最強のサーヴァントと最弱の少女の出会い
2014年。フィニス・カルデア。
此処は時計塔のロードの1つの家系 アニムスフィア家が設立した施設であり、此処は国連保証機関であり、国連から直々に認められた数少ない機関である。
フィニス・カルデアは通称カルデアと呼ばれており、場所は公に明らかにされていない。だが、建前とは言え何処の国にも属さない組織である為か場所は大体と限られる。分かることと言えばカルデアの外は常に吹雪いており、標高がそこそこ高い山の頂上に作られている。まあ、とは言え…世界最高峰のエベレストでは無いことは確かだ。だって、余りにも目立つのだから。
ここの役目はただ1つ。未来に於ける人類史の存続を観測し、それが途切れる事が有れば修正すること。人類の歴史を途絶え指すことなく永久的に保証させる。ざっくりと言えば、此処はそんな所だ。
「最後のマスターがやっと来たのね」
「ええ、所長。まあ、マスター適性とレイシフト適性が100%なだけの数合わせの少女、そしてその少女の血の繋がらない妹ですけどな。ですが、数合わせの足手まといを含めてようやく48人集まりましたね。弾除け程度には成るでしょう」
そんなカルデアを束ねるのはオルガマリー・アニムスフィア。まだ年若く、世間的に言えば20代前半程の若い女性だ。とは言え、彼女は自分の意思で此処の所長に成ったのではない。オルガマリーは数年前、前任者の所長…父親の急死を受けて心の準備が出来る前に家督とカルデアの所長を受け継いだのである。
そんなオルガマリーは部下から手渡された資料を見る。その資料には数合わせを含めた様々なマスターの情報が載っている。
カルデアが人理の焼失を察知したのは半年前。その半年前から出来るだけ戦力は欲しいと思い、過去の英霊をサーヴァントとして使役できるマスター候補…そしてマスター候補でありながら特異点に介入できるレイシフト適性の高い人材を急ピッチで集めていた。だが、急ピッチで集めた為か…半年前から召集しだした人材は10人全員が数合わせ。まあ、居ないよりマシと言いたげな数合わせの存在だ。オルガマリーは彼女達には最初から期待はしていない。
「取りあえず、顔と名前は覚えておきましょう」
オルガマリーは資料を捲る。
「数合わせの1人は遠野秋葉、2人目と3人目が遠野秋葉の付き添いで来た琥珀と翡翠姉妹。
4人目は藤丸太郎…あの遅刻やろうね。
5人目は宇津見エリセ。6人目は渡辺カリン。どっちも14歳の中学生。
7人目は岸波白野さん。
8人目はシエル。経歴不明、まあ雑用には成るかしら。
9人目は衛宮イリヤスフィール10歳。あの魔術師殺しとアインツベルンのホムンクルスの混血…彼女は期待ね。あと数年早く産まれていればね。
そして10人目はイリヤスフィールの血の繋がらない姉である衛宮立香。レイシフト適性とマスター適性は驚異の100%」
そして資料を確認終えたオルガマリーは資料を机に起き、彼女は立ち上がる。役者は揃った、あと半年という急ピッチの時間で集めた数合わせの10人+じっくりと集めた38人合計48名のマスターは集まった。いざ、役者は揃った。
「さあ、人理を救う戦いを…グランド・オーダーを始めるわよ!!」
その3時間後。レイシフトを行う為の中央管制室は仕掛けられていた爆弾により大損害を受ける。レイシフトを行う為のポッド…コフィンに入っていたマスタ-達45名は大爆発に巻き込まれた。当然、それは中央管制室に居たオルガマリーも当然である。
「なっ…なんなの?これ……」
拉致に近い形でカルデアにやって来た48番目のマスター 衛宮立香は唖然とした。
カルデアにやって来て早々、半日。録な説明も受けさせてもらえず、彼女は疲れはてた身体を引き摺って中央管制室に居たのだ。
