新たな星たちと灰色の姫君   作:水甲

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今回も一気に書きすぎた


06 今見ている人たちに……

紗桜莉Side

 

相花理桜。私の従兄で同い年…理桜は金沢の高校で寮生活しているけど、どうにも入学当初男子寮がなかったらしいが、理桜は持ち前の発想で男子寮を作る…のでなく、男子寮を持ってくる事で事なきを得たり…周りが森なので自由に開拓してるとか……変わった従兄だ

 

「いやいや、紗桜莉ちゃんには言われたくないよ!」

 

「なんで?」

 

「ほら、学校の設備を……とか」

 

「要するに似たもの同士ってことね」

 

「紗桜莉、言われてるぞ。と言うか俺はちゃんと許可を貰って……るぞ」

 

「今の間は何?私だって許可を貰ってやってるわよ!」

 

多少は事後報告になってるけど……

 

「それにしたって、一日で増築とか出来るものなの?」

 

「まぁ組み立てたりするくらいだから……」

 

「かのんちゃん、理桜の作業時間は他の人よりかなり早いほうだからね」

 

「いや、紗桜莉ちゃんも……いや、何でもない」

 

「かのん…多分ツッコんだら負けよ」

 

「とりあえず依頼も終わったから、向こうに帰るよ」

 

「そっちも頑張ってね」

 

「あぁ」

 

理桜はそう言って帰って行った。それにしても時間的に今から帰るとなると……ヘリで帰るのかな?

 

「頑張ってねって?」

 

「ん?理桜は向こうの学校でスクールアイドルクラブのマネージャーしてるの

 

「へぇー」

 

「何というか…あんたと同じタイプの奴がマネージャーって…大丈夫なの?」

 

「理桜一人ならかなり向こうに迷惑が掛かってるかもしれないけど、もう一人男の子のマネージャーがいて……その子に関してはすみれちゃんに聞いた方が早いかも」

 

「「どういうこと?」」

 

私も会ったの二回くらいだし、そこまで話したりしてない。まぁその子とすみれちゃんの関係に関しては1年の冬休みに聞いたからな~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かのんSide

 

夜、マルガレーテちゃんが過ごしやすいように部屋を整えてた。因みに本当に一部屋出来てたけど…本当に増築したのかって言うくらい違和感がない。そして緋雨さんの部屋のドアが開いてて、そこから紗桜莉ちゃんと緋雨さんの声が聞こえてたけど……

 

『彼、良い仕事します』

 

『まさか隠し……まで作るなんて』

 

『ここにコレクションを……』

 

『もし手入れするなら道具貸しますよ』

 

『よろしいんですか?』

 

何の話かは分からないけど、聞かなかったことにしておこう

 

「ごめんね。お父さん布団派だからベッドなくて…畳って分かる?」

 

「知ってるわよ。小さい頃は日本にいたし」

 

「そっか」

 

「どうしてウィーンに?」

 

「姉の進学に合わせて家族そろってお引っ越し」

 

「お姉ちゃんすごい人だもんね。あっ…」

 

「黙らないでよ…みじめな気持ちにさせたいの?」

 

「ま…まさか!マルガレーテちゃん…」

 

暗い顔をしているマルガレーテちゃん…どうにか話を変えないと…そうだ!

私は部屋からギターを持ってきた

 

「ねえ一緒に曲作らない?」

 

「私が?」

 

「あとで冬毬ちゃんにも意見聞いて3人でアイデア出し合って今の自分の気持ちとか思いをまとめて一つの曲にしようよ」

 

「言っとくけど私スクールアイドルではやっている曲とか全然知らないわよ」

 

「それでいい。だって新しいものを作らなきゃ意味がないって私も思っているから」

 

「……あの人は?」

 

「あの人?紗桜莉ちゃん?

