新たな星たちと灰色の姫君   作:水甲

118 / 141
20 好きに終わりなんて……

未唯Side

 

ランジュさんのお母さんと再会した時のこと……

 

「久し振りに貴方を見たわ」

 

「そうですね。私自身あまり活動をしてませんから……」

 

「娘が寂しがってたけど……丁度良かったわ」

 

「丁度?」

 

「未唯!未唯よね!」

 

聞き覚えのある声が聞こえ、私は咄嗟に横に避けると後ろから私に抱き付こうとしていたランジュさんがいた。

 

「お久し振りです。ランジュさん」

 

「本当よ!スクールアイドル辞めたかと思ったじゃない!」

 

「辞めてはないですよ。活動をあまりしてなかっただけです」

 

「それにしても未唯が上海にいるなんて……もしかしてこのフェスに出るの?」

 

「出ませんよ…ただ色々とあって付き添いで来ただけです」

 

「付き添い?」

 

私はランジュさんに上海に来てからのことを話した。Liellaの事、私が夢を与えた子のこと、しあの事を……

 

「そうだったのね…でもこうして会えたのは嬉しい!折角だからみんなに連絡しちゃう!」

 

「いや、それは…」

 

お姉ちゃん達には伝えてあるけど……私が上海にいることを伝えても…普通に返されるだけじゃ……

 

ピロンピロンピロンピロンピロンピロンピロンピロンピロンピロンピロンピロン

 

「何か物凄い通知音が……」

 

「かすみたち1年生以外はみんな来るって!」

 

「何で!?」

 

「あとミアは明日来るわよ!」

 

何か同好会メンバー全員集合しそうなんだけど……

 

 

 

 

 

そしてかすみちゃんたちと会い、私はみんなとカフェに来ていた。

 

「それにしてもまさかみんな来るとは……私達はかすみさんの付き添いだけど……」

 

「みんな…忙しいから…」

 

「でもでもみんなで今頑張ってる子たちを見れるのは良いよね!」

 

「そうですね…未唯さんの妹さんは?」

 

「しあちゃんはまだデビューしてないよ。絶賛特訓中……」

 

「因みに侑先輩は今はどんな感じに?」

 

「侑お姉ちゃん?どんな感じって……ツインテールやめたくらいかな?」

 

「「「やめたんだ!」」」

 

後は変わってるとしたら…ぽむお姉ちゃんかな?多分驚くと思う……

 

 

 

 

 

 

紗桜莉Side

 

夕方まで練習する私達。上海とは言え流石に夏は暑い

 

「うわ~日陰は涼しいねえ」

 

「日中は室内で練習できるところを探した方がいいかもしれませんね」

 

「外国だし今日は早いけどこのくらいにしておこう」

 

「アグリーです」

 

そんな話をしているとかのんちゃんがスマホに入ったメッセージに気が付いた。

 

「あ~ごめん。ちょっと抜けていい?」

 

「どうしたの?」

 

「可可ちゃんたちも早めに練習切り上げたって!また後で連絡するから!」

 

かのんちゃんはそう言って去っていった。

 

「今日は怒らないんですか?」

 

「かのん何回言っても聞かないんだもの。可可先輩のことが気になってしかたないんでしょ」

 

「さすが同居人」

 

「それじゃ私も…」

 

「貴方もLiellaの所に?」

 

「うん、話したいことがあるって、くぅちゃんから呼ばれた」

 

何か悩んでるみたいだし、仕方ないよね。マルガレーテちゃんたちも特に反対はしてないし……

 

 

 

 

 

 

私はくぅちゃんに指定されたカフェ『新天地』に来ていた。かのんちゃんも私が来ることをくぅちゃんから聞かされていたから特に驚きはなかった

 

「結局…両親とはまだ何も話せていなくて…」

 

「そっか…でも可可ちゃんのお姉さんとても優しそうだった!お父さんもお母さんもきっとステキな人なんだろうなあ」

 

「かのんはいつも優しいデスね。大好きデス」

 

「私もだよ」

 

あれ?何か告白始まった?

 

「紗桜莉も何だかんだ言って優しいデスし、それに頼りにもなります」

 

「まぁ…うん」

 

何か褒められると…ちょっと恥ずかしいな

 

「ロンジン茶。可可好きなんデス」

 

「あっ美味しい!」

 

「フフッ。かのんと上海で過ごせてとってもうれしいデス。両親は日本に行く可可を優しく見送ってくれました。最初の時こそみんな心配していましたが、可可の努力を認めてくれて3年間好きなことをやらせてもらえました」

 

いや、うん…ここであの事を言うのは止めておこう。邪推というか…なんというか……

 

「大学に行けばお父さんもお母さんも安心する。両親への恩返しにもなる。だから可可は進学しようと思っています」

 

「北京の大学に?」

 

「はい」

 

「…いいの?」

 

「スクールアイドルと出会っていなければもともと進んでいた道ですよ?」

 

「お姉ちゃんは?悲しまない?」

 

「反対すると思います。歌を続ければいいのにって…でも可可は両親を安心させたい」

 

「だから進学…」

 

「日本に送り出してくれた親に進路はもうちょっと待ってなんて言えません」

 

「でもライブには来てもらうんでしょ?可可ちゃんの頑張っている姿を見たらご両親の考えも…」

 

「そんなの甘い考えデス。親にはほんとに自由にやらせてもらいました。可可の青春はここまで。もうすぐ終わるんです。家族のみんなには最高に輝く可可を見てもらいますよ!今年が最後デスから!」

 

くぅちゃんとはそこで別れ、私とかのんちゃんは一緒にホテルに戻る

 

「可可ちゃん……本当に大丈夫かな?」

 

「難しい……というよりも難しく考えすぎてる」

 

