モンスターハンターダブルクロス ~ 四天王と4人の狩人編   作:にがいまっちゃ

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にがいまっちゃです。
いよいよ本格的な狩猟パートです!

【前半のあらすじ】
新人ハンターのルカは初めて《集会所》へと足を踏み入れた。
そこでルカは「リディア」というハンターと出会い、一緒に毒怪鳥《ゲリョス》の狩猟へ行くこととなったのだが…?


第1話(後半):ルカとリディアと毒怪鳥

「あっそーだ!すっかり忘れるところだった!」何かを思い出すリディア。

「ん?何をだ?」

「メシだよメシ!」

「メシ?」

「あーもうじれったい!アイルービストロのことだよ!ついて来い!」

「ちょちょちょちょ!」ルカはリディアに手首を捕まれ連れて行かれる。いや、連れて行かれるというより引きずられていくの方がこの場合正しい。

 

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「ようっ!ニャンコック!」

「オウ、リディア様。…と、そのお連れ様は?」《ニャンコック》と呼ばれた、人の高さほどもある縦も横もアイルーとしては規格外なコックは、独特な話し方でリディアに問いかける。

「コイツはさっき知り合ったルカだ。今日もいつもの頼むぜ」

「承知致しました。ルカ様はどうなさいますか?」

「ちょっと待って、いつものとかどういうことだ…?」

「おっと、失礼しました。ここは《アイルービストロ》。言い換えればお食事場です。狩りに行く前にお食事をとって頂くと、体力アップや攻撃力アップ…等様々な良い効果を得ることができますよ。

それから、ミィはリディア様も仰った通りニャンコックと申します。以後、お見知りおきを」

「んで、俺も何か食べてみたいんだが…」

「こちらがメニューとなります」使い込まれ、所々にクリーム色のシミがついている皺だらけのメニューを受け取る。

「えーと…ん、ソースって何だ?」

「当店では料理をチーズにくぐらせて食べるスタイルが主流です。テーブルのあの美しきチーズフォンデュをご覧なさい!」

「な、なんじゃこりゃあぁっ!!?」漫画のような反応をするルカ。だが、驚くのも無理はない。

ルカが振り向くとそこにはまさしく『山』としか例えられないチーズフォンデュがあった。頂上からはチーズが休むことなく流れ出し、波を作っている。

何故今まで気づかなかったのか不思議なくらいの存在感と香りを放っている。

「アレに肉も魚も野菜も、なんでも串にさしてぶち込んでチーズまみれの状態で食うのがうまいんだ」リディアは自分でその光景を頭に描いているのか、空を見つめている。口元に至っては緩みっぱなしだ。

「というかまだ決まらないのかよ!アタシもう待てねーぞ?」

「じゃあ…《砂丘チャーハン》』これにしよう!」

「承知しました。では、ルカ様は《砂丘チャーハン》、リディア様は《リモセラミとお肉のキッシュ》で宜しいですか?」リディアの言っていたいつものとは《リモセラミとお肉のキッシュ》のことだったようだ。

「おう」「お願いしまーす」

「では席について少々お待ちください。すぐにお持ちします!」

 

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「こちらが《砂丘チャーハン》、そして《リモセラミとお肉のキッシュ》です。では、ごゆっくり」

「「いただきまーす!」」

「…って言ってもアンタは食い方わかんねーだろうから見とけよー…」リディアは慣れた手つきで料理を長さが片手剣ほどもある串に刺す。そして…

「よいしょーっ!」右手をぶん回し、握られた串がチーズへ飛び込む!とほぼ同時にクリーム色を撒き散らしながら出てきた料理はチーズ一色に染まっていた。リディアはそれに全力でかぶりつく!

