オールマイトの隠し子なんだけど、オールマイトに隠し子が居るってマジ?   作:米国主将

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凄い個性

〇月◇日

雄英高校は思った以上に頭のおかしい所だった

テストの時は気づかなかったが、パパはヒーロー科を担当するのに

そのヒーロー科が入学式での新任の挨拶を聞けなかったのだ。

と思ってたら、B組は普通に入学式に出ていたらしいので

頭がおかしいのは相澤先生だけらしい。

せっかくヒーロー科に来たのにオールマイトの挨拶が聞けないとか、もはや賠償問題では?

デクくんを気遣っていた事から、生徒思いではあるようだが

人の心がわからない先生なのは間違いない。

 

おかしいと言えば、地味だと思っていたデクくんも凄いおかしい個性的だった。能力ではなく性格が。

先生は放課後マックがお嫌いなようなので、腹いせに放課後にマックで彼に個性のレクチャーをしてみたのだが

彼はこれまで、明らかに適切な個性の指導を受けていない。

普通この手の個性は、負傷への嫌悪感がリミッターとして働くはずなのに

彼はそれを起きて当然のデメリットで、耐えられない体の方が悪いかのように考えてるらしい。

小中で個性カウンセリングを受けていないのだろうか?一緒に居たお茶子ちゃん達もドン引きしていた。

幸い考え無しの特攻野郎ではなく、1を聞いて100を呟く気持ち悪い理論派だったので

イメージの共有はしやすかったけど。

と、いう訳で、彼は指導者に恵まれなかったらしいので、明日は特にデクくんに注目して正しい指導をして欲しいとパパに伝えたら

凄い複雑な顔をされた。

確かに一人の生徒を贔屓するのは良くないとも思うが、クラスメイトが何時爆散するか解らない学校生活というのは心臓に悪いんだ。

 

※ ※ ※

 

今年度からは№1ヒーロー・オールマイトが担当するヒーロー基礎学とは、一流のヒーローとしての素地を学ぶため

個性を使った模擬戦、救助訓練などの実践的な実技訓練を行う授業だ。

ヒーロー科の目玉とも言える課目で、単位数も最も多い。

そして、自分たちはヒーローなのだと生徒たちに最も自覚させる要素は・・・

 

「いいじゃないか皆!カッコイイぜ!」

 

入学前に提出した要望や個性届を元に、学校専属のサポート会社が制作したコスチューム!

これを纏った時から、彼らはもはや守られる市民ではなく、市民を守るヒーローとなるのだ、少なくとも見た目は。

 

「八木さん、オールマイトをリスペクトする気持ちは解るけど、流石にそれは…」

「いや、デザインはメリッ…開発者に丸投げで、私の要望じゃないから…。」

 

顔を赤く染めながら俯く美久子の姿は、若い頃のオールマイトのコスチュームに、個性の補助をする装置を内蔵したプロテクターを装着した物だった。

デクもオールマイトの髪形をイメージした飾りをつけているが、流石にオールマイトとペアルックの如き恰好をする度胸は無い。

他にも憧れのヒーローを模した生徒は何人かいるが、どれも言われてみればという程度の物だ。

ちなみに当のオールマイトは、二人のコスチュームを見て、頬が緩むのをこらえながらそっぽを向いていた。

美久子は誤魔化すように、ガション!と音を立てて挙手をしている、白いフルアーマーの男子を指さした。

 

「それにほら、まんまと言えばあっちにインゲニウムまんまの人が居るじゃん、私だけがおかしい訳じゃないって」

「先生!ここは入試の演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか!?」

(あれ飯田くんだったんだ)

(そういえば個性も被ってるな、親戚かな?)

 

「いいや!もう二歩先に踏み込む!」

 

今回の演習は個性を使用した屋内戦!2対2に別れ、核兵器が隠された敵のアジトにヒーローが突入し

制限時間以内に敵もしくは核を確保するという、大変アメリカンな内容である。

 

「コンビ及び対戦相手は・・・クジ!」

 

第一戦目!

