クソデカ感情抱え込んだ紅魔館組の異変騒動!   作:ライドウ

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IFルート第二弾

もしマリアが幻想郷に行かなかったら。


このお話は、前作の紅魔館が幻想郷に行かないという選択をとった後のお話です。


そして今回もレミリア視点です。



IF.理の外

 

あれから何年もの時が過ぎた。

 

あの日、あの時・・・幻想郷に転移せずにこの場所にとどまるという選択をしたのち。

この紅魔館は不可視の魔法結界をはることによって、吸血鬼戦争をやり過ごした・・・が、後にこの選択が、私たちを苦しめる結果となっていた。

 

吸血鬼戦争の結末は、三つ巴の決戦の末にスカーレット家、ハンターグリーン家、ミッドナイトブルー家の三つの神祖級吸血鬼の全滅で終わり、最終決戦で割って入り見事に漁夫の利を得た教会によって西欧諸国の魔者狩り・・・異端審問が始まっていた。

 

いまや吸血鬼の中で神祖の血を引くのは、私とフランだけ・・・教会の連中は、血眼になって隠された紅魔館を探していたのだが・・・教会が潰えるその時まで、紅魔館を見つけることができなかった。

 

・・・そこまでは、よいところだった。

 

その時代から、おおよそ1000年近く。

今、紅魔館にいるのはもうこの私・・・レミリア・ツェッペリン・スカーレット*1と、今なお私に仕えてくれているマリアだけであった。

かつてあった温かな屋敷は、今や私とマリアだけが住むとても寂しい・・・ただ広いだけの家となっていた。

マリアも、笑顔を必死に繕っているが・・・どこか寂しそうと感じてしまう。

 

・・・私以外の家族は、分からない。

フランドールは、お母様を探す旅に出て・・・643年前の手紙を最後に生きているのか死んでいるのかもわからない。

美鈴は、気の衰えを感じたらしく再び修行しなおすために、東へと向かい・・・その後どうなったかさえ分からない。

パチュリーは、イギリスから呼び出しを受けて以来、それ以来音信不通。咲夜は、なんていうか・・・いつの間にか消えていた。本当に気がつくと居なくなっていた。

アンナも咲夜と同じで、いつの間にか姿を消していたし・・・妖精メイドたちはほとんどが居なくなっていたし。

かつてこの紅魔館を護っていた狼女たちも、美鈴についていってしまい・・・誰もいない。

 

・・・かつてこの身体が幼かったころは、この屋敷をとても大きくそして広く・・・暖かい場所だと思っていた。

しかし、この身体・・・1500歳になったころには、この屋敷は意外と小さくて狭くて・・・とっても寒い場所だと理解してしまっていた。

今日も今日とて、誰が来るわけでもないのに・・・紅魔館のお父様の私室で、何百回何千回と呼んだ本を繰り返し読み返している。

凡そ、234年前にマリアが買ってきてくれた何の変哲もない恋愛小説だ。

 

「・・・レミリアお嬢様、またその本をお読みになられておられるのですか?」

 

「・・・これ以外、読むものがないのだ。」

 

「・・・申し訳ありません、私が・・・この羽さえ消せれば」

 

「責めているわけではない、謝るな・・・・・・今日の紅茶は随分と素直な味だな。」

 

「久方ぶりに、いい紅茶の葉が入手できたので」

 

エッヘンとかわいらしく胸を張るマリア。

その姿は私より小さくとも、いつもと変わらずとても頼もしい姿だった。

ふとマリアを眺め、彼女についての情報を整理する。

 

・・・マリアもまた1000年という時の流れの中で、元々のマリアとは違う存在に一度生まれ変わっている。

今のマリアは、妖精でありながら地母神という一側面を持つ・・・つまりは、マリアは半神半妖精。半分妖精でありながら、半分神という存在だ。

無論彼女は、すぐに忘れ去られるような存在ではなく・・・1000年前の紅魔館の周辺にあった村々の村人の子孫たちに今でも信仰されている。

教会から異端審問にかけられそうだが・・・そんな輩にはなぜか神罰という名前の不運が襲い掛かっために、異端審問にかけられず・・・妖怪や怪物などいないとわかった今でも信仰されている。

 

ふと、彼女の首筋にある噛み傷が目に入った。

 

「・・・その傷、隠さぬのだな。」

 

「っ・・・ええ、もうこの屋敷には私とレミリアお嬢様しかおりませぬので・・・隠す相手もいないでしょう」

 

顔を赤くしながらそう答えるマリア。

・・・私は、一人でいることが寂しくて・・・マリアに手を出した。

そして彼女を襲い、血を吸ったおかげで・・・私もいまだに長らく生きながらえている。

それはもう・・・982年前の事だ。それ以来、私たちの関係は何とも言えないものとなっている。

愛し合っていると言われれば、愛し合っているだろうし・・・愛し合っていないと言われれば愛し合っていないともいえる。

しかし、一方的とはいえ私はマリアを愛していた。マリアが私をどう思っているのかは分からないが・・・それでも私はマリアが好きだ。

 

