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ありがとうございます…!ありがとうございます…!!
なかなか話が進まないけど、生温かく見守っていただけると幸いです!
舗装されていないただ踏み固められただけの土を踏みしめる。
間合いを図り一歩、振り下ろした竹刀は空を切り直後に真横から迫る一撃を何とかかわし距離をとる。
上がる息を整えようとするもそんな暇など与えられない。
余裕を与えんと続けざまに襲う強打を辛うじて受け流し、隙を伺うも見つからず防戦は続く。
相手の一撃一撃はこちらにとって致命となりえた。
(さすが、志波さん。どこにも隙が無い)
卒業を賭けた手合わせはもう何度目か。
もう二回生もあとわずか。
このままでは揃って三回生になってしまう。
(させない。さっさと卒業させてやる)
正直に云おう。
霊術院での日常はたしかに楽しい。
一緒に修行をしてご飯を食べてたわいのない話をする。
男女の友情なぞ信じてはいないが今だけでも仲間だというなら……、そう、すぐ忘れられても『仲間』だというのなら今だけは信じてもいい。
(仲間なら…仲間だからこそ!)
(―――足枷になんてならない!!)
「らああああ!!!」
かくして、その一撃は届かず。
日の沈まぬうちにその日の手合わせも終わった。
==
いい一撃だった。
割り当てられた寮の部屋の布団に寝転がりながら今日の手合わせを回想する。
最後に放たれた渾身の一振りはあの小さな身体から放たれたとは思えない、背にひやりと冷や汗を走らせるほどのものだった。
(……強くなってやがる)
一回生のときよりも、あの事件の時よりもずっと。
だが、まだ弱い。
(一撃一撃に重さがねえ。気合の入った一発だけ避ければ他は脅威にならねえな、こりゃ)
六年で死神になれるだけの可能性は十分ある。
それでもまだ足りない。
もし、またあの時のように襲われたら逃げ切れないだろう。
一対一でもキツいだろうが、ああいう手合いは大概は数をそろえて来るものだ。
体力が足りない。斬撃に重さが足りない。
――なによりも相手を傷つける覚悟が足りない。
(なんで…なんで虚を斬る覚悟より人を斬る覚悟を先に求められるンだよ…!!)
情けない。
あまりにも情けなかった。
世界の均衡を守る、皆を守る死神を目指すはずの霊術院で何故こんなことが起こるのか。
(守るんだ、俺が)
目を閉じる。
子ども特有の高い声で舌っ足らずに名前を呼ぶその姿こそ守られるべきもののあるはずだ。
まだ幼い兄弟を想う。
あいつらが傷つけられたら俺は許せるのか。
……きっと許せないだろう。
諸星の兄だという死神を想う。
流魂街に置ける家族に血のつながりはめったにない。
だが血のつながり以上の絆があることを知っている。
反対を押し切ってまで死神を目指した妹が暴漢に襲われたのだ。斬り捨てようとするのも無理はなかった。
(守るんだ、俺が。せめてアイツが死神になるまでは)
そのためにはまだ死神になるわけにはいかない。
離れていても守れるものはある?
側にいても守れなかったのに、離れていてどうやって守れる。
追いついてくる?
追いつく前に倒れない保証などどこにある。
側にいよう。
足枷などでは決してない。
指標なのだ。
守るべきもの。
守られるべきもの。
彼女はそれをそのまま形にしたようなものだ。
側にいれば忘れないでいられる。
なにを守るべきで、なにを斬るべきか。
守りたいものがあるのだと。
そのための力がほしいという健気な子ども。
―――――彼女を守る刃でありたい。
==
勝てない。
志波さんに勝てない。
もうすぐ三回生なのに勝てない。
「……かんがえろ……かんがえろ。ふいをつくんだ」
このままでは一緒に三回生だぞ。
鬼道が苦手だからもっと極めたい、なんて言葉で教員たちを納得させやがってあの野郎。
「おとしあな……、いやばれるか…。もっとこそくでひきょうなてをかんがえろ」
待てよ。
志波さんが卒業しないのは十中八九わたしが心配だからだろ。
そうだよ、なら…
「しばさんにわたしのこときらわせればいいのでは?」
「聞こえてんゾ、諸星」
「おっふなぜここに」
「次の講義、一組二組の合同だぞ」
「そうでした」
ふたりで歩くのが当たり前になった。
はじめてのことではないはずなのに、こそばゆくて嬉しくて怖い。
あと何年経てば思い出になるだろう。
そんな奴もいたなといつか思い出せる、やわらかい思い出になればいい。
思い出にすらできないのはつらいことだったはずだ。
「別におまえのためってわけじゃねえぞ」
「なんですかきゅうに」
「卒業。……まだ鬼道も歩法も満足できるほどのモンじゃねえんだよ」
「このまえ、らいこうほううってましたよね」
「あんなの見かけだけの中身カラッポだ」
「こっちはしゃっかほうすらうてないのに」
「ほんっと治んねぇな、その舌っ足らず」
「もうすぐなおるわ」
「どうだか」
「「志波!諸星!さっさとしろ!!」」
「「はい!」」
「よし!おまえらさっさとくじを引け」
「「はい!」」
今日はそう遠くない森に出向き一組二組合同で班別対抗戦をする。
もちろん能力が偏りすぎないように先に班長は決められており、志波さんは班長に選ばれている。
「なんだ別の班かよ」
「そのようですね。ではまた」
「おう!」
「諸星さん一緒だね!こっちこっち!!」
「ただいままいります!」
わたしの班は男女ふたりずつ。
鬼道が得意な子がふたり、白打が得意な子がひとり。バランスがいい。
気性が荒い人もいないし、即席ながらチームワークは悪くなさそうだ。これならいい成績が残せそう。
まてよ。
これなら班として志波さんに勝てるのでは?