ヒーロー・障子&切島チームvs敵・八木&上鳴チーム

 

※ ※ ※

演習開始5分前、屋内で敵チームがセッティングをしている間に、ヒーローチームも作戦会議を行っていた

 

「俺らがトップバッターかよ、向こうも同じ条件だけど、参考になる動きが無いってのはキチぃな」

 

ビルの前で、肩を回しながら切島が愚痴る。

偏差値79の筆記試験を突破しただけあって、彼は決して馬鹿ではないのだが

何せ普段から脳内に描いているヒーロー像が、男らしく突撃して敵をなぎ倒すという物であり

机上であっても、細かい作戦を立てるという経験がないのだ。

 

「八木は増強系だったな、あのコスチュームを見る限り、相当な自信があるようだが。

昨日は条件があると言っていたが、あいつがパワーを増す条件は知っているか?」

「相手次第みてえな事は言ってたけど、正確な所は聞きそびれた。昨日と変わんねぇなら、俺の"硬化"で耐えられるけどな!障子の方も多分パワー負けはしねぇだろ?」

 

障子の個性は通常の腕とは別に、2対4本の触手に体の一部を複製する複製腕。

単純に腕が増えるだけでなく、それぞれの腕も常人の数倍のパワーを発揮出来るため

増強系相手でも並の相手には後れを取る事はない。

 

「ならば、八木の方は二人がかりで押さえるとしても、問題は上鳴か…」

「昨日のテストじゃ、パっと見で解る個性使ってなかったからな、男らしく出たとこ勝負で行くしかねえか?」

 

5分経ち、演習開始の合図と共にビルに侵入するヒーローチーム。

上鳴の個性が広範囲を攻撃出来る場合に備え、二人はある程度の距離を離し

障子は触手の先に耳を作りだして、上階の様子を探りながら先行した。

 

「…すぐ上の階に二人とも居るな、片方は北側の階段に向かっている」

「どっちが来てるか解るか?」

「この歩き方…恐らく男だな」

「んじゃまずは上鳴が来んのか、見た目によらず男らしいじゃねえか」

「どうする?上鳴を避けて八木を確保しに行く手もあるが」

 

障子の意見に、切島は数秒考え込み

 

「せっかく一人で来てくれてんだ、合流される前にあいつの個性を確認しとこうぜ」

 

特に反対する根拠も無いので、障子もそれに賛同し北側の階段に向かう。

ヒーローチームが階段の見える通路に着いた時、上鳴は既に階下に辿りついていた。

 

「よし、打ち合わせ通りに行くぜ!」

「わかった『今だ!八木!』!?上から来るぞ!気を付けろ!」

 

敵を見つけたら、まずは耐久性の勝る切島の硬化で様子を見る。

事前に立てていた作戦通り、陣形をスイッチしようと駆け出した切島だが

正にその瞬間、美久子の一撃によって天井が崩れ、瓦礫が切島を押しつぶした。

 

「私が来た!ってね!」

 

瓦礫と共に階下に降り立つ美久子がそう宣言すると同時、障子は触手を腕に変えて構える

 

「切島…!くッ!」

 

障子は瓦礫を退かして切島を救助しようとするが、障子と瓦礫の間に美久子が立ち塞がる。

 

「どっちのパワーが上か、いざ尋常に勝負!」

「…望む所だ!」

 

突き出した美久子の掌に二本の腕を合わせ、もう二本で肩の上から押さえつける。

二人が力を籠めると同時、床がミシミシと音を立て、美久子の細腕が障子の剛腕を押し返していく。

が、言葉とは裏腹に、彼女とパワー比べで雌雄を決するつもりはなかった障子は、その()()()のパワーに動揺する事は無かった。

障子の腕は6本、例えパワー負けをしても、多少の時間を稼げれば、残る二本の腕で確保テープを巻いてしまえば、それで障子の勝ちだ。

ルールに救われた事に多少の敗北感を感じながらも、増強系相手にパワー勝負で張り合っても仕方のない事。

自身の個性の強みを活かして勝利する事に、何の問題も無いと確保テープを構え…その手から力が抜けテープを取り落した。

 

