モンスターハンターダブルクロス ~ 四天王と4人の狩人編 作:にがいまっちゃ
今回で4人のハンターのうち2人が登場します!
「ここが龍歴院前集会所かぁ…」
感嘆の声を漏らしているのは新人ハンター・《ルカ》である。
新人ハンターとはいえ、ハンターになって2ヶ月は経っている。
《龍歴院前集会所》は、龍歴院と呼ばれる龍の紋章が彫られた巨大な建物…の前にある広場、つまり前庭にあたる場所だ。毎日新たなクエストを求め、多くのハンターたちで賑わっている。
ベルナ村やココット村といった村でもクエストは受けられるのだが、集会所の一番の特徴といえばやはり「多人数向けのクエストを紹介している」ところだろう。
ルカはベルナ村で発生するクエストを着実にこなし、ベルナ村の村長から龍歴院前集会所を薦められたのだ。
そんな集会所を見渡すと、実に様々な防具をつけたハンターがいることがわかる。ベルナ村伝統の初心者向け装備《ベルダーシリーズ》をつけている者もいれば、蒼空の王者火竜《リオレウス》の素材を使った赤い《レウスシリーズ》を装備する実力派ハンターもいる。
ルカはというと、桃色の尖った甲殻に黄色いラインと緑の紐が特徴的な《クックシリーズ》を身に纏っている。
腰に装備しているのは鳥竜種《ドスランポス》の素材から作られる武器《ドスバイトダガー》。防具の桃色とは対照的な蒼い持ち手に、まるで血のような赤い刃が光っている片手剣である。
「早速、ハンター登録をしなきゃな。」
ルカは集会所の中心に座っているギルドマスターに声をかけた。
「あの、俺ハンター登録をしたいんだけど…」
するとギルドマスターは、
「あぁもうやっかましいねぇ。そんなに急かしてもこいつの解読が終わるわけでもないんだから…」
とこちらを見もせず手で追い払うような動作をする。
「あの!」
「だから何度言ったら…って、あら。」
何か勘違いをしていたようだ。
「すまないね、また古文書の解読を急かしに研究員の若造が来たと思ってしまったんだ。」
「いえ。それより、集会所でクエストを受けるための手続きをしに来たんだが…」
「あぁ、ハンター登録だね。」年期の入った手で、手続き用の書類を書いていく。
「あとは…お前さんのことを色々聞かせてくれるかい。」
「あ、ハイ!」
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「名前はルカ、歳は17、得意武器は片手剣…と。よし、これで登録は完了だ。そこの受付からクエストを受けられるよ。」
「ありがとうございます!」
「健闘を祈るよ、お若いの。」
ルカは《HR1》として龍歴院に登録された。HR1というのが少し気に入らなかったが、みんな最初は1から始まったんだ、と思うとすぐに忘れられる気がした。
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「はい。こちら、龍歴院前集会所の《クエスト受付》です。あ、あなたはさっきハンター登録をしてた…ルカさん、ですね?」集会所の受付嬢が流暢に、丁寧に質問する。
「はい。」
「まだ登録したばかりで集会所に慣れていないと思うので、簡単にですが説明をさせて頂きますね。」
「お願いします」こちらもつられて敬語になってしまう。
「まず…あちらに見える掲示板は《クエストボード》になります。普通のクエスト…一般的なモンスターの狩猟クエストは私から紹介させて頂く形になるのですが、クエストボードではクエストとして登録ばかりの案件や他のハンターさんが既にクエストを受けていて、同行者を募集しているものが貼り出されています。
そして…あの女性の方が立っている建物は《ギルドストア》です。売っているアイテムは村の雑貨屋と概ね同じですが…集会所の中でも《回復薬》などの消耗品を買い足すことができます。
最後に、集会所入り口付近にある比較的小さな場所は《準備エリア》です。加工屋兼武器屋やアイテムボックス、装備ボックスなど狩りの準備を整えるところです。狩りの前は寄っていくといいですよ。
…とこんなものでしょうか。他にわからないことがあったらその時また聞いてくださいね。」
「ありがとうございます!」