賭けるか、この可能性に。
「みなさん、聞いてください」
わたし個人のことに巻き込んでしまうのは気が引けますが、志波さん倒せれば高評価間違いなしですからみんなバンザイ。
「志波の奴、倒したいんだろ」
「わかってんぞ、それくらい」
「志波さんなんてさっさと倒して死神にしちゃおっか」
みんなやる気ですな。
でも何故にわたしたちの約束を知っているのですか。
「ありがとうございます。まずかくにんですが、こんかいのしょうはいははんちょうがつけているわんしょうをうばったほうがかちです」
向こうの班長は志波さん。
こちらの班長は白打が得意な一組の男子。
いかに班長を守りつつ相手の班長から腕章を奪うかが今回の肝だ。
ならそこから崩しましょう。
まず腕章は別の人に持たせて班長には偽の腕章を装備させておこうか。
ルール違反?偽物を用意するななんてルールはないな。
こっちに来てから本当に図太くなったわ。前なら思ってても言えなかったもの。
やっぱりアレね、愛されている実感っていうやつがあるかないかって本当に大きい。
兄さんはわたしが大切。わたしは兄さんが大切。
断言できる。
これが自己肯定感が高いってやつかな。
さて続き。
志波さん以外の人をどうするかだな。
志波さんが格別に強すぎて通常四人の班が三人になってる。
他のふたりは一対一をさせるか。
それか鬼道がうまい女子に
考える時間はさほどない。
決戦、開始だ。
鬱蒼とした森の中に響くのは剣戟。
あちこちで爆発音が鳴り、複数の戦闘が行われていることが窺えた。
「どうしたあ!姑息で卑怯な手を考えるんじゃなかったのか!」
「そうしたかったのですがのこりのふたりもつよいとかひどくありませんか」
「そりゃ二人とも成績上位だからなあっ。おまえ他の同期に興味なさすぎだろ!」
「そんなにきおくりょくよくないの、でっ」
避ける避ける受け流す避ける。
こちらが小さい分だけ相手の攻撃は当たりづらい。
だがこちらには体力がないゆえに避け続けるには限界がある。決定打となる一撃を放とうにも生じる隙が大きすぎる。
「この程度かモロボシィイッ!」
「くっそっこれでいんせいとかふざけんな!!」
どうしようもない体格差。
どうしようもない才能差。
それを覆すだけものはない。
「増援待ちか。
覆すものがないなら作るしかない。
やりたくないけどやるしかない。
くらえ!志波さんの心を抉れ!!
「てえええええええええええええええええい!!!」
「ナニィィイイ!!!」
幼女瞬歩頭突き強化ver!!!!
志波さんが踏み出し斬魄刀が振り下ろす瞬間を狙ったのだ。
このままだとわたしの頭に直撃するコースだけど、きっと志波さんならうまく軌道を逸らしてくれるはず……
………いっっったああぁぁあああい!!!!!
柄にあたったあああ!!!
勝敗、両者ノックダウン。
でも腕章は隠れてた子が回収してくれたので我が班の勝ちだ。
さよなら志波さん。さっさと卒業しろ。
海燕さん、強すぎィ。
捨て身タックルでやっと引き分けです。
こ、これで院生編が加速するはず…!
早くしないと持病の性癖ですずちゃん自殺させちゃう。
子どもを大切な人の目の前で自殺させるの好物なんだよぉ。
まだだ、まだすずちゃんは死なせない…!
護廷編に向けて加筆修正したいのですが、どこまでなら許せますか?
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誤字脱字、行間を詰めるくらい
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表現を変えるくらいならok
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数行くらいなら付け足しても、まぁ、いいよ
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大筋変わらないなら好きにどうぞ
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ガッツリやれ!話数が変わっても構わん!!
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今のままでいいから更新はよ
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黒歴史だろうと残しとけ