マシュのお兄ちゃん~ENTAKU最強~   作:静かなるモアイ

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ランスロット…第一の覚醒を遂げる。


食と、おパンティーを広めよう

「グッドモーニング!!そして初めましての人は初めまして。円卓が誇る技術革命家、ギャラハッドでーす!!」

「俺の胃は死んでいくけどな」

 

大きな挨拶を行い、美味しそうな匂いが漏れているサービスワゴンを押しながらギャラハッドは円卓の間に入った。勿論、ギャラハッドと共にケイとランスロットも入っていくがこの後に待っている下着のプレゼンでパンツ一丁に成ることが決まっており、ケイとランスロットは今後に起こるであろう出来事を思ってか憂鬱な表情だ。

 

パロミデス、ぺリノア、モードレッド、ガヘリス、ボールス等々のギャラハッドとは初対面の円卓の騎士は興味深そうにギャラハッドを見る。とは言え彼等はギャラハッドがキャメロットに来て早々に行った様々な事を知っており、ギャラハッドを観察する。

呪われた十三席の呪いをはね除け、円卓の騎士に数えられる。ガウェインでさえも引き抜けなかった選定の剣をその場の勢いとチャレンジ精神で抜いてしまう。食事を改革しようと主食だったパンに塗り、味を昇華させる加工食品ジャムを開発する。アオカビから画期的な薬品である抗生物質ペニシリンを開発、精製する。痩せた土地を作物がより良く育つ肥料の散き方や栄養の与えかたを考案し、ブリテンに広める。等々、上げればキリが無い程の人物だ。しかし、円卓の騎士は研究や学問が出来る程度では務まらない。文官であるケイでさえ、武闘派であるランスロットやガウェインには劣るとは言え一般騎士が相手なら無双出来る程の技量はある。それに円卓の騎士に相応しい技量は間違いなく有り、格上相手でも多少は時間稼ぎが出来る力をケイは持っている。しかし、そのケイが…円卓の古参で経験豊かであるケイがマトモに剣を習いだしたばかりのギャラハッドに負けたのである…しかも2秒で。

 

彗星の如く現れ、呪いを物ともせず選定の剣を引っこ抜き、医学と農業に文字通りの衝撃を与えた超新星ギャラハッド。

会議早々、騎士らしからぬ挨拶とサービスワゴンを押してくるという登場の仕方をした彼は何事も無いように十三番目の席に向かっていく。そして、ギャラハッドが十三番目の席に向かった事を確認し…ギャラハッドの保護者(ケイ)と実父(マダオことランスロット)は自分達の席に座ったのだ。

 

しかし、ギャラハッドは未だ座らない。あくまでも十三番目の席に移動しただけであり、椅子には座ろうとしない。

 

「新人、座らないのか?」

 

不思議に思ったモードレッドがギャラハッドに声をかける。モードレッドは十二席であり、ギャラハッドの左隣の席だ。因みにギャラハッドの右隣は我等がブリテンの王であるアーサー王である。

 

「ああ、試作品の料理が有るからな。それが終ってから座るさ。

む?なんだ、そのメチャクチャ格好いい鎧は!?アイアンマンか!?ガンダムか!?何処で買った!?」

 

ギャラハッドが未だ座らないのはアーサー王含め、円卓の騎士の皆に改めて試食してもらう食べ物の最後の仕上げ(ソースをかけたり、切り分けたり)を行う為だ。その仕上げなら厨房ではなくサービスワゴンでも出来るので、問題はない。

しかし、モードレッドの方を向いたギャラハッドは胡椒が入ったミル(胡椒をガリガリして粗挽きにする物)を持って固まっている。何故なら。モードレッドの着ている鎧が原因だ。モードレッドの鎧は他の騎士とは一風を異なり、中二心を擽る物だったのである。

 

「円卓に入る前に母親がくれた」

「凄いな。職人技術+魔術の達人だな…」

「分かるのか?」

「魔術をケイ先生から教えてもらってな、多少は心得がある」

 

と会話を行うモードレッドとギャラハッド。ギャラハッドは一先ず会話を切り、サービスワゴンで仕上げ作業を再開し出す。

 

「嘘つけぇぇぇーー!!お前、俺処か攻撃魔術ならマーリンすら越えてるだろうが!!