「さて…」ほとんど間をとらずに話していたので少し疲れているのか軽く息が切れている。
そして、ルカの待ちに待ったフレーズが彼女の口から飛び出す。
「クエストを受注されますか?」
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そのあとルカは受付嬢の提示したクエスト一覧を確認したのだが…。
「《特産ゼンマイ》の納品…《特産キノコ》の納品…《深層シメジ》の納品…」
「ごめんなさい、受注されますか?と言ったのはいいんですけど…」
今募集されているのは採取クエストばかりだったのだ。
「あ、クエストボードを確認してみては如何でしょう?モンスターの狩猟もあるかもしれませんよ」
「そうしてみるよ」ルカはクエストボードへと向かった。たまたま装備をつけたハンターであろう少女と目が合った気がするが無視した。
クエストボードに辿りついたルカは、ひとつひとつクエスト内容を読んでみる。
「えーっと?《ランポス》10頭の討伐、《ケルビの角》の納品、《ジャギィノス》8頭の討伐…狩猟クエストはあるけれど小型モンスターか…」
肩を落としボードの端を見ると…
「あっ!」
『《ゲリョス》1頭の狩猟』を見つけた。しかも、まだ誰にも契約されていないようだ。
「よし、これを受けよう!」依頼書に手を伸ばした時、依頼書の感覚と同時に明らかに紙ではない異様な感覚を覚えた。
その感覚の正体とは…
―――「アタシもそれ受けるつもりだったんだけど」
さっき目が合った少女の手だった。
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「お前もこれ受ける予定だったのか…」
「初対面に対してお前って失礼だなアンタ」強気な少女はぶっきらぼうに返す。
「アタシは《リディア》。アンタは?」
「俺はルカ」
「ルカって言うのか。んで、その武器は片手剣だな?」
「おう。リディアは武器何なんだ?今は武器外してるみたいだけど」彼女の背中には武器がついていない。集会所では武器を外し、狩りに赴くときの飛行船に荷物と一緒に積んでいき現地で装備する…といったハンターもいる。
「アンタ今度は突然慣れ慣れしいな…まぁいいけど。アタシの得意武器は『ガンランス』だ」
「は?」
「聞こえなかったのか?『ガンランス』」
「ガ…『ガンランス』!!?」
ガンランスとは、『ランス』という武器から派生したものである。ただの槍とは違い長さは人の身長の何倍も高く、体を多い尽くすほどの巨大な盾を利き手に持って戦う。ガンランスはその槍部分に砲撃機構を備えた、という感じだ。
元々のランス自体がかなり重く、抜刀状態だと前転してモンスターの攻撃を避けることはもちろん、走ることすらままならなくなる。ガンランスはそれに砲撃機構が加わり、大剣にも劣らない超重量となっているのだ。
そんなガンランスを華奢でパッと見自分よりもずっと背の低い体格だけならまさしく少女といった感じのリディアが縦横無尽に操ることなど想像もできない。
いや、パッと見どころか誰がどう見てもルカよりも背が低い。ルカの身長は大体170後半くらいなのだが、ルカの肩あたりがリディアの目の高さなので140代くらいだろうか。
「なんだ?まさかまだアタシがガンランス使いだってこと信じてねーのか?」
「いやそういうことじゃないんだが…」
「いーや!その目はまだ疑ってる目だ!アタシに隠し事しようだってそうはいかねーぞ。
そうだ、アンタもゲリョス狩りに行くんだよな?」
「お、おう。そうだが…」
「証明も兼ねてアタシもゲリョス狩りついて行くからな!目かっぽじって見てろよ!」
「え?」
「アンタ老人レベルに耳遠いな…アタシもゲリョス狩りに参加するって言ってんだよ!」
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結局、クエスト依頼書の参加メンバーにはルカの次にリディアの名前を書くことになった。
「アタシの華麗なガンランス捌きよ~く見とけよっ!」
「お、おう…」―――――――
集会所とリディアの下りが長くなったので前後半と分けています。
次回第1話後半、ゲリョス狩りです!お楽しみに!