新たな星たちと灰色の姫君   作:水甲

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12 心は満腹になる

しあSide

 

冬毬ちゃんが部屋から戻ってきたけど、泣いてる?

 

「何かあったの?」

 

「別に……」

 

心配だな~どうにか元気づけたい……

 

「しあは……姉との仲は?」

 

「良い方だよ。たまに喧嘩もするけど、私の夢を応援してくれる」

 

「もしも…その夢がしあを傷つけたとしても…お姉さんは……」

 

「夢はそう言うものだって…綺麗なだけじゃないと思う……お姉ちゃんも昔、適性がないって言われたりしたけど、だからって諦めたりしてないから……だからどんなことがあっても私の夢を応援してくれる」

 

「……私には到底無理ですね……」

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉Side

 

部室にて昨日の件がまだ引きずっていた。まぁ色々と仕方ないところもあるけど……

 

「ナッツー…話しかけてもぼ~っとしてるデス…」

 

「冬毬ちゃん何もかもダメってわけじゃなくて、夏美ちゃんをすごく応援しているし夏美ちゃんのこと大好きだよね」

 

「可可もそう思います」

 

「傷ついてほしくない…か」

 

「難しい問題だよ…冬毬ちゃんの想いは…ずっと夏美ちゃんを見てきたからこそ……そう簡単に変えられない…ううん、信じさせるのが出来ない」

 

そんな話をするとマルガレーテちゃんがやって来た。

 

「いた!いた!」

 

「うっ!」

 

マルガレーテちゃんはかのんちゃんの頬を引っ張った。かのんちゃん……ほっぺ柔らかそう……

 

「にゅっ!?うぅ~。やめてよぉ~」

 

「な・ん・でアンタがここにいるのよ!敵の本部みたいなところでしょここは!」

 

「敵とか言うのやめようよ!同じスクールアイドルなんだよ?」

 

「だからアンタと組むのは嫌だって言ってんのよ!そんな甘い考え!」

 

「マルガレーテちゃん、雨降ってるし、新スクールアイドル部には部室がないから自然とここに来るしかないでしょ」

 

「だから!」

 

「部室確保し忘れたのは誰だったかな~」

 

「それは……と言うか貴方が部室を用意するんじゃないの!」

 

「現在作成中。雨天中止だからね」

 

「むぅ~」

 

マルガレーテちゃんも落ち着いたみたいだ。するとちぃちゃんはあることを聞いた

 

「マルガレーテちゃんは?あの2人のことどう思う?」

 

「ん?」

 

「夏美ちゃんのこと。夢追いかけるって意味のないことだと思う?」

 

「私だったら誰がなんと言おうと諦めないわ」

 

「ハハ…やっぱりそうだよね」

 

マルガレーテちゃんらしい答えだよね。まぁ夢を諦めるかどうか人次第……そして夢を追いかけるのも人次第……

 

「そういやさっき2年生が話していたわよ。そのことについて」

 

「え?2年生が?」

 

珍しいな…2年生が自分たちで動くなんて……

 

 

 

 

 

蓮華Side

 

私はきな子ちゃんたちと一緒に夏美ちゃんと話をすることに……メイちゃんは夏美ちゃんの前に一冊のボロボロのノートを見せた

 

「悪いが…少し見させてもらった」

 

「あっ…これは…」

 

「冬毬ちゃんに渡されたっす。夏美ちゃんがどれだけ夢を追いかけてきたか」

 

「そしてどれだけ諦めてきたか…」

 

「皆さんも冬毬と同じ考えですよね。こんな私が夢を追いかけても無駄だって…」

 

「実際自分たちが先輩たちより上だなんて思えないし…」

 

「私たちの力で優勝なんて…」

 

「夢のまた…夢」

 

「昨日冬毬と話しましたの」

 

 

 

 

 

 

夏美Side

 

昨日の夜、みんなが帰った後、冬毬と話し合った……冬毬のベッドにはしあが寝ているがそれでも話をした

 

「このままスクールアイドルを続けてもまたきっと傷つく日が来ます」

 

「分かってる」

 

「叶わなかったら高校でロストした時間の分だけ後悔する」

 

「…分かってる」

 

