紗桜莉Side
その日の夕方、お泊まり会のため、冬毬ちゃんとしあちゃんがやって来た
「いらっしゃ~い!」
「お邪魔します」
「お、お邪魔します…」
かのんちゃん、嬉しそうだけど……まぁこうしてお泊まり会するのが楽しみって事だよね
「遠慮しないで~」
「狭いところだけど」
「言うねえ」
「一応広くはしたんだけどね」
「広くした?いえ、ツッコむのも野暮と言うべきですね。お世話になります」
「私と同い年とは思えないくらい大人な雰囲気…」
「フフッ。ステキな子でしょ?」
まぁ基本的に礼儀正しい子だからね。それにしてもしあちゃんはいつもと違って何だか緊張してる感じだけど……
「うぅ…」
しあちゃんの手には黒い猫のぬいぐるみが……これは……あ、未唯さんからメッセージが来た。
『しあちゃんは私達姉妹特有の人見知りあるから、多分だけどお泊まりとかだと余計に人見知り発動するよ。あと人形は家の猫を模したぬいぐるみだから気にしないで』
意外だった。しあちゃんって人見知りなんだ……
とりあえず夕食を食べ終えた後、折角だからと言うことで二手に分かれてお風呂に入ることに……
「うぅ////」
「しあちゃん、そこまで恥ずかしがらなくても…」
「だって…紗桜莉先輩も意外とありますし、マルガレーテちゃんなんて……」
「あー、確かにマルガレーテちゃんって中学の頃からスタイル……ドスケベボディだったもんね」
「あのね…セクハラしないでくれない?と言うかあんたもそれなりにあるじゃない!」
「まぁ人並みにはね。それにほら、マルガレーテちゃんの場合は外国人だから」
「外国人だからって誰もがスタイル良いってわけじゃ……」
「そうですよ!上海で会ったお姉ちゃんのお友達の子!身長の割にあるように見えたけど、年齢的には普通だと思います!」
「いやいや、でもほら、あのスイスの人なんて凄かったじゃん!」
「あれは…胸のせいで更に母性を感じたわよ」
という感じで三人でのお風呂は胸の話で盛り上がった。
かのんSide
冬毬ちゃんと一緒にお風呂……夏美ちゃんも制服とかだと分かりにくかったけど、冬毬も結構……
「何ですか?かのん先輩」
「あ、えっと…」
「視線を感じましたが、セクハラで訴えますよ?」
「それはやめて……その私って周りの子たちと比べると……」
「……かのん先輩は平均では?」
「うっ!?確かに…平均って言われるけど…サイズ的にはちぃちゃんよりはあるけど、ちぃちゃんはそっちより引き締まってるから……」
「それに私は別に特別なことはしてませんよ?」
「うぅ……」
何故かお風呂で悲しい思いをすることに……
紗桜莉Side
お風呂から上がり、かのんちゃんの部屋でのんびりしていると……
「お待たせ~」
かのんちゃんがジュースを持ってやって来た。
「かのん何とかしてあげて」
「あああ…ななな…な…な…なななな…!」
うん、私も気になってた。さっきから冬毬ちゃんの様子がおかしいことに……
「ん?」
「な…なな…なな?」
「なななな…なっ…7巻がない!」
「どうしたの?」
「いえ…これの7巻はどこに…?」
「え?どこだろ」
「よくそれで落ち着いていられますね。信じられません。近くに本屋ありましたね。7巻買ってきます」
「いいよ~探しておくから」
まぁかのんちゃんってそう言うところあるし……後は……
「私の部屋には来ない方がいいわね。かのんのお父さんの本棚もっと雑然としてるから」
そう言ってマルガレーテちゃんはエスプレッソ侍の7巻を見せた
「あっ!」
「あはは…」
マルガレーテちゃんもそう言うところあるよね……
「因みに緋雨の部屋と紗桜莉の部屋は雑然としてる時としてないときがあるわよ」