立香は妹であるイリヤと共にカルデアに拉致され、録な説明もされていない。まあ、来たのがギリギリだったから仕方がない。だが、彼女は1人ではなかった。妹のイリヤは勿論のこと、同じく数合わせのマスターとしてやって来ていた秋葉や琥珀に翡翠、白野と言った同い年の友達も直ぐに出来た。それに、カルデアに来て右も左も分からない自分達に手を差し出してくれた青い髪の先輩 シエルに優しくしてもらい、此処でもやっていけると思っていた。
『妹と自分。どっちが出る?』
しかし、カルデアに連れてこられて直ぐに任務を言い渡された。立香はお姉ちゃんであり、イリヤは未だ10歳。小学生である妹を差し出すことは出来ず、立香は自分から任務に参加することを決意した。
『…はぁ、仕方無いわ。貴方は私と共にそこに立ちなさい。今日は見学よ、マスターがどのような者なのか自分の目で良く見なさい』
裏側歴3時間の立香。戦闘も魔術も出来るわけがない。それはオルガマリーも分かっており、オルガマリーは立香には自分の隣で見学を、イリヤには自室での待機を命じた。オルガマリーだって、無茶振りだとは少しは思っていたのだ。
『まあ、立香。貴方は大丈夫よ。直ぐに家に帰れるわ。私は借金のお陰で帰れないけど』
『立香さん!!琥珀さんに任せておきて下さいよ!!』
『立香様。自分の身を守ることを優先して下さい』
新しい友達である秋葉、琥珀、翡翠は立香を励ますようにコフィンに入っていった。
『立香さん。安心して下さいね?貴方とイリヤちゃんは、先輩である私が絶対に守りきります。そうでないと、私の先生と上司から何を言われるか』
シエルは立香の頭を撫でて、お守りを立香に手渡してコフィンに入っていった。
「秋葉!!琥珀さん!!翡翠!!シエル先輩!!ねえ、返事をしてよ!!ねぇ!!お願いだから!!お願いだから!!私とイリヤを孤独にしないで!!お願いだから!!お願いだから返事をしてよ!!」
だが、返事は来ない。当然だ。突如として管制室…というか立香の隣に立っていたオルガマリーの真下から爆発が発生。立香はシエルが手渡してくれたお守りがバリアを発生させ、身を守ってくれた。しかし、オルガマリーは魔術刻印が有った頭部を残して肉体が爆散。コフィンに入っていたシエルを含むマスター達も爆発に巻き込まれた筈だ。事実、エリート集団Aチームの1人 マシュ・キリエライトという片目が髪で隠れた巨乳少女もコフィンから自力で出ており、倒れている。
「こんな…こんな事って……」
拉致され、更に爆破テロに巻き込まれる。もう情報量が多くて頭を抱えてしまう。
「マシュ!!大丈夫か!!」
そんな時だった。新たな声が管制室に響く。立香は誰なのかと思い、顔を見上げて声の方を見る。そこにはサボタージュして、今回のファーストミッションに参加してなかった数合わせの1人 藤丸太郎こと藤丸がマシュを介抱して居たのだ。
「先輩…」
「マシュ!!しっかり、今助けるから!!」
マシュは頭から血を流しており、藤丸はそんなマシュを助けようとマシュをコフィンから引っ張りだしていた。
「立香さん、生きてますよね?ちょっと待ってくださいね」
「シエル先輩!!」
そんな時だった。シエルの声が下から聞こえてきた。マシュ以外のコフィンは既に下にセットされた状態であり、当然ながらシエル達はコフィンの中なので下に居る筈なのだ。
「よっこいしょっと!!」
そして爆音と共にシエルが入ってるコフィンの上が吹き飛び、なんと無傷のシエルが軽々とジャンプして上がってきたのだ。
だが、そんなシエルの右手には大きな重火器…パイルバンカーが握られており、シエルはその一撃でコフィンを破壊して脱出したようだ。というか、そのパイルバンカーは何処に仕舞っていたのだろうか?少なくともコフィンに入るときは手ぶらだった筈だ。
