新たな星たちと灰色の姫君   作:水甲

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40 手にしたティアラ

紗桜莉side

 

いつの間にかいなくなっていたくぅちゃんが戻ってきた。何かあったのかな?

 

「お待たせしマシタ!」

 

「じゃあとりあえず4人で始めようか」

 

「すみれちゃんには後でもう一度連絡してみるね」

 

「あ、すみれちゃん」

 

練習を始めようとしているとすみれちゃんが姿を見せた。と言うか……隠れて様子見ていたのかな?

 

「遅くなったわね」

 

すみれちゃんは少し元気になった……と言うより無理してる感じだ

 

「まったくセンターがそれでどうするのデスカ!だから甘く見るなと言ってるのデス!」

 

「センター?」

 

「うん。私たちさっきまでそのこと話していたんだけど」

 

「やっぱりすみれちゃんセンターでいこうって」

 

「どうして?」

 

「どうしてって…」

 

「私が可哀想だから?頑張っているのにいつもセンターになれないから?」

 

「そうではありません!かのんさんは…」

 

「それ以外何があるっていうのよ!」

 

すみれちゃんの声が屋上に響いた………すみれちゃん自身……諦めかけてるんだね

 

「別に同情なんかでセンターになったって嬉しくない。学校のみんなは他の人がセンターの方がいいって言ってるんでしょ。だったら…!」

 

「同情なんかではありません!可可は同情なんかで衣装を作ったりはしません!」

 

「あの衣装は返すわ。それでも私にセンターやれって言うならスクールアイドルやめる」

 

「そんな……」

 

「あなたのスクールアイドルへの想いはそんなものなのデスカ!?ラブライブで光を手に入れるのではなかったのデスカ!?」

 

「勝たなきゃいけないんでしょ!あんた、絶対勝たなきゃいけないんでしょ」

 

「えっ?」

 

すみれちゃんはなにも言わず立ち去っていく……くぅちゃんも何か隠していたことをすみれちゃんがたまたま知った感じかな?

 

「待って……」

 

くぅちゃんがすみれちゃんを追いかけていく。さて、私はどうしたものか

 

「紗桜莉ちゃん……」

 

かのんちゃん、その目はどうにかしてほしいって感じなんだろうけど……

 

「私がどうにかするのは簡単だけど……今回はあの二人が色々とね」

 

まぁ様子を見に行くくらいはするけど……

 

 

 

 

 

 

 

こっそり様子を見に行くと、何か言い争ってる?

 

「そのためにあなたがセンターがいいと言ってるのデス」

 

「何意地になってんのよ」

 

「意地になどなっていません」

 

「なってるでしょ!ほんとは嫌なのにかのんが勧めるからとか何だかんだで練習しているから仕方なくとか可哀想とか…練習しているところもこっそり見てたでしょ。全部分かってんのよアンタのことなんて!」

 

こっそり見ていたことを気がつくって普通にすごいと思うんだけど……

 

「何も分かってませんよ。そんなことで可可が神聖なラブライブのセンターを任せると思っているのデスカ?」

 

「任せたでしょ実際」

 

「可可があなたに任せたのはあなたが相応しいと思ったからデス!練習を見てその歌声を聴いてLiellaのセンターにふさわしいと思ったからデス。それだけの力があなたにはあると思ったからデス。だから受け取りなさい!私が想いの全てを込めてあなたのために作ったのですから!」

 

くぅちゃんはティアラを見せると様子が気になって追ってきたかのんちゃんたちもくぅちゃんの隣に並んだ。仕方ない……私も……出ておこう

 

「それは…」

 

「あなたのために作ってきました。センターのあなたのために」

 

「私の……」

 

すみれちゃんが触れようとするが突然突風が起きティアラが飛ばされるが、すみれちゃんは何とか追いかけ、草むらに突っ込みながらもキャッチするのであった

 

「すみれ!」

 

「あんた……今名前……」

 

「そんなことはどうでもいいデス。Liellaのセンターとして恥ずかしくないステージにしてクダサイ」

 

「当然でしょ。誰だと思ってるの」

 

「いよいよ結ヶ丘のスクールアイドルがラブライブのステージに立つのですね」

 

「楽しみだね」

 

「うん。私たちLiellaがたくさんのスクールアイドルとつながって歌を響かせるんだ!」

 

すみれちゃんも前を向き始めたし……これならみんなは大丈夫だね。

 

 

 

 

 

 

 

 

予選会の日、みんなが準備し、私も手伝っていると……

 

「紗桜莉、あんた……」

 

「ん?」

 

「私のこと、万能型って思ってたのね」

 

「あぁ、うん、そうだよ。すみれちゃん自身……器用貧乏とか思ってるみたいだったけど……私的にはそうじゃないって思ってたよ」

 

「それ……いいわ。きっとあんたからしたら自分から気づけた方がいいって思ってたんでしょ」

 

「さぁてご想像に任せるよ」

 

「分かったわ……それと可可の事だけど」

 

「あー家族に結果が出せなければ帰ってこいって言われてるやつ?」

 

「いや、可可から聞いたの?」

 

「ううん、何となくそうかなって……」

 

「…………」

 

「大丈夫だよ。きっと勝てるから……何せ今回のセンターは幼い頃からショービジネスで培ってきたすみれちゃんなんだし」

 

「ふふ、そうね!行ってくるわ!」

 

こうして私はみんなを見送るのであった。さて、この掃除していたときに見つけた地図はどうしようかな?

 

 

 




因みに紗桜莉が可可の問題をどうにかするという話を考えましたが……二期でそこら辺やりそうなのでカットしました
次回はオリストです!
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