「障子ぃ!無事か!?」

 

硬化された体で瓦礫を押しのけ、自力で脱出した切島は、美久子に力負けして膝をつく障子を見ると

確保テープを構えて即座に駆けだした。

 

「手を離すな!そのまま気合で耐えろ!すぐ八木を確保して…」

「不味い!来るな!切島!」

 

切島が近づいた瞬間、二人の力比べを静観していた上鳴が全身を輝かせて駆け出した事に気づいた障子は

残る力を振り絞って、触腕で切島を突き飛ばす。

 

「くらえ!人間スタンガン!」

 

その直後、上鳴から放たれた電撃が障子と美久子に襲いかかった。

 

※ ※ ※

 

演習を見学するために設置されたモニタールームでは、戦闘の内容に関して非難が巻き上がっていた。

 

「嘘だろ!?上鳴の奴、何考えてんだ!?」

「いくら敵役だからって、仲間ごとなんて…」

「流石にこれはやりすぎだろ、引くわ」

「ヒーローの所業にあらず…」

 

敵に対する攻撃に気後れしているようでは、当然ながらヒーローになる事など出来ない。

だが、流石に仲間を捨て駒にするような戦い方は、ヒーローの卵たちにとっては見るに堪えない物だった。

しかしそんな中で、動揺を見せずに演習を見守る者達も居た。

経験豊富なヒーローであるオールマイトと、先日、美久子と共にマックで語らった、緑谷、麗日、飯田である。

 

「障子君の個性は腕力だけじゃなくて、あんな器用な事が出来るのか…耳だけじゃなくて、目や鼻を作って

もっと詳細な感知をする事も出来るのかな?それに腕の間の被膜、もしかしてムササビみたいに滑空する事も出来るんじゃないか?

索敵の時の動きを見る限り、普通の腕より稼働域も広い、小柄な人なら、被膜の中に庇えるかもしれない、応用性の高い凄い個性だ

上鳴君の個性は電気を放出か、どんな頑丈な体でも、筋肉が電気信号で動いている以上、電気に耐性のある個性を持っていなければ

ほぼ確実に動きを封じる事が出来る、それに電圧が調整出来るのなら、ライフラインが断たれた災害現場でも電気機器を動かす事ができる筈

戦闘だけでなくレスキューにも使える、使い道の多い凄い個性だ

切島君の硬化は二人に比べて地味に見えるけど、天井の崩落に耐えられるなら、多少の危険を顧みずに現場に向かう事が出きる

プロにも十分通用する凄い個性だ

「相変わらずだな緑谷少年・・・」

「デクくん、またブツブツ言うとる・・・」

 

演習には動揺していなかったが、緑谷の言動には動揺していた。

 

「えぇ…緑谷なんでこの状況で冷静に分析できるの・・・」

「あぁ、それなら単純な話さ」

 

ドン引きする耳郎に、画面を見ながら飯田が解説した。

 

「上鳴君は、八木君に適切なサポートをしただけだからだ、彼女の個性は・・・」

 

※ ※ ※

 

「上鳴!てめぇ何してやがる!仲間ごと、それも女子を攻撃しやがって!それが男のやる事かよ!」

「いやいや切島君、そういう男女差別的な発言はヒーローとしてどうかと思うよ、最近は些細な事でも、すーぐ炎上するんだから。」

 

上鳴の行為にいきり立つ切島だが、美久子は何事もなかったかのように確保テープを取り出すと、電撃によって倒れた障子の身体にそれを巻き付けた

 

「なっ…!電撃が効いてねぇのか!?」

「切島・・・!八木に近づくな!こいつに触れると・・・」

「おっと、余計な事は喋らないでくんないかな?」

 

上鳴が障子の口を塞ぐが、障子は触手を口に変形させた。

 

『こいつの個性は恐らく・・・』

 

※ ※ ※

 