「シエル先輩!?」
「私、不死身なので。それより、やっぱり潜んでたか…テロリス野郎」
シエルは軽い足取りで立香の所に向かうと、なにやら魔方陣を展開してそこにパイルバンカーを仕舞う。どうやら彼女は魔術を用いて、このパイルバンカーを持ち運んでいたようだ。
「先輩…無事ですよね?」
「ええ、私は勿論…秋葉さん達も皆無事ですよ。ただ、瞬間的に頑強な防御が間に合ったのは秋葉さん、琥珀さんと翡翠さん、白野さん、後は中学生の2人…位ですかね。他の人は簡易的な防御しか施せなかったので大怪我から重傷っと言った感じですね。少なくとも守れたんで死んでませんよ」
シエルは優しそうにそう言った。爆発はしたが、オルガマリー以外の爆発に巻き込まれた人は全員生きている。それは良かった。
「ただ、オルガマリーは守れませんでした」
「そっそうだよね。所長さん……」
だが、オルガマリーは死んだ。それは覆せない事実であり、頭部だけで生きていける人間は有り得ない。
「立香さん。私はね、本当は数合わせのマスターじゃ無いんですよ。
カルデアを不審に思ったイギリス王室から派遣された工作員なんですよ。カルデアの監視を行っていたスパイです。ただ、今回の爆発は無関係ですけどね」
シエルはそう告げた。そう、彼女はお金や拉致等でやって来た数合わせのマスターではない。
「シエルという名前も本名では有りません。カルデアに入り込む為に名乗った偽名です。
立香さん、絶対に此処を動かないで。今のカルデアはこの爆発を始め、誰が敵なのか分からない。取り敢えず、私はイリヤちゃんの安全を確保してきます」
シエルはそう告げ、防火シャッターが降りて逃げ出せなくなった管制室の出口に向かう。そして防火シャッターを強引に腕力で抉じ開けて、イリヤの所に向かった。
「行っちゃった……あの、シエル先輩って本当に人間?」
唖然とする立香。そんな時だった……
『これよりレイシフトを開始します。繰り返す、これよりレイシフトを開始します。人理は焼失しました。これより2004年の冬木…特異点Xにレイシフトします』
管制室の上に輝く地球儀。たしか、名前はカルデアスだったか?そんな事を思う立香。カルデアスは真っ赤に染まり、レイシフトを告げる機械的な音声が辺りに響く。
「えっ?2004年って…私がお父さんとお母さんの子供に成った10年前!?」
『マスターNo.8 マシュ・キリエライト。マスターNo.43 藤丸太郎。マスターNo.48衛宮立香をマスターとして再登録。これより、レイシフトを開始する』
管制室は眩い光に包まれ、立香そして御互いに手を繋ぐ藤丸とマシュはレイシフトに巻き込まれた。
「えっ…此処って」
立香は気が付けば瓦礫の山の上に立っていた。彼女が立っているのは何処から見ても瓦礫の山であり、周囲の建物は崩壊してるのか、炎に包まれてた、或いは倒壊してるのかのどちらかだった。まあ、数少ないとは言え健在な建物も有ったのだがそれらは運が良い方だと言えるだろう。
「もしかして…冬木?」
燃え盛り崩壊した町だとは言え…立香の産まれ育った町。面影は残っており、立香は此処が変わり果てた冬木である事は分かった…いや分かってしまった。
少し歩けば新聞が落ちていた。新聞の日時を確認して見れば2004年と書かれており、此処はどうやら2004年の冬木のようである。
「えーと…マシュさん?藤丸くん?居ないか…」
立香は共に最後まで管制室に居た筈のマシュと藤丸に呼び掛けるが、返事は帰ってこない。仮に一緒に転移してたとしても同じ場所に落ちたとは限らないようだ。
「でも…どうして誰も居ないんだろ?」
