Tender dreams in bear 作:あべんたどーる
鐘が鳴る。
「昼だぁ!昼ゥ!」
教室を出て購買へダッシュ。今日は昼のお弁当を親が忘れていたので、買わなければならないのだ。しかし、
「あらー、ごめんなさい...さっきの子で終わっちゃったのよー...ヤク○トならあるわよ?」
「......5本買います」
それらをやけ飲みしていたところに、ピコンと通知音。美咲からだ。
『はい、一階にくるんだよ』
それと共に、購買のパンを持った写真が送られてきた。
「す、すごいな...ゲットしたんだ...はぁ」
「ははっ、もう、疲れすぎ。同じクラスなんだから、昼ちょっと前に終わったんだから、いけたでしょ?」
「ヤク○トだけな」
「はいはい^ ^。あなたが落としたのはこのベーコンエピか胡麻チーズもっち6個入り、どーっちだ」
「あー、またいいチョイスすんなーぁー...」
「というのは冗談。両方はいっ。」
「えっ、でも美咲は
「お弁当、持ってきたから。」
そう言ってパンを手渡す。
「いや、助かるー!素直に、ありがと。これ、じゃあお金」
「どーいたしました。ん。」
小銭を渡す。
「それじゃあ、あの、これからミーティングあるから...」
ちょっと寂しげに美咲が言う。毎日会えるのにこういう時ってなんか切ないね。うん。
「もうちょっとで試合あるんだから、そっち優先した方がいいぞ。」
敢えて突き放すように言ってみた。
「...はいはい、分かってますよーだ。」
拗ねた。可愛い。
人目を気にして一瞬身体を寄せた。
「あとでな」
流石にびっくりさせてしまったが、すぐに身を委ねて、一瞬ギュッとくっついて、
「..っ///はいはい、あとでね」
駆け足で去っていく美咲の背を見送る。我ながら、ちょっとからかい過ぎた。
妙なテンションで昼をさっさと済ませ、その後久々に開いたソシャゲのガチャを適当に回しまくったが、全部超絶レアなのに、全部雑魚だった。やーめた。
「いょっしゃ!激爆レア来たー!!これで周回できるー♪」
どこかで、同じソシャゲのガチャで当たった人が叫んでるようだ。
インフレとは、恐ろしいものですね。
***
「あ、みさっきーが来たよ」
「はぁっ、はぁ...すみません遅くなって」
「ううん、顧問まだ来てないから全然オッケーよー。」
「よ、よかったぁ...」
脱力して座り込む。
「なんか疲れてな...ああー、ははーぁ、なるほどぉ」
何かを察して、ニヤニヤする。
「先輩、どうしたんですか...?!」
「んー?いや別に、幸せそうだなーと思っただけ」
...ひ、表情に出ていたとは。
「ま、まぁ日々五体満足で3食おやつもモリモリ食べてますからね奥沢は健康で幸せです!」
健康優良児であることに今一度感謝してみたが、
「わ、わかったから落ち着こみさきち、ほら先生来たよ」
別の先輩になだめられた。
「そっちが吹っかけてきたんじゃないですか...」
***
「5時間目、どこだったけ」
友達に聞く。
「あー、○○聞いてなかったか。視聴覚室に変更になったってさ」
「おけ、んじゃ行くか!」
『自習。後で見に来ます』
「うぉあぁああぉお!」
1時間とはいえ、フリーは嬉しい。
こういう時に出てくるのは、
ガチで寝る奴
友達と話しながらそこそこにやる奴
真面目に1人でやる奴
なにもしない奴(友達とふざけてるだけ)
という感じ、だと思う。知らんけど。
かく言う俺は、真面目君にはなりたくないが、なんとなく1人でやっていくタイプだ。
「市ヶ谷さんヘルプ。ここの文章ってどういう意味?」
「ん、奥沢さんが分からないって珍しいな。どれどれ...」
前の机では何やら女子が数人集まって自習している。こういう時、ちょっと葛藤が出てくる。(美咲に来て欲しいなーだけど授業中までくっ付くとやっぱしつこいよなーうん、友達同士でやった方がいいよなー汗でインナーひっついてるのちょっとエッチだなー.......)