 

「一応あの人も新スクールアイドル部にいるじゃない。アイディアとか出すのに協力させないの?」

 

「紗桜莉ちゃんに話したら、今回は私達三人でやるべきだって」

 

「そう……」

 

何というか…去年マルガレーテちゃんと会ってから二人の関係は何だか微妙なんだよな……マルガレーテちゃんの場合は仕方ないとは言え、紗桜莉ちゃんは嫌ってるようで嫌ってない…何だか認められてない感じなんだよな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夏美Side

 

夜、私は冬毬の部屋の前にいた。扉をノックすると……

 

『現在 収支計算を行っています。姉者に割ける時間はありません』

 

「冬毬聞いて。確かにスクールアイドルはマニーになることではないですの。でもやるからにはちゃんとやってほしい。かのん先輩たちに冬毬がいてよかったって思ってもらえるような、なまはんかじゃないスクールアイドル活動が見たいですの」

 

返事はない……ちゃんと聞いてくれたか心配だ…

 

「それと紗桜莉先輩には気をつけて欲しいですの。あの人は大切なもののためなら、容赦しない人ですの」

 

もしかしたら今の私達姉妹の関係を紗桜莉先輩ならどうにか出来そうな気がするですの…でもそれは私からしたら最終手段……

 

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉Side

 

「前回の優勝グループのセンターと衝撃のパフォーマンスを披露したマルガレーテのコラボレーション。興味を引くようなプロフィールにしてみました」

 

「いいんじゃない?」

 

中庭で3人が打ち合わせをしている。私はしあちゃんの練習を見ていた。しあちゃんは身体能力は高いけど、ダンスに関しては素人……

 

「しあちゃん、踊るのに集中しすぎ」

 

「はい!」

 

何というか教えるのは良いけど、私は踊りに関しては専門外……今度ちーちゃんか蓮華ちゃんに相談してみよう

 

「現状のサイト閲覧数からすると当日は5万以上の観客が視聴すると予想されます」

 

「5万…」

 

「つまり5人に1人評価してもらえれば…」

 

うーん、何だろう?ちょっと引っかかる……

 

「紗桜莉先輩、どうしました?」

 

「いや、ちょっとね」

 

 

 

 

 

 

今度は教室で歌詞作り

 

「曲作りも終わったしまずマルガレーテちゃんが歌詞のアイデア出してみてよ」

 

「なんで…私?」

 

「だってセンターはマルガレーテちゃんでしょ?」

 

「そ…それは…」

 

「……」

 

「いいわ。やるわよセンター」

 

不安そうなマルガレーテ……うーん、大丈夫そうかな?でもな~何か引っかかるんだよね……

 

 

 

 

 

場所を移してダンスの練習

 

「ワンツースリーフォー ファイブシックスセブンエイトワンツースリーフォー ファイブシックスセブンエイト」

 

特に問題なく行ってるけど、冬毬ちゃんが唐突にトリプルアクセルをやって見せた

 

「注目を浴びたければこのくらい必要だと思いますが…出来ますか?」

 

「ら…楽勝よ!」

 

「無理だよ!」

 

まぁ下手に高難度の技をやって、怪我をしたら元もこうもないからね……

あとしあちゃん、トリプルアクセルに加えて側転からバク転の要領で高くジャンプしてキック披露しなくて良いから、魔法使いのライダーじゃなくってスクールアイドルだからね。

 

 

 

 

 

 

次はかのんちゃんの家の喫茶店で衣装について話し合う

 

「これで歌うの!?」

 

「本気?」

 

「この衣装で歌って頂ければ利益も上がるかと」

 

「利益?」

 

「今度のライブですが私たちだけ独自の課金システムを構築し導入しようかと」

 

「ダ~メ!」

 

「手厳しい」

 

何かかのんちゃんがしっかりまとめてる感じがするけど、2人だけだったらかなり大変だったよね?