「う、う…うんまああぁぁぁぁいっっ!!!!」集会所全体に声が響き渡った。

 

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そのあと、ルカも《砂丘チャーハン》をチーズへくぐらせ食べた。チャーハンを串に刺すというと変に聞こえるかもしれないが、握り飯の形で出てきたそれを刺す形で食べている。

 

「ぷはー」「食った食った」二人揃ってお腹を叩きアピール。

「さて…」リディアが口を開く。

「そろそろ出発するか!」

「おうよっ」

二人の狩りが始まる。

 

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ここで、まだ触れられていなかったリディアの装備をご紹介しよう。

リディアの武器は彼女の言う通りガンランスの《ゴーレムガンランス》である。骨素材で作られたシンプルなデザインのもので、攻撃力が高い。

防具は盾蟹《ダイミョウザザミ》の赤く堅い甲殻を使用した

《ザザミシリーズ》。防御性能が高く、モンスターの攻撃をガードした時の衝撃を和らげる効果もある。

一式装備した見た目はチアリーダーっぽい。

 

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二人の乗った飛行船は、《古代林》のベースキャンプへと着陸した。

「おし、着いたな!」リディアが飛行船から飛び降りる。

「まずは《支給品ボックス》の確認をしよう」

「おう」

クエストには、狩りの手助けになるアイテムをポーチに入れて持ち込める。支給品とは、持ち込みアイテムとは別に龍歴院が支給してくれるものだ。

ギギィ…と音をたて、ルカがボックスを開く。

「中身は勿論平等に分けるんだぞ」

「わかってるよ。えーと、《地図》、《応急薬》が12個、《携帯食料》も12個、《携帯砥石》は4個、あとは…《解毒薬》が4個だな。はい、応急薬と携帯食料6個、砥石、解毒薬2個ずつだ。確認してくれ」小袋に入れてリディアに渡す。

「ありがとよ」

「さて…」ルカが古代林の地図を広げる。

「ゲリョスはどの辺で確認されたんだ?」

「クエストの依頼書によるとエリア4らしいんだが…」

「おっし、じゃとりあえずエリア4に行ってみるか」

「おう」

「おっと、こいつを飛行船に積んだまま忘れるとこだった」飛行船から『証拠』を持ってきて、背負った。

「それが例の…」

「おうよ。ゴーレムガンランスだ」見た目からして重そうだが特に苦に思っている様子ではない。

「本当にガンランス使いだったんだな」

「なんだよまだ信じてなかったのかよ」

短い会話を交わしつつベースキャンプから出る。

そして、突然景色が開ける。古代林エリア1に出たらしい。

エリア1は見上げるほど大きな滝が流れており、小さな池などの水場がある。その天然水を求め首鳴竜《リモセトス》を始めとした多くの草食竜が集まってくるのがこのエリアの特徴だ。

「やっぱリモセトスってでけぇよなぁ」リディアが呟く。

「本当だよな…」

リモセトスは分類上は草食モンスターだが、サイズは大型竜に勝るとも劣らない。しかしそんなリモセトスも肉食竜に狙われることがあるのが、弱肉強食の世界の真実である。

「おし早いとこエリア4に行こうぜ」

「そうだな」

こうして二人はリモセトスの群れをくぐり抜け、エリア2へ足を踏み入れた。

にゃあ。

エリア2には《アイルー》たちの集落があった。

「アイルーがいるじゃんか。かわい…じゃねー呑気な奴らだな」

にゃあ。アイルーが辺りを歩くたびに彼らの足元にある水溜まりから水滴が散る。

「今何か言いかけたか?」

「気にしたら負け」何気無い会話だが、こういうくだらないやり取りがこれから始まる命のぶつかり合いの前の気休めとなった。そして、ついに…

「この先がエリア4だな」

 

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「ついに来たな…」ルカの緊張が高まる

「おし…」

「「行くぞっ!」」

 

エリア4は、全体が薄暗くなるほど木が鬱蒼とおい繁っている。

深い緑の中、くすんだ青とも紫ともとれる大型の影。

毒怪鳥《ゲリョス》だ。どうやらまだ気づいていないらしい。

シャキン。二人が武器を構える。

その音で気づいたのかゲリョスは立派なトサカがついた頭をこちらへ向ける。

戦闘開始だ。

―――ギャオオォォォス!!