魔力放出で空を飛んで新大陸見付けるわ、魔力放出の形を変えるだけでエグい破壊力出すわ、シングルアクション(一言詠唱)で爆風や火炎に大地を凍らせるわ…マジでお前なんなの!?」

 

だが…モードレッドとギャラハッドの言葉に色々と言いたい事が有ったのか、ケイがツッコミながら叫んだ。

そう、ケイはこの数日間。ギャラハッドのお陰でツッコミと胃痛が限界を突破してしまったのである。

衣類にゴムが必要だとギャラハッドが言えば、ギャラハッドの魔力放出飛行で新大陸(ブラジル)に一緒に連れていかれ天然ゴムとその種をゲットする羽目になるわ。

螺旋丸は勿論のこと、サンダガとギャラハッドが叫べばギャラハッドの手から雷撃が放たれ大地を抉り、メラゾーマとギャラハッドが唱えれば爆炎が大地を焦がし、フレアとギャラハッドが唱えれば大爆発が起こる。しかも複雑な詠唱ではなく、ギャラハッドが一言唱えるだけのシングルアクション式な魔術である。

 

「それは本当ですか!?ケイ殿!!」

 

先輩の円卓の騎士ではモードレッドの次にギャラハッドに歳が近いガヘリスが机を叩きながら叫ぶ。それに吊られるように、円卓の騎士達に会議の参加者達が一斉にケイの方を向いた。

 

「ああ…マジだ。コイツは剣は当然として魔術の腕でも俺を越えてる。いや、部分的にはマーリンやモルガンよりも上を行く…いや既に行っていると俺は思う。

攻撃魔術は勿論のこと、ルーン魔術を応用してノーモーション及び詠唱無しの転移魔術を確立させやがった。事前に転移する場所にマーキングが必要だとは言え、消費魔力は少なく、物資や他人も飛ばせる。本当に出鱈目な野郎だ」

 

ルーン魔術。刻印を空や地面、或いは物等に描いて発動させるケルトや北欧で主流だった魔術の1つ。ルーンは刻印を描いたり刻んだりする必要が有るのだが詠唱は必要ない便利な物だ。

ギャラハッドはそのルーン魔術を応用し、新たな転移魔術を編み出してしまったのだ。その魔術は刻印を刻んだ所をマーキングとして目印にし、そのマーキングの所に自分や物を呼び出すと言った方法を用いた転移魔術である。ギャラハッドはこれを飛雷神と名付けており、事前にマーキングを施した投げナイフを使えば戦いでの回避や不意討ちにも使えるのである。なお、刻んだマーキングはギャラハッドが消さない限り消える事は無いのだと言う。

 

「いきなり原住民に矢で射たれまくったのは笑ったけどな」

「死ぬわ!!マジで死にかけたわ!!言葉は通じないわ、変な動物居るわ、マジであの新大陸ヤバすぎだろ!!ライオン大のカワウソまで居るし、危なすぎるわ!!」

 

新大陸(ブラジル)の思い出がフラッシュバックしてきたのか、ケイはギャラハッドにツッコミながら叫んでしまった。

ブラジルには未知の先住民族が沢山暮らしており、現代でも手付かずの領域が多い。その為か良くアマゾンでは新種の動物や植物が発見されるのであり、未々多くの未知の生物が生息していると言われている。因みに、ケイとギャラハッドが遭遇したライオン大のカワウソだが…残念な事に実在している。そのカワウソはオオカワウソ、最早カワウソではなくヒョウや虎と言いたげな猛獣だ。そのオオカワウソ、人間すらも襲い食べ物にしてしまう。現代のブラジルでもオオカワウソに襲われて殺されるというケースが多いのだ、恐るべしカワウソ。

 

「「「新大陸!?」」」

「ケイ、私は聞いてないぞ!!」

「あの新大陸は危険すぎる。騎士としての強さは通じない…川には人の肉を食らう危険な魚が居るし、化物みたいな大きさの動物も居る。もう…此の世の物とは思えなかった」

 

ケイ、ギャラハッドと共に行ったブラジルアマゾンツアーの事を思いだし…頭を抱える。そしてその口元からは胃痛の為か、血が滴れ落ちていた。

 

