クソデカ感情抱え込んだ紅魔館組の異変騒動!   作:ライドウ

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最悪の運命の少し前

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

私は、片膝を付いて目の前で薄気味悪い笑みを浮かべている”八雲 紫”を睨む。

 

「もう終わりなのかしら?ほら、さっさと立ち上がって抵抗ぐらいしたらどうなのですか?」

 

「うる・・・さいっ!!この、ニセモノ!」

 

いや、正確には八雲 紫の影から飛び出している化け物を見て睨んでいる。

 

・・・事の始まりはほんの数分前。

 


 

「こんにちは、フランドールさん。」

 

「・・・八雲 紫」

 

あちこち調べ回った地図が置いてあるリビングに唐突に八雲 紫が現れる。

薄気味悪い笑みを浮かべながら机の上に散乱しているものを眺めている。

 

「・・・協定では、あの妖精メイドのことは追及しない、そのはずでしたが?」

 

「それは、紅魔館と結んだ協定の事、私個人では関係ないことのはずです。」

 

「貴女も、紅魔館の一員のはず。」

 

「追い出されたので関係はありませんね。」

 

どうやら、あちこち調べ回ったことを罰として何かをしたいらしい。

さっきから、どうやって私に罪を追及させようかと目線を泳がせ続けている。

 

「ならば、何をお調べになって?私、貴女方の文字が読めるというわけではないの。」

 

メモ帳と走り書きを母国語で書いておいてよかった。

もしこっちの言葉だったりしたら終わりだった・・・。

 

「この幻想郷についていろいろと、地理や妖怪組織について調べるのは当たり前でしょう?」

 

「・・・なるほど、道理ですね。しかし・・・」

 

「こちらは?」

 

「っ。」

 

厳重に隠しておいた”マリアの死に関する資料と関係者の似顔絵”が八雲 紫の手元にある。

あれは、アンナに頼んでここに落ちていた金庫に入れといてあったはずなんだけど・・・

 

「やはり、調べていましたね?」

 

「・・・ええ、私個人として調べていましたが?」

 

「確かに、今の貴女は紅魔館から追い出され、協定の範疇から外れているとも言えましょう。」

 

「それなら、マリアの死を調べても何ら」

 

「ですが、調べてしまった以上。協定は破棄・・・ここで処分させてもらいます」

 

その言葉を聞いて、バックステップで大急ぎで家からでる。

そして、レーヴァテインを抜剣し・・・構えて八雲 紫をにらみつける。

 

・・・先ほどまで私がいた場所が、丸々と何かに削られている。

 

「強引っ!強引な女は嫌われるよっ!!」

 

「あはは、精々足搔きなさい。蝙蝠風情が・・・」

 

大量の不気味な裂け目ができたと思うと、そこから大量の妖力弾が発射されてくる。

当たりそうなものだけレーヴァテインで相殺するが・・・量が異常に多い。

 

「そして、貴女も。」

 

ガキィン!

 

「なっ、完璧に気配を消したのに!?」

 

いつもの「っす」口調じゃないアンナが焦りながら距離をとる。

・・・参ったな、今のでやれないんじゃぁ。ヤバいかもしれない。

 

「人間風情が、私には向かおうというのですか?」

 

「副メイド長を舐めないでもらいましょうか。」

 

アンナの目が紅く光って、背中に手を回したと思ったら、大量のブロードソードが指と指の間に掴まれていた。

それを叫び声も上げずに、軽々と八雲 紫に投げつけたと思ったら・・・今度はロングソードを取り出して、突撃しだす。

 

「残念、ボッシュート。」

 

「うあああああぁぁぁぁぁぁァァァァァァァァ・・・・」

 

しかし、次の瞬間にはアンナの足元にあの不気味な裂け目が現れて、突撃していたアンナがそれに落ちていった。

やがて悲鳴が聞こえなくなり、八雲 紫は何事もなかったかのようにこっちを見た。

 

「さあ、逃げまどいなさい」

 

「ちぃっ!!」

 


 

