夕方で、まだ明るかった森もすっかり暗くなった夜。
明らかに不気味なキノコや、見てるだけでも気分が悪くなりそうな植物が鬱蒼と生い茂っている。
「うへぇ。ここ、いるだけで毒じゃないっすか。ぐふっ。」
あっ、アンナが見た目だけで毒と分かりそうな植物に触って死んだ!
「んー、私的には快適だけど。」
「マジっすか?いやまあ吸血鬼のイメージ的にはあってますけど・・。」
「んー、なんて言えばいいかな。魔力が満ち溢れる〜って感じ」
そう、私がこの森に入ってからアンナが死にまくっている影で、私はとても生き生きしている。
気になって、少しだけ魔力感知を使ってみる。
「うっわ、なにこれすご。」
「どうしたんっすか?」
「この森の空気中に含まれている魔力がとっても濃いよ!元々の場所で、魔力が濃いって言われてたけど、その10倍ぐらいは・・・」
「つまりどういうことっすか?」
「マリアの言い方を借りるなら1000パチュリーぐらいは余裕かもしれないってレベル。」
「マジでやばいっすねここ!!」
私が例えたことを理解したのかアンナも驚きの声をあげる。
故郷から遠く離れた場所。しかも、こんなに鬱蒼と魔法植物が生えてるんじゃぁ当たり前かもしれない。それに、魔力を使うことの出来る人がいないから、尚更ここには魔力が貯まりやすいのだろう。
「つまり、魔術師や魔法使いにとってここはとんでもなく良物件ってことっすか?」
「私はパチュリーぐらい魔法に明るいってわけじゃないけど、たぶんパチュリーがついてきてたら大興奮するぐらいだと思う。」
「あのクールなパチュリーさんがってレベルっすか・・・。」
呆れた表情をしながら先頭を歩き植物をロングソードで切り開いてくれるアンナ。
「ふぉぉぉおおおっ、あへぇ・・・」
急に体を震わせたと思ったら、良い子には見せられない顔になって死んだ!?
「ふぅ、ふぅ・・・や、やっと見つけたっす。」
あれからかなり森の奥へと探索した結果、恐らくマリサが言っていたであろう壊れて古ぼけた家を見つけた。
「所々壊れて腐ってますけど・・・それも外観だけっすね。家の骨や土台は無事みたいっす。」
「さすがアンナ。見ただけでわかるの?」
「伊達にマリア並に副メイド長をやってる訳じゃないってことっすよ。」
そう言いながら、アンナは扉を引く。
ギギギィと嫌な音を鳴らしながらも、その家の内部を私たちにさらけ出す。
埃が大量に溜まっていて・・・マリアが見れば卒倒しそうなほどに散らかっていた。
「うわぁ・・・こりゃひどいっすねぇ。」
「マリアが卒倒しそうだけどね。」
「いーや、マリアは絶対卒倒したはずっすよ」
さて、掃除っす!!その元気な掛け声をあげ、どこからか箒を取り出したアンナ。
・・・どこから取り出したんだあの箒。
「フランお嬢様はしばらく待っていてほしいっす。掃除だけなら10分で終わらせますから!!」
「えっ、逆に10分で終わるの!?」
「人が居るなら修理込みで3分もかからないんっすけどね・・・」
「流石マリアのメイド隊・・・」
こうしてみて、マリアの教育が素晴らしくそしてそのメイドたちもかなり優秀ということが再確認できた。
・・・やっぱり、紅魔館にはマリアが必要なんだな・・・お姉さまたちの為にも、私たちの為にも・・・そして咲夜にも・・・