紗桜莉Side
「大変申し訳ありません。うちのマルガレーテさんが……」
私達の前に現れた謎の女性はマルガレーテの頭を掴み、強引に頭を下げさせていた
「いえいえ、こちらこそ…その貴方は?」
「私は狼谷緋雨。今年の春からマルガレーテさんのお世話係をしています」
「はぁ…」
お世話係……マルガレーテのか…大変そうだなと思うよりも名字が気になった。確か…その名字は……
「ほら、マルガレーテさん。皆さんに謝罪を」
「何で私が!」
「皆さんにご迷惑をかけたのでしょう」
「そもそも貴方をお世話係なんて認めては…」
「そうですか。マルガレーテさんのご両親にお伝えしておきますね。私をクビにしたことを」
「うっ……」
クビにしたら何かしらの罰でもあるのかな?まぁ私にはあまり関係の無いことだけど……
「ほら、帰りますよ。それでは皆さん。また何処かで…」
「う、うん、とりあえず緋雨さん、そういう物騒なものは持ち歩かない方が良いですよ」
「ふふ、それはお互いにですよ」
気付かれていたか……同じ名字だし、あの人も気付いていたからな~
「あの、紗桜莉さん、何の話ですか?」
「恋ちゃん、あの人の懐には多分だけど護身用のナイフがあった。しかも私がもつスタン…ビリビリペンにも気付いてる」
あくまで護身用だけど……あの人の場合はマルガレーテに対してのものだろうな……
「そもそも何でそんなものを持っているって気付けるのよ…あんたもあの人も」
すみれちゃん、それはね…勘だよ
かのんSide
家に帰り、ベッドに横になりながらため息をついていた。マルガレーテちゃんの事もみんなに私が日本にいるってことも……どうしたら…
そんな時、ちぃちゃんからメッセージが入った
『こっちはもうすぐ新学期!かのんちゃん見てて。Liellaは今年も優勝するよ!離れているかのんちゃんが励みになるような負けないぞって思えるようなそんなLiellaにしたいと思ってる。それでかのんちゃんを少しでも勇気づけられたら…最後のスクールアイドルの年、私頑張るね!』
私は…どうしたら…やっぱり……
『ちぃちゃん、あのね…』
紗桜莉Side
次の日、部室で夏美ちゃんが不適な笑いをしていた
「再生数…再生数!クックック~これなら動画収入更にタイアップ案件も使ってマニーがぁ~!」
「夏美ちゃん、コメントがマルガレーテに何が…って言うのが多いよ」
「それは紗桜莉先輩が原因みたいなような…」
「何してんの」
「ふぃぃぃ~!」
まぁ部室でこんなことしていたらバレるよね…
「おい!Liellaの動画はオニナッツチャンネルに上げないって約束だろ!」
「規則違反、厳罰」
「い…いや違いますの!これはあくまでオニナッツのささやか~なライブ配信にオニたまたまLiellaが映り込んでしまっただけで~…」
「罰。レッドホットチリスムージー完飲」
「うぅ~!助けてぇ~!やんごとなき事情があるんですの~!」
レッドホットチリペッパーズ……間違えた。レッドホットチリスムージーを飲まされそうになっている夏美ちゃん…仕方ない。助け船をと思っていると、部室の外から何かの気配を感じた。んー特に怪しいものじゃないし、いいか。後はアレが気になるけど……
中庭に行くとマルガレーテがチラシを配っていた
「スクールアイドル部です」
頑張ってはいるけど……もう少し愛想良くすればいいのに……
「新学期は明日からっすよ」
「まだ生徒も少ないのに…」
「本気なのね」
すると恋ちゃんがマルガレーテの所へ行く。
「あっ恋先輩」
「ん?」
「あの…」
「何?」
「やはりわたくしたちと一緒にラブライブを目指すという選択肢はないのでしょうか?この結ヶ丘高校はまだ3年目。歴史も浅く生徒も多くありません。今生徒同士が校内で競い合うメリットはないと思います。お互いに目指すのはラブライブでの優勝。ならば想いをひとつにできるのでは?かのんさんも…きっとそれを望んでいると思います」
「お断りよ!何度も言わせないで!私はLiellaに入るつもりはないの!」
「ちょっと!もう少し言い方があるんじゃない?一緒のステージで競い合った相手にわざわざ手を差し伸べてあげているのに」
あ、すみれちゃんも参戦したよ。仕方ない。私も行くか……
「だからよ」
「え?」
「競い合った相手だからよ!Liellaに入れば優勝へ近づく。ウィーンにも戻れる。そんなことは分かってる!でも私はあなたたちに勝ちたいの!Liellaに勝ちたい!ラブライブで優勝したあなたたちとぶつかって乗り越えたい!じゃなきゃ自分が納得できないの!」
「そんなの…!」
「スカウトされなかったあなたなら分かるんじゃない?」
「うっ…言ったわね!」
やれやれ、どうしたものか…私が何か言った方良いかな?