歩いても歩いても誰も遭遇しない。不審に思っていた立香であったが、直ぐに此処が異常地帯である事に気付いた。
「骸骨が…骸骨が武器を持って動いてる!!」
そんな彼女の視線の先には蠢く骸骨のエネミー スケルトンが蠢いていたのだ。スケルトンは各々、槍や剣、弓矢を持っている。それに、剣や槍を持つスケルトンの獲物は血に濡れており…間違いなくそれで人を殺している。
「ギィギィ!!」
「グィー!!」
だが、大声を出してしまった為なのだろうか…スケルトンは立香に気付き、各々の武器を振り上げて襲い掛かってきたのだ。
「あっ…」
立香は死を覚悟する。
10年前の2004年。気が付けば冬木の病院の上で目が覚め、今までの記憶を失っていた彼女。死にかけの自分の手術を執刀した医者の友人だという衛宮切嗣、切嗣の妻で臨月の女性アイリスフィールに引き取られて衛宮立香と成った。だが、自分を助けて手術を執刀した医者は誰なのかは分からなかった。ただ、手術痕の傷痕が一切無く、とんでもない名医である事は間違いない。
そして妹のイリヤが産まれた。切嗣が言うにはイリヤはお腹に居る時に手術を受ける胎児手術を受けたそうで、その時の執刀医は立香の手術を担当した医師と同じだそうだ。
切嗣、アイリスフィールという2人の育ての親から愛情を注がれて育ち、妹のイリヤと共に大きくなった。
10年前からの走馬灯が脳裏に流れていた時だった。
「あつ!?」
突如として立香の右手の甲が一瞬熱がこもり、赤い楯を彷彿させる三角の刻印…令呪が刻まれる。その時だった…
「ギィギィ!?」
「グィヤァァ!?」
眩い魔力の閃光が解き放たれ、立香の前に1人の人物が降臨した。その人物は18歳程であり、白髪の騎士だった。軽装の鎧を着込み…紫のマントがはためく。そして騎士は立香の方を向いた。
「あっ…」
立香はそれが誰なのか知っている。いや、その人物を知らない者は世界中には先ず居ない。世界的知名度を誇り、イギリスを天然痘や食料危機から救い、様々な伝説が今でも語り継がれる万能の救世主。
「問おう…君が俺を呼んだマスターだな?」
伝説の聖剣アロンダイト、オメガウェポン ロンギヌスの担い手。
「マスター?」
「ああ、そうだ。一応、自己紹介しておくか。俺はギャラハッド。クラスはグランド・セイバーだ」
イギリスが誇る伝説の救世主 ギャラハッドである。
「グー!!」
「だまらっしゃい!!骸骨風情が!!今、大事な話してるんだよ、そらサンダガ!!」
迫り来るスケルトンの群れを手から放つ雷撃で全て消し飛ばすギャラハッド。
「で?どうしたいんだ」
「助けて」
「OKだマスター。む?この気配は……俺!?いや、どうなってる!?俺は同時召喚されない筈だぞ!!」
一方、藤丸とマシュはと言うと。
「マシュ…その姿は!?」
「はい、デミ・サーヴァントに成りました!!」
マシュ・キリエライト。デミ・サーヴァントとして覚醒。その彼女の手にはギャラハッドが持つ大楯と同じものが握られていた。
ギャラハッドの脳内に存在しない記憶が流れるまで、残り3分。
次回…ギャラハッドの脳内に流れ出した、存在しない記憶。
ギャラハッド「お兄ちゃんと…呼んでくれ」
マシュ「兄を名乗る不審者が居ます!!」
オリ鯖どうしようか?
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人外も鯖、無機物も鯖になる時代だ
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出来れば戦闘に関した方々が良いかな?
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ネタも無機物も何でもこい!思いが英霊に!