幸福な死に向かって   作:凪@なぎ

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自粛期間中に初めて視聴したyoutubeでBLEACH関連の動画がホームに出てきてじわっと再熱してしまいました。
初投稿かつ曖昧な知識ゆえゆっくり更新していきます。




幼女、現状確認する

青い空、流れる雲、行列、黒い着物のおっさんたち。

お情け程度の教科書で見た気もするお金らしきものとお弁当を渡されて遠くに遠くにポイっと捨てられ早数か月。

 

何故にわたしは美人のお兄さんの膝枕でゴロゴロしているのか。

怒涛の展開過ぎて考えることを放棄してたけど、もうそろそろ現状を把握しないとなぁ。

 

褐色の手がわたしの頭を撫でる。

上を見上げると朗らかな笑顔、本当に男なのかこの美人、羨ましい。

ニヤけちゃう、普通に笑えよ。

子供らしく笑うんだわたし。

あぁ、思考なんて後でいいんじゃあぁ…。

今の幸せで嚙みしめて寝よ。

 

 

 

 

 

 

 

昼寝のし過ぎでおめめぱっちり寝れなくなった夜。

一人こっそり部屋を抜け出して散歩中に見つけた洞穴で現状確認を試みる。

 

わたしはすず。

性はもろぼし、名前はすず。

たしかわたしはアラサーで人生を惰性で生きてる系のおんなだったはず。

家族中はわるくて、一人暮らし。

コミュ障で人間不信ぎみで、いつも家でゴロゴロしている干物。

 

それが何故にこんな時代錯誤で治安最悪の場所に、しかも幼女としているのか。幼稚園児くらいかな。

まるで漫画だ。

 

 

…マンガ?

 

 

黒い着物のおっさんがいていつの時代の日本ですかって生活水準でお腹が減る人と減らない人がいる漫画?

 

 

 

これ BLEACH の世界では?

 

 

 

そんな馬鹿ななろう系なんてほとんど見たことないぞ。

嫌ですそんな死後の世界いらないです。

死後の世界自体、いらないです。

せっかく死んだのにもう一度生きるなんて。

 

待て。待てよ。

BLEACHの世界なら今は原作の何年前だ。いやもう原作終わってるかも。

 

いかんぞ。

 

たしかわたしは週刊誌でBLEACHを読んでいたが、途中で読むのをやめている。

読んだのも子供の頃で知識が曖昧だし、小説にいたってはネット知識で読んですらいない。

 

…まあ、霊力があっても死神に絶対ならなきゃいけないわけじゃないし。

虚は怖いけど、死神になるより流魂街で暮らすほうが虚には合わないだろう。

生活には困るけど私には血がつながらなくても兄さんと姉さんがいるしな。

…勝手にそう呼んでるだけだし実際は兄さんと二人暮らしだけど。

 

現状維持でいいね、うん。

だいたい本当にBLEACHの世界だって決まったわけじゃないし。よく考えなくてもそんな馬鹿なことないって。

眠くなってきた。帰って寝よ。

 

 

 

…布団を抜け出したの、なんでばれるかな。

 

 

 

 

 

=====

 

 

 

 

 

――何故、思い至らなかったのか。

 

 

現状維持を決めて数年。

いまだ幼稚園児のままのわたしは貴族と結婚した姉さんの結婚式を遠くから見守った時、自分の迂闊さを呪った。

ネットで見たゲスと名高い小説のラスボスが姉さんの隣で笑っていたのだ。

 

 

 

 

ここ、本当にBLEACHの世界だ。

 

 

 

 

涙目のまま兄さんと暮らす家に帰る。

何故に気付かなかったのか。

 

流魂街出身。

褐色の肌。

盲目。

睫毛バッサバサの美人。

 

――兄さんは元九番隊隊長、東仙要だ。

 

何故に気付かないのか。名前聞いただろう。ドレッドじゃないからか。

 

なら姉さんは小説で明かされたという東仙の親友にして実験体に選ばれ綱彌代時灘の妻になる時灘の永遠に届かぬ星の人。

歌匡だったのだ。

 

もう姉さんは助からない。

いや、最初から手遅れだったのだ。

霊王の欠片が宿っている限り、生き残ることはできなかった。

 

ならわたしにできることはなんだ。

どうすればいい。

 

「にいさん、わたしおそとであそんでくる」

 

