マシュのお兄ちゃん~ENTAKU最強~   作:静かなるモアイ

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オリンピックに備えて

我等がギャラハッドのお陰で技術革命が次々と起こり続けているブリテン。特に首都キャメロットはインフラが完成し、トイレは全て水洗トイレとなり、電気が通って夜でも灯りが灯っている。学校も無事に完成し、今日も多くの子供達が通っては沢山の事を学んでいる。だが、ギャラハッドにはどうしても、どうしても、自分が死ぬ前に絶対にやらないといけない事が存在していた。

 

「えー、では此処までで何か質問はある人は居ないか?」

 

それは医者のスキルや知識を身に付ける為の医療学校を作る事だ。ギャラハッドはその母体となる医療学校を作り、キャメロットは勿論…様々な土地の医者を招いては医療の講義を行っているのだ。ブリテンの医者のスキルアップは急務であった。だが、この時代では「えっ?病気?血を抜いたら治るだろ?」「よし、水銀を飲もう!!」なんて事を言い出すような時代だ。まあ、ブリテンではギャラハッドが真っ先に医療革命を食事革命と共に起こした為に水銀を薬として服用する間違った知識は直ぐに薄れた。

 

だが、ギャラハッド1人が優れた医者であってもギャラハッドが死ねばブリテンの医学は再び停滞してしまう。ギャラハッドは自分がいつか死ぬことを見越して、ブリテンの医者のスキルアップ、医者の卵を医者にランクアップさせる医学学校の設立を急いだのだ。

 

「よし、質問はないな。それじゃあ、脱水症状に陥った場合の対処法を教えるぞ。先ず経口補水液の作り方だが、水1リットルに対して黒糖と食塩をこの比率でいれてくれ」

 

黒板に脱水症状に陥った場合の対処法、そして経口補水液の作り方を教えたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「お腹を空かせた青年達とオッサン連中よ。待ちに待った試食タイムのお時間だ」

「「「イェェェェエイ!!」」」

「いや、お前達…喜び過ぎじゃね?」

 

オリンピックには食事も勿論…大事だ。美味しく、栄養の揃ったご飯を食べてこそ選手は力を発揮できる。だが、全ての国の食文化が共通しているという訳ではない。イスラム地域では豚肉は食べることが出来ず、菜食主義者は肉は食べないし人によっては牛乳さえも飲まない。それ以前に国の根付いた料理の文化によって、好みの味が大きく異なる場合があるのだ。例えば、一切辛い物を食べてなかった人が辛い物を食べれば嫌悪感を示すように、国や民族によって食べられる物とそうでない物が異なるしオリンピックは様々な国の人々が集まる。そこでギャラハッドは考えた、やってくる様々な国の皆様に喜んでもらう為にタダ飯に餓えたモルモット(円卓の皆様+オッサン連中)に様々な物を試食して貰うのだ。

 

但し、ギャラハッドが国際行事のオリンピックに向けて大真面目に考えたレシピの為に味は不味くない筈である。だが、国や宗教の文化の為か食べられる物が違うためか様々な物を作らなければ成らない。だが、円卓の皆様は美味しい物が食べられるぞと言えば快く参加してくれる。そこでギャラハッドは円卓の皆様にご協力をお願いしたのだ。

 

では、本日集まった暇人の皆様を紹介しよう。

 

ゲテモノ担当、旅先で美味しいと思ったのはローマで食べたカタツムリ料理。ベディヴィエール。昆虫食だろうが、ゲテモノだろうが何でもござれ。最近のマイブームは蜂の子。

 

野菜担当、最近ハマってるのは馬鈴薯に合う新たな調味料 マヨネーズとチーズ生成の際に序でに作られるプロテイン。筋肉野菜ゴリラの異名を誇るベジタリアン、ガウェイン。現在、ギャラハッドにプロテインの味のフレーバーを増やすのを依頼中。

 

女性に目がないぺリノア。なお、オリンピックでは各国から女性が集まるためか…カタツムリとか牡蠣とか精力の着くものを食べて英気を養っている最中。なお、キャストリアにナンパするのはもう諦めた。

 

メガ盛り担当パーシヴァル。本人も最近はギャラハッドを見習って料理をするが、若い子や子供達は沢山食べるべきだと思い、ついついメガ盛りに仕勝ちである。

 

「ギャラハッド。美味しい料理を待ってますよ」

 

オリンピックに備えた試作品。それは国外から集う選手や国賓の皆様に振る舞う料理の試作品であり、その美味しそうな料理を想像してはガウェインは微笑む。なに、自宅からマヨネーズとオリーブオイル、ドレッシングという三種の神器は持ってきた。楽しみで楽しみで仕方がないだろう。

 

「その事だけど。ブリテンと食生活が似てる国へ向けた試作品(マジで旨いヤツ)は王様とアルちゃん、アルクェイドに食べて貰った。なのでアンタ達に食べて貰うのは少し実験的な側面があるぞ。

禁欲的なキリスト教の人達は肉を食べないし、イスラムの人達は豚肉を食べないし、国々によって趣向や好きな味覚が異なるからな。ほら、昔のローマだって広すぎる故か属州によって料理とか異なるだろ?そう言うこと」

 

