんに蹴られて……!」

 

「さっきから訳わかんないことばっか言ってるぺこだよ……どうするぺこ、これ」

 

「ああ、ごめんごめ~ん。みんな、助けてくれてありがとーう!……いやぁ、友達に天界から落とされちゃってさぁ」

 

「「「「えーーーっと?」」」」

 

一同は状況を理解出来なかった。

 

突然降ってきた悪魔の少女が「天界から」、しかも「友人に蹴られて」落ちてきた、と言うのだ。

 

……トワによる経緯の説明が続く。

 

魔界の様子を、かなたとの日々を、そして、すいせいの裏切りを。

 

「そんなことが……」

 

「大変だったぺこですなー」

 

同じ魔物として親近感を持ったのか、トワへ急接近するメル。

 

一方、ぺこらはトワを労わってか、小さな木製の椅子を用意していた。

 

「そうだ、シオンちゃん。『喰式』、使えたよ!」

 

「ええ!ほんとぉ~!?すごいじゃ~ん!」

 

「頑張って練習した甲斐があったよ。シオンちゃんも、教えてくれてありがとね!」

 

ニヤニヤと、照れくさそうに微笑むシオン。

 

「あらあら~!シオン様とトワ様……やっぱり、魔界学校の時から変わらないわね~……」

 

魔界学校が崩壊して以降、しばらく見ることが無かった、学生同士の触れ合い。

 

そしてちょこもまた、変わらずにそんな花園のような風景を眺めていた。

 

一方。

 

ぺこらは今日も寝たきりのみこの側へ行き、その日の出来事を話し始める。

 

「……今日は空から悪魔が降ってきたぺこだよ。そんで、その悪魔は魔女っ娘とちょこ先生の知り合いだったみたいぺこ。三人が通ってた学校がどうなってるかはわかんねーぺこだけど……感動の再会って感じだったぺこ。……たまにうなされてるみてーだけど、どんな夢見てるぺこ?早く起きろぺこだよ。……エリート、ぺこなんでしょ、アンタ」

 

そう言い残して、ぺこらはシオン達の元へと戻る。

 

みこの表情は相変わらず、悪夢を見ているかのように、とても落ち着いているとは思えない寝顔。

 

時々歯を食いしばり、何かに対して耐え忍ぶようなその表情は、彼女の運命に抗う様そのものであった。




生命氾濫


内なる生命力を解き放ち、液体や気体として周囲に拡散させる一種の現象

それを浴びた生物は体内にたちまち生命力が満ち溢れ、しかしその多くは負荷に耐え切ることができず、そのまま破裂する

過ぎたるは猶及ばざるが如し、器を突き破り、力は肉と共に溢れ出すのだ
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