新たな星たちと灰色の姫君   作:水甲

126 / 141
前もって言ってましたが、ライブ対決の結果は変えます!


28 雨降って地固まる

蓮華Side

 

早速冬毬ちゃんと話すために夏美ちゃんが冬毬ちゃんの部屋のドアをノックするが……

 

『ハァ…しつこいですよ。今は忙しいと伝えたでしょう?お引き取り下さい』

 

ドア越しから聞こえる冬毬ちゃんの声……

 

「鍵は掛かってる……」

 

「あ、任せて」

 

私は懐からヘアピンを取り出し、鍵穴に差し込み……

 

ガチャ

 

「開いたよ」

 

「ありがとうですの…」

 

「いやいや、蓮華、今何した!?」

 

「前に紗桜莉先輩に教わったピッキ……何でも鍵開けだよ」

 

「あの人は……」

 

とりあえず鍵が開き、夏美ちゃんは勢いよく扉を開いた

 

「冬毬!」

 

「……鍵をかけたはずですが?まぁ良いでしょう…話し合いするのは勝手ですが、ロスした分の時間後でマニーを請求しますよ」

 

「聞いて。私は冬毬と話がしたい。曲を作るなら最高の形で冬毬と…みんなとひとつになって作り上げたいんですの」

 

「こいつもそうしたいって」

 

「わざわざ来てあげたんだから感謝してよね」

 

マルガレーテちゃんも話に加わる…だけど冬毬ちゃんは……

 

「話したではないですか。曲はそれぞれ持ち寄ってと」

 

「それだと意味がない」

 

「二つのグループどちらも心躍る曲を私たちが作る」

 

「それぞれ別の考え違いがあってもお互いに意見を出し合えばいい曲はできるはず」

 

「マルガレーテもLiella側に寄り添う…と?」

 

「賛成はしてないわよ?ただ冬毬の言うとおり持ち寄って選ばれた曲が私のじゃなかったら納得いかないもの」

 

「アグリーできません」

 

「でもさ!」

 

「そういうことでしたら曲作りはお任せします。この部屋から出ていって下さい」

 

冬毬ちゃんの意思は変わらない…このままなのかと思っていると、夏美ちゃんが突然大声を出した

 

「冬毬のバカッ!」

 

「姉者…」

 

「うぅ~…!バカバカバカバカ!バカバカバカバカバカバカバカ…!うぅ~!」

 

「すみません…言い過ぎました…」

 

泣きじゃくる夏美ちゃんはそのまま冬毬ちゃんを押し倒した。

 

「何!?」

 

「冬毬のこと…全部受け止めるから…全部受け止めるから心を開いてほしい!」

 

「姉者…」

 

「私に何でも話して!冬毬と話ができるなら何時間でも何日でもスクールアイドルと全然関係ない話だってかまわない!ずっとずっと…ずっと冬毬と話がしたい…!」

 

「あ…」

 

「冬毬のことが大好きなんだから…」

 

「姉者…うぅ…姉者はいつもずるいです!私がどれだけ姉者を…心配してきたと思ってるんですかぁ…!」

 

「私だってずっと苦しかったんだからぁ…」

 

夏美ちゃんと冬毬ちゃんは2人して泣き出す……姉妹の絆が更に深まった…

 

「うぅぅぅ!」

 

「うぅ…。なんて変わり者で不器用でステキな姉妹なんだあ…」

 

「何もらい泣きしてんの」

 

「マルガレーテもだろ~!」

 

「フン!」

 

「No Rain,No Rainbow.」

 

「雨降って地固まるっす」

 

姉妹の様子を見ていたきな子ちゃんたちももらい泣きをする中……

 

「蓮華ちゃんは何で頭抱えてるの?」

 

「いや…何だか変な記憶が……私だけの……なって?何だろう?これ…」

 

変な記憶は直ぐに消えた。本当に何だったんだろうか?

 

 

 

 

 

それから先輩達に連絡をし、しっかりと曲を伝え終わった後、みんなで冬毬ちゃんの部屋にいるクラゲの水槽を見ていた

 

「名前付いてるのか?」

 

「…はい」

 

「初耳ですの。この子の名前は?」

 

「姉者」

 

「私…」

 

「分かった」

 

「じゃあこっちで一人はぐれているのが…」

 

「マルガレーテ」

 

「やっぱりな!」

 

「なんでそうなるのよ」

 

「冬毬も面白いところあんだな」

 

「面白い…なんて…」

 

「今の私たちならいい曲が作れる気がする」

 

「四季ときな子も手伝ってくれよ。いいだろ?」

 

「ご自由に!」

 

「じゃあ作っていこう!」

 

「レッツゴー」

 

「っす!」

 

「姉者」

 

「曲作りスタートですの!」

 

こうしてみんなで曲を作ることになった。私の役割は……終わりかな?後で紗桜莉先輩に連絡しないと……

 

 

 

 

 

 

 

かのんSide

 

夏美ちゃんの部屋から楽しそうな笑い声が聞こえる。大丈夫そうかな?

 

「心配性だね。かのんちゃんは」

 

「紗桜莉ちゃん…来てたの?」

 

「うん、暇つぶしにね」

 

そう言うけど紗桜莉ちゃんも心配して来たのかな?