「え、もうすぐ夜だよ。今日は疲れたろう。ご飯を食べてもう寝なさい」

 

「いやなのっ。あそんでくるのですっ」

 

「鈴っ!」

 

止める兄さんを振り切っていつかの洞穴にたどり着くころにはもう日が沈みかけていた。

きっと必死で外を探しているだろう兄さんには申し訳ないけど今は一人で考える必要があるのだ。

…霊力の使い方を知らない今の兄さんは杖がないと歩けない。それでもあの人は探すだろう。妹に等しい幼女を見捨てることなどできる人ではないのだから。

 

 

まずは現状再確認だ。

 

 

わたしはすず。

性はもろぼし、名前はすず。

たしかわたしはアラサーで人生を惰性で生きてる系のおんなだったはず。

家族中はわるくて、一人暮らし。

コミュ障で人間不信ぎみで、いつも家でゴロゴロしている干物。

 

それが何故にこんな時代錯誤で治安最悪の場所、願ってもないのにBLEACHの流魂街で幼稚園児くらいの幼女をしている。

 

…ここ、何番だっけ。たしか、西流魂街の六十、七十…たしかそのくらいだった気がする。

一から八十までだろ。本当に治安悪いところだったのか。

姉さんがいるとはいえよく盲目少年と幼女で生きてこれたな。

 

思考修正。

 

現在、わたしは兄さんこと東仙要さんと二人暮らし。

ここに送られてきて拾ってくれたのが兄さんとか運がいいのか悪いのか。

そのまま兄さんに紹介されたびたび会うようになって姉さんはゲス灘と結婚し真央霊術院に入学。もうすぐ死亡予定。

残念ながらそれは回避不可能。だいたい本人に助かる気がないから無理。無理矢理助けるだけの力はないです。

 

原作通りなら姉さんが殺されて時灘は無罪になりそうなところを京楽隊長が有罪にするが死刑にならず、それに怒った兄さんが四十六室に抗議しに行って時灘に煽られボコられる。

そして警備にボコられそうになったところを藍染に助けられ世界の真実を伝えられ勧誘される…だったはず。

 

…どうする。

残念ながら姉さんは助からない。

兄さんはこのままなら藍染の慈悲でさようならだ。

 

わたしの望みは現状維持。どう考えても無理だろ、これ。

 

幼女抱えてたら抗議しにいけないかな。全力で幼女やる?泣きわめいたら一緒にいてくれるかな。

 

考えろ。

 

泣きわめけばしばらくは一緒にいてくれそう。でもいつまで持つかわからん。

 

考えろ。

 

いっそ一緒に抗議しに行くか。さすがに幼女連れを勧誘しようと思うまい。思わないよな。思うなよ。

 

考えろ。

 

でも藍染が助けてくれないなら警備にボコられるのか。これも泣きわめけば何とかならないかな。いや初対面の相手の良心にかけるとか馬鹿か。

 

考えろ。

 

…いっそ藍染サイドにつく、とか。

はい、わたしの実力不足でーす。歯牙にもかけてもらえません。

 

 

…兄さんを見捨てるか。

それは嫌だな。恩しかないし。信用できる人がいる幸せを手放したくない。あと兄さんの膝枕はわたしのものだ。

 

だいたいどこまで役に立つ、この知識は。原作で妹分なんていなかったよね、兄さん。

ならわたしがいる時点でもう原作崩壊しているのでは。

わたしみたいな人が他にいないとも限らないし。

 

 

 

計画なんて立てられないよぅ…。

 

 

 

とりあえず霊力鍛えよう。

あれだ、幼女ルキアのやってた手に霊力の球を作るのから始めよう。

あと走ろう。体力大事。

三日坊主になりそうだけど。意識してれば暇な時やるって。

よし、眠くなってきた、家に帰って寝よ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰り道でばったり会った兄さんに本気で怒られました。

でも摘んでおいたお花で作っておいたクッソへたな似非冠をプレゼントしてごまかしたら許してくれたよ。やったぜ!

 

護廷編に向けて加筆修正したいのですが、どこまでなら許せますか?

  • 誤字脱字、行間を詰めるくらい
  • 表現を変えるくらいならok
  • 数行くらいなら付け足しても、まぁ、いいよ
  • 大筋変わらないなら好きにどうぞ
  • ガッツリやれ!話数が変わっても構わん!!
  • 今のままでいいから更新はよ
  • 黒歴史だろうと残しとけ
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