転生したら融合竜だったよ   作:捏造の階指定司書

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 今回、間が開いた割に内容が薄いです。いつも薄いけど。
 鬼人族のところが書きたかったけど飛ばしたくは無かったんです………ユルシテ………


数十匹に勝てる訳ないだろいい加減にしろ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「初めまして、でいいのかな?俺はスライムのリムルと言う」

 

「僕は小竜のセルガ。よろしくね」

 

 

 

「グガッ、強キ者ヨ! アナタ様方ノオ力ハ十分ニワカリマシタ!!!声ヲ沈メテクダサイ!!!」

 

 

 

 僕等はゴブリン達を一瞥し、自己紹介をする。するのだが、リムルが声を発する度にビクついてるゴブリンもいる。リムルからは魔素が大量に出ているため、仕方ないのだが………

 

 教えるべきか迷うも、急に魔素を引っ込めるのも不自然かと思い、そのままにしておく事にした。

 

 

 

 会話はリムルに任せ、傍観に徹していた。彼等にはお願いがあるらしく、話の流れで彼等の村に案内してもらって(リムルはここでようやく魔素が漏れていることに気がついた)話を聞いたところ、牙狼族なる新参者の種族がこの村を襲い、多くの戦士たちが殺された。

 

 その亡くなった戦士たちの中にネームドモンスターがいた事で、この村の戦力は激減。他のゴブリンの集落に見捨てられてしまったらしい。

 

 本来、ゴブリン10匹で牙狼族1匹に勝てるかどうかというところなのだと言う。そんな相手に、この世界に産まれてすぐの僕等で勝てるのか………いや、洞窟で得たスキルを上手く使えば何とかなるだろうけど。

 

 

 

「村長、1つ確認したい。俺がこの村を助けるなら、その見返りは何だ?お前達は、俺達に何を差し出せる?」

 

 

 

「………我等の忠誠を捧げます!我等に守護をお与え下さい。さすれば、我等は貴方様方に忠誠を誓いましょう!!!」

 

 

 

 ゴブリン達が一斉に平伏する。彼等からは必死な気持ちがよく伝わって来ており、僕等が最後の希望だと言わんばかりの勢いだ。

 

(リムル、助けてあげられない?)

 

(うーむ、忠誠なんか別に要らないんだけど………でも、久しぶりに会った話し相手だからな。………よし!)

 

 

 

「良いだろう!その願い、聞き届けよう!」

 

 

 

 リムルが大きく頷く。彼等を見殺しにするのはとても心が痛むので安心した。

 

(良かった………ありがと、リムル)

 

(おう。………まあ、仕方ないな)

 

 

 

「おお、リムル様、セルガ様………ありがとうございます!!」

 

 

 

「ふふん。任せてくれたまえよ」

 

 

 

「気にするな。えーと………まずは負傷者のいる場所に案内してくれ」

 

 

 

「はい、畏まりました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「んじゃ、俺が負傷者の治療をしておくから、セルガは村を守る柵を作らせてくれ」

 

 

 

「了解。んじゃ、皆注目して下さーい」

 

 

 

 リムルからの指示を受け、リムルの治療を観察しているゴブリン達を纏める。軽く言ったものの、柵の作り方なんて分からないが。とりあえず、どんな柵を作ればいいかを考える。牙狼族と言う名の通り、奴等は狼。村長の話を聞くに、牙狼族の大きさは前世の狼より少し大きいくらい。とはいえ、狼よりも身体能力は遥かに高い。

 

 奴等の進行を防ぐには………と色々考えていたら、いい事を思い付いた。

 

 

 

 名付けて、長篠の戦い戦法である。

 

 

 

 まあ、普通に縦横に木を組んで、柵の後ろから弓で牙狼族を射るだけであり、戦法と言うには程遠いのだが………真正面から突っ込んで来るのならば、非常に有効だ。

 

 

 

 そんなこんなでどう作るかが決まり、柵を作るにあたり僕も手伝うことにした。

 

 ゴブリン達は家を取り壊して柵を作ろうとしていたので慌てて止め、仕方ないので木を『葉刃』で切り倒して、『変化者』で表面や大きさを整えた。また、木に穴を開け、組み立てるだけで柵を作れる様にもした。

 

 

 

 半日ほどかけて柵が完成したら、さらに『変化者』を使用。木を構成する物質を変化させ、魔鉱に変化させる。これならば、牙狼族であろうともそう簡単には破れないだろう。

 

 あと、弓を作るのも並行して行った。木をよくしなるようにして、糸は『鋼糸』で作る。ついでに魔鉱も編み込んだので、かなりの強度を持つ糸が完成した。ちなみに、柵を作るのは男に任せたが、弓を作るのは女性に任せた。僕は作業分担が出来る賢いドラゴンだからね!