無言で、両腕を広げると・・・マリアは顔を赤くしながらティーカップを机の上に置いて私に抱き着いてくる。

・・・かつて大きかったマリアの背丈は今では私がすっぽりと覆い隠せるほどに小さくなっていた。

ちょっと力を入れるだけで折れてしまいそうなほどの細く小さな体・・・

 

ふとマリアが私を見上げている。

 

「・・・してくださらないんですか?」

 

顔を赤くし、妖艶に私を誘うマリア。

いやきっと彼女は無自覚なのだろう・・・だけどそれが私の中のナニカを引き立てる。

私は彼女の後頭部に手を添え顔を近づける。

マリアも目をつむり・・・やがて私たちは・・・・・・

 

 

バン!!!

 

 

「たっだ、い"ぃ?!」

 

書斎の扉を急に開ける不届き者が居たらしい・・・そうイラつきながら目線を向けると・・・

 

「あ、あは・・・あははは・・・お、おねーさまったらだいたーん。あは、あははは・・・」

 

「・・・・・・フラン?お前なのか?」

 

「あっ、えっと・・・その~・・・・・・おっ、お邪魔しました!!

 

パタン・・・・・・

 

「あわわわ、お、お姉さまがま、マリアに手を出してた・・・」

「うぇ!?お、お嬢様が・・・お母様に!?」

「あ、アタシたちがいない間に・・・な、ナニが」

「くっ・・・私がもっと早く武の極みにたどり着ければっ!!」

「え、えーと、つまり・・・と、とりあえず式をあげましょう!!めでたいことだわ!!」

「いやパチュリー様!?待ってください、それ以前に私はレミリアお嬢様の事を何とお呼びすればいいのですか!?」

 

扉の向こうから聞こえる話し声・・・小声だがまったくもって丸聞こえだ。

 

「・・・なんというか、また騒がしくなりそうだ。」

 

「でも、嬉しそうですよ?レミリア」

 

マリアが、私の名前を呼び嬉しそうに笑顔を作る。

・・・そうだな、私たち二人だけよりも

 

「・・・みんなで一緒に生きていった方が、楽しい輪よね」

 

私はマリアを離し、椅子から立ち上がり扉を開け

 

 

「アンタたち、それよりいうことがあるんじゃないの?」

 

 

そう声をかけた。

 

 

 

帰ってきた言葉は、とても暖かかった。

*1
300年ほど前に、紅魔館に吸血鬼にとっての法王級の人物が現れ、私にこの名前を与えてくださった。正直に言えば、いらない・・・。





はい、幻想郷に行かないルートはレミリア×マリアの百合ルートだったんや。
だけど、アンケートにあったもう一つのレミリア×マリアのカップリングとネタは被っておりません!!断じて!!

あ、あとキャラの細かい設定です。↓


レミリア
吸血鬼たちにとっての法王から名前をもらい、本当にめっちゃえらい吸血鬼となったレミリア。寂しさからかマリアに手を出してその血を吸った。
そのせいで、吸血鬼でありながら妖精であり神であるというなんか訳の分からない状態になっており正直マリアが居なければ世界を破壊しかねない存在となっている。
本人的には、手を出したことに関しては後悔はしていないらしい。

マリア
レミリアに手を出された結果、乙女らしさがカンストしている。
咲夜になんて説明したらいいのか、実は結構悩んでいる。

フラン
長旅から帰ってきたら、実の姉が育ての親に手を出していてパニックになった。
ちなみに実母のことに関しては何もわかっていない。
これからレミリアとの付き合い方について真剣に悩み始めている。別に否定的なわけじゃない。姉がイチャイチャしているシーンを見てしまって気まずいだけだ。

咲夜
教会を滅ぼした後、紅魔館に帰るべく旅をし続け帰ってきたら義理の母親が使えるべき主に手を出されていた件について。
正直一番パニック状態で、別にマリアに好きな人ができるのはいいしその人がもう一人の親となってもいいとは思っているのだが・・・それが自分が使えている尊敬するべき人だった場合はどうするべきなのでしょうか!?

アンナ
親友が主に手を出されていたでござる。
一体何をした・・・いや、ナニをした!?

美鈴
美鈴の師匠曰く「気が衰えたんじゃなくて、気が多くなって衰えたように感じた」だけだった。
どの面下げて帰ればいいのか分からず、困ったのでとりあえず武者修行していた。

パチュリー
親友が恩人に手を出してたでござる。とりあえずウエディングの準備だ!!
上記の中で一番パニック中、半ば頭がよかったのが悪運だった。

妖精たち
マリアが掃除していたとはいえ、お屋敷中が大変なことになってる件について。

狼女たち
修行から帰ったら、庭が大変なことになっていた件について。
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