「そうなの?」

 

「ちょっと気になってることがあってね。萌萌さんはくぅちゃんに歌の道に進んで欲しいって願ってるけど……ちょっとだけ押しつけてる感じがするんだよね」

 

「えっ?」

 

「可可ちゃんはそれを期待してるって捉えてるから……両親の気持ちに答えるか萌萌さんの気持ちに答えるか……悩んでいて本心を押し込んじゃってる」

 

「………」

 

「私にだって似たようなことあったし」

 

「そうなの!?てっきり放任かと思ってた」

 

「両親じゃなくって、理桜にだけど」

 

「理桜くん?」

 

「私がスクールアイドルになりたいって目指す前は何でも興味あることを学ぼうとした。でも事故の事があって……理桜にそこまで無理するような事じゃないって言われたんだ」

 

「そっか……」

 

「まぁその時の私は理桜が心配してるんじゃなく、押しつけてるって感じた……」

 

「………」

 

「もしもくぅちゃんが悩んでるようだったら……かのんちゃんが何か言ってあげて……かのんちゃんとくぅちゃんは2人で最初にステージに立ったクーカーなんだから」

 

「うん……」

 

 

 

 

 

そして次の日…私達はフェス会場に来ていた。未唯さんたちはしあちゃんと共に控え室の方で見るらしい……何だかフェスの関係者が知り合いだとか……

 

「まったく…なんで私がここに?」

 

「帰りますか?」

 

「フンッ。それこそ…」

 

興味なさそうにしているマルガレーテちゃんだったけど、どこからともなくブレードを取り出した

 

「上海まで来た意味ないじゃない!」

 

「持ってきてたの!?」

 

「昨日買ったわ」

 

「Liellaは敵では?」

 

「昔のマルガレーテちゃんは本当に何処に行ったんだろうね?」

 

「ふふ、マルガレーテさんらしいですけど」

 

緋雨さんは嬉しそうにマルガレーテちゃんを見つめている。そういえば未唯さん達と一緒じゃないんだ……

 

 

 

 

 

 

 

蓮華Side

 

控えスペースで私達は出番を待っていた

 

「お待たせしました」

 

「いよいよだね!」

 

「上海フェスのスペシャルステージ」

 

「最高に盛り上がってますの!」

 

「全力で頑張りましょう!」

 

「さあ着替えに行こう!」

 

「……」

 

可可先輩…本当に大丈夫なのかな?私は心配になり、可可先輩に声をかけようとすると、すみれ先輩が先に声をかけていた

 

「もっと笑って」

 

「え?」

 

「笑顔硬すぎるわよ」

 

「集中してるだけデス」

 

「北京の大学行くの?」

 

「えっ…なんで?」

 

「かのんと学校で話しているところ見てたの」

 

「自分で決めたことデス。ほっといてクダサイ」

 

「ふ~ん。ま可可がいいならいいけど」

 

「いいんデス!」

 

「私は見たいわ!」

 

「え?」

 

「可可がステージに立ち続ける姿を!」

 

可可先輩は…すみれ先輩の言葉に何も答えなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉Side

 

フェスが始まり、私達は見ていると萌萌さんが慌てて駆け寄ってきた

 

「かのんちゃ~ん!」

 

「どうしたんですか?」

 

「可可ちゃん大学に進学するって両親に伝えたの!」

 

「えっ…」

 

「せっかく…好きなことと出会えたのに…どうして…」

 

萌萌さんの表情を見て、かのんちゃんはいても立ってもいられなくなり、控えスペースに向かった。私も一緒に向かう……仕方ないよね。放っておけないもん

 

 

 

 

 

 

かのんちゃんに何とか追いつき、控えスペースにいるくぅちゃんの所にたどり着いた。先に着いたかのんちゃんは何か話している

 

「いいの?」

 

「え…」

 

「進路…本当にいいの!?」

 

「この前話したでしょう?もう決めたんデス!」

 

「可可ちゃん自分にうそついてるよ!」

 

「うるさいデス!かのんなら分かってくれると思ってたのに…」

 

「可可ちゃん…好きなことを頑張ることにおしまいなんてあるの?」

 

「あ…それって…」

 

「可可ちゃんが私に教えてくれた私の宝物にしている言葉!可可ちゃんが自分にうそをつく姿なんて私…見たくない!私は卒業したらウィーンに歌を勉強しに行く。だから可可ちゃんもまっすぐ突き進んでほしいよ!」

 

「かのん…」

 

くぅちゃんは泣きだし、かのんちゃんが優しく抱き寄せた。

 

「くぅちゃん、好きなことを諦めて後悔なんてしないで……」

 

「紗桜莉……」

 

「そんな顔じゃステージ立てないよ?」

 

「かのんのせいデス…」

 

「ごめん……私やる」

 

「え…」

 

「可可ちゃんが一番祝福される状況を私が作る!だから泣かないで!待ってるから」

 

かのんちゃんと私はそう言って近くにいたマルガレーテちゃんと冬毬ちゃんにも協力して貰うことに……あれ?何か重要なことを忘れてるような……

 

 

 

 

 

「ふぅ…」

 

「いよいよですね」

 

「可可を呼んでくるわ」

 

「お願い」

 

「ちぃちゃん!」

 

「かのんちゃん!?」

 

「ちょっとステージ借りま~す!」

 

ステージを借りようとするかのんちゃんだけど、私は慌てて止めた

 

「焦りすぎだし、突っ走りすぎ!」

 

「紗桜莉ちゃん!さっき可可ちゃんのためにって……」

 

「ステージに上がることは止めない!でも重要なことを忘れてる!私達……衣装がない!」




今回の話でどうしてもツッコみたかったこと……何で衣装がある?
感想待ってます!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。