すると恋ちゃんが止めに入った
「分かりました。でもこれだけは覚えておいて下さい。わたくしたちは…同じ結ヶ丘の生徒だということを」
「………」
黙り込むマルガレーテ…さてさてどうするのかは……そこで隠れてるかのんちゃんの役目だよ
その日の夜、私はかのんちゃんが出て行くのを見て、後を付けると、かのんちゃんはちーちゃんと会っていた
『ん?』
『ハァハァ…ごめん。お店手伝ってて遅れちゃった』
『い~え。本当に戻ってきてたんだ。びっくり!とかいって~。やっぱりお化けなんじゃないの~?おりゃ!』
『わっ!』
仲良さそうにしてるな~
『しばらく会えないんだろうなって思ってた』
『私も』
『みんなも喜ぶよ』
『うん』
『私たちも部員集めしなきゃだね』
『…うん』
『どうしたの?』
『あのね…私…マルガレーテちゃんに歌を教えるために結ヶ丘に残ることになったの』
『マルガレーテちゃんに…』
『マルガレーテちゃんはLiellaに勝ちたい。その気持ちは揺らがない。私マルガレーテちゃんの気持ち分かるんだ。受験に失敗してサニパさんに負けてどうしても勝ちたい乗り越えたいって思った』
『だから…マルガレーテちゃんもきっと…』
『うん。私がいなくなってLiellaのみんなは今まで以上にやる気に満ちてる。それぞれがそれぞれに最大限頑張ってて安心できた。だから…』
『行くの?マルガレーテちゃんのところに』
『分からない』
『フフッ。そういうことか。私はかのんちゃんに戻ってきてほしい。マルガレーテちゃんの気持ちも大事にしたいけど…』
『ちぃちゃん…』
『急がなくていい』
『えっ…』
『今はここにかのんちゃんがいてくれることが素直にうれしい。自分の信じる道を突き進むかのんちゃんでいて…おかえりなさい』
『ちぃちゃん…』
二人に気付かれないように私は家に帰った。
次の日の朝練、私専用の自転車に乗りながら、みんなとランニングをしていると…
「夏美ちゃ~ん!」
「ぬぁっ!」
「みんな~!」
「かのん!?」
「どういうこと!?」
「留学は!?」
「フフフッ」
まぁ驚くよね…それにしては…
「蓮華ちゃんは驚いてないね」
「まぁ…紗桜莉先輩が裏で動いている感じがしたので」
「裏でか…なるほどね」
まぁそれとなく理解されるようになったか
ランニングを終え、屋上でかのんちゃんとの再会をみんなが喜んでいた
「どうしてかのんが日本に~!?」
「ずっと言えなくてごめん」
「他の生徒会のみんなも知らないはず…」
「びっくりだぜ」
と言うか理事長はかのんちゃんが言うだろうと思って黙ってたんだよね……そりゃ誰も知らないよね
「私この学校に残ることになった。ウィーンに行くのは少しお預け」
「私も昨日かのんちゃんから聞いてびっくり…でも唯一知ってたのは…」
ちーちゃんは私の方を見ると、みんなも私の方を見て……
「かのんちゃんが自分から話すのが一番だからね。こう言うのは」
そう言うしかなかった。まぁ仕方ないけど
「先輩が戻ってきた!」
「ですの!」
「またわたくしたち…」
「一緒に」
「可可うれしいデス!これでまた共にラブライブを目指せますね!目指せ連覇デス!優勝デス~!」
「可可ちゃん私ね、私Liellaには戻らない」
「えっ…」
かのんちゃんの意外な反応…まぁ驚くよね。私も昨日の夜、相談されたときは驚いたけど……
「かのんちゃん」
「どういうことですの?」
「意味不明」
「かのん説明してもらえる?」
「私向こうに行ってもみんなの気持ちに負けないよう自分ももっと大きくなるんだって思ってた。そう考えたら頑張ろうって思えた。今Liellaに戻ったら私の気持ちもみんなの頑張ろうって気持ちも元に戻っちゃう」
「そんな…」
「じゃあかのんはどうするのデス?もう歌わないのデスカ?」
「そうだよ!やめちゃうのか?スクールアイドル」
「ううん。私ウィーンの学校からマルガレーテちゃんに歌を教えてほしいって頼まれたの」
「もしかしてあいつのところに…」
「うん」
「うそでしょ…」
「かのん先輩が…」
「私たちライバルになっちゃうね」
「いつかひとつのチームになるために。2つのグループが競い合って互いに切磋琢磨すればもっともっと成長できる。いい歌が生まれる」
競い合う…啀み合うのではない。確かにそうすれば成長は出来る。
「成長…」
「それができたらきっとみんなが納得できるゴールが見つかる気がする」
