転生したら融合竜だったよ   作:捏造の階指定司書

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※今回はキャラや設定が崩壊してたりするかもしれません。お読みになる場合はご注意を。

 怪猫蜜佳さん、誤字報告ありがとうございます!


 ※ちなみに瑠衣君は年上や目上の人に対しては、相手が何か言わない限り敬語です。当然ですが。
 ただし、仲が良くなってしばらくすると、途端にはっちゃけ始めます。


もう少しかわいい名前が良かったと思わなくもない☆

 

 

 

(おーい、大丈夫かー?)

 

 

 

 背中の上で、何かがボヨンボヨンと跳ねているのを感じる。僕、何してたんだっけ……?

 

 

 

(そろそろ起きるのだ、小さき竜よ)

 

 

 

(えぇ……あと5分寝かせてぇ……。)

 

 頭がぼやぼやする。確か、スライムが僕に激突して来て……

 

 

 

 

 

(ええい!いい加減に起きんか!!)

 

 

 

 

 

 グワーッ!!ごめんなさい起きます起きます!

 

 シュバッと跳ね起き (ヌワーッ) 背中に乗っていた何かを跳ね飛ばしつつ、正座の体制を取る。そしてそのまま恐る恐る声のした方向を向いた。そこに居たのは、

 

 

 

 

 

 

 

(フハハハハハハ!!ようやく起きたか、待ちくたびれたぞ!!!)

 

 

 

 

 

 

 

 なんだか嬉しそうな高笑いを上げる、とても大きく、邪悪な姿をした黒竜だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(げええっ! ドラゴン!!!!!!)

 

 

 

 思わず、心の中で絶叫してしまった。いや、まじでデカイ。あと怖い。

 

 

 

(何がげええっ、だ!!こやつと同じ事を言うでないわ!!第一、お主もドラゴンであろうが!!)

 

 

 

 怒鳴られてしまった。とりあえず素直に反省しておくことにする。

 

(す、すいません…確かに僕はドラゴンですけど、貴方みたいに大きくて強そうなドラゴンは見た事が無いですし…)

 

 

 

 確かに、いきなり会って驚くなんて失礼だよな。だが、流石にこれで機嫌を直してくれはしないだろう。

 

 

 

(強そう、か。………ふふふふ、ふははははっ!!お主、なかなか見る目があるではないか!!ふむ、見たことが無いのなら、しかとその目に焼き付けるがいい!!我は"個にして完全なる者"であり、4体しか存在しない"竜種"が一体!"暴風竜ヴェルドラ"とは、我の事である!)

 

(お前だって、俺と会った時と同じ事言ってんじゃねえか!……あ、何でもないっす)

 

 

 

 どうやら、許してくれた、のか?ちょっと褒めるだけで許してくれるなんて、見た目に反してチョロい優しい竜なんだな。それはそうと、この黒い竜、ヴェルドラさんと言うらしい。そして、傍らにはさっきのスライム。一見弱そうなスライムと強そうなヴェルドラさん。会話を聞くに、知り合いのようだ。どういう組み合わせなのだろうか?

 

(あー、お前、さっきはごめんな?俺、さっきまで目が見えて無かったからさ。)

 

(あっ、うん。スライムって、あんなに早く飛べるんだね……)

 

(いや、俺って実はただのスライムじゃなくてさ。話せば長くなるんだけど……聞く?)

 

(そうなの?じゃあお願いしまーす。色々気になる事もあるし。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         〜スライム説明中〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(と、言うわけで、俺は転生者なんだ。多分、お前もそうだろ?)

 

 

 

 なるほど。だいたい分かった。道理でこのスライム(三上悟さんと言うらしい)はあんな芸当が出来たわけだ。

 

(………なるほど。確かに僕は転生者ですよ。しかし、三上さんって僕より年上だったんですね。)

 

(ん?お前は何歳なんだ?)

 

(僕は14歳ですよ。包丁を持った男に突き飛ばされて、そしたら車に…)

 

(14歳!?中学生かよ!マジか…… あー、俺も、包丁を持った男に刺されて死んだんだ。もしかしたら、近くにいたのかもな)

 

(あ、聞いた年齢からして、電柱に寄りかかったり、リア充っぽい人達と話してたあの人かな?)

 

(……………多分それ、俺だわ)

 

(おお!本当に奇遇ですね!ちなみにあの時って何を話して___)

 

 

 

(お前等!!我を忘れるでないわ!!!!)

 

 

 

 やっべえ。ヴェルドラさん忘れてた。

 

(すいません、ヴェルドラさん。自分と同じ世界の人と会ったから、嬉しくて……そうだ、ヴェルドラさん、竜種について教えてくださいよ。僕、竜種に興味があるんですけど)

 

 

 

 転生する時、竜種になろうとして失敗してしまった。だが、それで諦めるというのは何だか癪だ。

 

(む?竜種に興味がある、か。ふふふ……良いだろう。何でも教えてやろうではないか!)

