新たな星たちと灰色の姫君   作:水甲

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今回で11話終了です


45歌を全世界に響かせようとした……

紗桜莉side

 

ちーちゃんはくぅちゃんにかのんちゃんのことを話すために、バイト先に呼び出した。私はというと一応見届けるために来ていた。

 

「可可たちがいたから?」

 

「うん。かのんちゃんが歌えているのはみんなと一緒だからだと思う」

 

「そうでしょうか…」

 

「可可ちゃんと2人でステージに立った時かのんちゃん何て言ってた?」

 

「確か ”歌える。一人じゃないから”と」

 

「やっぱり」

 

まぁ一人じゃないから歌えるのは良いことだけど、今回の問題はちょっと違う感じがするんだよね

 

「そのあとのライブもこの前の小学校の時もそう。かのんちゃんみんながいるから、一人じゃないって思えるから歌えるんだと思う」

 

「それはよくないことなのデスカ?仲間がいるから歌えるって素敵なことだと思いますけど」

 

「私もそう思ってた。でもね それって本当に歌えることになるのかな?ずっと今みたいな不安は消えないんじゃないかな?」

 

ちーちゃんはかのんちゃんのためなら優しくなるし、厳しくもなるよね。仕方ない

 

「ここで三人でどうこう話しているよりも、あと二人にも話をした方がいいんじゃない?」

 

「二人?」

 

すみれちゃんと恋ちゃんの二人にもさっき話していたことを伝え、どうするかを伝えた

 

「厳しいのですね」

 

「まぁ言ってることは分からなくはないけどね。それで?」

 

「うん。反対されるかもしれないけど…」

 

ちーちゃんの提案、それはみんなは反対半分賛成半分だった。

 

「まぁ……やるだけやってみた方がいいかもね」

 

「紗桜莉ちゃん……」

 

「ちーちゃん、あんまり気にしないで、ちーちゃんがそうするべきだって思うならやるべきだし、私は余程の事でなければ止めないよ」

 

意見出して反対か賛成かは言うけどね

 

「うん、それじゃ」

 

次の日、ちーちゃんは理事長にある頼み事をして、その日の練習の時に…………

 

「えっ?ちぃちゃんが!?」

 

「うん。その日だけはどうしても行かなきゃダメだって家で言われちゃって」

 

「実は可可もやんごとなき事情がありまして」

 

「実はわたくしも」

 

「私もどうしても家族が神社を手伝えって」

 

「ええっ!?ちょっと待ってちょっと待って!さ、紗桜莉ちゃんは?」

 

「私?あーちょっと予選会の説明会あったの忘れてたよ~ごめんね」

 

と言うかこれで騙せるの?いや、かのんちゃんは素直だから信じちゃうか

 

「それじゃもうLiellaじゃないよ!一人しかいないなんて…」

 

「ですよね…」

 

「だからね小学校に連絡したんだけどそしたらかのんちゃん一人でもお願いできないかって」

 

「えっ!?」

 

「むしろ学校の子たちはかのんちゃん一人の歌聴きたいって。ダメかな?」

 

なんとか説得して、かのんちゃんは渋々納得するのであったが……

 

「やっぱりひどいデス。かわいそうデスこんなの」

 

「うん…」

 

「幼馴染みなのでしょう?」

 

「千砂都の言うことは確かに理想だけど…」

 

「私ね、私小さい頃は何をしてもうまくできないと思ってた。自分は何をやってもダメですぐ諦めてた」

 

幼い頃、そんなちーちゃんにかのんちゃんはある言葉を送り、支えてくれたらしい

 

『最初からできないなんてそんなことあるはずないよ!』

 

と……

 

「あの笑顔はね、元気になる笑顔。安心して勇気が出て見ている人が心から嬉しくなる笑顔。私の知ってるかのんちゃんはそんな笑顔を持っていたんだ……だから今あの時のかのんちゃんを取り戻すことができたら、辛いことやうまくいかないことをいっぱい経験したかのんちゃんがあの時の気持ちを取り戻せたら誰にも負けないって……ラブライブどころじゃない。飛び越えて世界一、いやすみれちゃんが言うみたいに銀河一にだってなれる!私は…嵐千砂都は信じてる。澁谷かのんを!」

 

信じてるか……にしても……

 

「何か告白みたいだね」

 

「へっ?」

 

あー無自覚だったか。まぁ無自覚出るほど、かのんちゃんを信じてるってことだね。

 

 

 

 

 

 

そして発表会当日、心配して私たちは様子を見に来ていた。まぁみんな、かのんちゃんが大好きってことだよね

みんなで隠れていると、ちーちゃんのスマホにかのんちゃんから電話が入った

 

「ちーちゃん」

 

「どうしたの?」

 

『ありがとね。私みんながいたから歌えてた。それでいいと思ってた。でもそれじゃダメなんだよね。誰かを支えたり力になるためにはちぃちゃんが頑張ったみたいに一人でやり遂げなきゃいけないんだよね』

 

「うん。それに一人じゃない」

 

『えっ?』

 

「いるはずだよ。あの頃のかのんちゃんが……歌を全世界に響かせようとしていたかのんちゃんが」

 

『私が?』

 

電話を切り、暫くしてからかのんちゃんがステージに上がり、一人で歌を歌った。やっと乗り越えたんだね…………かのんちゃん

 

歌い終わり、感動したちーちゃんが飛び出し、かのんちゃんに抱きつくのであった。本当に……良かったね

 

 

 

さて後は私が頑張る番だね…………

かのんちゃんたちより私の方が先に予選に出るからね…………

 

 

 

 

 

 

 

かのんside

 

帰り道、可可ちゃんと楽しそうに話している紗桜莉ちゃんを見つめていた。

紗桜莉ちゃんは一人で歌い続けようとしているけど…………一度だけ、一度だけ一緒に歌いたい。みんなと一緒に…………

 




アルセウス終わったので、ここしばらくずっとガンヴォルトやってて更新が遅れました……
次回はオリストです
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