「いつか…」
「いつかひとつに…」
「2つのグループが高め合った先に今よりもっとステキな未来が待ってるはず、今はまだ離れていても互いに競い合って一番ステキなスクールアイドルを結ヶ丘に作りたい!」
「紗桜莉は納得してるの?」
「昨日の内に話を聞いてたからね。納得はしてるよ」
「ならいいわ。かのん、手加減しないわよ」
「可可…まだよく分かりません…」
「うっ…先輩…。きな子はそれでもさみしいっす!」
「ずっと近くにいるよ。そんな顔しないで、お互い負けないように頑張ろう!いつかひとつになる日を目指して!」
みんなが一旦は納得はしてる感じかな?本当にどうなるか……ただ啀み合いに発展し、妨害とか起きた場合は……私は容赦しないけどね。
「かのんさん、申し訳ありませんが、私は認めることは出来ません」
「恋ちゃん…?」
まさかここで恋ちゃんが反対……
そして入学式
「皆さん入学おめでとうございます。この学校は本年ついに3学年がそろうこととなりました。更にステキな学校を共に目指していきましょう!」
入学式が終わり、みんなが一年生に囲まれる中、私とかのんちゃんは……中庭で勧誘をしているマルガレーテの元に来ていた
「声出さないと誰も振り向いてくれないよ」
「うるさいわね!ほっといてよ!」
「はい!」
「何?」
「名前書いてきたよ」
かのんちゃんはマルガレーテに入部届けを出した。マルガレーテはと言うとかのんちゃんの行動に驚いていた
「え!?」
「入部届」
「私入部を希望します!」
「へ!?」
「3年生の澁谷かのんです!」
「うそでしょ~!?あ…アンタが…私とスクールアイドル!?」
「よろしくお願いします」
「そ、それじゃそっちのもまさか……」
「残念ながら入部はしないよ。生徒会長にお願いされたからね」
「お願い?」
「生徒会庶務として、新スクールアイドル部の顧問として、しっかりと見張るからね」
「は、ハアアアア!!!?」
まぁ驚くよね。恋ちゃんは屋上での一件で、反対したのは、何か起きたときのために見張る…と言うより見守る存在も必要だと……
「かのんさんの言うことは確かに良いことです。ですがそれはあくまで理想です」
「理想でも…」
「ましてやマルガレーテさんは未だに良くない噂が流れているみたいです…」
「それは…」
確かにね。あの発言で色々と言われている。今は減ったとしても、今のマルガレーテは腫れ物だからね……下手するとかのんちゃんまで何かしら言われる
「もしかすればかのんさんが望まないことが起きかねます。なので紗桜莉さん、お願いしたいことが」
「何?」
「しばらくの間、かのんさんたちのことを見守ってくれませんか?」
「私も入部しろと?」
「いえ、部員としてではなく、顧問としてです」
『はい!?』
恋ちゃんの発言にみんなが驚いていた。うん、わたしもだよ
「とんでもないことを言い出すね…恋ちゃん。流石に生徒が顧問は…」
「ふふ、そこは私の方で理事長を説得しておきます。まぁ紗桜莉さんならば出来ますね」
「あんなにおとなしい感じの恋ちゃんが言うことではないよ…」
「ふふ、貴方には振り回されましたが、その分信頼も信用もしてます」
「了解…かのんちゃん、もしもの事があったら私は容赦しない。全力を出す。それでもいい?」
「うん、紗桜莉ちゃんや恋ちゃんが心配するようなことは起こさせないから……」
「と言うわけ、よろしくね。マルガレーテ」
「なっ…」
「失礼」
私達が話していると見知らぬ女の子がやってきた。あれ?この子…どことなく夏美ちゃんに似てる?
「取り込み中よ」
「聞くところによると新たなスクールアイドル部が生まれたそうで」
「ええ。ちょっと待ってて」
「アイアンダースタンド」
何しに来たのかな?すると上から誰かが降ってきた。白い髪のポニーテール少女…
「新スクールアイドル部はここだよね!私は高柳しあ!スクールアイドルになりに来ました!」
うん、今度はとんでもない子がきたよ
メタいことを言うと、かのんちゃんが新スクールアイドル部に行くことで3期生を目立たせるためなのかなと……そうなるとこちらでは紗桜莉が動かしにくい……ならばと言うことで、こんな感じにしました!
因みにマルガレーテが高校生になったタイミングでの緋雨のため、信頼度は築けてません。
そしてあのきな子の……
感想待ってます!