 

 

 

 自分の種族に憧れていると聞いて、ヴェルドラさんは少し誇らしげだ。

 

 ヴェルドラさんは、竜種について色々な事を教えてくれた。

 

 

 

 竜種は全ての種族の中で最強の存在である事。

 

 

 

 魔力や魔素量、パワーが突き抜けており、漏れ出した魔素で魔物が生まれる事もあるらしい事。

 

 

 

 竜種は消滅せず、また子供を作るのは禁忌である事。

 

 

 

 昔、1つの街を灰に変えたのだが、人間の"勇者"と呼ばれる存在に敗北し、300年ほど封印されていた事。

 

 

 

 途中から竜種じゃなくて自分の事を話していたような気もするが、とても興味深かったので、面白かった、竜種って凄いんだ、と思った事をそのまま伝えたら、とても嬉しそうな声で言われた。

 

 

 

(そうだろうそうだろう。我は凄いのである!フハハ、我はお前を気に入ったぞ!)

 

 

 

 

 

 最初は少し怖かったのだが、暫く話すと、ヴェルドラさんは悪い竜じゃあないのかな、なんて考えが浮かぶようになり、怖いなんて感情は無くなっていた。そしたら、三上さんも同じ事を思ったのか、こんなことを言い出した。

 

(よし!じゃあ、自分……いや、俺と友達にならないか?)

 

(何だと?す、スライムの分際で、"暴風竜ヴェルドラ"と恐れられる、この我とトモダチだと!?)

 

(僕は良いと思うけど?)

 

(いや、嫌ならいいんだけど…)

 

(馬鹿!お前!!!誰も嫌などと、言っておらぬだろうが!!!)

 

(え、そう? じゃあ………どうする?)

 

(………そうだな。どうしても、と言うなら………考えてやっても………)

 

 

 

 言動は偉そうだが、三上さんの事をチラッチラッ、と見ており、とても分かりやすい。

 

 美少女ならかわいいのだが、このいかにも邪悪といった感じの竜がやるとどうにも面白くてたまらない。

 

 そんな事を考えていると、ヴェルドラさんが折れたようで、友達になってやるから感謝しろなんて言っている。だが、言葉とは裏腹にすごい嬉しそうだ。ツンデレって感じがする。

 

(じゃあ、宜しく!)

 

(ああ、宜しく頼むぞ!)

 

 

 

 こうして、スライムと暴風竜という、異質なタッグが生まれる事になったのである。最弱種族と最強種族が友達とは……

 

(二人共、良かったじゃないですか)

 

(全然良くないわ。まだお前をどうするか決まってないだろ)

 

(え?僕何かされるんですか?)

 

(そうではない。我とこやつが友達になったのに、お前だけ赤の他人では嫌だろう。かといって、ならお前も友達だ、と言っても味が無い)

 

(そんなもんか?普通に友達でいいだろ)

 

(我が嫌なのだ!)

 

 

 

 我儘な竜だな。確かに、僕だけ仲間外れって言うのも癪だとは思うが。

 

(そうだな………我の弟などどうだ)

 

(は?)

 

 

 

 急にそんな事を言われ、驚きで固まってしまう。何故に弟?

 

(ストーーーップ!!何だ弟って!!そんなん認められるか!!!)

 

(なぜだ!!良いであろう別に!!!我だって弟が欲しかったのだ!!姉上達には毎回毎回酷い目に合わされて………我は素直な弟が欲しいのだ!!!)

 

(何だよそれ!!ただの我儘じゃねえか!!認められるかそんなもん!!!)

 

 

 

 二人はぎゃあぎゃあと喧嘩を始めてしまった。お互いに大声で叫ぶので、頭によく響く。

 

 というかヴェルドラさんって、お姉ちゃんがいたんだな。確かに、ヴェルドラさんは我儘な末っ子って感じがするが。この竜の相手をしたお姉ちゃん達は苦労したであろう。

 

(とにかく!弟なんて絶対に許さんぞ!)

 

(ぐぬぬ………仕方ない。友で我慢してやろうではないか)

 

 

 

 なんでそんなに弟にこだわるのか。いや、姉に散々な目に合わされたので、自分を慕ってくれる弟が欲しいという気持ちは分からなくもないが。というか、三上さんはなんでそんなに反対してるんだ。

 

(ふん……………む?そうだ、忘れておったわ。お前達に名前をやろう。お前達も我に名前を付けよ!)

 

 

 

 ヴェルドラさんが急に名前を付けるなんて事を言い出した。このタイミングで言う必要は無いような気もするが。それに、ヴェルドラさんには既に名前があるだろうに。

 

(え?突然何を?)