「マニーを稼げるようになって姉者は落ち込まなくなった。いつも笑顔になったし自信に満ちあふれていました。私は姉者の笑顔が好きなのです。姉者にはずっと笑顔でいてほしい」

 

冬毬の思い……私は……

 

 

 

 

 

蓮華Side

 

「笑顔か…」

 

「実際冬毬の言うとおりですの。ここにいるメンバーで頑張っても届かなかった時はきっと…」

 

「傷ついて落ち込む」

 

「でもきな子このノート見た時感動したっす!」

 

「感動?」

 

「そうっす!夏美ちゃんこんなにたくさん挑戦してきたんだって」

 

「全部失敗してきたんですのよ…?」

 

「私は大して失敗もしてないのにくよくよしたこともあってかっこ悪いな自分…って思った」

 

「夏美はすげ~よ!」

 

「メイ…」

 

「夢を叶えようと思ったら傷ついたり落ち込んだりするから笑顔になれる日が来るんすよね!」

 

「きな子…」

 

「No Rain,No Rainbow.」

 

「何だそれ」

 

「外国のことわざ。雨が降らなければ虹は出ない」

 

「ステキな言葉っすね!みんなで虹見たいっす!」

 

「お~!いいじゃんいいじゃん!どうせならでっかい虹がいいよな!」

 

夏美ちゃんはさっきまで暗かったのに、笑顔になってきた

 

「夏美ちゃん……きっと冬毬ちゃんは…夢を呪いだと思ってる」

 

「呪い……」

 

「夢を諦めた人には永遠にその呪いに苦しむ…呪いを解くには夢を叶えないといけない。でも、途中で挫折した人間はずっと呪われたまま……そう思ってるかもしれない」

 

「………」

 

「でも私は夢に向き合ってる人たちを知ってる。諦めかけようとした人たちも……その人たちは夢に対して切なく感じたり、熱くなったりもして……叶える……冬毬ちゃんに見せた方が良いよ。夏美ちゃんは夢を諦めず、叶えようとしている。それが苦しいものだとしても…分かった上で……」

 

「蓮華……そうですの…冬毬に見せないと……」

 

 

 

 

 

 

 

私達は冬毬ちゃんに夏美ちゃんが夢を叶えようとしている。傷ついても頑張ろうとしていることを教えるためにライブをすることに……夏美ちゃんは冬毬ちゃんを呼び出し…

 

「何ですか?これは…」

 

「冬毬…ありがとう。私の笑顔を好きと言ってくれて」

 

「それは事実ですから」

 

「落ち込む時や傷つく時があったとしてもスクールアイドルに出会えて初めて分かったの。本当に楽しいって思える笑顔。マニーよりももっともっとステキな最高の笑顔になれる日が来ると信じているの」

 

雨が上がり、日が差してくる。空には虹が……

 

「だからこれからも私を見ていてほしい!涙を流したここからもう一度最高の笑顔を目指しますの!雨の後のあの虹のように!」

届けよう…冬毬ちゃんに夏美ちゃんの想いを……

 

 

 

 

 

 

 

 

ライブが終わり、夏美ちゃんと冬毬ちゃんが話している中、私は紗桜莉先輩に呼ばれた

 

「蓮華ちゃんのあの言葉……知ってたんだね」

 

「あの…また盗聴ですか?」

 

「ううん、盗み聞き、かのんちゃんが心配してあの時廊下にいたんだよ」

 

そうですよね…流石にまた盗聴してることは……

 

「夢は呪い…夢は時々切なく、そして熱くなる……私も好きな言葉だよ…」

 

「昔、進められて見た作品で……凄く好きな言葉になりました……紗桜莉は……」

 

「私は…呪いだと言われたことはある。でも私は夢を叶えるためなら傷ついても頑張ったからね……」

 

紗桜莉先輩は足をさすりながらそう言うのであった。

 

「それとね。夢はそれだけじゃないの」

 

「えっ?」

 

「夢でお腹は膨れない。だけど心は満腹になる…なんてね」

 

紗桜莉先輩らしい答えだな~




夢は呪い……ご存じの通りあのライダーの名言です…
次回は上海……可可の家族は……無事に済むか?
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