 

 

 

 

 

 

今度はランニング。ランニングで意外だったのはマルガレーテだった。まさか体力ないなんて…

 

「あ…頑張って!ほら!」

 

かのんちゃんはフェスの会場を指さした。

 

「あそこに立たなきゃ始まらないよ」

 

「当たり前でしょ!」

 

何だかんだちゃんと練習してるな~てっきり『練習?私には必要ないわ!』とか言い出すかと思ったけど……本当に去年のマルガレーテと同一人物?

 

「と言うかあんたは何で自転車で楽してるのよ!」

 

「へっ?」

 

私はいつも通り自転車でランニングに参加してる。

 

「確かに…体力作りを目的しているのであれば、自転車に乗ってでは意味がないのでは?」

 

「あぁそっか、2人は知らないんだっけ?」

 

「試しに乗ってみる?因みに自転車に乗れる?」

 

「はぁ?馬鹿にしないで!」

 

マルガレーテは自転車に乗り、ペダルを漕ぐが……うん、思った通り、ペダルを漕げなかった

 

「おも…ちが…固い…?」

 

「私は怪我の事があって、ランニングとか出来ないんだよね。だからこの自転車で効率よくね」

 

「なるほど……」

 

「これ、余計に足に負担が大きいんじゃないの……」

 

「あ、ごめん。ペダル重くしてた……普通に漕ぐよりも沢山漕がないと進まない自転車だから」

 

因みにマルガレーテが降りた後、しあちゃんが漕いだが普通に走れてる……うん、流石はフィジカル最強……

 

 

 

 

 

 

 

蓮華Side

 

リモートライブ当日の夜、私は先輩たちと一緒に現地に向かおうとしていた。

 

「ついに今日なんですね」

 

「やっぱり注目されてたぞ。マルガレーテとかのん先輩夢の共演って!」

 

「一番ワクワクしているのはメイ」

 

「なわけね~よ!」

 

みんなが楽しみにしてるけど、夏美ちゃんだけが神妙な顔をしてスマホを見つめていた

 

「冬毬も徐々に人気が出てきているようですの」

 

「もしかして冬毬ちゃんもスクールアイドルのこと好きになってくれたんすか?」

 

「分かりませんの…。ただいっときの感情に流されるような子ではないので…それより…」

 

「どうした?」

 

「いや何でも…」

 

何だか千砂都先輩も神妙な顔してる……

 

「……夏美ちゃん、紗桜莉ちゃんには?」

 

「一応伝えましたですの。ただ返事が……」

 

夏美ちゃんは紗桜莉先輩からの返信を見せた。

 

『引っかかった事がようやく分かった。とりあえず3人の…かのんちゃんを信じてあげて、もしもの時は私が背中を押すから』

 

一体どういうことなのか分からなかった。一体何が?

 

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉Side

 

リモートライブのステージ準備も終わり、後は順番が来るのを待つだけ……

 

「そっちはどう?」

 

「もうすぐ前のグループが終わるからいよいよ配信ね!」

 

「でも…」

 

「ん?」

 

心配してたことが起きようとしてる……

 

「いよいよだね」

 

「ええ」

 

「フフッ緊張してる?」

 

「誰が!」

 

「かわいいよ」

 

「しかし遅いですね。もう時間のはずですが…」

 

かのんちゃんたちはライブ前に緊張を解すために話してるけど、冬毬ちゃんはライブスタートが近付いているのに、何だか始まりそうにないことに気付いた。

 

「かのんちゃん!」

 

「ん?」

 

「もうスタートの時間なんだけど…」

 

「ただ…視聴者の数が…」

 

「え…」

 

私はスマホでリモートライブのページを開き、3人に見せた。今の視聴者数は……8000人……到底10000には届かない

 

 

 

 

 

 

蓮華Side

 

視聴者数が思った以上に集まらないことに私達は困惑していた。多分理由は……

 

「これじゃあどう頑張っても1万は無理じゃない…」

 

「ずっと心配していましたの。サイトには思ったより批判的なコメントが多くて…」

 

「なんで批判的に?」

 

「去年の東京大会が原因か…」

 

「マルガレーテちゃんの乱暴な発言」

 