 

(我等が同格と云う事を、魂に刻むのだ。人間でいうファミリーネームみたいなものだ。我がお前達に付けるのは、"加護"になる。お前達はまだ"名無し"だが、これでネームドモンスターを名乗れるぞ!)

 

 

 

 なるほど。ファミリーネーム共通の名前か。確かにそれならヴェルドラさんにも付けられるな。そうと決まれば、どんな感じにすればいいかな。だが、名前なんてそう簡単に思い付く物でもない。

 

 三上さんと話し合い、いろんな名前の案を出していくが、あんまりセンスのある名前は思い浮かばない。どうしたものかと思ったが、三上さんが1つの案を出してくれた。

 

(暴風だから、テンペストとかでいい………かな?)

 

(決まり、だな!!! 素晴らしい響きだ)

 

 

 

 どうやら、気に入ってくれたようだ。シンプルではあるが、ヴェルドラさんが気に入ったのなら良いだろう。

 

(今日から我は、ヴェルドラ=テンペストだ!そしてお前は………"リムル"の名を授ける。リムル=テンペストを名乗るがよい!!そして、お前は…………"セルガ"だ!お前はセルガ=テンペストを名乗れ!!)

 

 

 

 ヴェルドラさんがそう言うと、セルガという名前が僕の魂に刻まれる感じがした。セルガ。かっこいい名前だと思った。リムルのほうが響きがかわいいので、そっちのほうが良いと思ったのは内緒である。

 

 こうして、僕はセルガ=テンペストとなった訳だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(セルガよ、敬語はやめろ。我等は同格となったのだ。もっとそれらしい態度を取れ)

 

(そうだよ!俺もさっきからそう思ってたんだ!急に畏まっちゃってさ!) 

 

 

 

 リムルさんとヴェルドラさんに、敬語を使うなと言われてしまった。でも、三上さんは年上だし、ヴェルドラさんも多分年上だし………。

 

(そう、かな………分かったよ。リムル、ヴェルドラ。これで良いの?)

 

(おう!)(うむ!)

 

 

 

 確かに、同格である以上、敬語を使う必要は無い………のか?まあ、二人が良いのならそれで良いのだが…………。

 

 その後、話はリムルが外に出ようとしていると言う事、そしてヴェルドラの封印の話になった。この封印は勇者のユニークスキル『無限牢獄』によるものらしく、ヴェルドラのユニークスキルも封じられているらしい。リムルがユニークスキルによる解除を試みたが、失敗したようだ。

 

 依代を用意して、それに意識を移すという案も出た。しかし、話の内容は難しくて分からなかったが、どうやら不可能らしい。

 

(さて、僕も試してみるかな……)

 

 

 

 折角なので、僕も『変化者』で『無限牢獄』をどうにか出来ないか試してみた。すると、

 

《ユニークスキル『変化者』でユニークスキル『無限牢獄』を変換します…失敗しました。続けて、ユニークスキル『変化者』でユニークスキル『無限牢獄』を個体名:セルガに融合します…失敗しました》

 

 やはり失敗したか。だが、『無限牢獄』をほんの僅かに取り込むことが出来たようだ。あくまでほんの僅かであり、解析くらいしか出来ないようだが。一応、何回か『変化者』で『無限牢獄』を取り込んでみる。

 

 そんな事をしていたら、リムルがユニークスキル『捕食者』なるものでヴェルドラを胃袋に移す、という案が出た。胃袋の中で『無限牢獄』を解析し、『無限牢獄』を消すことが出来るかもしれないと言う。ヴェルドラもノリノリで賛成した。こうして、ヴェルドラはリムルの胃袋の中に収まる事になった。

 

移す、という案が出た。胃袋の中で『無限牢獄』を解析し、『無限牢獄』を消すことが出来るかもしれないと言う。ヴェルドラもノリノリで賛成した。こうして、ヴェルドラはリムルの胃袋の中に収まる事になった。

 

(じゃあ、さっさと『無限牢獄』から脱出して来いよ?)

 

(クククッ!任せておけ!そんなに待たせずに、お前の前に合間見えよう!)

 

(頑張れ、ヴェルドラ!)

 

 

 

 リムルがヴェルドラに触れると、ヴェルドラはあっけなく消えてしまった。さっきまで其処に居たというのに。ほんの少しだけ、寂しい気持ちになる。

 

(そんじゃ、行くぞセルガ)

 

(よし来た。…………ねえ、リムル)

 

(どうした?)

 

 

 

 

 

 これを言うのは、ほんのちょっぴり恥ずかしいのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(これからよろしく、リムル!)

 

(………ああ!よろしくな、セルガ!)




 ステータス
  名前:セルガ=テンペスト
  種族:小竜
  加護:暴風の紋章
  称号:なし
  魔法:なし
  技能:ユニークスキル『支援者』『毒殺者』『変化者』
  耐性:熱変動耐性ex
     物理攻撃耐性
     痛覚無効

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