「エネルギー吸収!?」

「なるほど、試験の時の異様な強さは、そういう絡繰りか。」

「うん、なんでもかんでも吸収できる訳じゃないらしいけど、触れた物のエネルギーを吸収して、蓄積した分をパワーに変換したり

他の人に分け与えたりできるんだって。普通、多数の相手と戦う時はスタミナを気にしないといけないけど

八木さんの場合は、逆に敵が多ければ常にフルパワーで戦い続ける事が出来るし、味方の息切れも軽減できる

更に仲間を巻き込むような個性と組んでも問題なく連携する事が出来る、まさに対集団戦にうってつけの凄い個性だよ

「デクくん結局全員に凄い個性言うたな」

「そいつにとっちゃ個性は何でもすげえんだろ雑魚価値観が!」

「だが実際、強力な個性だ。切島君に打つ手はあるのか・・・?」

 

画面の向こうでは、八木が上鳴と障子を抱えて天井の穴に消えていった。

 

「あれ、ここで退くの?」

「どうやら核のある部屋で迎え撃つつもりのようですね」

「これ、切島君詰んでない?」

 

その言葉の直後、ヒーローチームの降参で演習は幕を閉じた。

 

※ ※ ※

 

「さて講評の時間だ。今回は敵チームが圧勝したように()()()訳だが…今戦のベストが誰だかわかる人!いるかな!?」

「勝った美久子ちゃんか上鳴ちゃんじゃないの?」

 

梅雨の言葉に、ドヤ顔で胸を張る美久子と上鳴。

逆に見せ場が全く無かった切島は、完全に消沈していた

 

「ハイ、オールマイト先生。今回のベストは敵チームの作戦に気づき切島さんを助け、八木さんの個性を見破った障子さんではないかと」

 

だが八百万は梅雨の言葉を両断し、敗者のはずの障子をベストに推した。

 

「うん!その通りだな!」

「は!?なんでそうなるんすか!?」

「えぇ!?お互いの個性を活かした完璧な作戦だったと思うんだけど・・・」

 

オールマイトがそれを肯定した事で、敵チームの顔色が変わり、生徒達もザワつきはじめた

 

「うん、核のある部屋に自分以外の全員が居る時点で、切島君はその部屋に突入する以外に出来る事がない。

でも入ったらその瞬間、上鳴君の電撃に襲われて動きが止まる、けど八木さんだけは、電撃の中でも自由に動く事が出来る。

切島君だけなら、一か八かの突撃と言う手もあるけど、人質にされた障子君の安全を考えるとそれも・・・」

「核があるからだろ」

 

爆豪の呆れたような声が、緑谷の考察を断ち切った。

 

「雷野郎の個性は、見たところ指向性がねえ。核の構造には詳しくねえが、やたら電撃を浴びせても問題ないって事はねえだろ。

つまり、実際にはデクの言ってる事とは真逆!あの場では雷野郎の個性は使えねえ!あのまま攻めてりゃ、普通に勝てただろうに

下手に慎重策を取ったせいで、逆につけ入る隙を与えちまったって訳だ!」

「敵チームがキチンとハリボテを核扱いしていれば、このような作戦の穴は生まれなかったはずですわ」

 

爆豪の解説に八百万が補足を入れると、生徒たちはなるほどと納得した。

 

「爆豪少年の言う通りだね!まぁ世の中には考え無しの馬鹿な敵も居るから、突入するかどうかは考える余地があるが」

「考え無しの…」

「馬鹿な敵…」

 

オールマイトの言葉がザクザクと敵チームの胸に刺さる。

 

「そして、もしこれが逆の立場…ヒーローが敵から核兵器を守る状況だったら、という事も考えてほしい。

最善だと思った行動が、逆に最悪の結果を招く可能性もある。ただ相手を倒す事だけを考えているようでは、ヒーローは務まらないぞ!

それじゃ、次行こうか!」

 

勝ったはずの敵チームが頽れる中、オールマイトは次の対戦相手を決めるクジに手を伸ばした。




入試の時は、FGOの宝具三連やバランス修正前のガンブレ2みたいな
敵の群れに超必を使って、その超必でゲージが溜まるので
もう一度超必を使うイメージ。

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