毒怪鳥は現れたハンター達へ向けて威嚇をするが、二人はまったく動じず

「「やあっ!」」

ルカはゲリョスの頭に一撃。リディアは脚に斬り上げを見舞う。

毒怪鳥はまず、ルカに狙いを定め噛みつき攻撃を繰り出すが上手く横っ飛びに転がり回避。

リディアは突き、突き、斬り上げというガンランスの基本コンボで着実にダメージを与えていく。

ゲリョスは次にリディアの方へ向きを変え、地面を蹴り猛然と突進!

それに対してリディアは大盾を振り上げガード。

しかもこのガードはただのガードではなかった。

《ジャストガード》である。

ベルナ地方を中心に最近発達してきた《狩猟スタイル》のひとつ、《ブシドースタイル》ハンターの得意技だ。

青い火花を散らす盾を引き寄せ、走り去ろうとしたゲリョスの脚へ斬り上げで反撃!

驚いたゲリョスはたまらず転倒してしまう。

「今だ!」ルカは転んだゲリョスの頭付近へ移動しラッシュ。

リディアはもがく毒怪鳥に向けてガンランスの引き金を引き《砲撃》!青いゴム質の皮が黒く焦げる。

ようやく起き上がったゲリョスは、

―――ギャオォ!

声を上げ小さく跳び跳ねる。

と同時に、目元が赤く染まり、目が血走る。《怒り状態》だ。

モンスターは命の危機を感じると怒り状態となり、本気で目の前の敵を蹴散らしにかかるという性質を持っている。

ゲリョスは後ろ向きに飛び上がり、距離をとる。

そして頭をもたげ、振り降ろす勢いで毒液を吐きかけてきた!

ルカには当たらなかったが、反応の遅かったリディアは…

「うわぁっ?!」頭から毒液を被ってしまう。

「大丈夫か!?」

「げほっげほっ!」咳き込んで出た息には微かに紫色が混じっている。

毒怪鳥はその隙を見逃さなかった。

―――ギャオオォォォ!!

「ぐあああぁぁぁッッ!!!」ゲリョス渾身の突撃をもろに受け、リディアの体が紙吹雪のように宙を舞う。

「リディアァァァっ!!」

リディアは時折唸り声を上げ、倒れたまま動かない。

「くそっ…とりあえずゲリョスを引き付けなきゃ…!」ルカはリディアの倒れている方向とは逆向きから斬りかかる。

が、毒怪鳥は止まらない。

今度はルカに滑空し襲いかかる!

「ぐわぁぁっ!!」ルカも吹き飛ばされる。

そしてゲリョスはそのまま蒼空高く飛び、他のエリアへと移動していった。

「ぐ、ぐぅ…っ」緊張の糸が解け、痛みがより鮮明に感じられる。

「そ、そうだ…リディアは…?」

「んな…アタシは大丈夫…」と小さな声で返事が返ってくる。

「くっ…やっぱり強いなゲリョスは…」

「んだな…正直ナメてたわ…」リディアは解毒薬を飲みながら返す。

「とりあえず落ち着いたか…?」

「まぁとりあえずはな…」

二人は野生に生きるモンスターの強さをその身で味わったのだった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~〜

 

「よし、ゲリョスを追いかけるか」

「その前に何か対策を練ったほうがいいんじゃねーの?」リディアが提案する。

「対策って言ってもなぁ…」

「そうだ!こういうプランはどうだ…?」―――

―――「なるほど!それで行ってみよう!」

二人はゲリョスの飛んでいったエリア2へ向かった。

 

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ハンター共を撒いたと思い込んだゲリョスだったが、不意に背後で砲撃の音がした。