(許せ、ケイ!!これもブリテンの発展の為)

 

そしてアグラヴェインは心の中でケイに謝るのだった。一歩間違えれば、自分がギャラハッドの担当に成っていた可能性が充分に有り、アグラヴェインとケイは逆だったかも知れないのだ。

 

「ゴムと呼ばれる伸縮性のある新素材もこれから生産出来るように成ったので、許して下さいよ。ゴムはゴムの木と呼ばれる木の樹液から出来ますが、ゴムの木は未だ10本位しか持ち込んで無いので先ずは国内分が優先ですね。種でも持ち込んだので、種が発芽して成長すればローマや他国にゴムを輸出する事も出来ますよ」

「ゴムの利点は?」

「断熱性、断寒性に共に優れており家の素材に使えば良いですし、防水機能にも優れており様々ですね。衣類に使えば伸縮性を活かし紐の代わりに出来ますよ。まあ、他にも色々と使えますね」

 

アグラヴェインの問いに対してギャラハッドは、小麦粉と卵から作った麺…パスタにクリームソースをかけながらそう答えた。料理の仕上げが次々と終っていき、円卓の間には美味しそうな匂いが広がっていく。

 

「さてと、仕上げは終りと。王、お待ちかねの試食タイムです」

「待ってましたぁぁあ!!ギャラハッド!!」

 

料理の仕上げが終わった。待ちに待った試食タイムであり、アーサー王は嬉しそうに笑みを浮かべたのだった。普段の業務から周囲には自分を表には出さず、自分を殺して完璧な王として振る舞っていた彼女しか知らなかった円卓の皆様は驚いた。因みに円卓の皆様はギャラハッドは兎も角、義兄であるケイ以外はアーサー王の事を男と本気で思っている。

 

「王があんなに嬉しそうに…」

「王!?」

「先ずは1品目、ブリテンの野菜である馬鈴薯を簡単に加工した軽食 ポテトチップスでございます」

 

先ずは1品目。馬鈴薯を薄くカットし、油で上げて塩で味付けしたポテトチップスである。

 

「旨い!!簡単な筈なのにサクサクして旨い!!」

「感謝の極み」

「わっ私も!!」

「自分も!!」

 

ポテトチップスは大好評。アーサー王が喜ぶのも束の間、騎士達は一度食べれば我先へとポテトチップスを食べる。なお、このポテトチップスだがギャラハッドは厨房スタッフにも作り方を教えており、頼めば作ってくれる手筈に成っている。

 

「続いては揚げ物のコロッケでございます。此方も馬鈴薯を擂り潰し、形を整えて揚げた物です」

 

次に出てきたのは同じくブリテン名物である馬鈴薯を加工した物だ。ガウェインの得意料理であるマッシュ(馬鈴薯を擂り潰した何か)を形を整えて揚げた物であるが、香ばしい匂いが食欲をそそる。

 

「うっ旨し!!」

「旨い!!馬鈴薯にこんな使い方が!?」

「旨い!!旨すぎる!!む!?中は私の好きなマッシュと同じ!?揚げるだけで、こんなに変わるのか!?」

 

ガウェイン。自分のマッシュがコロッケに進化できる事を知り、大きなショックと同時に大きな天啓を得る。そうだ、これからはコロッケを作れば良いのだと。

 

だが…食べれてない人物が居た。それはギャラハッドの隣のモードレッドである。モードレッドは被っていた兜のお陰か、未だ食べれていなかった。

 

「…食いたい欲望には逆らえない!!」

 

モードレッドがそう告げた瞬間。モードレッドの兜がスライドしていき、ロボットの変形するように兜が収納されて素顔が明らかに成った。その素顔はアーサー王と瓜二つであり、髪型はポニーテールだった。

 

「いっただきます!!」

「「「王と同じ顔!?」」」

 

美味しそうにコロッケを頬張るモードレッド。だが…アーサー王と同じ顔だった為か、ぺリノアやパーシヴァルと言った古参の騎士達が驚く。だが…そこにフォローを入れる人物が居た。

 

「モードレッドは私の弟です。私達の母は王の姉であり、瓜二つの顔をしています。なので、母親に極端に似たのでしょう」

 

ガウェインだ。しかし、ガウェインはコロッケを食べまくったのか口元にはコロッケの衣が着きまくっている。

 