現代日本やブリテンでは主に我々が美味しいっと感じる料理が美味しい。だが、国が違えば料理や味覚の価値観が大きく異なるのだ。ある国では全く肉料理は食べないし、ある国では酸味が強い料理が人気だし、ある国では甘いものは未知の領域だったりと様々だ。

 

「成る程…ですが、その国々の方々の好みや食文化に合わせてると言う事ですね。つまり、我々の舌に合うかなんとも言えないと」

「そう言うこと」

 

なのでベディヴィエール達の好みに合うかどうか分からないのだ。まあ、ベディヴィエールは昆虫食全般は大丈夫であり、ガウェインは野菜関係なら問題なく頂けるだろう。

 

「そして、これがアンタ達に食べてもらう物だ」

 

ベディヴィエールに食べてもらう物。カイコのサナギの素揚げ、イナゴの佃煮、チョウザメのステーキ、キャビアのフランスパン添え、カンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)。

 

「ふむ…栄養は有りそうですね。カイコは糸を紡ぐ他にも食用にも出来るのですか」

 

ガウェインに食べてもらう物。ライスペーパー(お米で作った薄い生地のような物)で野菜を巻いた生春巻、味噌スープのフォー(お米の麺で作った麺類)、大豆100%ハンバーグ、トルティーヤチップスとサルサソース。

 

「こっこれは…玉ねぎとトマト等を使った野菜のソース!?マヨネーズに継ぐ、新たな調味料の神器ですか!?」

「サルサソースですけど」

 

パーシヴァルに食べてもらう物。ニジマスのムニエル、生春巻(此方はエビの切り身等をしようした)、カレイの煮付け、クリスピーポーク(皮のある豚肉をグリルでこんがりと焼く)、ビーフストロガノフ、パエリア。

 

「生春巻って本来は蒸したエビとか入ってるのか」

「入ってますよ。ガウェインが食べる方はベジタリアン向けだけど」

 

そして…ぺリノアに食べてもらう物だが…何故かどれも精力に効くものばかりであった。焼牡蠣、牡蠣のフライ、ジェノベーゼパスタ、カボチャの煮付け、そして海蛇をウオッカに浸けた海蛇ウオッカであった。

 

「……なんか、精力回復関係ばっかだな」

「「「えっ、最近…経たないって言ったじゃん」」」

 

なお、生牡蠣は食中毒の恐れがあるために自然界の毒が一切効かないギャラハッドとアルクェイドちゃんが美味しく頂いたとか。

 

 

 

 

 

その頃、ブリテンの何処か。

 

アーサー王の姉であるモルガンは頭を抱えていた。モルガンはアルトリアを失脚させ自分がブリテンの女王と成るために色々と策を巡らしていた。自分からアーサー王の所に向かったガウェインとガヘリスにガレスは兎も角、アグラヴェインとモードレッドは元々アーサー王を失脚させる為の手駒だった。

しかし、アグラヴェインは王に忠誠を誓い離脱。モードレッドも結果的に王に忠誠を誓い、気が付けばガウェインの妹として第二補佐官として充実した日々を送りまくる始末。

 

そして気が付けば降臨した円卓の麒麟児 我らがギャラハッドのお陰で見事に全ての目論みは潰えてしまった。ギャラハッドが次々と文明革命を起こすために、痩せていた土地は充実し医療も進歩してブリテンは医療&農業大国と進化してしまい、ギャラハッドが広めたサッカーだか野球だとかのスポーツも広まり子供達も楽しく過ごす。

 

「まさか…ヤツがあれ程の男だとは」

 

ギャラハッドが広めたラーメンとやらをすすり、嘆くモルガン。あれだ、どうやってもギャラハッドに勝てる未来が見えない。まあ、ラーメンが美味しいから良しとしよう。

 

モチモチとしたコシのある縮れ麺がスープに絡み、モルガンの頬っぺたは落ちそうになる。

 

対ギャラハッドの為に送り込んだ妖精達に座に登録された円卓の騎士を宿した妖精騎士はギャラハッド……ではなくおパンティーを被ったランスロットの前に完全敗北。気が付けばギャラハッドの手でアイドルデビューしてるし、どうしてこうなった。

 

そんなモルガン様の家には、デフォルメされた妖精騎士の人形が飾られており、発売されたレコードは全て買っている。妖精騎士のファンクラブ会員No.1桁台にモルガン様は居るが気にしてはいけない。

 

「だが、私は必ずアルトリアを超えてやる。失脚は諦めた、無理だ」

 

しかし、モルガン様には最近ハマっている事がある。それは

 

「必ずや、テニスとバトミントン、卓球でお前達を倒してやるぞアルトリアにギャラハッド、そして円卓よ!!」

 

テニスとバトミントン、卓球であった。モルガン様はアーサー王失脚は諦めた。今の彼女の野望はオリンピック出場である。




ガウェイン…サルサソースを新たな神器に加える。後日、サルサソースはブリテンの小売店で販売され、ガウェインがモードレッドと共に箱買いしてるのが目撃される。

次回!!オリンピック代表選考会!!

「テニス代表は私ですよ!!」
「ただ、ひたすら鍛練を重ねた私の……モルガンスマッシュを受けてみろ!!」

「「「あれ?モルガンってこんなキャラだっけ?」」」

キャストリアVSモルガン様……テニス勝負!?

ヒロインどうする?期限はブリテンオリンピック開催まで

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