振り返るとさっきのハンターのひとりが見えたので突進したのだが…

「かかったなぁ!!」

リディアのプランとはこのことだったのだ。

《落とし穴》である。

地面に設置し、超重量の物体が乗ると穴となり一定時間モンスターの動きを止める強力なアイテムだ。

「たまたまアイテムポーチに入っていたのを思い出したんだ!」

ここぞと言わんばかりにふたりとも夢中で攻撃を続ける。

そしてゲリョスが穴から脱出した時には、背中にヒビが入り翼膜が破けるほどの大ダメージを与えていたのだった。

しかしまだ作戦は終わってない。

今度はリディアが毒怪鳥の鼻先で何度も砲撃を続ける。ゲリョスは砲撃に気を取られ、何度も噛みつきを繰り返すが全て冷静にジャストガードと回避で切り抜ける。

ゲリョスは足元にルカがいることを忘れていた。

ルカは左手に力を溜め、全力で振り下ろした。

毒怪鳥の脚の筋が断ち斬られ、鮮血が吹き出す!

倒れ込んだゲリョスは起き上がろうと必死にもがく。

そこに砲撃とは違う姿勢のリディアがゲリョスの頭に銃口を向け…

「竜・撃・砲ーッッ!!!」耳を劈く爆音が古代林の大気を震わせる!!

煙が晴れた時には、毒怪鳥はぐったりとして動かなくなっていた。

「やった…のか…?」

「よ…よ…よっしゃああぁぁぁ!!!ついに…毒怪鳥を倒したんだな!!」

「剥ぎ取って討伐した証拠を手に入れなきゃ…」と、ルカが剥ぎ取りナイフを突き立てた瞬間…

―――ギャオオオオォォォォォォス!!!

「「うわああっ!!?」」突然、死んだはずのゲリョスが暴れだしたのだ。

当然反応できるわけも無く二人は吹き飛ばされる。

「あ…あれはまさか…」

「そうだ…ゲリョスの《死んだふり》…!」

毒怪鳥ゲリョスは瀕死の状態では死んだふりをして敵を欺く習性があるのだ。

ゲリョスは生きようとしている。

これが野生のモンスターの『本能』であり、人間にはない底知れない生命力。

翼が破れようが脚が動かなくなろうが命の灯火は最期まで消えることはない。

「でもゲリョスももう限界が近いはず…!」

「喰らえっ!」

「斬り下ろしっっ!!!」「溜め砲撃っっ!!!」

そんな強大なモンスターに立ち向かうのが《モンスターハンター》という職業である。

―――ギャオオオオォォォ…

ゲリョスは地に伏せ動かなくなった。その目は閉じられ、二度と開けられることはない。

「はぁっ…はぁっ…今度こそ…やったんだな!」

「よっしゃああぁぁぁっ!!!はぁっ…」

 

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そのあと二人は、剥ぎ取った《ゴム質の皮》や《毒袋》といったゲリョスの素材と毒怪鳥を討伐した、という誇りを持って集会所に帰還した。

 

「はい、これでクエストクリアです。お疲れ様でした!こちら、報酬金と報酬素材になります」小袋に入った報酬金と素材を受け取り…

「「ありがとうございます!!」」と同時に叫んで喜びを表した。

こうして波乱続きのゲリョス狩猟は幕を閉じたのであった。




後半勢いで押し進めた感のある後半パート、いかがでしたでしょうか。
これを書いてたらゲリョスがどんどん強い生き物に見えてきますw
今回、XやXXのメイン要素の狩技やブシドー以外のスタイルは登場しませんでしたがこれからどんどん出てきますよ!
それではまた次回をお楽しみに!

【今回の登場人物紹介】
・ルカ
ハンター歴2ヶ月の新人。協調性が高く、リディアともすぐに打ち解けることができた。
ドスバイトタガーは彼が初めて自力で手に入れた片手剣で、肌身離さず愛用している。スタイルはストライカー。
・リディア
気が強いが体は小さいガンランス使い。ぶっきらぼう。
体格のせいで他のハンターからバカにされがちだが、そこは気の強さと怪力で切り抜ける。
咄嗟に判断するのが得意で、ピンチの時も前向きに作戦を練ったりできる。
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