「とは言え、私も初めて顔を見ましたが」

「マジっすか」

「離れて育ったので」

 

未々紹介する料理は残っており、ギャラハッドが次に出したのはソーセージとクリームパスタである。

 

「豚の挽肉の腸詰め…ソーセージ。小麦粉と卵から作る麺 パスタです」

「「「うぉぉおおお!?」」」

 

パスタとソーセージも大好評。後は国の農地が潤い、畜産も発展すれば毎日のように肉が食べられるように成るだろう。

 

「よっこいしょっと」

 

食べ物の宣伝が終わり、漸くギャラハッドは自分の席に座った。呪われた十三席に座っても何ともない事から、周囲がザワザワと騒がしくなる。どうやら円卓の何人かはギャラハッドが本当に座れるのかどうか疑わしかったようだ。なにせ、イエス・キリストの物語に影響を受けたマーリンがかけた致死性の呪いだ。普通の騎士ならば間違いなく死ぬ。

 

「あっ、未だプレゼンしないとな。王様、実は新しい下着を考えたんですよ。勿論、ジェンダーフリーの物も作ってますよ」

「下着ですか?」

「ええ、ゴムを紐に加工して、それを使った物です。マダオ!!ケイ先生!!スタンディングオペレーション!!」

 

遂に来てしまった。ケイとマダオは憂鬱な表情を浮かべ、ギャラハッドの側に移動する。

 

「一応、事前にケイ先生とマダオには新作の下着を着て貰ってます。マダオ!!GTK!!キャストオフ!!」

「「ぬぉぉぉおおおお!?」」

「「「ランスロットとケイの衣類が消えて、下着一丁に成った!?」」」

 

ランスロットはゴム紐を使ったパンツ、ブリーフ。ケイはゴム紐を使わない新たな布地の下着、褌である。

 

「これが新作の下着です。一応、ピッチリしたボクサーパンツ、ゆったりしたトランクスパンツ…此方はどちらも男性物。モーさん、そっちから皆に回して」

「おっおう。結構肌触り良いな」

 

ギャラハッドは何枚か、男性用の他の下着も取り出して隣に居るモードレッドに渡しては順番順番に配って貰う。

 

「あと、この職場はジェンダーフリーなので。こう言うのを作りました。ジェンダーフリーの下着です。一応、女性用の下着もどうぞ」

「ほう、女性用は少し過激ですね」

(((なんで、王に女性用の下着を!?)))

 

アーサー王にはジェンダーフリーの下着(女性用)と女性用の下着を渡すギャラハッド。

 

「モーさんも一応渡しておこう。取り敢えずジェンダーフリーの下着を」

「おっおう」

 

ギャラハッドはモードレッドにもジェンダーフリーの下着(勿論、女性用)を渡した。

 

「ケイ先生の褌以外は腰紐にゴム紐を使ってます。もし良かったら使ってみて感想を」

「ええ、中々斬新な物ですね。一先ず、私達が使ってみて良ければ正式採用と行くか」

 

後日、ブリテンは何処よりも早く近代的な下着を採用した国として歴史に名を残す。

 

「俺、パン一になる必要無かったよな。む?ランスロット?」

「なんだろう…ブリーフ一丁だと気分が高揚する。それに、おパンティーか……」

「戻ってこい!!戻ってこい!!ランスロット!!」

 

ランスロット…第一の覚醒を遂げる。彼は円卓唯一のブリーフ派と成るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケイ先生。王様、やっぱり女の子だろ。なんか、皆気付いて無かったけど。普通に可愛いけど、誰も気付いてないふりか?」

「お前はやっぱり円卓の騎士(バカども)と違って直ぐに気付いたか。ああ、王は…アルトリアは女の子だよ。自力で直ぐに気付いたのはお前だけな」

 

ギャラハッド、アーサー王の秘密に気付く。




次回、ケイ先生はシスコンだ。

「なあ、ギャラハッド。お前なら良いや。妹の間違いを正して、幸せにしてくれ。お前なら許す」

ヒロインどうする?期限はブリテンオリンピック開催まで

  • ぐだ子
  • モーさん
  • ガレスちゃん
  • キャストリア
  • 正妻戦争勃発!!
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