「まぁ作業してるかしてないかだけどね」
と言うか普段はしっかり片付けてるし……
少ししてから今度はたこ焼きパーティーをすることに
「家でたこ焼き…?」
「マルガレーテちゃんタコパ初めて?」
「買って食べることはあるけど」
「ところで…何なのです?この格好」
冬毬ちゃんはパンダ、かのんちゃんはドラゴン。マルガレーテちゃんは……何だろう?因みにしあちゃんは黒猫、私は色違いのパンダ。
「私が聞きたいわよ」
「上海のお土産!楽しくなれるでしょ?」
「アグリーしかねます…」
たこ焼きパーティーも楽しんだ。しあちゃんも少しずつ慣れてきたのかいつも通りに戻っていた。
「どうぞ~」
「いただきます」
たこ焼きパーティーも終わり、みんなでラテアートを楽しむことに
「はぁ…おいしい…」
「フーフーフーフーフーフー…」
「よかった~。冬毬ちゃんの好きな焼き芋も準備してるからね」
「おいも…」
焼き芋と聞いて、嬉しそうにする冬毬ちゃん。だけど直ぐにいつも通りの表情に戻り、
「用件を話して頂けますか?」
「用件?」
「フーフーフーフーフーフー…」
「用件があるから呼び出したんですよね?」
「う~ん…とりあえずカフェオレ飲まない?」
「Liellaと一緒になった方がいいという話ですか?」
「違うよ。せっかく3人で同じグループになって上海まで一緒に行ったのにお互いのことを全然話せてこなかったから。二人のこともっと知りたくなって」
「コミュニケーションをとりたいと」
「そうそうそうそう!上海であんなにいいパフォーマンスがなぜ11人でできたのか分かる?」
「きっとねあの瞬間はみんなが同じ目標に向かって手を取り合えてた。ひとつになれたと思うの」
「ふむ」
「つまり、こうやって学校以外でもおしゃべりすることは無駄じゃなくっていいパフォーマンスをするために必要なことである!」
「…と、かのん先輩は思ったんです!」
「あちちっ!」
「ごめんマルガレーテちゃんにはちょっと熱かったね」
うん、さっきからずっと冷ましてたからね。マルガレーテちゃん……
「熱いのが嫌いじゃないの。ちょっと猫舌なだけ」
「冬毬ちゃんは甘いの好き?」
「大好きです」
「お砂糖あるよ」
そう言ってかのんちゃんは冬毬ちゃんのカップに角砂糖を入れてあげる
「わぁ」
「甘い方が好きなんて意外」
「そうですか?」
「ストイックなイメージだったから」
「体型維持のためふだんはセーブしています」
「あっち!でもアツアツっていい…」
「そうだ!うちコノハズク飼ってるんだ~。冬毬ちゃんの好きな生き物は何?」
「え…う……クラゲ」
「クラゲってジェリーフィッシュ?気持ち悪くない?」
「そんなことはありません!あんなにかわいくて癒やされる生き物他に存在しません」
「毎日寝る前に必ず見ています」
「飼ってるんだ」
「…はい」
「ほら話してみないと分からないこといっぱいあるでしょ?」
「…って私の話は必要ありません!」
「そんなことないよ。すっごく大事!」
「え?」
「冬毬ちゃんのこともっと知りたい!」
「先輩」
「しあちゃんは猫が好きだったり?」
試しに私もしあちゃんに聞いてみた。しあちゃんは猫のぬいぐるみを抱きしめながら…
「はい、特に家の猫が…普通は妹みたいって思うんですけど、シニエ……家の猫はお姉ちゃんって感じがして」
「そっか…」
「因みにマルガレーテは?」
「私?私は…」
「「鮫と狼だよね」」
「何で知ってるのよ!」
「「緋雨さんから聞いた!」」
「緋雨ーーー!!」
それから少し散歩をしようと言うことで夜の街を散歩することに……
「ん~!今日は涼しいね」
「なんで散歩?見慣れた景色じゃない」
「みんなで夜歩くなんてめったにないでしょ?」
