ホログラム・パラドクス   作:モガミのコッコ

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ブラッディ・ストリーム

~ムラサキ村郊外~

 

「フンッ!」

 

「【血壁(けつへき)】!」

 

「【一文字】」

 

「【血壁(けつへき)】!」

 

ナキリの太刀は血の壁を斬り裂き、刃はメルが纏っている血の鎧へ達する。

 

「ヴアア!」

 

「うっ!!?あ、危ない……」

 

刃が鎧を貫通する時と同時に血の武装を解除し、それは血のナイフへと変化、全方位からナキリの全身に襲いかかる。

 

「グウウ……」

 

しかし、ナキリは難なくこれら全てを一瞬で破壊。

 

「はぁ、はぁ……!これ、結構魔力も体力も使うんだけど……」

 

「フゥゥゥ……」

 

すっかり血も少なくなり、じわじわと追い詰められてきたメル。

 

「このままじゃ倒せない……ちょこ先生も、トワちゃんもやられちゃったし、ぺこらちゃんも大ケガして、今は倒れてる……」

 

「グウウウ、ウウ……!【旋風……」

 

メルは今まで、人間を食糧としか思っていなかった。

 

人々を蹂躙し、下級の吸血鬼に変えて魔物の軍隊を率いていた。

 

しかし、目覚めたばかりのロボ子さんに軍を一掃され、はあとに助られ、「赤」と化したはあとに裏切られ。

そしてちょこ達に助けられ、今、ここにいる。

 

襲う側から襲われる側へ、奪う者から守る者へとなった今。

 

メルの覚悟は決まっていた。

 

「それでも!メルはただで殺される訳にはいかないんだよっ!!【血針(けっしん)】!」

 

今まで数多の命を奪ってきたメル。

 

友の命を奪われたからこそ覚えた罪悪感は、体内で酸い性質を見出した。

 

鎧を砕かれたメルは後方へ回転しながら飛び上がり、血で生成した針を投擲。

ナキリは針を弾こうとするが、針は刀身に触れた瞬間に溶解。

玉鋼が一瞬で錆びる。

 

「!?」

 

「どう!?もう金属はメルの敵じゃないよっ!」

 

戸惑うナキリの隙を突き、メルは大太刀に蹴りを入れて折る。

 

「……!?」

 

「はあああああああっ!やっ!それっ!」

 

さらに、拳を突き出してもう一本の太刀も打ち砕いた。

 

「……アア……!ウアアアア!」

 

「がぶっ!?」

 

しかし刀を折っている隙にメルは懐へ潜り込まれ、顎を削り取るようにアッパーを受けてしまった。

 

そして、

 

「【無手(むて)命奪砕(めいだつさい)】」

 

「が……っは」

 

ナキリの拳はメルのみぞおちから体内へ突き刺さり、心臓と喉仏を巻き込んで胴体を内側から裂いて粉塵と化す。

 

「……シマイ!」

 

「う……」

 

そして、メルは自身の胸部が抉られたことを自覚する間もなく、頭部を打ち砕かれて瞬時に灰と化す。

 

「ガァッ!ハァ、ハァ……」

 

「あとは……よろしく……ね」

 

消えゆく中、掠れた声で僅かに声を漏らした。




ソードマスター


何処かの世界にて活躍した伝説のデビルハンター
その記憶から見出された戦技

それは周囲に魔剣を展開し敵を斬り裂く
魔剣を携え、魔人と化して仲間と共に魔王へ立ち向かった彼の姿は、きっと誰かの忘れ得ぬ記憶となるだろう
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