「その影響で…」

 

「かのんちゃん…」

 

みんなが不安がる。私もだ。今は反省していても過去の過ちが……私は紗桜莉先輩の方を見た。1人スマホを見つめる先輩……興味ないのかと思うけど……だけど分かる。紗桜莉先輩は信じていることを……

 

 

 

 

 

紗桜莉Side

 

「そんな…」

 

「1万以上の評価はこの時点で不可能と判断されます。したがって歌う必要はありません。残念ですが……」

 

「フフッ…そういうことね。笑顔になりたいと思っていた場所で不快な思いをさせたんだものね。私のこと嫌いにもなる。この顔を見ているだけでも腹が立つ人がいるってことよね」

 

既にマルガレーテも冬毬ちゃんも諦めモードだけど……かのんちゃんだけは違った

 

「歌おう」

 

「あ…」

 

「言ったでしょ。歌は人の心を動かす力があるって…結果よりも前に挑戦する気持ちをなくしちゃったら何も始まらない。私たちはこの日のために毎日積み重ねてきたんだから」

 

「かのん先輩……」

 

「マルガレーテちゃんが本当に歌が好きならその力を信じて」

 

「かのん…」

 

「私たちの歌でみんなの心を動かそうよ!このステージから!」

 

「ここから?」

 

「うん。ここから」

 

「………でも…それが出来なかったら……」

 

「かのん先輩、理想的ですが、現実は……」

 

少し前を向き始めたけど、マルガレーテと冬毬はまた……仕方ない

 

「私も歌うべきだと思うよ」

 

「あんた……」

 

「紗桜莉先輩……貴方は現実を見ている人だと思ってましたが……8000人では10000には届きません」

 

「冬毬ちゃん、ちゃんと見えてる?」

 

「え?」

 

「確かに8000人しか見ていない。でもそうじゃない…8000人もの人たちが3人のライブを見たがってる!」

 

「!?」

 

「マルガレーテ、確かに貴方はみんなを笑顔にする場所で不快な思いをさせたよ。だけど今度は諦めて同じ事を繰り返すの?」

 

「そんな…そんな事するわけない!」

 

「なら、後悔させてやれば良いよ。見に来なかった人を……3人が素晴らしいライブをしたのに、見れなかった人は悔しがるよ……そしてもしかしたらライブが始まれば数字なんか関係ない。10000人のいいね?50000人の人たち?それ以上を超えることだってある!」

 

「紗桜莉先輩……貴方もそうやって理想を……」

 

「理想を現実にするくらいスクールアイドルならたやすいんだよ……どうする?かのんちゃんは歌おうとしてる。2人は?ここで諦めて後悔する?」

 

「「………」」

 

 

 

 

 

 

 

 

2人は前を向き、かのんちゃんと並ぶ。そしてステージが始まった

 

「今日は私たちのライブを見に来てくれてありがとう。ここに来てくれた全ての人に、今この声が届いている全ての人に……」

 

前を向いたけど、それでも不安なマルガレーテ…だけどかのんちゃんと冬毬ちゃんはマルガレーテの手を握りしめた

 

「私たちの歌が届きますように」

 

そして始まる3人のライブ…さっきまで不安そうにしてたのに、楽しそうにしている……

 

 

 

 

 

ライブが終わると会場にいた人たちは拍手を送っている

 

「ねえかのん」

 

「ん?」

 

「歌…久しぶりに楽しいって思えた」

 

「その気持ちずっと持ってようね!」

 

「価値のあるものとは思えませんが」

 

「フフフフッ!いつか分かるよ!」

 

本当にお疲れ様…三人とも……

 

「お疲れ、かのんちゃん」

 

「うん!」

 

「お疲れ、冬毬ちゃん」

 

「……」

 

「お疲れ、マルガレーテ『ちゃん』」

 

「あっ……ありがとう……紗桜莉」

 




すみれと六花の関係、いい加減書かないと……
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