「まぁそれは…」
「せっかく一緒にいるんだし腹ごなしも兼ねてね」
「にぎやかですね。私の家のある町だとこの時間は人はほとんどいません」
「静かなのもいいよ~。私ずっとこの街で暮らしてきたから憧れるなぁ~」
「確かに静かなところではありますね」
暫く歩いていくと懐かしいところに着いた。確かここって……
「ここって…」
「去年歌ったよね」
「過去の記録を見ました。お二人が対決されていましたね」
「うん。東京大会でお互い競い合って私たちLiellaが決勝に」
「フン!」
「ハハ…」
更に歩いていくと、交差点に着いた。
「冬毬ちゃんもずっと夏美ちゃんのこと気にかけてる。また夏美ちゃんが傷ついて終わるんじゃないかって同じことになっちゃうんじゃないかって…」
「はい…」
「上海に行ってステキなライブができて思った。今こそ二人の気持ちを解放させる時が来たんだよ」
「解放?」
「どういうことでしょうか?」
「上海でのライブは心が震えるほどに感動した。でもね今もまだ二人の気持ちは昔と変わらず宙ぶらりんのまま」
「私は姉者を敵だと思っていません。ただ夢を中途半端に追いかけてほしくない。姉者の悲しむ姿はもう見たくないですから」
「私はLiellaに勝ちたい。それだけよ」
「私ね3人で練習して思った。マルガレーテちゃんも冬毬ちゃんも真剣だって、それはマルガレーテちゃんは本気でLiellaに勝ちたいから。冬毬ちゃんは夏美ちゃんの気持ちを確かめたいから…今こそ私たち3人で全力でLiellaにぶつかろう!」
「ええ。望むところよ」
「アグリーです」
かのんちゃんは改めて自分の気持ちを伝え、マルガレーテちゃんたちも自分たちの気持ちをしっかりと決意させた。さて、私は……
「しあちゃん、上海での
ライブ…怖かったよね?」
「……はい」
「仕方ないと思う。あの時は色々とあったしね。でもね、私から言えることは……観客は敵じゃない」
「……」
「そう思えるようになるのは難しいことかもしれない。それならこう思えば良いんだよ。今は敵でもしあちゃんのパフォーマンスで魅了しちゃえばいいって…」
「観客を味方に変えろと?」
「それに…ソロアイドルは別に1人じゃないよ。応援してくれる人がいるんだから……」
「1人じゃない…お姉ちゃんも同じ事言ってました……」
「だから次のライブでは…近くで見てるから……」
「はい!あの…お願いしたいことがあるんですけど……」
「何?」
「Liellaとトマカノーテのライブの前に………」
しあちゃんからお願いさせたこと、かのんちゃんたちにも許可を貰った。後は明日ちーちゃんと理事長に頼んでみよう。
そして次の日、蓮華ちゃんを連れて、かのんちゃんとちーちゃんと一緒に対決ライブすることを理事長に伝え、更に私からある提案をし、OKを貰った。
そして私とかのんちゃんは遅れてマルガレーテちゃんたちの所に行くと……
「お待たせ~!」
「話しておきたいことがあるんだけど」
「え?」
「大事な話です」
「何!?」
「やだ!怖い~!」
「悪い話じゃないわよ」
「本当に~!?」
私とかのんちゃんは2人から耳打ちをされると…なるほどね。それは良いかもしれない
「うん!いいと思う!」
「よかったです」
「私は賛成!二人ともいっぱい考えてくれてたんだね!」
「さあいくわよ!Liellaに勝つんでしょ?」
「Liellaに勝ってそして…」
「うん!レッツゴー!トマカノーテ!」
「その名前何とかならない?」
「私は嫌いではありません」
三人とも気持ちが固まったみたいだね。さてしあちゃんは……
「わたし!頑張ります!」
「うん、任せたよ!」
さて、対決の行方はどうなる?
感想待ってます!