クソデカ感情抱え込んだ紅魔館組の異変騒動!   作:ライドウ

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破られた約束

「お嬢様。」

 

執務室の椅子に座り、窓から外を眺めていると美鈴が完全武装の狼女たちを引き連れて部屋に入室する。

 

「どうした?随分と騒々しいじゃないか。」

 

「幻想郷の軍勢が、こちらに迫ってきております。直ちにヴワル魔法図書館に避難を。」

 

どうやら、私の身を案じて言いに来てくれたみたいだ。

・・・それならその二人は、私の護衛と言う事だろうか・・・だが

 

「心配は無用だ、今宵も”満月”。私も事に当たるとしよう」

 

「っ・・・かしこまりました。無理だけはしないよう。」

 

頭を下げて、狼女たちを引き連れて退出する美鈴。

美鈴には悪いことをしたわね・・・でも今は、これでいい。

 

「マリア・・・今だけ、貴女との約束を破るわ。」

 

今まで扱っていた、魔力を練って作り上げたニセモノのグングニルではなく・・・

壁に飾り付けていた”本物の”グングニルを手に取る。

本当は、私もこんなものを使うことなど一生ないと思っていた。

だが・・・私はこれを使わざるを得ない。だからこそ、私は・・・

 

「マリア、貴女に勝利という”安らぎ”を必ず渡す。だから、今だけは許してくれ。」

 

精々、気狂いのマネをして・・・この幻想郷に住む者たちを殲滅しようではないか。

 

~~~~~~~~~

 

紅魔館の正門前に陣をしく、陣と言っても私とパチュリー、美鈴と、美鈴の率いる狼女の私兵部隊しか展開していない・・・しかし今の私たちにとってはこれが最大戦力。

マリアへの贈り物の為にも・・・負けることはできない。

 

「パチュリー、頼む。」

 

「・・・・・・ええ。」

 

パチュリーが拡散の魔法を展開する。

私は、それを見て一息吸い

 

「ようこそ!幻想郷の有象無象の雑多妖怪ども。今宵はよい赤き満月だ。精々貴様らのその醜い血で、この大地を赤く染めてみるがよい!!」

 

そう言った後に、高笑いをする。

これだけでも、結構心がスカッとする。

敵の殺気が、膨れ上がるのが・・・戦いに関しては素人である私でもよくわかる。

 

だけど大丈夫私には、このグングニルがある。

 

「始めよう、美鈴。パチュリー。」

 

 

 

 

 

 

 

「弔いの聖戦だ。」

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「あははははっ!!弱い、弱すぎるぞ!!これが、幻想郷の実力なのか!?」

 

グングニルを軽く振るだけで、幻想郷の雑多妖怪どもは次々と塵に帰ってゆく。

あぁ、なんて爽快なんだ!!この赤い血が舞うだけでも、私のテンションはさらに上がる!!

だけどあぁ・・・弱い、弱い、ヨワスギル!!

 

「こんなのでは、マリアへの弔いになドなるわけナイジャナイカ!!」

 

あぁ、もっとだ、もっと貴様らの死骸を!!もっと貴様らの醜き血を!!

そこまで暴れて、ピタリと止まり・・・本能が警鐘を鳴らす。

 

「あの(むらさき)ニートに頼まれて・・・まあ出るだけいいかと来てみれば。とんでもないのが居るじゃないの」

 

緑色の髪の毛にチェック柄の洋服。

ピンク色の日傘からは禍々しいほどの魔力が溢れている。

間違いない、こいつは・・・ヤバい。

 

「ねえ貴女?好きな植物はあるかしら?」

 

「私は・・・そうだな、赤いバラも好きだが・・・いまは、シロツメクサが一番のお気に入りだな。」

 

聞かれた質問を返答しながら、どうにかして隙を見出そうとする。

 

「シロツメクサ・・・なるほど、花言葉は『幸運』『私を思って』『約束』・・・・・・そして【復讐】。今のあなたにピッタリね。大体のことは(むらさき)ニートに聞いているけど。そうね、私もあなたもほぼ関係のない赤の他人。しかし私は、あの(むらさき)ニートに交換条件で戦力として参加してほしいと頼まれている。」

 

「・・・つまり、戦うということか?」

 

「ご名答、大丈夫手加減はするわ。植物好きの貴女を殺すわけにはいかないもの。」

 

「それはどうも・・・しかしこちらは、殺す気で行かせてもらう!!」

 

「良いわね・・・じゃあ始めましょう」

 

 

 

 

 

 

「紅魔館当主”レミリア・スカーレット”!!」

 

「あら?ああ、なるほど・・・四季のフラワーマスター”風見 幽香"」

 

 

 

 

 

 

「その余裕を、いつまでもたせることができるか!!」

 

「精々、ぺんぺん草の様にしぶとく足搔きなさい?」

 

 




レミリアには元々狂気があるわけではなく、マリアに育てられたために最後まで狂うことができませんでした。けれど、レミリアにとってそれはとても苦しい苦行でした。


しかし、レミリアは苦しくとも、悲しくとも・・・その狂うという行為をやめませんでした。レミリアは、紅魔館皆の為に狂うことを選んだのです。
たとえ、後の世で罵られようとも、レミリアのこのときは、狂う以外の道はありませんでした。
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