 

「後は大丈夫そうだし、私達は帰ろう」

 

「そうだね。そういえば紗桜莉ちゃん、電車で来たの?」

 

「ううん、バイク。乗ってく?2人乗り用に改造したから……夜のドライブに!」

 

「楽しそうだね!」

 

それから紗桜莉ちゃんのバイクで家に帰るけど……普通に電車で帰れば良かった…そう思うくらい飛ばすんだもん……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉Side

 

学園祭の準備が進む中、私はナナミちゃんたちに呼ばれた。

 

「これは?」

 

私の前には署名された紙の束が置かれている

 

「今回の対決ライブ…出来たら対決をなかったことに……」

 

「これ、みんなの署名!」

 

「お願い!もう対立は……」

 

ナナミちゃんたちの意見を聞き、私はため息をついた。

 

「無理だね」

 

「でも署名…」

 

「あのさ、はっきり言っておくけど、ルール表も掲示したはずだよね?『勝敗は必ずつけるため、引き分け、またはみんな勝ちなどはなし!絶対に勝ち負けをつける!』って……私がこのルールを破ることは絶対にしないって事だよ」

 

「でも……」

 

「ナナミちゃんたちは、沢山練習して、大会とかに出たら……みんな頑張ったのでみんな優勝です!って言われて納得する?みんな優勝ですは幼い子供まで……頑張った努力を台無しにしてるんだよ」

 

「それは……」

 

「理想を叶えようとするのは良いけど、今のままだと理想のままで終わってる。だからいくら署名しても無理」

 

ナナミちゃんたちは項垂れながら帰って行く。さてさて……そろそろ動くか……私は2人に連絡をする

 

 

 

 

 

 

そして学園祭当日……

 

「うふっ!今こそ!この結ヶ丘を音楽の故郷にしましょ~!ルンルン!」

 

恋ちゃんは魔女のコスプレをしていた……

 

「は~いOK!」

 

「恥ずかしい!なぜわたくしがこんなことを…!」

 

「こういうのは生徒会長がやらないとな」

 

「みんな恋先輩のことも~っと好きになるっす!」

 

「だといいのですが…」

 

さてあっちは…すみれちゃん、グソクムシの格好してる……

 

「いらっしゃ~い!たこ焼きいらんかね~!」

 

「レインボーたこ焼きもふっか~つ!」

 

「よろしくお願いしま~す!…ってちょっとぉ!またこの格好!?」

 

「可可は好きデスよ。グソクムシ~」

 

「褒めてないでしょ!」

 

あの2人、何だかんだ言って仲良くなったな~

さて、夏美ちゃんと冬毬ちゃんは……

 

「ジャーン!ご好評につき今年も新作スムージーがオニ登場!その名も…濃い抹茶!濃すぎてもはや茶葉スムージーですの~!」

 

「以前のたこ焼きスムージーよりはましですがその分意外性もなくなりました」

 

「フッフーン!そう言われるのは織り込み済み」

 

冬毬ちゃんは一口飲むと物凄い苦そうな反応を示した。

 

「うっ!これは…!」

 

「もはや茶葉スムージーは栄養素も満点。高麗にんじんの中でも有効成分を多く含み滋養強壮虚弱体質などにも優れた…」

 

「姉者…私は甘い飲み物が好きなのです」

 

「そ…そうでしたの…」

 

みんな、楽しそうだね……さて…そろそろだ。

 

 

 

 

かのんちゃんたちはステージの方で待機してる。私、蓮華ちゃん、鳥坂さんは丁度ステージ真っ正面に用意された椅子に座っている。

 

「本当に大丈夫ですか?」

 

「鳥坂さん、大丈夫。もしも心配ならちゃんと見て判断しても良いから」

 

「紗桜莉先輩、本当に良いんですか?これは……」

 

「まぁ私なりの決断だから」

 

そして始まる学園祭ライブ、トップバターはしあちゃん。しあちゃんは緊張してるが私の事を見て、安心したのか真剣な表情をし……ライブを始めた。

 

「凄い…」

 

「夏休みに配信で見ましたが、まさかここまで」

 

「しあちゃんは頑張ってたからね……」

 

しあちゃんのステージ。私があの時見た未唯さんのステージとは違い、力強さを感じるものだった。その力強さを現すような翼も見え、新しいスクールアイドルが今羽ばたいた……

 

しあちゃんのステージが終わるとみんなが拍手を送る。さて、次はLiellaとトマカノーテのステージ。対決とあって、そのパフォーマンスは本当に戦っているようなものだった。

 

 

 

 

 

 

かのんSide

 

私達のステージが終わるとちぃちゃんが声をかけてきた

 

「3人ともすごかったよ!」

 

「お互いに全力を出し合えたステキなステージでした」

 

「…恋先輩たちも私にはできないパフォーマンスを出してた」

 

「ぶつかり合う中で」

 

「お互いを高め合えた」

 

「悔しいけど認めてあげるわあなたの実力」

 

「よかったね!マルガレーテちゃん!」

 

「うっ…」

 

「こういう時は涙してもいいのですよ」

 

「うるさい!」

 

対決も終わればノーサイドって事かな?後は紗桜莉ちゃん達の判定は……

 

「みんな、素晴らしいライブをありがとう!だからこそちゃんと白黒つけるために勝敗をつけさせて貰うね……結果は私達を三人が同時に札を上げます……」

 

体育館に集まる全員が息をのむ……対決の結果は……

 

『Liella!』

 

鳥坂さんはLiella!の札を上げる。紗桜莉ちゃんと蓮華ちゃんは……!?

 

『高柳しあ』

 

『高柳しあ』

 

「え?」

 

「勝者は高柳しあ!」

 

『ええええええーーーーー!!!!?』

 

ライブを見ていた全員が驚いていた。




次回をお楽しみに!
感想待ってます!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。