そして冒頭に戻る。

あれからというもの、私はレーヴァテインで大量に飛んでくる妖力弾を弾くか相殺するかしかできず。

八雲 紫に押し込まれていた・・・

 

流石の体力ももう限界ギリギリで、正直立とうとしても足に力が入らない。

その最中でしびれを切らしたのか八雲 紫の影から、変な化け物が出ているし・・・

 

「なるほど、アンタが八雲 紫を操ってるってわけ?」

 

「いーや、私はこのババアを乗っ取ったのさ!!」

 

「三ヵ月前から?」

 

「なんだ、そこまで調べたのかよ。めんどくせぇな。」

 

首だけ出ている影の化け物は、やれやれといった感じで出てくる。

 

「ああ、そうさ。事の始まりは三ヵ月前さ、八雲の式の式の影に潜むのも一苦労だったぜぇ?」

 

(なるほど、ヤクモノシキノシキとかいう奴の影に潜んだ後、八雲 紫の影に入り込んだってことか・・・)

 

ソイツは私が聞いたわけでもないのに面白いようにベラベラとしゃべってくれる。

この幻想郷を、人間と妖怪の共存のための場所・・・ではなく、人間を飼育し妖怪達だけの繁栄の地に変えたい様で・・・

そのためには、幻想郷をほぼ総括で管理している八雲 紫を操る必要があった。

しかし、八雲 紫は尋常じゃないほどの警戒心と徹底した自己防衛管理により、どんな呪術だろうが能力だろうがすべて無効化されていた。

だからこそ、こいつは思いついた。直接操ればいいと。

 

「影とは魂、魂とは影!!斬っても切れない関係の物さえ操れば!!この通りよ!!」

 

ソイツの叫びと同時に八雲 紫の体が動いて私に巨大な妖力弾を撃ってくる。

さすがにこれは、レーヴァテインで弾けないので避けると・・・

 

「なっ・・・こ、これって・・・」

 

十字架につながれた鎖が私の腕をとらえていた。

 

「調べるのにも苦労したぜ?吸血鬼には十字架が効くらしいなぁッ!!」

 

 

(・・・いや、確かに十字架って聖遺物とかに例えられるけど・・・吸血鬼に効くってわけじゃないんだよなぁ。)

 

あくまで吸血鬼は、祝福が施されたものが苦手なだけで、銀やニンニクはあくまで吸血鬼個人の好き嫌いに分かれている。

流水と日光だけはマジでダメなんだけどね・・・

まあこんな見かけ騙しの十字架なんてパワーでちぎりさえすれば!!

 

「こんのっ!!」

 

あ、あれ?おかしいな・・・”鎖がちぎれない”。

いや、そんなはずはない。吸血鬼のパワーさえあればこんなほっそい鎖なんて!!

 

「な、なんで!?」

 

「残念だったなぁッ!そいつは、鬼さえちぎれないと言われている特別な鎖だ!!八雲紫の隙間にあったから使わせてもらったぜぇっ!!」

 

お、鬼?いや、一応吸血”鬼”だから間違っちゃいないけど・・・

けれど、そんな・・・

 

「れ、れーヴぁてい!?」

 

レーヴァテインを使って鎖を焼き切ろうとしたけれど・・・

もう片方の腕にもその鎖が巻き付く、やがて足首にその鎖が巻き付き始め、私は十字架に縛り付けられてしまった。

 

「はははっ!!いい格好だなぁッ!!」

 

「やめろ、時間をかけすぎだ。」

 

・・・森の奥から、一人の男が現れる。

見慣れないけれど、確か・・・

 

「どうして、人里の長がここに?」

 

私がそう問いかけると、その男は、「ふん」と不機嫌そうにするのであった。





この次のお話でフランドール編は終わりになります。
色々やるって?


正直すまんかった。
色々やるとは言ったけどプロットでは魔理沙強化イベントしかなかったの忘れてたんや・・・下手に入れるとせっかくのシーンがダレるんや・・・ゆるして・・・ゆるして・・・
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