 

 

 

「ふふん、どうよリムル」

 

 

 

「うーむ、ちょっとやりすぎじゃ無いか?何でもかんでもお前に頼ってたら、自分の力で何も出来なくなるぞ」

 

 

 

「大丈夫だよ。確かに全部魔鉱にしたのは反省してるけど、僕は材料を提供しただけだし。それに、組み立てるのだってゴブリン達にやらせたよ」

 

 

 

「そうか…でも、あんまりやりすぎるなよ」

 

 

 

「あいさー」

 

 

 

 リムルは心配性だと思うのだ。ゴブリン達だって意外と器用だったし。ある程度のことは彼等だけで出来そうである。

 

 こうして僕等は、この世界での最初の試練へ向けての準備を着々と進めていったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 夜になり、リムルが送り出した斥候が帰ってきた。軽くではあるが、怪我を負ってしまっている。だが、全員が無事に戻って来られたようだ。彼等によると、今夜にでも牙狼族がこの村を襲いにくるようだ。

 

 リムルが『粘糸』『鋼糸』で作ったトラップなんかも用意しているので、十分に防衛出来ると思うのだが………

 

 

 

 暫くして、牙狼族の群れが攻めてきた。僕とリムルは、ゴブリン達と共に牙狼族と正面から向かい合う。見たところ、奴等の動きは素早く、統率が取れている。確かに、ゴブリン達では相手にならないだろう。

 

 

 

 先に動いたのは、牙狼族だった。十数匹の牙狼族が柵を壊そうと襲いかかって来たが、そこは魔鉱製の柵である。また、蜘蛛の糸による補強、鋼糸によるトラップ、ゴブリン達の弓による迎撃もある。牙狼族は一匹もこの防御を突破する事は叶わず、また、数匹を仕留める事に成功した。

 

 正直、柵を魔鉱にする必要は無かったかもしれない。糸の補強だけで十分に防衛出来たであろう。

 

 

 

「よーし!そこで止まれ。このまま引き返すなら何もしない。さっさと立ち去れ!!!」

 

 

 

 一応、リムルが呼びかけてみるものの、リムルの忠告を完全に無視し、奴等は一斉に攻撃を始めた。

 

 それと同時に、僕はゴブリン達に指示を出す。指示を受けたゴブリン達は一斉に矢を番え、牙狼族へと射る。

 

 

 

 ……………あの、村長さん?矢、打てて無いよ………

 

 

 

 ………因みに、この矢も僕のお手製である。丁度いい感じに、魔鉱で矢じりを作って、羽の部分に使う葉っぱや、丈夫で細い木など………

 

 

 

 作り過ぎて魔素が無くなりかけたけど、命が掛かった戦いだからね、仕方ないね。

 

 

 

 牙狼族を迎え撃っていると、何時まで経っても柵を壊せない事に苛立ったのか、ボスと思わしき牙狼が単独で向かって来た。

 

 はっきり言って、愚行である。十匹以上でも破れなかったのに、一匹で破れる訳も無い。

 

 奴が他の牙狼族を凌駕する強大な力を持っているなら別だが、それは無いだろう。

 

 まあ、確かに他の牙狼よりは素早いが、『思考加速』を使用して見れば遅すぎると言わざるを得ない。

 

 

 

 案の定、牙狼族のボスは『粘糸』で瞬く間に捕らえられた。

 

 粘糸を切って脱出されてしまうかも知れないが、一度捕まった時点で____リムルに一瞬でも隙を見せた時点で終わりである。

 

 牙狼族のボスは、リムルの『水刃』で首を刎ねられた。

 

 

 

 

 

 

 

「聞け、牙狼族よ!お前等のボスは死んだ!お前等に選択させてやる。服従か、死か!」

 

 

 

 リムルが声を上げる。

 

 

 

 結論から言うと、牙狼族達は服従を選んだ。リムルがボスを『捕食』し『擬態』する事で、牙狼族のスキルを獲得。『威圧』により、奴等は服従を宣言したのである。

 

 

 

 こうして、牙狼族との戦いは、僕等の完全勝利で終わったのである。


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