*
後ろをふと見やる。
「zzz...」
「ねてるし...(´-`」
「○○、余裕だねぇ」と、紗綾。
「なんか、ちょっとむかつく」
「みーくんは、○○に教えてもらいなよ!」
横からはぐみが入ってくる。
「あ、あのねぇはぐみ...」
「そーだよ!私なんてそもそも構文から分かんないのに〜助けてありしゃ〜」
更に香澄が割ってありしゃコール。
「だぁー!そんなにくっつくなー!(あー今日も香澄可愛い〜愛しい〜)」
....だって○○に聞いたら、集中できないじゃん。どうでもいいことばっか頭に出てきて、なんか香澄みたいにくっ付きたくなっちゃうしさぁ、ホント、勘弁してくださいよ...
「...み、美咲ちゃん、漏れてるよ...」と、りみに言われてハッとする。
するとはぐみは○○を叩いてゆすって、
「ほらー!○○ー!みーくんがくっ付きたいって
「いぃやいやはぐみ!いいから全然!後でいくらでもくっつ...ぁっ
だ、駄目だ。墓穴掘りまくってる。あぁ、穴があったら、ミッシェルがあったら入りたい...
*
北沢にバシバシ叩かれる。
んー、なんか騒がしいな...なにがくっ付いてるって...?
「んぁ?」
顔を上げる。すると、
「んもー、○○の、バカ!」
起きるやいなや、美咲に教科書の背表紙で叩かれる。
「いたっ?!痛い痛い、なに理不尽!」
「もはや夫婦喧嘩、だね」
温かい目で見守る紗綾。
「はいはい、こっちはやるぞー香澄」
こっちはこっちでと、教え始める有咲。
・・・
「ここのページのこれが分かんないって事ね」
「うん、そ。」
なんだかんだで○○に教わる美咲。
しばらくちゃんと教えていた。
「...んでこれは、これを参考にしてこういう感じで」
「えっ待って待って、こういう変換ありなの?」
急に近づいてくる。
「(やっぱいい匂いするよなぁ...)まあ、これは教わったやつを無理やりこう、変えてさそれでここに落とし込めば、正当法より楽じゃん?」
「あーー...た、しかに。やるね」
「でしょ」
「ん、ありがと。...まだ10分あるね」
「余っちゃったな」
少し黙る。
美咲がふいに手を机の下にしまう。
とんとん、と膝をつつくので、自分も手を下に入れ、手を絡めた。
こういう気まぐれの手繋ぎは心臓に悪い...
流石に見つめ合ってると気がおかしくなりそうなので、互いに目は逸らして教科書を眺める。が、頭の中はなんというか、真っ白で、満たされて、とにかく良い気持ちになる。
時折指で手のひらをなぞってきたり、ギュッと密着させたり.....
ここが教室じゃなかったら、すぐにてもその先に進みたいが、なかなか、その機会が無く、手ックスを互いに続けている訳で。
「今度さ、テニス部で試合、あるんだ。」
手指はそのままで、ふと美咲が呟く。
「え、そうなの?」
「うん。だからさ、そのさ、
「いいよ、テニス見るのは好きだし」
言葉を察して早々にオーケーを出す。
やるのも好きだけど下手だからなぁ。
「...ありがと。今誰も、こっち見てないよ?」
いじらしく見つめられる。わ、分かってるって...
「ん。」
腰に触れて美咲を寄せる。
ちょっとだけギュッとした。
「んっ。///」
色々と腕に胸が当たったり、すごく暖かかったり、少し蕩けた感じで微笑んでくる顔が近かったり、ああ、ここで留まるのきっつ!
「美咲はくっつくの好き?」
「うん、結構、好き...」
「oh...」
言葉が出なかった。尊い。
「テニスも見たいしさ、夏休み、どっか行こ、な」
「うん、どこまでも行きましょ...」
イチャついてる時の美咲は、酷く甘い。
ちなみにこの後先生が入ってきて、抜き打ちミニテストが行われたが、勿論爆死しました。ま、是非もないよネ!
手ばっかりですみません(^ ^)