オールマイトの隠し子なんだけど、オールマイトに隠し子が居るってマジ? 作:米国主将
〇月◎日
パパは悪例を示すのも立派な役割だって慰めてくれたけど
相澤先生からは、プロは何時でも一発勝負だって普通に駄目出しされた
まぁストレートにガキ呼ばわりされた爆豪君よりはマシだけど。
どうも彼はデクくんが関わると、突然キレるらしい
講評の時に見せた冷静で的確な判断力はどこに行ったんだ?
んで、デクくんはまた腕を怪我していた。
最初の内は怪我しない程度にパワーを抑えられていたのにもかかわらずだ
普通、勝つためにそこまでやる?
委員長は色々あって、結局飯田君に決まったんけど
その切っ掛けになったマスコミの騒ぎが本当にひどい
メディア露出の多いパパが、プライベートを隠したがる理由がよく解った
もし校門でやってたインタビューに、親子ですって答えてたら
今頃私はどうなっていたんだろうね?
※ ※ ※
「私思った事をなんでも言っちゃうの緑谷ちゃん」
ヒーロー基礎学の救助訓練、離れた場所にある演習場へと向かうバスの中で
梅雨が唐突に緑谷に話しかけた。
「あなたの個性、オールマイトに似てる」
「!!!そそそそそうかな!?でも僕はそのえー」
「待てよ梅雨ちゃん、オールマイトはケガしねえぞ、すげえパワーって所は似てるけど、実際は似て非なるアレだぜ」
梅雨の言葉を切島が否定すると、そう言えば、と近くに座っていた上鳴が声を上げた。
「オールマイトと言えばさ、オールマイトに隠し子がいるらしいって噂知ってるか?」
「え!?」
「なんだそりゃ、あの人、子持ちだったってのか」
生徒達の視線がバスの後方に集中する。
上鳴の話に最初に反応したのは、意外にもクールでクラスにあまり馴染もうとしない男だった。
「轟ってこういう話興味無さそうだって思ってたけど」
「やっぱ№2ヒーローの息子として、№1の事は気になんのか?」
轟は不機嫌そうに上鳴を睨みつけた。
「親父は関係ねぇ…あんだけ有名な人の話だ、普通は気にすんだろ」
「お、おう、そうか。つっても、詳しい事はあんま知らないんだけどな、なんか今年雄英に入学したとかしないとかで・・・」
「いやいやいや!パ…ァーフェクトなヒーローであるオールマイトが、隠し子だなんて、そんな不誠実な事をするはず無いじゃん!そんなんただの噂だよ噂!」
美久子が大声で否定すると、クラス中の視線が、オールマイトそっくりな少女に集中し・・・
「とりあえず、こいつは違うな」
「あぁ、確かに無いな」
「どう考えても別人だね」
「他人の空似」
「逆に怪しさゼロじゃん」
「てかオールマイト好きすぎでしょ」
あっさりと興味を失った。
「ちょっと失礼すぎない?むしろこれ、私が隠し子じゃなければ誰が隠し子だって話だと思うんですけど!?」
「馬鹿が!本当に隠し子だったら、てめえみたいな、あからさまな恰好してる訳ねえだろうがコスプレ女!」
「コスっ!?いや、恰好だけじゃなくて個性とか!」
「いやお前の個性って、パワーの方は副産物じゃん。それだったら、緑谷の方がまだそれっぽいぜ」
「実際どうなの、緑谷ちゃん」
「もちろん違うよそれは、いや本当に隠し子でも違うっていうんだけど、そんなんじゃなくて」
「あとコスプレって言ったら、飯田君だってコスプレじゃん!インゲニウムの!」
「いや、俺の場合は個性を活かす事を突き詰めれば、自然と一家全員似たような恰好になるだけだ、俺の家は代々ヒーロー一家なんだ。
勿論兄に対するあこがれも気持ちもあるが」
「お、飯田もヒーロージュニアだったのかよ」
「他にも親がヒーローの奴っている?」
家族の話題で盛り上がる車内に、相澤が水を差した。
「もう着くぞ、いい加減にしとけよ…」
「ハイ!!」
※ ※ ※
水難事故、土砂災害、火事、etc、あらゆる事故や災害を想定し、スペースヒーロー13号が作った演習場。
その名もウソの災害事故ルーム!!
クラスメイト達が、テーマパークのような豪華な施設に驚いてる中、美久子は困り顔で相談している相澤と13号に注目していた。
(今日の演習って、パパも来るって言ってたよね…まさかまた遅刻してるの?)
相澤が一瞬、美久子の方を見た後、馬鹿な事を考えたという顔で視線を戻す
(もしかして、私に送り迎えさせようって思ったんじゃ…)
正直、同じことを考えていたので気持ちは解る。
「えー始める前に小言を一つ二つ…三つ…四つ…」
結局、オールマイトを待たずに授業を始める事にした13号は
各人の持つ個性の危険性、それを使う者が持つべき心得を生徒達に説く。
演説が終わった後、相澤が訓練施設に案内しようとした時、それは現れた。
突然現れた黒い霧の中から、無数に出てくる異形系の集団。
「先日いただいた教師側のカリキュラムでは、オールマイトがここにいるはずなのですが…」
「どこだよ…せっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさ…オールマイト…平和の象徴が居ないなんて…」
「子供を殺せばくるのかな?」
途方もない悪意…本物の
※ ※ ※
「すまっしゅ!!!」
「すまぁっしゅ!!!」
「すまぁぁーーっしゅ!!!」
突如現れた謎の敵、黒霧のモヤによって火災ゾーンに飛ばされた尾白と美久子。
十数人の敵に囲まれて一瞬怯んだ尾白だが、美久子は近くにあった施設の制御盤に取びつくと
そこからエネルギーを吸い出し、尾白の口に髪の毛を一本突っ込むと、敵の群れの中へと突貫していった。
「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな…」
人形のように吹き飛んでいく敵達を眺めながら、尾白がそう呟いた直後に一人の敵が襲い掛かる。
尾白が逆に相手の腕を掴み、そのまま後方へと引きよせ、体勢が崩れたところに
美久子の個性によって強化された尻尾の一撃を叩きこむと、敵は仲間を巻き込みながら吹っ飛んでいった。
「凄いな、これは確かにちょっとしたオールマイト気分だ!」
「尾白君!無事!?」
尾白が美久子の方を見ると、そこには最早立っている敵は一人も居なかった。
「あぁ、こっちも全員片付けたけど…これからどうする?」
ここに留まって救助を待つか、他のゾーンを回ってクラスメイトを助けるか、広場に戻るか…
「…私たちは探知が出来る個性を持ってない、他の皆を探すにしても効率が悪すぎる。
皆は助けに行くにしても、まずは一度広場に戻ろう」
「そうだな、そうするか」
実際は、オールマイトを殺すという敵の言葉に気が気でなかったため、一秒でも早く広場に戻りたかったのだが
流石に、敵の主力と思しき面子と戦う気満々だと正直に告げれば反対されるだろうという判断は出来たため
クラスメイトの救助を主眼に置いているかのような言い方で誤魔化した。
二人がセントラル広場へと駆けだすと、途中で土砂ゾーンに飛ばされたらしい轟とも合流した。
「轟君、あんまり心配はしてなかったけど、無事だったんだね!」
「あぁ、大したことのねぇチンピラの寄せ集めだったからな…それより八木、ちょっと待て」
轟の制止に、イラつきを抑えながらも速度を落とす美久子。
「何?急がないと広場の皆が危ない…」
「危ねえのはお前だ。敵どもを尋問したんだが、あいつらはオールマイトだけじゃなくて
バスん中でも話したオールマイトの隠し子ってのも狙ってたらしい」
「はぁ?あいつら、あんなゴシップ信じてこんな事やらかしたのか?」
尾白が敵の浅はかさに驚愕する中、美久子は大きなショックを受けていた
(私のせいで、皆が襲われたっていうの・・・!?)
「お前、その恰好で行ったら敵どもに誤解されるぞ。隠れてるか、せめてどっかで着替えを…」
「ううん、それなら逆に私が囮になって敵を引き付ける!敵に狙われるのが怖くちゃ、ヒーローになれないよ!」
轟がそうか、と呟き視線を前方に戻すと
セントラル広場に向かって、空から巨大な人影が降り立とうとする姿が見えた。
轟君が原作で「俺の親父はエンデヴァー知ってんだろ」っていってたけど
これは俺の親がエンデヴァーだって事は知ってるよねって意味なのか
エンデヴァーが何者なのか当然知ってるよねって意味なのか
推薦なら、何で推薦されたのかって話題になりそうだし
前者の意味として捉えさせてもらいました